MMA
インタビュー

【RIZIN】朝倉未来と朝倉海の2023年「MMA」復帰戦はどうなる?「海はベルトでも巻かないとBellatorに届かない。未来は階級を変えるのか、66kgに落として戦えるのか」(榊原CEO)

2022/12/22 12:12
 大晦日『RIZIN.40』(さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カード発表記者会見が22日、行われ、中原由貴vs.鈴木千裕、ジョニー・ケースvs.大尊伸光(※ルイス・グスタボが欠場)、YUSHI vs.中澤達也の3カードおよび、平本蓮がスタンディングバウト特別ルール(ボクシングルール)で参戦(※対戦相手は公募)することが発表された。  会見後に榊原信行CEOが取材に応じ、朝倉未来と朝倉海(ともにトライフォース赤坂)の兄弟の今後について語った。  朝倉海は2021年大晦日の「RIZINバンタム級JAPANグランプリ」準決勝で瀧澤謙太に判定勝ちも、右拳を負傷。決勝で扇久保博正との再戦で判定負けとなりGP準優勝に。2022年7月にヤン・ジヨンとの復帰戦が予定されていたが、再び拳を負傷し欠場していた。  榊原CEOは会見で「何とか大晦日に間に合わせるということで、朝倉海選手の怪我の回復を待ったんですが、前回の7月もそうですが、ここで無理をさせることはないかなと本人とも話して、2023年に復帰戦。大晦日の海選手の出場は断念します」と説明。  会見後には、朝倉海本人が大晦日出場の意思を「最後まで強く思っていましたね。12月に入ってからも迷っていましたから」と明かした。  大晦日出場を見送った海は『2023年はめちゃくちゃ試合します』と榊原CEOに語ったという。 「総合的に考えると、こういうタイミングで無理して出させても、2023年の彼のファイトに影響を及ぼすことになるのなら、まあここは一拍我慢して、本人と話しているのは『2023年はめちゃくちゃ試合します』と言っていたので、コンスタントに試合が組める、戦える肉体を取り戻す、ということになると思います」と、万全の復活に期待する。 「シン・朝倉海」として活躍してくれれば──  そのタイミングはいつになるか。 「春だと思いますね。大晦日に発表しますけど、2023年のシーズンのスケジュールもほぼほぼ決めてはいますので、その中の1発目か2発目の大会に出てくることになると思います。本人的には『ベルトの奪取』と、RIZINのベルトを巻いた後、『海外にチャレンジしたい』という野望を口にしていたので。去年の大晦日から試合をしていない、この1年強の時間で、いい意味でオーバーホールできて、“シン・朝倉海”として、またRIZINの舞台で活躍してくれればなと思います」(榊原CEO) 「今春の復帰」となるとこの日、スコット・コーカー代表との会見で明かされた、Bellatorハワイ大会でのRIZINとのクロスプロモーション第2弾での復帰も視野に入るが、榊原CEOは朝倉海の海外復帰については厳しい見方を示した。 【写真】朝倉海との試合が流れたヤン・ジヨンは7月の昇侍戦の一本勝ちに続き、11月には魚井にも2R KO勝ちしているが……。 「(朝倉海のBellator挑戦は)先々はあると思いますけど、直近はRIZNに復帰を果たして、何戦かして、その結果次第。Bellatorのハードルも高いので、“RIZINから推薦するので誰でも上がらせてくれる”というようなものではないと思うので、RIZINのなかでまずはベルトでも巻かないとちょっと届かないんじゃないかなと思いますね」  すでにBreakingDown勢とのスパーリングを公開している朝倉海は、YouTube用の練習のみならずプロ練習を重ね、満を持しての復帰に向かっている。この5年で敗れたの前述の扇久保とマネル・ケイプ、堀口恭司のみ。3者はともにフライ級に落として、世界の頂きを目指している。  2023年に30歳になる朝倉海の再起はいつになるか、注目される。 [nextpage] 朝倉未来はだいぶ身体がデカくなっている。何kgでやるのか  一方、この日の会見で、平本蓮から「話は変わるんですけれど、朝倉未来どうしたんですか? 朝倉未来、会場に来てないから。大晦日試合、まさか出ないことなんてないよなと思って。そこが気になりますね」と、2021年の大晦日前の会見で言ったセリフで意趣返しされた朝倉未来についても、榊原CEOは「未来は出ないと思います」と出場予定にないことを語った。  朝倉未来は、2021年6月にクレベル・コイケに2R 三角絞めで一本負け後、同年10月に萩原京平に判定勝ち。続く2021年大晦日に斎藤裕との再戦で判定勝ちでリベンジを果たすと、2022年9月のフロイド・メイウェザー・ジュニアとのボクシングエキシビションマッチで2R TKO負け。ダメージで頭痛が抜けないことを明かし、大晦日は早々に見送りを宣言していた。  榊原CEOは、会見後の取材で、「未来は……どうなんですかね?(2月にBreakingDownに出ると)本当に出るんですかね?」と、動向を掴めていないという。  2月のBreakingDown出場を明言している朝倉は、12月の『BreakingDown6.5』後の囲み取材で、次回大会について「(大きな箱で)1回やってみたいですね。大きいと言ってもさいたまスーパーアリーナとかそういうレベルじゃないですけれど、5,000人とか10,000人規模でやってみてどんな感じなのか。次(の会場)は探しています。可能性は高いです」と、ビッグマッチになる可能性が高いことを語っている。  その相手に関しては「別に誰でもいいです。勝負論があれば。キックでやります。オープンフィンガーグローブでキックで1分×3Rでやりたいです」と言い、今までBreakingDownに出た選手の中から選ぶのか? との問いには「今まで出た選手だと勝負論がないと思っているので、僕の中では。だから本当に実績のある選手を」と、アマチュアではなく、著名プロファイターとの「キックルール1分3R」での対戦を示唆した。  国内のみならず海外レジェンドファイターとの対戦も噂されるなか、朝倉未来は「MMA」では1年以上試合から遠ざかることになる。  榊原CEOは、「最近、ちょっと話が出来ていないので、どこのタイミングでRIZINに出るのか。最近会っていなですけど、YouTubeで見る限りでは、だいぶ身体がデカくなっているので、何kgでやるんだろうなと。階級を変えるのか、66kgに落としてそれでも戦えるフィジカルとメンタルを全部整えるのに、RIZINの舞台に上がってくるのに、少し時間がかかるんじゃないかなと思っています。その辺も含めながら、2023年の出場のタイミングについて年内に話し合いたいと思います」と、朝倉が5分3Rのフェザー級(66kg)のMMAに復帰するには「時間がかかる」との見解を示した。  かねてから30歳での引退を公言している朝倉未来は、海より1歳上で、すでに三十路に入った。「30歳までに結果を出す」というリミットを決めることで、「魅力的で、続けていると辞められなくなる」という格闘技のキャリアに区切りをつける考えを、ここまで伸ばしてきたのが現状だ。  元来の負けず嫌いから、敗れた相手とのリベンジを忘れることはなく、クレベルとの再戦も希望しているが、Bellatorとの対抗戦でパトリシオ・ピットブル・フレイレとの王者対決に向かうRIZINフェザー級王者との試合を実現させるためには、MMAでの勝利で挑戦権を獲得する必要がある。 「格闘技はあと2、3試合」と定める朝倉未来は、7月15日に31歳になる。限られた残る試合で、2023年、朝倉未来はどんな選択をするか。
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