2023年3月10日(日本時間11日)に開幕する、優勝賞金100万ドル(約1億3千万円)の「Bellatorライト級ワールドグランプリ」(5分5R)のブラケット(組み合わせ)が発表された。
▼Bellatorライト級ワールドGP1回戦 5分5Rウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)ライト級王者・16勝0敗ベンソン・ヘンダーソン(米国)3位・元UFC世界ライト級王者・30勝11敗
既報通り、3月10日の『Bellator292』の開幕戦に、王者ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア・16勝0敗)が登場。自身の練習場所・AKAがある米国カリフォルニア州サンノゼのSAPセンターで、元UFC世界ライト級王者のベンソン・ヘンダーソン(米国・30勝11敗)を迎え撃つ。
ウスマンは、2023年11月にパトリッキーを判定で下し、Bellator5連勝で新王者となったばかり。
ヘンダーソンは2022年1月にイスラム・マメドフとの熱戦をスプリット判定で勝利。9月の前戦でピーター・クウィリーに3-0の判定勝ちで2連勝をマーク。UFCとのダブルタイトルを狙う。
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▼Bellatorライト級ワールドGP1回戦 5分5Rシドニー・アウトロー(米国)5位・16勝5敗マンスール・ベルナウイ(フランス)20勝4敗
その勝者と準決勝で争うのは、5月12日フランス・パリのアコーアリーナ大会で1回戦を戦うマンスール・ベルナウイ(フランス・20勝4敗)vs.シドニー・アウトロー(米国・16勝5敗)の勝者になる。
2022年10月のミラノ大会で一本勝ちデビューしたRoad FC優勝者ベルナウイは唯一、ランキング外からGP参戦を決めた寝技師。4つの黒星のうち3つはUFCファイターで、キャリア初期の20212年に元UFCのケビン・リー、2013年に現UFCライト級王者のイスラム・マカチェフ、2016年に現7位のマテウス・ガムロにいずれも判定負けを喫したが、以降、8連勝中。
KSWを経てROAD FCでキ・ウォンビン、シャミール・ザフロフ、クォン・アソルらにフィニッシュ勝利し、2022年10月にBellatorで2年5カ月ぶりに復帰。アダム・ピッコロティを2R リアネイキドチョークで極めている。
地元パリで戦う、ベルナウイはブランクはあったが30歳。本調子を取り戻して、一気に頂点を狙うか。GP優勝候補の一人と言っていいだろう。
対するアウトローは、2020年8月にそのピッコロティにスプリット判定で勝利後、2021年6月にマイルズ・ジュリーにリアネイキドチョークで一本勝ち。2022年7月の前戦『Bellator 283』でトフィック・ムサエフの右フックに1R TKO負け。今回が再起戦となる。準決勝でウスマンとベンヘンの勝者と戦うのはベルナウイかアウトローか。
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▼Bellatorライト級ワールドGP1回戦 5分5Rトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)2位・RIZINワールドWORLD GP 2019優勝者・20勝4敗アレクサンデル・シャブリー(ロシア)4位・22勝3敗
ウスマンvs.ベンヘンと同じ3月のサンノゼ大会でもうひとつの1回戦を戦うのが、トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン・20勝4敗)と、アレクサンデル・シャブリー(ロシア・22勝3敗)だ。
ムサエフは、言わずと知れた「RIZINワールドWORLD GP 2019」優勝者。コロナ禍のなか、2021年6月に1年6カ月ぶりに復帰し、ホベルト・サトシ・ソウザに三角絞めで一本負けも、2022年7月の前戦でアウトローを27秒、TKOに下し、鮮烈Bellatorデビューを飾っている。2019年のGP決勝では前Bellator王者のパトリッキー・フレイレを判定で下しており、今回のGPの台風の目となるかもしれない。
しかし、対するシャブリーも難敵だ。ACB、Fight Nights Global等、ロシア主戦場時代から強い圧力と破壊力ある打撃で、右の打撃だけでなくスイッチしての左フック、左ヒザも脅威だ。Bellatorでは2021年12月にボビー・キングを渋い塩漬けにして判定勝ち。2022年6月の前戦では元王者のブレント・プリマスを2R、右ストレートからの左フック、パウンドでTKOに下している。
キルクリフFCでも練習するコーカサスのムサエフと、ATTでも練習するロシア西部のロストフ・ナ・ドヌ出身のシャブリーによる強豪同士の潰し合いで、準決勝に進むのは?
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▼Bellatorライト級ワールドGP1回戦 5分5Rパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)1位・前ライト級王者・24勝11敗AJ・マッキー(米国)8位・元フェザー級王者・20勝1敗
そのムサエフとシャブリーの勝者と戦うのは、前ライト級王者パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル・24勝11敗)と、前フェザー級王者のAJ・マッキー(米国・20勝1敗)となった。
日時と場所は未定の最後の1回戦。実弟パトリシオが返上したライト級のベルトを、2021年11月の「王座決定戦」でピーター・クウィリーを2R TKOに下して腰に巻き、兄弟王者となったパトリッキーだが、2022年11月のウスマン・ヌルマゴメドフ戦で5R 判定負け。王座陥落している。
対するAJは、2022年4月のフェザー級タイトルマッチでパトリシオとの再戦で接戦も判定負け。2022年10月のスパイク・カーライル戦で、ライト級に転向し、判定勝ち。大晦日のRIZINとの対抗戦でホベルト・サトシ・ソウザにも判定勝ちし、2連勝中だ。
ピットブルブラザーズの弟とは1勝1敗ながら、兄パトリッキーとは初対決。Bellatorライト級3戦目でAJは、いよいよ覚醒するか。パトリッキーとしては、再び王座に返り咲くためには、AJ戦、ムサエフが勝てばRIZIN以来の再戦、そして決勝と茨の道が待っている。
強豪が揃ったライト級ワールドGP。最後にベルトを巻き、優勝賞金100万ドルを獲得するのは、誰か? 日本ではU-NEXTが生配信の予定だ。