2022年12月11日(日)東京・後楽園ホールで開催されるMAROOMS presents『KNOCK OUT 2022 vol.8』の「スーパーファイト/KNOCK OUT-REDフェザー級/3分5R・延長1R」でチャーパヤック・サクサトゥーン(タイ)と対戦する小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)、「第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦/3分5R・延長1R」で心直(REON Fighting Gym)と対戦する乙津陸(クロスポイント大泉)が公開練習を行った。
同じクロスポイント所属の2選手だが、小笠原は吉祥寺、乙津は大泉とジムの場所が違うために「会場で喋ったことは何度かある」(小笠原)ものの今までに交流がなかったという。この日の公開練習では3分1Rのマススパーを行い、お互いに様子をうかがうように技を出し合っていたが、後半には乙津が自身の力を試すようにミドルを力強く入れ、小笠原も避けることなく受け止める場面もあった。
スパーを終えた小笠原は「(乙津の)試合を何度か見ていますが、思ったよりもこの階級でもスピードがあり、軸も安定しています。勢いはあるし、これからまだまだ伸びる要素をたくさん持っています。同じクロスポイント系列ジム所属で、乙津君のレベルの高さも分かったのでこれからもっと交流して練習していきたいと思いました」という。乙津も「小笠原さんは巧すぎる選手なのでやる前は不安でした。実際にやってみても巧くて、これから一緒に練習する機会があればお願いして自分もレベルアップしたいと思いました」と語り、充実したスパーができたようだ。
小笠原は「相手の試合映像を見たら、ムエタイの選手なので組んでからのヒジの展開が多く、蹴りを疎かにしていたわけではありませんが、そこにパンチを合わせる技術などを多めに練習してきました」と相手のムエタイスタイルに付き合わない戦いを意識しているという。
「相手はラジャダムナンスタジアムのランカーということなので、きっちりと倒して勝つ内容だったら自分の世界での立ち位置も分かる試合になると思います。そういう選手を相手に小笠原がどう勝つのかを見てほしい。判定決着ではダメだと思うので5Rに行かずにその前に倒すことが自分に求められています。メインに相応しい試合をしたい」と気合い十分。 また、乙津は「相手は離れて戦うタイプだと想定して、離れた距離からの蹴りの散らし、そこからのパンチの練習をやってきました」と淡々と答えていたが、心直の話題を振ると「試合前にあそこまで挑発されるのは初めてです。相手は会見とかで煽ってきていてウザい。練習では心直の顔を思い浮かべながら練習してきました(笑)。相手に何もさせず完勝をテーマに、すぐに倒すことを意識した練習をしています」とイラつきを見せた。初の5R制に向けては「自分も判定にならないように倒してKO決着にして小笠原さんにつなげたいと思います」とKO決着で先輩にバトンを渡したいという。
来年3月には代々木第二体育館でビッグマッチ開催が決定しており、小笠原は「僕がその大会を引っ張っていく存在にならないといけません。どういう試合をするかで3月に向けて盛り上がり方、発言の大きさも変わってくるので意識しています」とまずは今回の試合内容が重要だとする。
乙津も「今回タイトルを獲るのは通過点にしか過ぎません。自分の知名度を上げていくためにも無敗の乙津陸を維持して3月につなげたいと思います」と闘志を燃やす。
そして、小笠原から「こういう機会だからこそ聞きたいことはないか」と乙津に問うと、乙津は「不安ではないのですが、5R制はどういうものなのかなとドキドキしています。5R目はどんな感じになるものですか?」と5Rの戦いという未知の世界にワクワクしている様子。小笠原は「意外にダメだと思ったところから動けるんだなと僕は感じました。ワンチャローン戦では2R目ぐらいでスタミナを使い切ったけど、3、4、5Rと気合いで行けたかなと。乙津君はそういう場面はないと思いますが、ヤバイと思っても人間は力が出るものです」とアドバイスした。
最後にファンにメッセージを求めると、小笠原は「今年最後の『KNOCK OUT』なので、自分が『KNOCK OUT』を引っ張っていると思わせる試合をするので楽しみにして下さい」といい、乙津は「今年1月大会に出て、今年最後の大会にも出られるので、最初も最後もKOでしっかり終わらせて来年につなげます」と力強く意気込みを語った。