武尊、晃貴が鳥取時代に所属していた米子ジムが第1回プロ大会を開催した
「Flourish presents GAINA魂」
2022年11月6日(日)鳥取・米子市公会堂大ホール
▼第5試合 60kg契約 3分3R延長1R
×堤島知久(米子ジム/KODOライト級7位)
延長R 判定1-2 ※9-10×2、10-9
○田中陸登(拳狼会/KODOライト級5位)
※本戦の判定は28-30、30-30、29-29
第1回「GAINA魂」メインイベントの重責を担う両雄、入場時の表情からして共にその自覚が感じられる。煽りVTRでは、短いながら堤島が親友・晃貴との約束でプロのリングに上がり、中途半端だった自分の人生を覆すドラマが描かれた。
堤島には“ジ・オーバーターン”、田中は“疲れ知らずの恐し屋”とキャチコピーが打たれたが、果たして試合はその言葉をもろに反映する内容となった。
1R、まずはサウスポーの堤島が左ストレートの強打で先制。これを受けてオーソドックスの田中は、いきなり左右の細かなローキックに交えてコンビネーションブローを回転させて前進、打ち合いを誘う、鋭いカウンターブローや左ハイキックを繰り出す堤島。泥臭くともステップを止むことなく続けてキックとパンチをバランスよく打ち続ける田中は集中力が高い。
2R、打ち合いがヒートする様相の中、田中の前進がバッティングを呼び込み、堤島が左目尻をカットし僅かながらも流血。これに気を取られるでもなく堤島は、激しい打ち合いを挑み、応じる田中。そのガッツ溢れる試合振りは武尊のそれを思い起こさせる。左ストレートを中心に一発の強さがある堤島だが、連打が止まない相手の前進を止めるには至らず、田中のプレッシャーが強い。
3R、いきなりの左ハイキックを振るう堤島に必勝の気持ちが感じられる。それは田中も同様、いやそれ以上に呼応してラッシュ力を強める。足を止めてのハイスパートな打ち合いを厭わない二人だが、決定打はどちらにもない。意地と意地が交錯する中でゴング。
判定は、ジャッジ1名が田中を支持するも0-1でドローとなりマスト判定の延長Rへ。
開始前に不敵に笑う堤島。互いの前進がバッティングとなり堤島は傷を広げて顔を歪める。一度はドクターチェックがはいるが、そこでテンションを下げることなく堤島はラスト1分程で両手をブラリと下げてノーガードとなり田中に問答無用の打ち合いを誘う。寸分も迷わずこれに応じる田中は、終始継続してきた上下ラッシュに添加剤をくべたように加速する。センスと一発の堤島、根性と連打の田中と対照的な対決は、まったくの互角具合でジャッジ泣かせの展開。
絶対判定はスプリットとなり1-2で青コーナー・田中の勝利。ここで全試合が終了し、勝利に安堵する汗まみれの田中が残るリングに武尊や晃貴、ネット中継解説を務めた大岩龍矢、オープニングマッチのアマチュア選手を含むオールスターメンバーが集まりエンディング。ファンサービスのプレゼント抽選会など行いながら、主催者挨拶のマイクを握った富村誠司は、チケット発売と同時に札止めで集まった満員の観客と多くの協賛者、選手関係者スタッフ、そして、多大な協力を惜しまない教え子・武尊に感謝の意を表し、「このGAINA魂、来年もできるように米子ジム一丸となって頑張ります!」とイベントの継続決意を表明。
更に最後に挨拶を行った武尊も変わらぬ協力を約束すると共に「米子最高!」と恒例のシャウトで大円満の興行を締めた。