2022年12月28日(水)東京・両国国技館での開催が決定した『INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国』。
世界の格闘家を迎え撃つ令和猪木軍に新たなメンバーが加入した。
今大会の「過去のレガシーで未来を見せる」というコンセプトに則り、なるべく将来性のある若い選手に輝ける場を提供したいということで、イゴール・タナベ同様、日本の将来の格闘技界を背負って立つ男・宇佐美秀メイソンの「猪木軍」入りが内定。
宇佐美秀メイソンは、今年RIZIN博多大会のデビュー戦で華々しく勝利を飾った宇佐美正パトリックの実弟で21歳。兄パトリック同様、関係者の間では「10年に一人の逸材」と評価されるほどの選手である。
宇佐美は『INOKI BON-BA-YE』が始まった2001年5月20日生まれの21歳。日本人の父親とカナダ人の母親を持つハーフ。物心ついた頃から父親の影響で兄と共に空手道場等で格闘技を習い始め、すぐに空手界の少年部では全国区で知られる存在となった。新極真全日本ドリームカップ優勝、新空手全日本大会優勝、新空手ガオラカップ優勝、内田塾全日本大会3連覇、白蓮会館関東選手権優勝、月心会グローブ空手優勝、正道会館全日本ジュニア大会準優勝とフルコン空手のタイトルを総ナメ。さらにキックボクシングでも覇王キックボクシング大会優勝、ボクシングでも西日本U15大会で準優勝している。
しかし、多感な思春期になると、天賦の才能はストリートファイトで発揮されるようになった。大阪の不良相手に暴れまくり、警察にも何度かお世話になる中で、手を焼いた父親は環境を変えようと離婚した母親が住むカナダに留学させることにした。ところが怖いもの知らずのメイソンは、カナダでも身体の大きな不良や本物のマフィアをしばき倒し、瞬く間にストリートで知られた存在となったという。
カナダのマフィア事務所に殴り込みに行った際は、仲間15人の内、8人が殺される大事件の当事者となり、本人も腕を銃で撃たれて、一命を落としそうになったこともあるという、凄まじいエピソードの持ち主だ。カナダの少年院に半年ほど入った後も暴れるので、少年ながら異例の大人の刑務所に約1年半。さすがに父親は、このままではいつか死ぬんじゃないかと日本に連れ戻し、その喧嘩強さ、格闘技の才能を生かそうと、プロの格闘家の道を歩ませることになる。
MMAに転向し、LDHのEXファイトで3連勝すると、『POUND STORM』でプロデビュー。KRAZY BEEのスソンに2-1の僅差で判定負けしたものの、短期間での対応力に、関係者を改めて唸らせた。本人の憧れのファイターはコナー・マクレガーだが、兄のパトリックがRIZINで暴れるなら、その間、あらゆるキック団体のベルト総取りを狙うのだという。
RIZINでの活躍でお馴染みの関根“シュレック”秀樹は、山梨学院柔道部出身。卒業後、静岡県警で機動隊や暴力団担当の刑事を務め、ボンサイブルテリアジムでブラジリアン柔術を習得。2009年にMMAデビュー後、7連勝で2016年12月に『ONE Championship』に参戦。世界ヘビー級王者ブランドン・ベラとの試合に向け、43歳にして警察官という安定した職を捨て、プロ格闘家に転向した。柔術、グラップリングでも実績を残しながら、プロレスのリングでも活躍。全日本、ハードヒット、リアルジャパンといったリングでも人気を博している。2020年2月にはRIZINのリングにも上がりロッキー・マルティネスにTKO負けを喫したが、2021年大晦日にシビサイ頌真を2RでTKO、今年4月にはスダリオの双子の弟・貴賢神にもTKO勝ち。7月に念願のスダリオ剛戦を実現させるも1R 53秒でマットに沈んだ。
シュレックは、今回は柔術家ではなく、プロレスラーとして戦いたいのだという。そして、猪木ボンバイエということで、「やるからには猪木vs.ウィリー戦みたいな試合がしたい!」との意気込み。果たして、プロレスラーvs.極真空手のような試合はマッチメイクされるのだろうか。
そして、巌流島には欠かせない常連選手で、アントニオ猪木の第2の故郷ブラジルから「カポエイラ・マスター」マーカス・レロ・アウレリオの猪木軍入りが確定した。アウレリオはカポエイラらしい派手な蹴り技を駆使し、中島大志(大相撲)、瀬戸信介(中国拳法)を撃破。菊野克紀には自らヒザをひねってしまいTKO負けを喫している。