「猪木さんが生きている時に自分のファイトを見せたかった」と号泣した関根
2022年12月28日(水)東京・両国国技館で開催された『INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国』にて、巌流島特別ルール無差別級3分3Rでヤン・ソウクップ(チェコ/空手)に転落(場外へ押し出し)3回で一本勝ちした関根“シュレック”秀樹(日本/柔術)。
試合後のインタビューでは感極まって号泣する場面があった。
関根は「ソウクップのパンチをしこたまくらってね、痛かった。だけどね、プロレスラーだからさんざん今までプロレスの試合でパンチやらエルボーやら受けてきたので耐えられた」と振り返り、ソウクップは「理想の武道家、武術家の心を持っている」と称える。
当初は「蹴り足を取ってキャプチュードをやりたかったし、持ち上げてパワースラム、あとベイダーみたいに持ち上げてプレスとかやりたかったですね」とのプランを持っていたが、「プロレスの投げ技、極めで一本勝ちしたかったけれど、途中で足を抱えた時に自分もしっかりアップしていたので汗をかいていてすべってしまい足関節を極められなかった。3Rになった時に自分の中でポイント勘定して、このまま判定では負けると思ったので3Rになって転落狙いに変えました」と、このままでは負けると思って3Rは転落狙いでいったという。
試合前はアントニオ猪木vs.ウィリー・ウイリアムスの異種格闘技戦を超えるような試合を見せたいと意気込んでいた関根だが、「比べること自体がおこがましいです。自分は猪木さんに勝って言いたかっただけで、勝ちを拾ってしまう試合になってしまいました」と転落狙いに行ったことを恥じたが、「ただ殴られても前に出続けるって気持ちは見せられたと思います」と、気持ちは見せられたと思うとした。
そして関根は「俺は高田延彦に憧れたり、ゲーリー・オブライト、ベイダー、テリー・ゴディ…外国人レスラーの名前を出してましたけれど、やっぱり物心ついてから強くてカッコよかったのはアントニオ猪木。猪木さんの名前を出すのは釈迦になりたいキリストになりたいと言うようなものであって、そういう意味で名前を出してなかったです。でも自分は人生の大事な岐路で警察官になる時も、警察官を辞めて格闘家・プロレスラーになる時も、常に猪木さんの言葉、道、そして元気があれば何でもできる。これを朗読して新しい道に挑戦してきました」と、人生の岐路でたびたび猪木さんの言葉が背中を押してくれたと話すと言葉に詰まる。
自分の足や胸を叩いて堪えようとした関根だが、ついに堪えきれず涙を流すと号泣。泣きながら「猪木さんが生きている時に自分のファイトを見せたかったけれど、この追悼試合に選んでいただいて本当に良かったし、猪木さんは必ず見ていてくれると思います。ありがとうございます」と声を絞りだした。
そして「俺はプロレスファンがやっとプロレスラーになって、夢を与えてくれたプロレスに恩返しができる活躍をしていきます」と猪木さんに誓った。