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【UFC】3連勝の平良達郎と、TKO勝ちの中村倫也が5万ドルボーナスを獲得! 平良「ランカーを倒していく」×中村「修羅の道が続く」

2023/02/06 12:02
 2023年2月4日(日本時間5日)、米国ネヴァダ州ラスベガスUFC APEXにて『UFC Fight Night: Lewis vs. Spivac』が開催された。 『ROAD TO UFC』決勝戦も行われた同大会には4人の日本人選手が出場。うち2選手が5万ドル(約660万円)の「パフォーマンスボーナス」を獲得した。  受賞した1人は、UFCフライ級で3連勝、2試合連続の一本勝ちを決めた平良達郎(Theパラエストラ沖縄)。UFCデビューのヘスス・アギラー(メキシコ)を相手に、1R 4分20秒 、三角に固めての腕十字=トライアングルアームバーを極めて、タップを奪った。  本戦のプレリミナリー第1試合に登場し、23歳でプロMMA13勝無敗をマークした平良は、2022年2月にUFCとの契約を結ぶと、5月にカルロス・カンデラリオに判定勝ち。10月にCJ・ヴェルガラに腕十字で一本勝ちとオクタゴンで2連勝を飾っていた。  平良が戦うアギラーは、コンテンダーシリーズ上がりでUFCデビュー戦。8勝中6つの一本勝ちを誇り、うち5勝をギロチンチョークで極めるという“ギロチン王”。  試合前に平良は、「対戦相手はUFCのデビュー戦なので、甘い世界じゃないっていうのを逆に僕が教える立場だと思ってます。今年はベルトに絡めるような選手に成長します。日本を背負って、思いっきり戦ってきます」と、完勝してフライ級で上位に立つとコメントしていた。  試合は1R、ともにオーソドックス構え。アギラーはいきなり右カーフキックをヒット! バランスを崩した平良に左ミドルも、そこに平良はシングルレッグテイクダウンへ。そのテイクダウンに得意のギロチンチョークを仕掛けたアギラー。  しかし、ギロチンの対策を十分にしていた平良は、相手にクローズドガードにはいれさせず。すかさず左足を対角に逃がして凌ぐと、右手でアギラーのヒジを上に押し、左で相手の首を枕に巻き、左肩で圧力をかけて首を抜き、パスガード。  ハイマウントから三角絞めへ。右手は掴まれたアギラーだが、辛うじて左手を三角の中に入れてスペースを作ると、平良は足を三角に組んだまま右腕を腕十字に極めてタップを奪った。  戦績を13勝無敗とした平良は、しかし、一本勝ちの瞬間に笑顔は無し。カーフを当てられて相手の得意の展開になったことに納得していないか、松根良太代表とハグをかわすとようやく安堵の表情を浮かべた。  セコンドの岡田遼とアギラーのギロチンについて「苦しいときもありました。抱える力が強かったです」と言葉をかわしている。  試合後のケージの中でのマイケル・ビスピンのインタビューでは、「ギロチンで抱えられてびっくりしちゃいまいした。僕が上を取って極められない選手はいません。もっと上に行きます! 押忍。アイラブユー、サンキュー! ありがとうございます。日本の皆さん、勝てました」と上位陣に宣戦布告。  放送席に戻ったビスピンは「技術的に完璧な選手。相手のギロチンにまったく慌てていなかった。彼にセットされたら、もうタップするしかない」と絶賛した。  バックステージで平良は「ギロチン(チョーク)が得意と聞いていたので警戒していました。最初に体勢を取られて面食らったんですが、冷静に対応できました。試合を重ねるごとに自分とも会話でき、セコンドの声も明確に聞こえていました。ランキング入りには興味がないですが、早くランカーと試合をしたいです。ランカー相手に勝てる気もします。目指しているのはベルトの獲得。年内に3戦3勝し、来年にはタイトル戦を目指したいと思っています」とコメント。  また、宿泊施設に戻った後で、岡田に「タップしないので折るしかないかなと思いました」とも語っている。  試合後、平良は5万ドルのパフォーマンスボーナスを獲得。「今年はランカーをばしばしブッ倒していくので」という通り、フライ級ランカーとの対戦も視野に入ってくるだろう。「年内に3戦3勝したい」という平良は頂点を見据えている。 [nextpage] 中村「このトーナメント、ほんとしんどかった」 ▼RTU決勝:バンタム級 5分3R〇中村倫也(日本)7勝0敗(UFC1勝0敗)135lbs/61.24kg[1R 0分33秒 TKO] ※左フック→パウンド×風間敏臣(日本)10勝3敗(UFC0勝1敗)136lbs/61.69kg※中村が優勝、UFCと契約 『ROAD TO UFC(RTU)』の決勝戦では、2022年6月から行われているフライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級の各階級のトーナメント戦を勝ち上がったファイナリストたちによるUFC契約をかけた試合が行われた。  注目は、日本人選手同士の対決となったバンタム級決勝戦。  一人は、柔術からMMAに転向し、PANCRASEを主戦場に第27回ネオブラッド・トーナメント優勝およびMVPを獲得した“殺しのプリンス”こと風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)。RTUでは1回戦で中国のマイマイチツォヘチに判定勝ちし、準決勝ではキム・ミンウの体重超過により不戦勝で決勝に進出した。  もう一人は、レスリングU-23世界選手権フリースタイル61kg級優勝から、MMA転向後はプロ5戦中4試合を2Rまでにフィニッシュしている中村倫也(フリー)。1回戦でインドネシアのググン・グスマンにアメリカーナで一本勝ちし、準決勝では野瀬翔平にTKO勝ちを収めて決勝戦に勝ち上がっている。  もともと両者は準決勝で対戦予定だったが、なぜか組み合わせがシャッフル。それそぞれが準決勝を勝ち上がり、ソウルからラスベガスに変更された今大会で決勝での対戦となった。  HEARTSでの練習、さらに柔術家・北出拓也の指導を受けて、「俺の人生をかけて彼の人生を奪う覚悟ができた。2月風間敏臣がフィニッシュしてUFCというスタートラインに立つ、必ず」「圧倒・仕留める」とフィニッシュを狙う風間。  フリーとなり、埼玉での練習に加え、東京に通いイエローマンズCUTEやKRAZYBEEでスパーリング。さらに今成柔術で風間対策も練り、「あんな格闘家になりたい。と思い描いていた姿に心身共に大きく近づく一年になりました。去年を超えて、今の自分は1年前と比べものにならないぐらい視野が広く、思考は深く、直感は鋭いです。いつも支えてくださる皆様ありがとうございます。今年から来る大波を乗りこなす準備がじっくりできたので、皆さん楽しみにしててください」と自信を見せる中村。“修羅の国”UFCの狭き門をくぐるのは、風間か中村か。  1R、勢いよく中央に飛び出た風間は間合いを詰めて左フックをヒット! しかし、中村はサウスポー構えから左ハイを連打し押し返すと、打ち合いを望む風間に右フックをヒット!   ダウンした風間はすぐに立ち上がるが、詰める中村は風間の左右をかわして左ストレートを当て、さらに左フック! 大の字にダウンした風間に、左の鉄槌1発を落として、試合を決めた。  試合後、手を合わせていた中村は、UFC入りを決めたインタビューで、「(英語で)最初に家族、コーナーマン、コーチにありがとうと言いたいです。応援してくれたみんなにも。トーナメントを通じてLDHマーシャルアーツ、イリディウムスポーツエージェンシー、みんなに感謝しています。 (フィニッシュについて)自分に深く入り込んでいたので覚えていないです。(リプレイを見て)クレイジーでした(笑)。このケージで戦うことを長い間、15年間夢見てきました。凄く重要なことです。日本を代表し、日本がどれだけ素晴らしいか。僕のチームがどれだけ素晴らしいのか。どれだけ僕が優れているのか、イリー・プロハースカや日本の他の選手とともに実力を示していきたいです」と語った。  またバックステージでは「このトーナメント、ほんとしんどかった」と吐露。「でもみんなが信じてくれたんで、僕が自分自身を信じることができました。その結果です。ありがとうございました。これからまだまだ修羅の道が続くので、みんなのサポート無しでは頂点に上がれないので、これからも応援よろしくお願いします」と語っている。  一本勝ちでオクタゴン3連勝を飾った平良に続き、この中村も5万ドル(約660万円)のパフォーマンスボーナスを獲得。  この日、ウェルター級で1R TKO負けした木下憂朔はUFCデビュー戦を飾れず、中村との日本人対決で敗れた風間はUFCとの即時契約とはならなかった。  勝利し、ボーナスを獲得した中村も本戦はこれから。そして平良は本格的にフライ級ランカーとの対決に挑むことになる。道のりは険しいが、世界の頂きは見えている。最高峰へと向かう2人のサムライに注目だ。
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