ケージに入ってしまったら全部関係ないとは思っている
とはいえ、元DEEP王者の弥益にとって、MMA4戦目の平本をぶつけられた上に、対戦相手の事前の手負いの告白と契約体重変更は、メリットが無くリスクが増すだけの要因だ。しかし、それらのアクシデントも弥益は、「ケージに入ってしまったら全部関係ない」とも言う。
「平本選手が怪我をしたとか契約体重がフェザーじゃないよ、とか、色々言ってしまうと、ケチがついたじゃないけど、エクスキューズ(言い訳)がついてしまった試合には残念ながらなってしまってはいるんですが……まあ、結局、軽々しくは言えないですけど……、でも“ケージに入ってしまったら全部関係ない”とは思っているので。
そのケチがついてしまったことによって“もういいよ”と思われてしまった方がいらっしゃるかもしれないんですけど、“まあ、まだ見ていいよ”って思ってくださっている方、そして現地で観戦してくださる方については、そのケージの中を楽しんでいただけたら自分は報われるなと思っています」と、『勝負論』としての興味は削がれるかもしれないものの「ケージの中の戦い」で魅せるとした。
そして弥益自身も、RIZINという舞台に身を転じた以上、その酸いも甘いも「楽しむ」ことが、いま格闘技を続ける理由のひとつでもあるという。
「自分自身がどんな気持ちかっていうと、なんかこうもちろんゴタゴタしてしんどいなって気持ちはあるんですけど、まあ一方で、こんな、メジャーイベントならではの騒動というか(苦笑)、このゴタゴタに自分が巻き込まれているんだ、ということを、客観的に見るとちょっと面白いなっていう気もする部分もあるんで。もう“自分がどれだけ楽しめるか”で格闘技を続けているところはあるので、この状況もできるだけ楽しんでいきたいと思っています。
なので、その様を楽しめる方は楽しんでいただけたら報われるなという思いですね。いや、しかし“弥益はフェザー級で試合ができない”っすね(苦笑)、もうここまできたら笑っちゃいますね。
RIZIN初参戦(朝倉未来戦)が68kgで、その次(“ブラックパンサー”ベイノア戦)が73で、その次がようやくRIZINフェザー級66kgで、今回も66kgだと思っていたら、突然70kgになるっていう(苦笑)。いやもうここまできたら笑って楽しむしかないですよ、本当に。この状況を。そんな感じでやっていきたいなと思っています。
まあ、平本選手も何だかんだ、頑張ってると思うので、どっちも応援してください」
さまざまな事情も、その後の栄光も挫折も、ケージの中に2人が入って扉を閉められれば、非情な結果が待つだけだ。果たして最後に笑うのは、平本か弥益か。