【ムエタイ】伊藤紗弥、過去最重量への挑戦は決勝で涙を飲む

　女子ムエタイ世界四冠王・伊藤紗弥（尚武会）が、2022年12月18日（日）タイで開催された『MUAYTHAI SUPER CHAMP』の-50kgトーナメント決勝戦に臨んだ。

　これは女子選手8名によるトーナメントで、10月に4名ずつAブロックとBブロックに分かれて戦い、Aブロック優勝者とBブロック優勝者が12月に決勝戦を行うというもの。これまで45～48kgで戦ってきた伊藤にとって、50kgという階級は過去最重量への挑戦となったが、伊藤はAブロックを勝ち抜いて決勝へ進出した。

　154cmの伊藤に対し、Bブロック優勝者リサは165cm。伊藤は28勝5敗、リサは26勝10敗。

　1R、サウスポーのリサは左ミドルを序盤から多く蹴り、伊藤は右インローをそれに合わせる。リサは右フックから前へ出て右の縦ヒジを放っていく。組み付くと首相撲からヒザ蹴り。体格差があるだけに伊藤はパワーに推され気味。右ミドルを蹴る伊藤だが、リサの左ミドルをまともにもらう。

　2R、伊藤の右ミドルとリサの左ミドルが激しく交錯するが、組みの展開になると上背で優るリサが有利でヒザを蹴る。伊藤はバックステップで組みから逃れようとするが、リサに捕まってヒザをもらう。リサは右縦ヒジも打つ。右前蹴りで距離をとろうとする伊藤に組み付くリサ。ヒザをもらってしまう伊藤。回り込んで右ミドルを蹴る伊藤だが、このラウンドはヒザをもらいすぎた印象。

　3Rは伊藤も組み際に右縦ヒジを放つが、やはりリサの首相撲に捕まってヒザをもらう。伊藤もヒザで反撃するが、パワーと体格差はいかんともしがたい。右ミドルを蹴りながら下がる伊藤にリサは両腕を伸ばして簡単に捕まえる。前蹴りと右ミドル、ジャブをヒットさせる伊藤にリサは首相撲からのヒザ蹴りを連打。残り40秒、伊藤は前へ出て攻めていくがリサは逃げ切り体勢に。右ミドルを蹴る伊藤をリサは前蹴りで突き放し、試合終了と同時にガッツポーズ。伊藤は悔しそうな顔で試合終了を迎えた。

　判定は3-0でリサの勝利となった。