2022年12月3日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて、クルーザー級3分3R延長1Rで対戦するマハムード・サッタリ(イラン/TEAM OTA/ICF)とステファン・ラテスク(ルーマニア/SCORPIONS IASI)のインタビューが主催者を通じて届いた。
サッタリはWAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者、ムエタイ・プレジデントカップ2012優勝、ムエタイ・アジアンビーチゲーム2014優勝、ムエタイ・アジアインドア&マーシャルアーツ2017優勝などの実績を持ち、プロ戦績は20勝(12KO)無敗。2020年10月のKrushに初参戦すると、2021年7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントを圧倒的な強さで制覇。今年4月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント」では最軽量(85.20kg)にも関わらず優勝。6月の『THE MATCH 2022』ではHOOST CUP日本ヘビー級王者・内田雄大を1R1分18秒、左フックで豪快TKOして東京ドームを大いに沸かせるビッグインパクトを残した。
ラテスクは初来日。ジュニア時代にISKA世界クルーザー級王座に就き、プロではまだ無冠だが11勝(5KO)2敗の戦績を誇る。10月20日にモルドバで行われた試合でもKO勝ち。その端正なルックスと将来性を感じさせる戦いぶりから、現地では“GOLDEN BOY”と呼ばれているという。身長187cmでオーソドックス。20歳。
中村拓己K-1プロデューサーは「倒しっぷりのいい選手。世界の重量級を担っていくスター候補と言っていい選手がK-1に出てくれるのを嬉しく思う。サッタリ選手はヨーロッパの強豪と戦うのは初めてですが、かなり強い選手でサッタリ危うしという試合になる」と、かなりの強豪をサッタリにぶつけると語っている。
サッタリ「リングに上がったら私は戦いたいように戦う」
――2022年最後のK-1大阪大会への出場が来ました。
「前回の横浜大会は腰の怪我をしてしまったために試合をすることは叶わなかったんですけども、こうしてまたサポートしてくれるファンのためにリングに戻ってくることができて本当に嬉しく思っています」
――今年はサッタリ選手にとって飛躍の一年になりましたよね。4月のK-1無差別級トーナメントで優勝して、6月の「THE MATCH 2021」でも勝利して。
「すごく大きな経験になりましたし、自分のことを多くの方に知ってもらうことができました。より一層自分のベストを尽くして、喜んでもらえる試合をしなければいけないと感じています」
――対戦相手のステファン・ラテスク選手は今ヨーロッパで注目を集めている新星です。どんな印象を持っていますか?
「とても強い選手だと感じていますが、自分の中でベストなパフォーマンスを出すために全力を尽くすだけなので、それを楽しみにしていただければと思います」
――ラテスク選手は主催者を通じて「派手なK-1デビューを飾って、K-1の歴史に名を刻む選手になりたい」とコメントしていました。それについてはどう感じていますか?
「彼は若いのでモチベーションも凄く高いと思いますけど、それは自分も同じです。この試合に懸けるモチベーションは十分に高いし、K-1のリングで戦う経験は自分のほうが上だと思っています。それをリングでお見せしたいです」
――またラテスク選手はサッタリ選手がこれまで築いてきたものを奪いに来る相手だと思います。そうした相手を迎え撃つ心境はいかがでしょうか?
「相手が誰であっても、対戦相手は対戦相手でしかありません。ただし彼は自分が戦う相手はマハムード・サッタリだということをしっかり理解して日本に来た方がいいと思います」
――ヨーロッパの強豪選手と対戦するということでワクワクしていますか?
「もちろん試合前にプレッシャーや重圧を感じることはあります。でも大切なことは自分の感情をコントロールすることです。あらゆる状況に対応できるように日々厳しい練習もしていますし、もし相手が自分より体の大きな選手であっても自分のベストを尽くせるように準備しています。今後もっとビッグネームと戦いたいという気持ちもありますが、今は目の前の試合に集中したいです。日本は私にとってホームだし、リングに上がったら私は戦いたいように戦います」
――それぞれ選手は戦う理由があると思いますが、サッタリ選手は何のために戦っているのですか?
「すべての選手が何かのために戦っていると思います。私にもゴールがあって、それは世界でベストのファイターになることです。そして私には友人やファミリーがいて、みんなのために厳しい練習を積んでベストの人間になりたいと思います」
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ラテスク「サッタリがスピードなら、俺はパワーで勝つ」
(写真)サッタリ危うしの声も聞こえる強豪ラテスク(C)K-1――今回の試合が決まった時の心境を教えて下さい。
「K-1は歴史上もっとも素晴らしい格闘技団体だと思っている。K-1のリングに上がることは小さい頃からの夢だった。日本で試合経験のある練習仲間や、同じルーマニアのカタリン・モロサヌやセバスチャン・チオバヌ、そしてK-1レジェンドのピーター・アーツのようにビッグネームになりたいと思う」
――ラテスク選手が格闘技を始めたきっかけを教えて下さい。
「格闘技は10歳から始めて、それ以外のスポーツはやったことがない。格闘技一筋の人生を送って来たよ。今はミハイ・コンスタンティンの指導のもと、朝はクロスフィットやフィジカル系、夜はスパーリングや技術的な練習をしている。過去にはピーター(・アーツ)、アーネスト・ホースト、セーム・シュルト、アルバート・クラウスとも練習したことがある」
――これまでどんな国・大会で試合をしてきたのですか?
「ルーマニアをはじめ東欧の大会で試合をしてきた。過去のK-1に参戦していたジャバット・ポトラックやコンスタンチン・グルチョフとも戦ったことがある」
――これまで獲得してきたタイトルを教えてもらえますか?
「ルーマニア国内ではボクシングとキックボクシングのタイトルを獲っていて、10代の頃にISKAジュニアの世界タイトルも獲ったよ」
――K-1初参戦で自分のどこをK-1のファンに見てもらいたいですか?
「自分はすごくパンチに自信を持っていて、特に左フックが得意だ。ルーマニアから来た若いファイターの華々しいK-1デビューを見てほしいよ」
――現地では“Golden Boy”と呼ばれているそうですね。
「そうなんだ。これから格闘技で輝かしい未来を描く男として期待されているからだ。20歳の俺にはぴったりのニックネームだと思うよ」
――対戦相手のサッタリ選手にはどんな印象を持っていますか?
「サッタリはK-1では無敗で、とても強い選手だと思う。でもサッタリの無敗記録は俺との試合までだよ。俺は彼をKOする自信があるから」
――サッタリ選手はクルーザー級でもスピードが早い選手です。どんな試合をして勝ちたいと思いますか?
「サッタリがスピードなら、俺はパワーで勝つよ」
――それでは最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。
「日本で見応えのある最高の試合をお見せすることを約束します。そしてK-1の歴史にステファン・ラテスクの名前を刻む。みんなと日本で会えることを楽しみにしているよ!」