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レポート

【GLORY】ヴィダレスが地元メキシコで勝利、アパリシオが豪快KO、ランカー2人が敗れる波乱、小林愛三に勝利したコムがアルゼンチンのコスナルドに敗れる

2023/01/29 11:01
GLORY RIVALS 52023年1月29日(日)メキシコ・ザムナ・リゾート※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント フェザー級 3分3R〇エイブラハム・ヴィダレス(メキシコ/同級3位)判定3-0 ※29-28×3×トマス・アギーレ(アルゼンチン)  メインイベントでは、メキシコ出身のエイブラハム・ヴィダレス(15勝 12KO 2敗)が、アルゼンチン出身で22回のフィニッシュを誇る危険なトマス・アギーレ(27勝 22KO 3敗)と対戦する。  ヴィダレスは10月の『GLORY COLLISION 4』で王者ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)に挑戦、判定5-0で敗れGLORY世界フェザー級王座奪取はならなかった。  地元での再起戦で対戦するアギーレは26勝3敗の戦績のうち22勝がKOという倒し屋の23歳。南米のWGPを主戦場にしており、GLORYには今回が初参戦となる。ガードをガッチリと固めて前へ出て、左右フック&ローキックでダメージを与えていくタイプ。その一方でボディは強くなさそうだ。  1R、ヴィダレスは広いスタンスから伸びるジャブ、右ロー。この遠い距離から右ミドル、ワンツーも放っていく。ヴィダレスは右ミドルを連発、アギーレは左右フックを繰り出すが距離が遠く空振り。それでも思い切り振った左フックがヒット。すぐにヴィダレスは右ミドルと右ローで距離をとる。  2R、アギーレは左フックからの左ボディ、すぐにヴィダレスが右ミドルと右ローを返す。この右ローに足が流れるアギーレ。距離を詰めるアギーレにヴィダレスはヒザ、離れると飛びヒザを放つ。アギーレは左インローを蹴って左右フック、バックハンドブロー。ヴィダレスは下がって左右ミドル、そしてワンツーと距離を支配する。アギーレが入ってくればテンカオだ。  3R、左右フックで前に出るアギーレにヴィダレスもワンツーで応戦して右ハイキック。さらに左フック。ミドルからパンチにつなげるヴィダレスにアギーレの右フックがヒットするが、すぐにヴィダレスが距離をとってのミドル。前蹴りとミドルで距離をとり、右ストレートを放つヴィダレスは片手倒立してのハイキックも見せる。アギーレが左フックからバックハンドブローを繰り出すと、ヴィダレスはダウンっぽいスリップ。一気に攻めるアギーレの左右フックに棒立ちとなるヴィダレス。  最後は危ない場面があったものの、ミドルキックで試合を支配したヴィダレスが地元で勝利を飾った。「気分は最高だ。GLORYをメキシコで開催するのは自分の夢だった。最初から最後までプッシュしていくのが戦略だった」とヴィダレスは語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 3分3R×ジョナス・ジュリオ(ブラジル/WGPジュニアミドル級王者)KO 1R 1分05秒 左フック〇ハビエル・アパリシオ(アルゼンチン)  GLORYデビュー戦同士のジョナス・フリオ(21勝 8KO 3敗)とハビエル・アパリシオ(36勝 20KO 2敗)のウェルター級対決。  1R、両者とも長身で長いリーチのパンチを繰り出す。ジュリオは飛びヒザ蹴りを発射するが、左手を引っ掛けてヒザを狙おうとしたところで左フックをアッパー気味にもらってダウン。レフェリーが様子を見てストップをかけ、アパリシオが豪快KO勝ちでGLORY初陣を飾った。  アパリシオは「夢がかなった舞台だった。自分のファンや家族にありがとうを伝えたい」とマイクで話した。 [nextpage] ▼ミドル級 3分3R〇イワン・ガラス(チリ/同級9位)判定3-0 ※29-27×3×ヘナン・アルタミロ(ブラジル/WGP南米同級王者)  チリのGLORYミドル級コンテンダー、イワン・ガラス(58勝 15KO 10敗 1分)が復帰し、ブラジルのKOアーティスト、ヘナン・アルタミロ(61勝 46KO 11敗)を迎え撃つ。この試合は、ガラスが2019年以来のGLORY登場となる。  ガラスは37歳で58勝(15KO)10敗1分の戦績を持つベテラン選手。少年時代はアマチュアボクシングのチリ代表チームに所属、カンフーとアメリカ拳法空手も学んでいたという。2017年12月にGLORY初参戦を果たしてポール・バナシアクに判定勝ちも、2019年2月にジョー・テイラー、同年9月にマット・ベイカーにそれぞれ判定で敗れている。  アルタミロもWGPを主戦場とし、ムエタイスタイルで左右にスイッチしながらミドルキックやヒザ蹴りを蹴るタイプ。  1R、サウスポーのアルタミロは左ミドルを多用、ガラスは両腕ブロックをガッチリと固めて左右フックを返す。左アッパーから左ボディ、そして右ローを蹴るアルタミロ。ガラスは左フックを打つがアルタミロはヒザを突き刺す。ミドルとヒザを上手く使うアルタミロにガラスは右フックの強打。  2R、アルタミロはスイッチしながら左右のミドルを蹴っていき、左右ボディから右フック。ガラスは左ボディ、右ストレートで前へ出る。打ち合いになったところでガラスがアルタミロの左ミドルの直後に右ストレートを打ち抜き、ダウンを奪った。ヒザを蹴るアルタミロを右フックで大きくグラつかせ、さらにバックハンドブローで畳みかけるガラス。反撃するアルタミロにガラスが左フックからの右フックでまたもグラつかせた。  3R、右ローを蹴るアルタミロにガラスが左右フック、アルタミロは右ミドルから右アッパーを突き上げる。そこへガラスが右フック。余裕をもったか、ガラスはカカト落としを繰り出す。ガラスの右フックに大きく仰け反るアルタミロ。左ミドルには右フックを合わせられ、左ローには右ストレートを合わせられてバランスを崩す。ガラスはジャブ、左フックで最後まで優勢に進め、判定勝ちした。  ガラスは「本当にタフな試合だった。勝つことが出来てよかった。皆さんに感謝したい」と話した。 [nextpage] ▼フェザー級 3分3R×デニス・ウォシク(ドイツ/同級5位)判定1-2 ※28-29×2、29-28〇マルコス・リオス(アルゼンチン)  ウォシクは8月にRISEライト級王者・直樹からダウンを奪って勝利し、11月にはモハメド・エル・メスバヒ (モロッコ)にも勝利するなど連勝中(37勝 9KO 8敗)。今回はGLORY新鋭のマルコス・リオス(69勝 41KO 3敗)を相手に3連勝を目指す。  1R、前に出るウォシクはジャブから右ボディストレート、飛びヒザ蹴りとアグレッシブに攻める。リオスは左ミドルで応戦するが、コーナーに詰められて連打をもらう。ウォシクはワンツーを打ち、リオスがガードを固めるとボディへストレートを当てる。  2Rも圧をかけるのはウォシク。リオスはヒザ蹴りと左ミドル。ジャブを当てるウォシクにリオスは右ローを合わせていく。リオスが右ローを蹴りつつ、右アッパーやバックハンドブローを繰り出す。ウォシクは前へ出てパンチを当てていくが、リオスも左フックを返して打たれっぱなしにはならない。それでもコーナーに詰まる場面が多いリオス。  3R、サウスポーに構えるリオスは左ミドルから右ロー、しかしすぐにウォシクの圧にコーナーへ詰まり、左右フックと左ボディ、バックハンドブローをもらう。右ローからスピードのあるパンチのコンビネーションを回転させるウォシクにリオスはヒザとミドルキックで対抗するが、ウォシクの連打に下がる展開。リオスは左ミドル2発から足払いでウォシクをコカす。どんどん前へ出るウォシクがバックハンドブローでリオスを仰け反らせる。リオスの左ミドルには前蹴りで突き放し、パンチをまとめてダメ押ししたウォシク。  判定は2-1と割れ、勝者はリオス。場内には歓声と共にブーイングも飛び交い、騒然とする中、リオスが勝ち名乗りを受けた。 [nextpage] ▼ライト級 3分3R×ブルーノ・ガザニ(ブラジル/同級8位)判定0-3 ※27-30、28-29〇マグネス・アンダーソン(スウェーデン/MX MUAY XTREME、Lion Fight王者)  GLORYライト級トップ10コンテンダーのブルーノ・ガザニ(67勝 33KO 7敗 1分)はスウェーデンのマグナス・アンダーソン(60勝 14KO 46敗)と戦う。ガザニは2018年9月、HEATに来日してアビラル・ヒマラヤン・チーターらを破りトーナメントで優勝している。  1R、長身のアンダーソンは打ち下ろすような右ストレート、ガザニは前へ出て右ボディストレート。アンダーソンは右ミドル、右ストレート、ガザニが入ってくるとヒザ蹴り。ガザニは蹴られても前へ出てボディへ左右のストレートを打ち込んでいく。  2Rも前に出るのはガザニ。アンダーソンは長身を利して首相撲からヒザ蹴りを連打する。ガザニが左右フックから右ロー、アンダーソンはヒザで迎え撃ってのワンツー。右フックと左右ボディ、右ローで攻めまくるガザニにアンダーソンは押されるがヒザで対抗する。  3R、左右フックと左インローで突進するガザニにアンダーソンは左ミドルと組んでのヒザで応戦。ガザニは右ローを的確に当て、左右ボディを叩く。アンダーソンは左ミドルと左右フック。右フックでガザリを崩す。アンダーソンが前へ出てワンツー、右ローでガザリを下がらせる。ガザリは手数がだいぶ減り、アンダーソンが左ミドルで攻めていった。  手数とアグレッシブではガザニが上回ったかに見えたが、アンダーソンの有効打が評価され判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼女子バンタム級 3分3R×テッサ・デ・コム(オランダ)判定0-3 ※27-30、28-29×2〇ジュリアナ・コスナルド(アルゼンチン)  コムは2022年9月にEnfusionストロー級(-52kg)王座に就き、12月の『RIVALS RISE×GLORY』で小林愛三を破った。戦績は14勝1敗1分。今回はアルゼンチンのサウスポー、コスナルド(47勝 10KO 2敗1分)と対戦する。コスナルドはMMAでも3戦無敗。  1R、コムは左回りから右ロー、コスナルドは右ローと組み付いてのヒザ蹴り。軽快なステップを踏むコムはコスナルドの蹴りを空振りさせていく。コスナルドのバックハンドブローにも踏み込んでディフェンス。  2R、コスナルドはコムが前に出てくるところへテンカオや左ストレートを合わせる。コムは出入りをしてワンツーもコスナルドは右ローに狙いを絞って蹴っていく。コムも負けじと右ロー。コスナルドは首ヒザも多用し、首相撲でコムをコカす。  3Rも右ローを蹴り続けるコスナルドにコムは出入りしてのワンツーだが、コスナルドはコムが入ってくると組んで連打を許さない。コスナルドの左ローに足が流れるコムだが、すかさず右ローを返す。コスナルドがバックハンドブローを繰り出すところへコムは前蹴り。残り20秒、コムが左フックをクリーンヒットさせ、パンチをまとめる。疲れが見えるコスナルドは首投げで凌ぐ。  判定は3-0でローキックを効かせ、首相撲で連打を許さなかったコスナルドの勝利となった。
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