2023年1月21日(日本時間22日)ブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナで開催される『UFC 283: Teixeira vs. Hill/Figueiredo vs. Moreno』で、いよいよ“ショーグン”が最後の試合を迎える。
「UFC世界ライトヘビー級王座決定戦」(5分5R)でグローヴァー・テイシェイラ(ブラジル)vs.ジャマール・ヒル(米国)、「UFC世界フライ級王座統一戦」(5分5R)でデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)vs.ブランドン・モレノ(メキシコ)の2大王座戦が行われる同大会。
そのブラジル大会で、マウリシオ・ショーグン・フア(ブラジル)が引退試合に臨む。
PRIDE GP 2005 ミドル級優勝、元UFC世界ライトヘビー級王者のショーグンはメディアデーで、「最後の試合をブラジルでやりたかった。タフになる。どの試合もたくさんの感情、アドレナリン、そしてナーバスになるけど、最後の試合ということで集中し、それを乗り越えなければならない」と語った。
2002年の「メッカ・ヴァーリトゥード7」で1R KO勝ちでプロデビューを果たしたショーグンは、2003年10月、先に日本で活躍していた兄ムリーロ・ニンジャに続いてPRIDEデビュー。小路晃や郷野聡寛ら日本人選手を4試合連続1R KOに下し、「日本人キラー」ぶりを発揮。
2005年の「PRIDE GRANDPRIX 2005 開幕戦のミドル級(-93kg)グランプリ」では、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ、アリスター・オーフレイム、ヒカルド・アローナを下し、優勝を果たしている。PRIDEルールを活かしたフットスタンプは、対戦相手を恐怖に陥らせた。
2007年9月からUFCに参戦し、11勝11敗。2011年11月の『UFC 139: Shogun vs. Henderson』でのダン・ヘンダーソン戦は、UFC試合部門での殿堂入りを果たしている。
20年のキャリアでMMA27勝13敗1分け。41歳になったショーグンは、引退について「本当にやめるつもりだ。引退して1年後に戻ってくる人はたくさんいるけど、僕はそういうのは嫌だ。やめるタイミングを間違えて後悔したくない。だから、これはとても個人的なことなんだ。妻は、結婚したときからずっと僕にやめてほしいと思っていた。
このMMAでの戦いに満足している。UFCロースターの最古の一人であることにUFCに感謝したい。 私はUFCに15年間いたが、このイベントに私ほど長くいる人はいない。これはMMAと私の別れです。私は20年間戦ってきました。この選択は正しいタイミングだと思う」とコメントした。
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ヴァンダレイ・シウバ「なんて美しいキャリアなんだ」
「15年間UFCで戦ってきて、自分の母国でラストマッチを迎えられることが嬉しい」というショーグンが、最後に戦うのは、ウクライナのイーホル・ポティエリア(18勝3敗)。
「WWFC 19」での三角絞めでの一本勝ち後、「ダナ・ホワイト・コンテンダーズシリーズ2021」での1R TKO勝ちでUFC入りを決めた26歳で、2022年7月の『UFC 277』でオクタゴンデビューも、ニコラエ・ネグメレアヌに2R TKO負け。18勝中8つのKO・TKO、6つの一本勝ちをマークしている。
ショーグンは、2010年にリョート・マチダを下し、UFC世界ライトヘビー級王者に輝いたが、2022年5月のオヴィンス・サン・プルー戦で判定負けで、実に8年ぶりの2連敗。引退の噂が囁かれるようになっていた。
今回の引退の報道に、元シュートボクセの盟友のヴァンダレイ・シウバは「ジムで彼のキャリアを最初から見てきた。信じられないようなファイターで、私がこれまで見てきた中でトレーニングもファイトも最高のファイターの一人だ。彼の遺産は永遠に残るだろう。彼は間違いなくブラジルを代表する選手で、これまで見てきた中で最も勇敢でスキルの高い一人だ。なかでも日本でヒカルド・アローナとのGPでKO勝ちした試合、それとMMA史上最高の試合の一つであるアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラとの試合は印象深い。私は彼とトレーニングし、多くの試合を生で観戦できたことを誇りに思っている。おめでとう、兄弟! なんて美しいキャリアなんだ」と、コメントを送っている。