2022年10月29日(日本時間30日)、米国アリゾナ州グレンデールにて、元UFC世界ミドル級王者アンデウソン・シウバ(ブラジル・47歳)が、人気YouTuberでプロボクシング5勝0敗のジェイク・ポール(米国・25歳)とクルーザー級8回戦のボクシングマッチで対戦。ジェイクが8Rに右ストレートでダウンを奪うなど攻勢に立ち、判定3-0(77-74、77-78×2)で勝利した。
ジェイクが186.5ポンド(84.59kg)、アンデウソンが186.1ポンド(84.41kg)で計量した同試合。
序盤は、サウスポー構えのアンデウソンが左ストレート、アッパーを当てるなど、圧力をかけるなか、5Rを過ぎると手数を落としたアンデウソンにジェイクが攻勢に。シウバは鼻から出血。
そして8R、細かいステップで前に出るアンデウソンに、ジェイクは右ボディを当ててから、アンデウソンの右ストレートを左に避けて、カウンターの右ストレートを顔面に当ててダウンを奪取。立ち上がったシウバもジェイクをロープに詰めて反撃するもゴング。判定3-0でジェイクが勝利した。
戦績を6戦無敗としたジェイクは、スカイスポーツのインタビューで、「映画の中で生きているような気分だ。これはストーリーの中で書けっこない。彼とともにリングに立って、彼の心、彼の勇気、彼の勇敢さを見ているだけでも、あれこそ自分が尊敬するチャンピオンだ。彼がインスピレーションを与えてくれる」と語った。
この試合は、ESPNスタッツによると、ジェイクが83発のパンチを放ち、アンデウソンはわずか4発少ない79発を放つなど、決して不均衡な試合ではなかった。しかし、ジェイクはジャブ数で3倍も記録し、シウバのパワーパンチによるアドバンテージを打ち消している。
ジェイクは、試合後の会見で「シュールな瞬間だ。ハードワークが報われる。アンデウソンにありがとうと言いたい。彼は僕のアイドルであり、偉大になるようインスパイアしてくれた。彼がいなければこの試合はなかった。彼はタフな男で、本当にそうだ。彼を尊敬している」とあらためて語っている。
一方のシウバは、「これが試合(ゲーム)だ。ここにいるみんなのために特別なショーをしようと頑張ったんだ。来てくれたみんなにありがとうと言うよ。勝つこともあれば、負けることもある。でも、自分はこのために生まれてきたのだから、一生懸命トレーニングし続ける。
ここにきて、若い子と戦うというのはタフなことだ。ジェイクは今日自分より良かった。みんなこの子をリスペクトする必要がある。自分にとってはとてもハードな戦いだった」と、22歳若いジェイクに敬意を表した。
そして、「俺はスーパーヒーローだが、時々、自分のなかの半人前がやらかすんだ」と笑顔で語っている。