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【KNOCK OUT】乙津陸「数学の期末試験の方がよっぽど強敵」vs.心直「ズバリ、1R“だけ”倒しにいきます」

2022/12/06 17:12
【KNOCK OUT】乙津陸「数学の期末試験の方がよっぽど強敵」vs.心直「ズバリ、1R“だけ”倒しにいきます」

6戦無敗のホープ乙津(左)と曲者・心直が第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦を争う(C)KNOCK OUT

 2022年12月11日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2022 vol.8』にて、セミファイナル(第8試合)第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦3分5R延長1Rで対戦する乙津陸(クロスポイント大泉)と心直(REON Fighting Gym)のインタビューが主催者を通じて届いた。


 乙津は2021年10月にプロデビュー以来6勝(3KO)無敗の18歳ホープ。今年6月には新宿FACE大会のメインイベントを務め、NJKFフライ級1位の谷津晴之を試合終了直前にKOしてみせ、10月には酒井柚樹と大熱戦を展開して「10年に1試合くらいの勝負を見せてもらった」と宮田充KNOCK OUTプロデューサーに言わしめた。

 心直は“プロフェッショナルシスト”健太の愛弟子で、J-NETWORKフライ級新人王を獲得後、KNOCK OUT、REBELS、シュートボクシングに参戦。KNOCK OUTでは2021年に「初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント」に出場、SBでは日本バンタム級1位になっている。戦績は7勝(1KO)8敗2分。

乙津「年下だからってナメてんじゃねえぞ」


 カード発表会見では心直の言葉にいらだちを隠せなかった乙津だが、それでもデビューから7戦目で無敗の王者になる自信は満々。その自信と、高校生ファイターならではの悩みとは?

──念願の王座決定戦が、やっと実現ですね。

「宮田プロデューサーにはいつも濁されてばかりだったんで、発表された時はうれしくて心拍数がヤバかったですね。『やっと来たか!』って感じでした」

──ただ、カード発表会見では相手の心直選手とやり合う場面がありました。

「まあ、口では何とでも言えるんで。『すげえ文句言う人なんだなあ』と思いました。そういう人なんだなあと」

──宮田プロデューサーもその場でちょっと言ってましたが、わりとすぐに頭に血が上ってましたよね。実はもともとそんな感じ?

「宮田さんにも『短気の乙津君』って言われたんですけど、短気なんですかね?(笑) 友達とかなら全然『やめろよ~』って感じの対応するんですけど、タイトルマッチでの対戦が決まって、緊張が走ってる中でああいうこと(「無敗は無敵ではないと思うし、試合を見たが、大して強い奴とやっていない」などの発言)を言われると、やっぱりムカつきますよね。年下だからってナメてんじゃねえぞと」


──年齢も試合数も、心直選手が上ですよね。そこでナメるなと。

「はい。キャリアは相手が上ですけど、実力は俺の方が全然上なんで。ナメられても、結果で黙らせちゃえばいいかって感じです」

──やっぱり沸点は低いですね(笑)。でも、そういうところがいい形で試合に出ている感じが、特に最近はあるんじゃないですか?

「そうかもしれないですね。この前の酒井柚樹戦とかも含めて、攻撃が逆に丁寧になってきたというか。さらに狙いを定められるようになってきたなとは思います。酒井戦は跳びヒザとヒザ蹴りを狙ってたんですけど、後から見返しても、その成長は感じられましたね」

──ただ、酒井戦はかなりな激闘になりましたね。

「相手がもうちょっと心折れてくれるかと思ったんですけど、全然そんなことなくて。悔しさもあり、楽しさもあり、いろんな感情が入った試合でしたね。ボコボコにしたのは確かなんですけど、やっぱり倒すと倒さないとでは結果が全然違うんで、次の試合からはしっかり倒して、記録を更新していきたいと思ってます」

──『KNOCK OUT STYLE』でもまるまる一回分使って取り上げられたように、試合自体の評価が高かったですよね。でもやっぱり、倒せなかった以上、そう言われるのもあまり本意ではない?

「いや、結果としては悔しいけど、みんなが見て楽しんでくれたなら、俺としては全然いいかなとは思ってます。だから相手もこっちもいろんな感情が出て、いい試合になったのかなとは思いますね」

──タイトルマッチ前にそういう試合ができたというのもよかったですね。これでまた意気込みを新たにしたのでは?

「そうですね。今回は初の5Rなんですけど……まあ、5Rはかからないと思いますけどね。最悪5Rまで行った時でも、あの試合を思い出すと思うんで。毎回、思い出すんですよ。『前の試合では、俺はこんなところで落ちなかったぞ』と。そういう意味で、この前の試合はプラスになるんじゃないかと思います」

──あれをくぐり抜けたんだから、と。

「はい。いつも頭をよぎるんですよ。練習でも、『この前の追い込みはもっといけた』と感じたりもするし」


──さて、ファイターとしての心直選手についての印象は?

「この前の会見で、俺に『大して強くない相手としかやってない』って言ってましたけど、オマエもその1人だからな、という感じはありますね。パッとしないというか、常にリングで倒れてるイメージがあります。ヒジとサウスポーというところは気をつけますけど、いつもの俺の試合になっちゃうかなという感じですね」

──ヒジに関しては?

「ヒジありのキャリアは俺の方が全然少ないですけど、今回はヒジも会長と猛特訓してるので、今度こそはヒジで切って倒してやろうかなと思ってます」

──切った上で倒すと。

「ミットでも、パンチとキックのミットをやった上にヒジとヒザだけのミットもやってますし、ヒジとヒザだけのサンドバッグも毎日やっているので、切ってもいいし倒してもいいという感じです」

──いろんな意味で死角はない?

「そうですね。練習もすごく調子がいいので、全く死角はないです」

──ちなみに、今は高校3年生ですが、期末試験の方は?

「ちょうど今週あるので、パパッと終わらせて、そこから練習に専念しようかなという感じです。今回は期末がちょっと早くて、減量前に終わらせられるのでちょうどよかったです」

──今は試験も迫ってるんですね。

「たぶん明後日からだったと思います」

──「たぶん」? 高校生が期末試験を「たぶん明後日」って、どういうことですか(笑)。

「俺、『気づいたら今日が試験だった』とかよくあるんで(笑)」

──マジですか(笑)。それで点は取れるんですか?

「まあ、赤点は何とか回避できます。赤点さえ取らなければ、俺的には満点なんで(笑)」

──一番強敵の科目は?

「数学ですね。よく分かんない式があるんですけど、数学なのに英語が出てくるっておかしくないですか?」

──理解度が分かる言葉ですね(笑)。

「数学はやってらんないですよ。英語とかは小っちゃい頃に習ってたんで、まだ何とかなるんですけど。数学は一番強敵ですね。数学に比べたら、今後のタイトルマッチなんかチョチョイのチョイですよ!」

──チョチョイのチョイ!

「数学には毎日黒星ですけど、早く試験終わって、チョチョイのチョイでベルトを獲っちゃおうかなって感じっす」

──それは(笑)。今回勝てば、ずっと願っていたチャンピオンですよ。

「はい。でももう一つ目標があるので、それはベルトを獲ってからもう1個ですね。それは今回獲ってから改めて言います。1個じゃ満足してられないので」

──過去の発言からもだいたい予想はつく感じがしますが、それは試合後のお楽しみということで。試験以外はノリノリですね。

「試験以外は、チョー波に乗ってます。練習でも、5Rやっても全く落ちないぐらいにスタミナがついてますし、スピードも過去イチじゃないかと思います。もう、始まったら俺の試合ですね。今回は自信しかないです」

──ベルトまで突っ走ると。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?

「俺の今年のラストマッチなので、デビュー戦からの成長と、獲った後のストーリーをこれからよろしくお願いしますって感じです。今、ベルトをどこに置こうかって考えてるんですよ。マジで楽しみです」

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