2023年2月12日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2023 act.1』にて、シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55.0kg契約)王者・植山征紀(龍生塾ファントム道場)に挑戦する同級1位・山田虎矢太(シーザージム)のインタビューが、主催者を通じて届いた。
山田ツインズの弟・虎矢太は前戦となった昨年12月の『RISE WORLD SERIES / SHOOTBOXING-KINGS 2022』では、RISEのスター候補選手・有井渚海と対戦すると下馬評を覆して2R KO勝ちを収め、大会一ともいえる強烈なインパクトを残した。現在、9戦9勝と無敗街道を驀進中。兄の彪太朗も昨年11月にフェザー級次期挑戦者決定トーナメントを制覇してタイトル挑戦権を獲得しており、弟が先にベルト獲得なるか。
結果的に兄よりも先にベルトを獲ることになる
――遂にタイトルマッチが決まりました。
「小学3年生からSBを習い始めて、プロの試合をよく会場で観ていました。プロの舞台で輝いている選手たちはカッコいいなと思っていて、その中でもSBのタイトルを持っている選手は当時の僕にとって凄く輝いていた存在で、いつか自分もああなりたいと思って頑張ってきました。ここで20歳という区切りのいい年で念願のタイトルマッチに挑戦できるのは本当に嬉しいです」
――兄の彪太朗選手は弟が先にタイトル挑戦することに関して何か言われてましたか?
「兄は昨年11月のフェザー級次期挑戦者決定トーナメントで優勝して川上叶選手のベルトに挑戦する権利はあるので二人で一緒にタイトルに挑戦するのがベストではあったのですが、前回12月の門口佳佑戦で多少のダメージがあったことで今回出場がなくなりました。『先に虎矢太にチャンピオンになられるのは悔しい』と言ってますが、今回もできる限りの最大限のサポートをしてくれてますし、『すぐに僕もそこに行くからチャンピオンになって待っててくれ』とは言っています」
――山田ツインズのYouTubeチャンネルでは兄弟仲の良さがあふれ出てますが、ぶっちゃけ兄よりも先にタイトルを先に獲って見返してやろうという想いはなかったですか?
「兄は15戦のキャリアがあって僕よりも試合数をこなしていますし、自分よりも厳しい試練を乗り越えている印象があったので、兄よりも先にチャンピオンになりたいというのは特にありませんでした。兄が先にタイトルマッチをやって次に自分の番かなと思っていたのですが、運よく僕はランキング1位になれてタイトルマッチが決まりました。決まったからにはもちろん獲る気満々ですし、結果的に兄よりも先にベルトを獲ることになります」
――今回10戦目でタイトルマッチというのはご自身にとってはベストタイミングでした?
「前回12月の有井渚海戦では2RKOといい勝ち方ができましたし、試合間隔は短いのですが、前回のいい勝ち方の感触が残ったまま次の試合に挑めるのでベストタイミングかなと思います」
――その有井戦での下馬評は相手が有利な状況でしたが、どういう作戦だったのでしょう。
「カウンターの右ストレートは練習の段階からトレーナーのダムさん、彪太朗から『これが入るんじゃない?』と言われて何度も練習していた技でスパーリングでも試していた技の1つでした。ああいう形で綺麗にその策にはまったのは自分としても嬉しかったですし、練習通りの動きを試合でもできたことで自信にもつながりました。練習は嘘を付かないなと。練習してきたことは自然に身体が反応してくれるということが分かったので、今回もしっかりと練習で細かく作戦を重ねて挑みたいと思います」
――今回の相手、植山選手に対してはどのような印象がありますか?
「僕がプロデビューする前から笠原友希先輩に勝ってチャンピオンになって今もチャンピオンとしてい続けている強い選手ですし、ここ最近は戦っている相手も他団体のチャンピオンクラスとしかやっていないので凄くリスペクトしています。そういった強いチャンピオンに挑戦できることも嬉しいです」
――弱点は見えてますか?
「以前の植山選手は打たれたら倒れる印象があったのですが、ここ最近の試合で大崎孔稀選手、志朗選手、鈴木真彦選手とやってパンチをもらってもダウンシーンが見られなくなったので、植山選手自身もディフェンスを強化しているんでしょうし、SB王者としてのプライドがすぐに倒れないような強さにもつながっているのかなと。自分のパンチの破壊力には自信がありますが、植山選手は今までのように簡単に倒れるというイメージでいくと危険かなと思っています。作戦もずっと練っていて、今回初めての5R制になりますが、練習では5R仕様でやっていて勝つイメージはできています」
――5R制に関して、不安要素は特にないと?
「実際に戦っていくと3R制との違いを感じると思います。5Rまでいかずに早めの段階で終わらせることも考えてますが、5Rに行ったときにどういう世界になるのか不安な面もあります。そこに関してはこれからの練習でも自信に変えていけたらいいなと思います」――笠原友希選手はプロデビューから10連勝している中で、植山選手とタイトルマッチで対戦し3RTKO負けと初の土を付けた相手でもあります。笠原選手からは何かアドバイスはありました?
「今回のカードが決まってすぐに友希君の方から『こういうところが強かった、うまかった』と気を付けるべきポイントのアドバイスをいただいたのでそこをしっかり頭に入れて練習しています」
――一度対戦している選手からのアドバイスというのは違いますか?
「全然違います。映像だけを見てもどういう攻撃が嫌だったのかとか、実際に戦ってみないと分からないことはたくさんあるので、そういうとところを実際に戦っている選手からいただけるアドバイスは凄く貴重だと思います」
――ベルトを獲った後、見据えている目標はありますか?
「他団体でも55kgの階級は凄く盛り上がっている階級なので、ベルトを獲ったらSBのチャンピオンとして乗り込んでいき、どんどんかき回してやろうとかなと思います。あと、55kgでチャンピオンになり何戦かして55kg最強を証明したら、上の階級の57.5kgにも階級を上げます。兄のいる階級でもありますが、二階級制覇も狙っていきたいと思います」
――もし彪太朗選手がチャンピオンだったら兄弟対決の可能性もあると?
「そうですね。正直なところ、兄弟対決になれば複雑な気持ちなのでやりづらさしかないのですが、自分が王者になるには兄弟対決は避けられないのであればやるしかないですね。兄には宍戸大樹先生が保持していた東洋太平洋の王座を作ってもらえるような実力を付けてもらって、二人で57.5kgも盛り上げていけたらと思います」
――以前イベントでエキシビションマッチで兄弟対決してどちらかが腕を脱臼したり、公開練習では鼻血を出していましたよね。普段からバチバチやり合っているので試合も問題なさそうですね。
「どちらも被害者は彪太朗なんですけどね(笑)。双子だとどうしてもスパーだと熱くなってしまいます」
【写真】9勝のうち6KOの山田。現KNOCK OUT王者の心直もマットに沈めている――会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。
「自分はずっと目指してきた念願のタイトルマッチになります。ただ挑戦して終わるのではなく、しっかりと強さを見せ付けて強いチャンピオンを倒して勝つところをぜひ皆さんに楽しみにしてくれたら嬉しいですし、チャンピオンになって山田虎矢太を応援して良かったと後悔させないような選手になれるように頑張りますので、2月12日は山田虎矢太のタイトルマッチを大注目してもらえたら嬉しいです」
――チャンピオンとして山田ツインズチャンネルの登録者数も一気に伸ばしたいところですね。
「そうですね……まだ600人も超えてなくて伸びが悪いので、これからYouTubeにも力を入れていって山田ツインズをたくさんの人に知ってもらえるように頑張ります」
――今後何か考えている企画はありますか?
「自分は食べるのが大好きなのでチャンピオンベルトを持ったまま食べ歩きをしたり、笠原兄弟もYouTubeをやっているので格闘技では勝てないのですが大食いバトルで勝負したいと思っています」
――個人的には笠原弘希選手にドッキリ企画を楽しみにしています(笑)。
「いや~普通にやってしまうと自分の寿命が縮まることになると思うので、慎重に企画してやらないといけないですね(笑)」