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【PFL】フェザー級名勝負! ラウネーンがジェンキンス下し優勝、ライト級はオバメルシェがカナダ人初優勝でGSPも祝福。ヘビー級でデリア、LHでウィルキンスが4試合連続フィニッシュ戴冠

2022/11/27 15:11
 2022年11月25日(日本時間26日)、米国ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソンスクエアガーデン内Huluシアターで『PFL 10: 2022 Championships』が開催された。  2022年のシーズン・フィナーレ。レギュラーシーズンで各階級総当たりのリーグ戦を行い、トップ8のファイターがトーナメント形式で優勝を争う、今回の決勝大会で、各階級の優勝者は賞金100万ドル(約1億4千万円)を獲得する。メインイベントでは、ロンドン五輪&リオ五輪柔道78kg級金メダリストで、PFL女子ライト級トーナメント2019年&2021年覇者、MMA15勝無敗のケイラ・ハリソン(米国)と、MMA18勝4敗で2019年のハリソン戦の敗戦後5連勝中のラリッサ・パシェコ(ブラジル)が対戦。  さらに、コ・メインのフェザー級決勝では、MMA25勝4敗のブレンダン・ラウネーン(英国)と、19勝5敗のバッバ・ジェンキンス(米国)が対戦した。  ラウネーンは、2021年8月にモヴィッド・ハイブラエフにスプリット判定負けするまで7連勝。ハイブラエフ戦後も2022年4月に工藤諒司戦のテクニカル判定勝ち以降、6月にアゴ・フスキッチに判定勝ち、8月にクリス・ウェードを判定に下し、決勝進出を決めた。  対するジェンキンスは、5連勝後の2021年8月にウェードに判定負けも、2022年4月にカイル・ボニアク、6月にレイナルド・エクソンに判定勝ち、8月に工藤を1R リアネイキドチョークで極め、決勝に駒を進めている。 ▼フェザー級決勝 5分5R〇ブレンダン・ラウネーン(英国)[4R 2分38秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×バッバ・ジェンキンス(米国) 「USA」コールの中、両手を広げ右手で胸を叩いたジェンキンス。英国マンチェスターのラウネーンも両手を広げて咆哮。  1R、サウスポー構えから入るジェンキンス。左ミドルハイから右ジャブ、ダブルレッグに入るも深追いはせず、ヒザを触る。切るラウネーンもサウスポー構えにスイッチして左ロー。見せてからオーソに。ジェンキンスは左ハイ、右ミドルも空振り。左カーフキックを突くラウネーンに、ジェンキンスは若干バランスを崩す。  ジェンキンスは右ジャブもかわすラウネーン。細かくスイッチし、ジェンキンスの右ハイをかわす。ジェンキンスは右インロー。ジャブからのワンツーをスウェイでかわすラウネーンはなおも左カーフ、右ジャブ。  ジェンキンスは右アッパーを見せながら遠間から低いシングルレッグも走って抜けるラウネーン。右ボディストレートから右フックを当てて詰めたジェンキンスはダブルレッグから金網に押し込みヒザ。左足踵を引き上げテイクダウン狙いも足を抜き立ったままのラウネーン。  ジェンキンスは今度は右足にハイクロッチしたまま右手でクリンチアッパー。肩足立ちで突き放すラウネーン。ジャブの刺し合いから左ローを2発ヒット。ジェンキンスのワンツーをかわして体を入れ替え、オーソにスイッチしての右を当てるラウネーン。さらに左カーフを当てる。  左ボディから右フックのラウネーンの打ち終わりに左を返すジェンキンス。さらに左フックにラウネーンの上体が一瞬泳ぐもすぐに立て直すとワンツーをガード上に打ち込む。ジェンキンスのラウンドか。  2R、ともにスピーディーなジャブの刺し合い。鼻を赤くさせるラウネーン。右を振りテイクダウンのフェイクを見せるジェンキンスに、ラウネーンは左ロー。ワンツースリーを上下に散らす。  ジェンキンスの左ローをかわして蹴り返しの左を当てるラウネーン。ジェンキンスの大きな左を2度かわすと、なおも左ローをヒット。ジェンキンスは左ジャブを返す。左カーフを当てるラウネーン。1R同様に右アッパーからの組みはジェンキンス。金網まで押し込みシングルレッグからアンクルピックでスタンドバックに一瞬つくも、すぐに左肩を入れて正対するラウネーン。なおも下に入るジェンキンスの頭を押さえて離れる。  ジェンキンスのワンツーをかわすも右を被弾したラウネーン。ジェンキンスは左ボディ。右ストレートを届かせる。スイッチしての右ハイはブロックしたジェンキンス。ラウネーンはみたび左カーフをヒット。ジェンキンスも左の蹴りを軽く返す。  ジャブを当てた後、一瞬、足が止まったジェンキンスに左ローからワンツースリーフォーと4連打はラウネーン! 右前蹴りを腹に突き、踏み込んでの右ミドルハイも。ブロックするジェンキンスも前蹴りを返すが、その足を掴んだラウネーンが後ろ蹴り。ラウネーンの右前蹴りがローブローとなり中断。ジェンキンスはしゃがみこむ。再開、右ジャブから強い右ミドルを入れたヒットさせたラウネーン。ゴング。ラウネーンのラウンドに。  3R、ジェンキンスは右ジャブのダブルから左ローで前に。右回りで避けるラウネーンは、左ロー。ジェンキンスのジャブは届かない。ジェンキンスがオーソに構えると、ラウネーンもオーソにスイッチして右ロー。サウスポーに戻すとラウネーンもサウスポーに構え直し、スイッチして右インローを当てる。  オーソのラウネーンにワンツーを当てたジェンキンス。サウスポーに戻したラウネーンは左ロー。テイクダウンのフェイクから上体を起こすが、そこにジェンキンスは右ジャブを突く。  詰めるジェンキンスは左オーバーハンドを見せて右ジャブをヒット。右回りからワンツー&右ローまで繋ぐラウネーン。ジェンキンスもジャブを伸ばしラウネーンは鼻から出血。前手の右フックはダックしてかわすラウネーンは左カーフをヒット。ジェンキンスがオーソに前足を変えると今度は右ローを当てる。  組みが減ったジェンキンスに、素早い踏み込みでワンツーはラウネーン。左ロー、前蹴りと蹴りも繰り出す。ジェンキンスの前蹴りを掴んで右を打ち込むラウネーン。ジェンキンスも右ジャブを返すと、ラウネーンも左ジャブから左ローまで繋ぐ。右前蹴りを腹に2発突くラウネーン。ジェンキンスも左ミドルの蹴り返し。  3R残り1分41秒でダブルレッグに入るジェンキンス。金網までドライブし頭を下げてアンクルピックを狙うが、そこに鉄槌を連打で落とすラウネーン。ここも頭を押して回転して足を抜き離れる。追って右ジャブを当てるジェンキンス。ラウネーンは右前蹴りを腹に突いて右インロー。オーソからアッパー、ワンツーの右をヒット。  後退したジェンキンスに左カーフを当てワンツー、さらに右ヒザ! 金網に詰まるジェンキンスに左カーフからガードの上に左右から左ボディ! さらに右ヒザを突き上げる。ジェンキンスは金網に釘付け。押し戻すジェンキンスの突進を左にかわして左右を打ち込みゴング。ジェンキンスと視線が合い、笑みを浮かべたラウネーンのラウンドに。  4R、ジャブで前に出るジェンキンスに、オーソから右インローを当てるラウネーン。さらに再三の前蹴りを腹に突く。サウスポー構えから互いのジャブがヒット。右ローを突くジェンキンスに、左カーフを効かせるラウネーン。オーソになれば右ロー。さらにジェンキンスの入りにカウンターの右前蹴り。その蹴り足を掴んで組むジェンキンスが金網までドライブ。その頭に鉄槌を落とすラウネーン。  ここもジェンキンスの下の組みは切られ、足を抜いて離れるラウネーン。その背中についていけないジェンキンスは少し経ってから立ち上がり、疲労の色が濃い。立ち合いから右を伸ばしてきたジェンキンスにカウンターの右インローで崩すラウネーン!  回るラウネーンを追うジェンキンスだが、そこに左カーフを被弾する。踏み込んでの右ジャブを当てるジェンキンス。しかし、オーソから右インローを当てたラウネーンはワンツーの右! 下がるジェンキンスにさらに右インローでジェンキンスの身体が流れる。  ジェンキンスの右ジャブにワンツーからローまで繋ぐラウネーン。さらに右インローをこつこつと当てる。右ストレートに後ろ足を滑らせたジェンキンスはダウン! すぐにラウネーンがサイドバックからパウンド! さらに立たせて右ヒザを突くと、くの字のまま打たれるジェンキンスにレフェリーが間に入った。  4R TKO勝ちしたラウネーンがフェザー級優勝。ベルトを肩に100万ドルを獲得。勝利者インタビューの最中に、ケージを降りようとしたジェンキンスを「バッバ、バッバ」と呼び止めハグ。顔を腫らしたジェンキンスも「おめでとう」と勝者を称えた。  試合後、ラウネーンは、「ベルトや100万ドルのことは忘れて、2人のハイレベルなレスラーを破った僕は、他のプロモーションも含めてベストのフェザー級ファイターの1人だと今夜証明できたと思う。最もハードな大会だった。どの試合でも傷ついた。(ケージに駆け付けた家族の人生が変わる?)エモーショナルになっている、マンチェスターからここに来てくれたみんなありがとう」と涙声で語った。 [nextpage] ヘビー級はミルコ門下生デリアが初のクロアチア人チャンピオンに  クロアチアのアンテ・デリアはMMA22勝5敗。2018年5月の「RIZIN.10」ではKSWのリカルド・プラセルに判定勝ち。柔道ベースで、石井慧、ミルコ・クロコップとも練習経験を持つ。Gladiator Croatiaジム所属。2014年以降は、現UFCのマルチン・ティブラ、PFL王者のブルーノ・カッペローザ以外には負けていない。  対するシェフェルは、MMA17勝8敗。PFLではカッペローザに判定勝ちし、フアン・アダムスに3R TKO勝ちも、4月のPFL初戦でデリアに2R KO負けを喫している。 ▼ヘビー級決勝 5分5R〇アンテ・デリア(クロアチア)[1R 2分50秒 TKO] ※左フック→ラッシュからパウンド×マテウス・シェフェル(ブラジル)  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブから左ボディストレートを突くデリア。シェフェルも左ジャブ。前足が当たりそうな近い間合いから、ワンツースリーとコンパクトに打ち込み徐々に圧力をかけるデリア。  デリアのワンツーに大きく右を振るシェフェルだが空振り。構え直して左フックをガード上に当てて前進。デリアも左ジャブのダブルを返すと、ワンツーの右をガードの真ん中に突く。少し下がったシェフェルは右から左。同じくそこに右から左を振るデリアの左と交錯する。  ジャブを突いてからヒザ着きのダブルレッグに入るデリアは、右で差して金網まで押し込み、左手で腿に鉄槌も、離れるシェフェル。互いの右から左が相打ちのタイミングでシェフェルにヒット!  下がるシェフェルにデリアは詰めると金網背にガードを固めるシェフェルに左右の速射砲ラッシュ! 右ストレートをアゴに浴びたシェフェルがダウンし、デリアのパウンド連打にレフェリーが間に入った。  デリアはクロアチア人ファイターとしてヘビー級初優勝。優勝賞金100万ドル(約1億4000万円)を獲得。レイ・セフォーからベルトを受け取ると「2カ月、家から離れている。ようやく家に帰れる。妻と家族に感謝している。手術をしてハードな日々だったけど、今夜、ここに戻ってきた。素晴らしいことだ」と語った。 [nextpage] GSPも祝福! ライト級はオバメルシェが元UFC対決を制し、カナダ人初のPFL王者に    MMA16勝5敗、元UFCのオリヴィエ・オバメルシェ(カナダ)は、2019年7月の「UFC240」でのアルマン・ツァルキヤン戦の判定負け後、PFLでマルチン・ヘルドに勝利するなど5連勝中。2022年は4月にナタン・シュルト、6月にラシュ・マンフィオ、8月にアレックス・マルティネスにいずれも判定勝ちで決勝に進出した。  MMA25勝10敗のスコットランドのスティービー・レイも元UFC。2019年6月にレオ・サントスにTKO負け後、同年10月にマイケル・ジョンソンに判定勝ちし、ポラリスを経てPFLに参戦。マルティネスに判定負けも、アンソニー・ペティス相手に6月に変形ツイスター、8月に判定勝ちで2連勝。決勝行きを決めた。 ▼ライト級決勝 5分5R〇オリヴィエ・オバメルシェ(カナダ)[2R 4分40秒 KO]×スティービー・レイ(英国)  1R、ともにサウスポー構え。中央を取るオバメルシェに左右にサークリングするレイは左の飛び込み。圧力をかけるオバメルシェは左ストレート。さらに左ローでレイのバランスを崩す。  オバメルシェの打撃を掻い潜り、両ワキを差してボディロックし押し込むレイ。ヒザを突くが、差し返したオバメルシェが離れ、左カーフを3発。頭を下げての左フック、右と打ち込む。レイは左オーバーハンドは空振り。オバメルシェは左カーフでレイに尻餅を着かせる。  オバメルシェのワンツーの打ち終わりに組んだレイは押し込み。体を入れ替えたオバメルシェが離れて、再び左ローでレイにマットに手を着かせる。レイは右後ろ回し蹴りも空振り。左オーバーハンドもブロックし、その入りに右を合わせに行く  2R、右ジャブ、左ストレートを突くオバメルシェ。途中で躊躇したような左ハイを蹴るが、それを肩口で掴んだレイがスタンドバックに。持ち上げスラムして両手をマットに着かせた際でバックに。  シングルバックから4の字ロックに移行したレイ。バックからリアネイキドチョークを狙うが、首を守るオバメルシェに背後から細かく殴るレイ。  上体を起こし、片ヒザを着いてレイを背負って立ち上がったオバメルシェは、レイの右手を掴んで脇を潜り、正対に成功し、離れる。  左ローを当てるオバメルシェ。レイの左ローをかわして、左ローを突くと、レイはワンツー。ブロックするオバメルシェは左ローを当て、右ジャブ。左フック。これはかわしたレイ。オバメルシェは左ハイ。ブロッキしたレイはオバメルシェを追うが、右を出したところにオバメルシェ右フック! 後方に大の字に倒れたレイを見て、レフェリーが試合を止めた。  PFL6連勝でライト級優勝を決めたオバメルシェは歓喜。「クレイジーな経験だ。みんな出来ないと言ったけど、やった。自分を誇りに思う。次はモントリオールかケベックでPFLを開きたい。ケベックに行こうぜ」と語り、レイ・セフォー代表、ジョルジュ・サンピエールらと記念撮影に収まった。 [nextpage] 4試合連続フィニッシュ! 豪州のウィルキンスがロシアのアクメドフをTKO  MMA16勝2敗、豪州のウィルキンソンは元UFC。11連勝でUFC入りも2017年9月にシアー・バハドゥルザダに2R TKO負けし、2018年2月にイスラエル・アデサニヤにTKO負けでわずか2戦でリリース。その後、キックボクシングで2連勝し、ボクシングでも勝利。MMA5戦負け無しで決勝に進出した。  MMA24勝7敗1分のアクメドフも元UFC。クリス・ウェイドマンとブラッド・タバレスに判定負け後、2021年10月からPFL参戦で3連勝中。6月には元RIZINのテオドラス・オークストリスに肩固めで一本勝ちしている。8月の前戦でジョシュ・シルヴェイラに判定勝ちで決勝進出。 ▼ライトヘビー級決勝 5分5R〇ロブ・ウィルキンソン(豪州)[2R終了時 TKO] ※左右ラッシュ×オマリ・アクメドフ(ロシア)  1R、ともにオーソドックス構え。アクメドフの右オーバーハンドをかわして左を突き、頭を下げてきたアクメドフに右アッパーを当ててダウンを奪うウィルキンソン。スタンド勝負を望むと、さらに右のダブルを当ててアクメドフを後退させる。  アクメドフのダブルレッグを切り、右ヒザを突き、右ストレート。アククメドフの右オーバーハンドをかわして再び右アッパー! ワンツーに下がるアクメドフに対し、左フックに左フックを合わせて連打でまたもダウンを奪うと、右の跳びヒザでもダウンを奪いゴング。圧倒的なスタンドの強さを見せる。  2R、アクメドフのテイクダウン狙いを切り、右を当てるウィルキンソン。首相撲からヒザを腹に突き上げる。アクメドフはシングルレッグも潰したウィルキンソンがスタンドで立たせる。左を当ててダウンを奪うウィルキンソンは、アクメドフの組みを切る。  アクメドフにドクターチェック後、再開。出血しながら右を当てるアクメドフに構わず詰めるウィルキンソンは、歩いて両手でアクメドフを押し込み、右ロー。さらに左ハイ。ブロックするアクメドフだが後退。  ウィルキンソンは右ストレートから左アッパー、さらに金網に詰めて右アッパー! さらにワンツー。組んできたアクメドフを剥がし、ヒザ蹴り、右アッパーと滅多打ち。ワンツー、右アッパーを被弾し、止められてもおかしくないアクメドフ。残り10秒の拍子木も、クリンチ右アッパーを浴びるアクメドフ。さらにワンツースリーフォーと連打。レフェリーは間に入らない。  ラウンド終了のゴングが鳴ると同時に前方に両手を着いたアクメドフはコーナーマンに連れられて自陣に戻り椅子に座るが、眉間のカットの止血時に続行を問われ、3Rに進むことは出来ず。  ロブ・ウィルキンソンがTKO勝ちでライトヘビー級優勝を決めた。4試合連続KO・TKOフィニッシュで100万ドルを獲得したウィルキンソンは、「3Rに行く準備は出来ていた。このベルトには10年の夢が詰まっている。ずっとハードワークを続けてきてチャンピオンになったんだ。UFCをリリースされてから長い時間がかかった。トップに行くためにローカルシーンで自分を追い込んできた。オジー、オジー、オジー!」と叫んだ。 [nextpage] サディボウ・シが、テイラーに判定勝ちでウェルター級優勝 ▼ウェルター級決勝 5分5R〇サディボウ・シ(スウェーデン)[判定3-0] ※49-46×3ディラノ・テイラー(米国)
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