ジャパンキックボクシング協会「CHALLENGER 7」2023年1月29日(日)東京・後楽園ホール
▼第10試合 メインイベント 日泰国際戦 70kg契約 3分5R〇モトヤスック(WMOインターナショナル スーパーウェルター級王者/治政館)判定3-0 ※50-44×2、49-44×ネートパヤック・ピークマイレストラン(タイ/元泰国プロムエタイ協会スーパーライト級王者、ジットムアンノンスタジアム認定スーパーライト級7位)
モトヤスックは2020年1月大会で同門の政斗と初代王座決定戦を争いジャパンキック認定ウェルター級王座に就いた。王者としての第一戦となった8月大会ではジャクチャイに判定負けを喫したが、2021年5月大会では元ルンピニージャパン・ウェルター級王者の喜入衆を1Rに左フックで失神KO。しかし、8月には国内70kg級トップクラスの緑川創に挑むも判定負け、10月は滝口幸成にTKO負けと連敗。2022年は1月に井原浩之に判定勝ちも5月には北野克樹にダウンを奪われての判定負け。7月に小原俊之に判定勝ちして再起を果たすと、9月のWMOインターナショナル・スーパーウェルター級王座決定戦でダーンチョンに2RでKO勝ち、11月にはシュートンに判定勝ちと3連勝中。戦績は14勝(9KO)5敗1分。
1R、まずはローの蹴り合い。圧をかけて前へ来るモトヤスックにネートパヤックは下がりながらも右ローを蹴る。いきなり飛び込んでのワンツーを打ったモトヤスックに、ネートパヤックは怒りのヒジを振り下ろすがこれは空振り。右ミドルも蹴り合う。
2R、右ハイを蹴ったネートパヤックにモトヤスックは左右フックの強打。モトヤスックの右ローにはネートパヤックが左ミドルを合わせる。モトヤスックに右ローを蹴られ、サウスポーにスイッチするネートパヤック。気合いの声を発しながらパンチを繰り出すネートパヤックだが、モトヤスックは空振りさせる。モトヤスックは右ボディから左フック。ネートパヤックは左フックをもらうとキレたかのように左右フックを振り回して突進。モトヤスックは落ち着いてその突進をかわした。
3R、右ミドルを連打して前へ出るネートパヤックにモトヤスックは右ローで対抗。ネートパヤックはモトヤスックのミドルをキャッチしてボディへストレートを繰り出す。モトヤスックが左ミドルを蹴ると「もっと蹴ってこい」と挑発するネートパヤック。強い右ミドルを蹴ったモトヤスックにネートパヤックも左ミドルを蹴るが、すぐに右ローをリターンされる。最後にはモトヤスックが左右フックからの左ボディを決めた。
4R、モトヤスックがジャブと右ロー。右ローで足が流れるネートパヤックにモトヤスックは左右ボディ。ネートパヤックが“もっと打って来い”と挑発すると右フックを打つ。パンチで追い回すモトヤスックがついに右ローでダウンを奪う。勝負を諦めないネートパヤックは右フックでモトヤスックを吹っ飛ばすが、モトヤスックは容赦ない右ロー。
5R、モトヤスックの右ミドルからの右ローに棒立ちとなるネートパヤック。モトヤスックの強烈なフックをもらっても堪えるネートパヤックだが、右ローで再びダウン。右ローを前蹴りで防ぐネートパヤック。最後まで勝負を諦めないようだ。パンチで前へ出るネートパヤックにモトヤスックが右ローを見舞い、試合終了。
タフなネートパヤックにKOは逃したが、モトヤスックが2度のダウンを奪う圧勝で2023年初戦を勝利で飾った。
[nextpage]
▼第9試合 メインイベント ジャパンキック ウェルター級王座決定戦 3分5R〇ダイチ(ジャパンキック ウェルター級2位/誠真ジム)KO 1R 2分53秒 ※右ストレート×正哉(同級3位/誠真ジム)※ダイチが新王座に就く。
ジャパンキックのウェルター級王座決定戦は同門対決で行われることに。両者は9月大会で行われたトーナメント1回戦を勝ち上がっての対戦となる。
ダイチはジャブと左ミドルを主体とした粘り強いファイトが身上、正哉も同門だけあってジャブ&左ミドルで、前手のパンチを多用。正哉の方がよりステップを使って回り込むタイプ。
1R、両者慎重な出足だったが、正哉が左フックからの右ストレートをヒットさせて一気に前へ出る。ここは下がって回復を待ったダイチが、1R残り10秒、飛び込むような右ストレートを豪快にヒットさせてダウンを奪う。
吹っ飛んだ正哉は立ち上がろうとするも身体が言うことをきかず、ダイチの初回KO勝ちとなった。
ダイチはマイクを持つと「ここに来るまでに10年かかりました。何回も辞めようと思いましたし、一度引退もしましたけれど諦めきれずにようやくつかむことが出来ました。ありがとうございます。会長、10年ありがとうございます」と言うと、たくさんの人たちへお礼の言葉。
「正哉は絶対に王者になる男なのでみなさん覚えてください」と、同門の正哉についても話すと、「あと子供4人面倒見ながら支えてくれてます。ありがとう」と妻へのお礼を言って一緒に記念撮影に収まった。ダイチは大会MVPの『武田幸三賞』にも輝いた。
[nextpage]
▼第8試合 セミファイナル 日泰国際戦 45.5kg契約 3分3R〇藤原乃愛(ミネルヴァ ピン級王者/ROCK ON)判定3-0 ※30-29、30-28、29-28×ペットルークオン・サーリージム(タイ国イサーン地方女子45kg級王者、パタヤ・テーパシットスタジアム女子47kg級王者/タイ)
藤原は3歳で父親の空手道場で空手を始め、小学5年生で伊藤紗弥に憧れてキックボクシングに転向。アマチュアで50戦以上を経験し、アマチュアKNOCK OUT 45kgリーグ戦で優勝。2021年5月のジャパンキックでプロデビュー戦を行い、蹴りを主体としたムエタイスタイルで3勝(1KO)2敗の戦績を持つミネルヴァ・ピン級6位の須藤可純に完勝を収めた。
8月大会でも世莉JSKに判定3-0(30-27×3)、11月大会ではミネルヴァアトム級5位のほのかにも判定3-0(30-27×2、30-28)の完勝を収めている。2022年1月は撫子とドローに終わるも3月の再戦では判定3-0(30-26×2、30-27)で圧勝、5月のNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)で王者Ayaka (健心塾)を破り、6戦無敗のままミネルヴァ・ピン級王座に就いた。
7月には初の“ヒジ打ちあり”ルールに挑み、ペッテァーに3RでKO勝ち、9月も元タイ・イサーン地方ピン級王者ヌアファーに3RでTKO勝ち、11月はチョンプーに判定勝ちとタイ人を相手に3連勝。9戦無敗を誇る現役女子高生ファイターだ。
今回の相手ペットルークオンはタイ国イサーン地方女子45kg級王者、パタヤ・テーパシットスタジアム女子47kg級王者の肩書きを持つ。2022年10月のRISEに初来日、ヒジ無しルールで宮崎小雪に判定負け。11月にも来日し、狂猫yokkoと今回より2.5kg重い48kg契約で引き分けている。藤原が10戦無敗を達成するか。
1R、藤原が入ろうとしたところへ左フックを合わせるペットルークオン。藤原は前足を上げてフェイントから前蹴り、左ミドル。藤原は接近するとペットルークオンのパンチをもらうが、離れると蹴りを当てていき左ハイを軽くヒット。ペットルークオンの右ストレートには左ミドルを合わせる。右前蹴りから左ミドルを連打した藤原、右顔面前蹴りも叩き込んだ。
2R、蹴り合いは激しさを増す。ペットルークオンは左ミドルからの右ストレート、藤原は右顔面前蹴りで対抗。左の顔面前蹴りもヒットさせ、さらにもう一度右顔面前蹴り。藤原のジャブが何度もペットルークオンを仰け反らせ、続く顔面前蹴りに下がるペットルークオン。右ストレートを伸ばすも藤原の蹴りの距離で届かない。
3R、ペットルークオンが前に出るところへ顔面前蹴りを合わせる藤原。ワンツーも入る。ペットルークオンの右ミドルをキャッチしてコカすと、藤原が前へ出てボディを蹴っていく。左ヒジを見舞う藤原だが、ペットルークオンは首相撲からヒザ。コーナーへ詰めてワンツーを打つ藤原。最後は左ミドルを蹴った藤原をペットルークオンが首相撲に捕まえて試合終了。
藤原が顔面前蹴りを何度も炸裂させ、ワンツーもヒットさせての判定勝ち。本人が宣言していた圧勝とまではいかなかったが、難敵をしっかりクリアーしてみせた。
[nextpage]
▼第7試合 ジャパンキックvs NJKF交流戦 61.5kg契約 3分3R〇内田雅之(ジャパンキック ライト級2位・元新日本フェザー級王者/KICKBOX)判定2-0 ※30-28、29-29、30-29×岩橋伸太郎(元NJKFライト級王者/エスジム)
内田はこれが60戦目となる大ベテラン。岩橋は元NJKFライト級王者で、現在同級1位。
1R、前に出る岩橋に対して内田は下がりながら右ローをどんどん蹴っていく。内田はジャブを伸ばしての右ストレート、右ローと長い距離の攻撃を当てる。岩橋は右アッパーを突き上げ、右ローと左ボディ。
2R、互いに蹴り足をキャッチして投げるようにコカし合う。岩橋のガードは固く、内田がパンチを出すとすぐにガードを固める。左ミドルと右ローを蹴る岩橋に内田はスピニングエルボーを狙うが、ヒットはならず。
3R、内田が序盤は右ローを狙い撃ちにし、スピニングエルボーを狙いつつ右ボディを打つ。岩橋も攻撃を出すが単発で、内田が攻めに転じると防御に徹する。内田が攻めの姿勢を最後まで見せ、判定2-0で60戦目を勝利で飾った。
[nextpage]
▼第6試合 フェザー級 3分3R〇義由亜JSK(ジャパンキック バンタム級2位/治政館)判定3-0 ※30-28×2、30-27×HAYATO(CRAZY WOLF)
1R、右ストレートを狙っていくHAYATOに義由亜は首相撲からのヒザ蹴り、さらに回してコカす。両者とも手数は少な目で様子見のラウンドに。
2Rは義由亜が前に出て右ストレートからヒジ。HAYATOは右ローを狙い撃ちにする。義由亜は首相撲からのヒザ。首相撲になると一方的な展開で義由亜はヒジも打つ。これでHAYATOは消耗したか、義由亜のワンツーで腰が深く落ちた。
2R、右ストレートで前へ出るHAYATOを義由亜はすぐに首相撲に捕まえ、ヒザを蹴ってコカす。ヒジも打つ義由亜。離れると右ストレート。右ローを蹴るHAYATOだが消耗は隠せず、前へ出るも義由亜の首相撲に捕まって試合を終えた。
義由亜が判定3-0で勝利した。
[nextpage]
▼第5試合 ライト級 3分3R×興之介(ジャパンキック ライト級3位/治政館)TKO 3R 1分38秒 ※レフェリーストップ〇村田将一(誠真ジム)
1R、開始と同時に村田がダッシュしての奇襲攻撃に場内が沸く。村田がノーガードになって挑発すると興之介もノーガードに。その途端、村田は思い切りフックを叩きつける。村田のフックを警戒してか手が出ない興之介だったが、終盤は両者フックを出し合って互いに空振り。
2R、両者あまり手が出ない中、右の強打を叩きつけるのは村田。右ハイキックを村田が放つと、ワンテンポ遅れて興之介はダウン。一気に左右フックで襲い掛かる村田が左フックでダウンを追加した。
3R、村田は右カーフもフルパワーで蹴る。打ち合いになると右フックをクリーンヒットさせてダウンを奪ったのは村田。興之介は立ち上がるも足元がふらつき、レフェリーがここでストップ。村田のTKO勝ちとなった。
村田はマイクを持つと「ジャパンキックを荒らしに来ました。一発目でランカーを倒したので王者とやらせてください」とアピールした。
[nextpage]
▼第4試合 ジャパンキックvs INNOVATION交流戦 55kg契約 3分3R×樹(ジャパンキック バンタム級4位/治政館)判定0-3 ※28-29、28-30×2〇前田大尊(INNOVATION/マイウェイジム)
1R、両者ジャブ&ロー、前蹴りで序盤は様子見。前田は樹の蹴り足をキャッチして豪快にコカす。組み合うとヒザを蹴り合い、今度は樹が浴びせ倒した。前蹴りから圧力をかけていくのは前田。蹴り足をキャッチしてのパンチを上手く使う。
2Rも圧をかけて前へ出るのは前田。蹴り足キャッチからのコカし、右ボディストレート、左ミドルと上手く使う。前田は左前蹴りからの右ストレート、樹は首相撲に持ち込んでのヒジ。前蹴り、インローと蹴りを多用する前田に樹は攻めあぐねている様子。
3R、樹の左ミドルに全て左ローを蹴り返す前田。樹がここで前へ出てパンチを繰り出していくが、前田は前蹴りを多用。前田はミドルをキャッチするとヒザからヒジ、のコンビネーション。樹のパンチには前蹴りで突き放す。前田が左ミドルと前蹴り、最後は飛び込んでパンチを打ち合って試合終了。
テクニックで魅せた前田の判定勝ちとなった。
[nextpage]
▼第3試合 ジャパンキックvs NKB交流戦 フライ級 3分3R〇西原茉生(ジャパンキック フライ級2位/治政館)判定3-0 ※29-28×2、30-29×滑飛レオン(NKB/テツジム滑飛一家)
1R、サウスポーの西原に滑飛は右ストレート、右ミドルをしっかりヒットさせていく。西原は右インローを蹴るが手数が少ない。
2Rは西原が左ミドルの数を増やし、左ミドルハイも蹴る。滑飛は右ミドルを蹴り返すが、西原に左ミドルを蹴り返される。西原の左ミドルが目立った。
3Rも西原の左ミドルが走る。滑飛は蹴られると右インロー、右ミドルを蹴り返す。ワンツーで切り込むのは滑飛。ジャブでけん制する西原は滑飛が入ってくるところに右フックを合わせる。最後の30秒は打ち合いとなり、互いに相手のパンチを被弾した。
2Rからの左ミドルで試合をリードした西原が判定3-0で勝利した。
[nextpage]
▼第2試合 ジャパンキック フェザー級 3分3R×隼也JSK(治政館)TKO 3R 1分01秒 ※右ヒジによるカット〇勇(Formed)
1R、サウスポーの隼也は左ミドル、勇は右インローで対抗。右縦ヒジで距離を詰めた勇が右ショートでダウンを奪う。勇が立ち上がると両者打ち合いに。
2R、隼也は左ミドルを蹴りながら、勇が入ってくると右フックを合わせに行く。勇は右ミドルと前蹴りで慎重にボディを攻めていった。
3R、距離を詰めた勇が右ヒジでカットを奪う。隼也は右目の下から流血。ドクターチェックでストップがかかり、勇のTKO勝ちとなった。
[nextpage]
▼第1試合 ジャパンキック バンタム級 3分3R×小野拳大(KICK BOX)判定0-3 ※27-30×3〇紫希士(Formed)
1Rから紫希士が右ストレート、右ヒジを的確に当て続けて判定勝ち。