2019年7月21日(日)エディオンアリーナ大阪・第1競技場『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』にて、世界トーナメント準決勝戦に臨むRISE&ISKA世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)が、9日(火)千葉のTEPPEN GYMにて公開練習を行った。
3月に行われた1回戦ではフェデリコ・ローマ(アルゼンチン)を、片手で倒立しながら蹴るハイキック=天心キックで衝撃KOに下した那須川。今回は2018年2月に『KNOCK OUT』で対戦したルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ/PKセンチャイムエタイジム)と再戦する(前回は5R戦って那須川が判定勝ち)。
同大会に出場する第5代RISEライト級王者・白鳥大珠(TEAM TEPPEN)とのパンチだけのマススパー、その後にミット打ちを披露した那須川。vsスアキム用に以前から練習していたオーバーハンドのフック、つなぎの速いコンビネーション、スーパーマンパンチや飛びヒザ蹴りなど様々な技を繰り出した。
その後、スアキムについて「1回やっているので特にこれといった印象はないです。でもスタイルは以前と変わっていると思う。戦い方に迷いが見えている部分があるのでそこは狙い目かと思います」と、すでにスアキムの弱点は把握している様子。
「スタイルを変えようとしすぎているかなと思います。攻めないといけないというのがあって、ちょっと粗くなっていますね。お客さんから見れば面白いスタイルになっていますが、戦う自分から見れば戦いやすいかなと思っています」と、以前よりアグレッシブになった分、戦いやすくなったという。
「でもパンチ力、パンチの精度はだいぶ上がっていると思うので、そこは気を付けないといけない。前に戦った時も、パンチをもらったら危ないと思ったんですよね」とパンチの進化には警戒するが「もらわなければ大丈夫です」とディフェンスに絶対の自信。
「スタイルがRISE向けになっている感じもします。タイの試合も見たんですがアグレッシブになっていました。そっちの方が人気が出るからじゃないですかね。パンチが当たるようになってくるとパンチばかりになってくる傾向があるんですよ。
今は(選手全体が)パンチが7~8割になっています。だから蹴りがカットできないのでカーフキック(ふくらはぎを蹴るローキック)が流行っているのだと思う。先回りして今はパンチの選手が多いから、蹴りを練習しようと言う作戦はないと思う。だから自分が頭を使って先回りしていこうと思います。ボクシングキックではなくキックボクシングなので、バンバン蹴っていきたい」と、今の主流の戦い方よりも先を行こうと考えている。
オーバーハンドについては「威力はありますが、リスクもある技。どうすればリスクが減るか考えています。当たれば倒れると思うので失神させたいですね。難しいとは思いますが、それくらい圧倒的な差をつけて勝ちたい。苦戦ではなく、自分だけが一方的に当てて圧倒したい。そういう思いがあります」と、前回のような接戦ではなく完全決着をつけたいとする。
最初のスアキム戦後は「こんなに身体が痛いのは初めて」「試合中に初めて怖いと思った」とその強さを語っていた那須川だが、「それは最初に感じたことで、今はもっと感じていますからね。ロッタンやメイウェザーら凄い選手と戦っているし、もっとレベルが上がっているので。以前はヤバかったと思いましたが、もちろんスアキムも強かったけれど、今から振り返ればそうでもなかったと思う」と、以前とは経験が違うとした。
前戦は亀田興毅とのAbemaボクシングルールでの対戦。そのため「ちょっと前傾姿勢になりすぎていたので、そこはボクシングジムで練習しながらも蹴りのフェイントを出したり、ちゃんと蹴れないといけないと意識してやっていたので問題ありません。スアキム戦へ向けて切り替えはできています」と問題なし。
3月からほぼ月イチペースでの試合となるが、「もうそういうのが当たり前になっています。不安も何もなく、変に楽観的というか。何にでもなれると思っているし、世界を変えられると思っています。まだ20歳なので、今しかこういうことはできないと思いますし、格闘技を広めるため、自分のためにでもありますし、どんどんやることで話題が尽きないじゃないですか。半年に一度とかだとその時だけの話題になってしまう。だからバズらせるというか。自分も毎日楽しいのです」と、全く疲れを感じさせなかった。
亀田戦を生放送したAbemaTVの総視聴者数は1000万を超え、2019年放送番組の中で1位となる最高記録を更新した。
「最高記録を出して自分を知ってくれた人も多かったと思います。今回は本当に自分の全てが懸かった試合なので、本来の姿を見てもらいたい。自分に興味を持って会場にまで来てくれたらもっと嬉しい。自分の試合だけじゃなくRISEという興行を楽しみにして欲しい」と、今回の試合こそ見て欲しいとメッセージを送った。