K-1 WORLD GP 2019 JAPAN2019年6月30日(日)東京・両国国技館
▼第16試合 K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント決勝 3分3R延長1R〇武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)KO 2R38秒 ※左蹴り上げ×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級王者)※武居がトーナメント優勝。
トーナメントの決勝は1回戦でアレックス・リーバス、準決勝で玖村将史の兄・修平をともに1RでKOした武居と、1回戦でムエタイ現役ランカーのペッパンガンを1RでKOし、準決勝では外国人で唯一勝ち上がったサンバル・ババヤンに判定勝ちした玖村将史によって争われた。 1R、軽快なステップを踏むサウスポーの武居に玖村は左フックを繰り出す。武居が鋭い踏み込みからスピードのあるパンチ。武居は左の三日月蹴りも突き刺す。前に出る玖村が右フックをヒットさせるが、その直後に武居が左フックでダウンを奪う。立ち上がった玖村が前に出ると武居はバックハンドブロー。 2R、玖村の右ハイを空振りさせた武居が右フック、そして倒れかけたところへ左の蹴り上げ。倒れた玖村は全身を痙攣させ、武居が衝撃KOでトーナメントを制した。
全試合1RでのKO制覇は逃したものの、全試合KO勝ちという圧倒的な強さで優勝した武居。マイクを握ると「対戦してくれた選手ありがとうございました。たくさんの応援とご来場ありがとうございました。毎日優勝することしか考えていなくて、いま格闘技を引っ張っている凄い2人がいるんですが、そこに置いて行かれないように僕も頑張ります。K-1を盛り上げられるように頑張ります。K-1最高!」と、格闘技界の主役に躍り出ると宣言した。
▼第15試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R×ゲーオ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/王者)延長R 判定0-3 ※8-10×3〇安保瑠輝也(team ALL-WIN/挑戦者)※安保が新王座に就く。ゲーオは初防衛に失敗。
ゲーオは新生K-1の旗揚げから参戦し、新生K-1の“強さの象徴”として君臨。2014年11月の「65kg初代王座決定トーナメント」で優勝し、初代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就くと、2016年6月の「-65kg世界最強決定トーナメント」でも優勝。2017年6月、野杁正明に判定で敗れ王座を失ったが、2018年11月の「第3代スーパー・ライト級王座決定トーナメント」で王座に返り咲いた。今回が初防衛戦。
挑戦者の安保は2012年8月にプロデビューし、5戦目までは判定続きだったが6戦目で覚醒。破壊力ある攻撃や飛び二段蹴りなどの大技を駆使してKOを連発、林健太や山崎秀晃をマットに沈めた。戦績は16勝(9KO)4敗。
1R、安保がハイキックで先制。サウスポーのゲーオはワンツーを伸ばしていく。安保は左ローを蹴っていき、左ストレートを打つとゲーオも負けじと左ストレートを返してくる。ゲーオが組み付くと安保は振り払ってマットに叩きつける。
2R、ゲーオは左ストレートを連打して前へ出る。さらに左ミドルの連打。安保は左右に構えを変えて様子をうかがう。安保は左ハイ、左フックを単発で繰り出すがゲーオはかわしていく。
3R、ゲーオの左ストレートにバランスを崩して後退した安保に、ゲーオは飛びヒザ蹴りを発射。当たらなかったがゲーオの勢いを感じさせる場面だった。安保の左フックに左ストレートを合わせに行くゲーオ。残り30秒、ゲーオは待ちの体勢に。安保はパンチとローを放つが、ゲーオは組み付く。
本戦は決め手がなく、ジャッジ1名が30-29でゲーオを支持したが残り2名は30-30、29-29でドロー。延長戦へ突入する。
延長R、安保は左ローを蹴り、ゲーオは左ミドル。安保はローからの胴廻し回転蹴りの大技を放つがこれは不発。ゲーオはつかみが多く注意を受ける。左フックを叩きつける安保。パンチを打ちに行く安保にゲーオはヒザ蹴り、さらに左ストレート。しかし、苦しさのためか首相撲からのヒザ蹴りをやってしまい、残り4秒で減点1。
判定は3-0で安保が勝利。ジャッジ三者とも10-8で減点がなくとも勝っていた。安保がその腰にベルトを巻いた。
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▼第14試合 スーパーファイト -58.5kg契約 3分3R延長1R〇村越優汰(湘南格闘クラブ/K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定3-0 ※三者とも30-29×フォー・シャオロン(中国/中国刑天舞威クラブ/CFP)
1R、両者サウスポー。蹴っていく村越にシャオロンは左右のストレートを狙っていく。シャオロンが入ってくるところに右フックを狙う村越。
2R、シャオロンがついに得意の飛びヒザ蹴りを放ち、着地と同時にフックを繰り出す。村越は落ち着いて距離をとると右ロー、右ミドル。お互いにパンチを出すが、空振りが多い。村越はローを当てていく。
3Rは村越が前に出る。左ストレート、右ボディフックがヒット。シャオロンも右を返す。両者距離が近くなってパンチの打ち合いとなり、左ストレートが交錯する。両者とも手数を出すがクリーンヒットはなく、村越が右ミドルを当てていった。
試合巧者ぶりを発揮した村越が、判定勝ちで中国からの刺客を撃破した。
▼第13試合 スーパーファイト ウェルター級 3分3R・延長1R〇木村“フィリップ”ミノル(K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHTウェルター級王者)KO 1R1分37秒 ※右フック×クルーズ・ブリッグス(オーストラリア/IWKBFムエタイルールオーストラリア王者)
5月18日(土)東京・後楽園ホールで開催された『K-1 KRUSH FIGHT.101』で、挑戦者・近藤魁成(大成会館)を2R1分43秒、KOして初防衛に成功し、両国大会への参戦をアピールしていた王者・木村"フィリップ”ミノル(K-1ジム五反田チームキングス)は、初来日のIWKBFムエタイルールオーストラリア王者クルーズ・ブリッグス(オーストラリア)との対戦が決定。
ブリッグスはオーストラリア・オセアニアでムエタイルールを中心に活躍するファイター。アマチュアムエタイで数多くの地区タイトルを獲得し、プロのリングでも15勝(9KO)4敗の戦績を誇る。ムエタイをベースにしたファイトスタイルながら、重いパンチとミドル・ヒザ蹴りを軸としたパワフルなファイトスタイルを持つという。
1R、木村が強い右フック&ストレートで先制。木村は回り込みながらジャブを打ち、ブリッグスはそのスピードについていけない様子。ブリッグスがジャブを打ったその手を戻す瞬間に合わせ、豪快な右フックを叩きつけてダウンさせ一撃KO勝ちを収めた。
木村はマイクを持つと「ヘイヘイヘイ、盛り上がっていますか? 両国マジ最高。やっぱり木村ミノルがいないと始まらないね。一番面白いし、一番楽しいし、一番カッコいい。すげぇ、あんなKOできると思わなかった。連勝続いているので、ちょっと休んだらまた試合をするので見に来てください。最高!」と、大歓声に応えた。
▼第12試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R〇佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONE KREST/第4代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級王者)TKO 3R2分14秒 ※レフェリーストップ×不可思(クロスポイント吉祥寺/KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者)
K-1初参戦を果たすKING OF KNOCK OUTスーパーライト級王者・不可思の対戦相手は、佐々木に決定。侵略者・不可思をどのように迎え撃つのか。
1R、不可思は右ロー、佐々木は左ミドル。お互いにローと右ストレートを放つ展開からパンチを交錯させる。不可思はジャブと右ストレートでボディを狙い、パンチをまとめて前に出ていく。佐々木も右ストレートで反撃。お互いに相手の打ち終わりを狙っていく。
2R、不可思はパンチのコンビネーションで前へ出ていく。佐々木はジャブでいなして不可思の出鼻を捉える。何度か打ち合いを挑む不可思は左フックをヒットさせるが、佐々木は表情一つ変えずに右ストレートを返す。
3R、不可思の左右ボディ、右ローに佐々木はバックハンドブローを返すが、不可思が右目上から流血。有効打か、前腕でのバッティングかで審議が行われ、有効打と判断されて試合再開。ここで足を止めて猛然と打ち合いを展開する両者。不可思は大流血しながら左右のパンチを回転させるが、2度目のドクターチェックが入る。
不可思が雄叫びを上げて試合再開。またも猛然とパンチを打っていき、佐々木もそれに応える。打ち合いが繰り広げられたが、不可思に3度目のドクターチェック。ここでついにストップがかかり、佐々木のTKO勝ちとなった。
不可思はがっくりと肩を落としたが、佐々木と笑顔をかわしてお互いをたたえ合った。
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▼第11試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第3代K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王者)KO 3R2分23秒 ※左ヒザ蹴り×ホルヘ・バレラ(スペイン/Team Jesus Cabello/K-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメント第3位)
回転の速いパンチとローキックのコンビネーションを武器とし、2018年6月の「第2代K-1フェザー級王座決定トーナメント」では一回戦で小澤海斗を得意のパンチでマットに沈め、準決勝でも村越優汰から右ストレートでダウンを奪い、鮮烈なK-1デビューを果たした。2019年3月の『K'FESTA.2』では芦澤竜誠から得意のパンチで3度のダウンを奪いKO勝利。今回が3度目の来日となる。
1R、バレラが右ボディを打ってきたところへサウスポーの西京が右フックを合わせてダウンを奪う。立ち上がるとバレラは右ストレートで反撃。ダメージは感じさせないバレラが左右のストレート、フックで前へ出る。西京は左ミドルを強く蹴り込んだ。
2R、西京は左のロー、ミドル、三日月蹴り、ハイキックを蹴り分け、バレラのパンチに対抗。西京は左フックを顔面とボディにも打ち分ける。左右ストレートで突っ込んでくるバレラだが、距離を支配している西京はクリーンヒットを許さない。打っては離れ、蹴っては離れる西京にバレラは空振りを繰り返す。
3Rもジャブと前蹴りで試合を作る西京。時折、強打の左ストレート、右フックもヒットさせる。左ミドルとヒザでボディを攻め、バレラが前に出るとさっとかわす西京。バレラが前に出て頭を下げたところへ西京が左ヒザを突き上げ、バレラは豪快にダウン。西京が鮮やかなKO勝ちを飾った。
西京はマイクを持つと「やっといい形で勝つことができました。これから何の試合組まれるか分からないけれど、リベンジマッチをひとつひとつ勝って、チャンピオンと横浜アリーナで試合をしたいです」とアピールした。
▼第10試合 K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント準決勝(2) 3分3R延長1R〇武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)KO 1R1分41秒 ※2ノックダウン×玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)※武居が決勝戦へ進出。
1R、玖村は1回戦で負った顔の傷が痛々しい。サウスポーの武居は細かいステップを刻みながらパンチの連打を繰り出す。武居の右フックに玖村が大きくバランスを崩し、そこへ武居がラッシュ。右アッパーを連続で突き上げ、ハイキックの空振りからバックハンドブローでダウンを奪う。
玖村が立ち上がると武居はアッパーを突き上げ、連打を決めていく。反撃しようとした玖村に右フックを叩き込み、2度目のダウンを奪って1回戦に続く1RでのKO勝ちで決勝戦進出を決めた。
▼第9試合 K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント準決勝(1) 3分3R延長1R〇玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級王者)判定3-0 ※30-26×3×サンベル・ババヤン(アルメニア/OMKE 54kg&WKN 53.5kgスペイン王者)※玖村が決勝戦へ進出。
1R、ガードを上げて前に出てくるババヤンに玖村はジャブと前蹴り。右ローと左右のヒザもヒットさせる。距離の長い攻撃を使ってババヤンを入らせない玖村。右の前蹴りにババヤンの身体が丸まり、そこへ連打してダウンを奪う。
玖村はラッシュをかけるがババヤンも左フックとハイキックで反撃。このラウンドを持ちこたえた。
2Rも前に出るのはババヤン。玖村はジャブと前蹴り、右ローでやはりババヤンを近付けさせない。前蹴りで突き飛ばしてヒザを突き刺す、さらに左三日月蹴り。ババヤンを寄せ付けずに自分のペースで試合を運ぶ玖村。
3Rも玖村がジャブと前蹴り、右ロー、右ストレートと距離の長い攻撃を当てに行き、ババヤンが下がるとヒザ蹴りを突き刺す。ババヤンは入り込んでローとフックを繰り出すが、距離があって空を切る。前蹴り連打でババヤンを下がらせる玖村。ババヤンのフックをもらう場面もあるが、ヒザ蹴りとローで圧倒的な手数を出して攻め続け、玖村が完勝で決勝進出を決めた。
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▼第8試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定3-0 ※30-26、30-26、30-25●芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス)
大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍。愛知県代表にも選ばれたことがある。大学在学中にキックボクシングを始め、KRUSHでは2016年8月と2018年12月にタイトル挑戦。今年3月には林京平を豪快なパンチで初回KOした。戦績は16勝(6KO)5敗。芦澤とは2017年5月に対戦し、判定勝ちしている。
芦澤は2016年9月にデビューし、喧嘩上等の打ち合いと過激な発言で頭角を現し、2018年6月に行われた「第2代K-1フェザー級王座決定トーナメント」では第3位となった。同年9月には武尊のライバル・小澤海斗からダウンを奪って勝利し、実力を証明。しかし、11月大会で卜部弘嵩に逆転KO負けを喫し、今年3月にはホルヘ・バレラにも敗れて連敗。再起をかけてこれまでのフェザー級からスーパー・フェザー級に階級を上げる。戦績は21勝(13KO)10敗1分。
入場時、芦澤はなんとマイクを持ってラップを歌いながらの入場。
1R、前蹴りを蹴り芦澤に大岩が右ストレート一閃。いきなりダウンを奪う。立ち上がった芦澤はジャブを突いて距離を取り、飛び小dねの左ボディ。大岩はプレッシャーをかけて芦澤を下がらせ、左右フックを叩き込む。芦澤も飛びヒザ蹴りで反撃。後ろ蹴りからの左フックも見せる。
2R、芦澤が右ストレートで飛び込んだところへ大岩が右バックブローを放ってダウンを奪う。大岩が前へ詰めてヒザ蹴りと左右フック、芦澤もパンチを返す。芦澤はダンスを踊るようにして余裕をアピールすると、ジャブを中心にパンチを打ち込んでいく。大岩は前に詰めての大きなフックを繰り出す。
3R、大岩の左ミドルに芦澤はジャンプしての蹴りを返す。芦澤がジャブから左フックをヒットさせてパンチをまとめにいくが、大岩は落ち着いてガードを固める。ジャブを突く芦澤に大岩の左フックがクリーンヒットしてグラつくが、芦澤は猛然と打ち合いにもっていく。大岩も応えて真正面から打ち合い、大岩が左フックで芦澤をグラつかせるが、芦澤も必死のパンチ連打。
最後まで逆転を狙いに行った芦澤だったが、2度のダウンを奪った大岩が芦澤を返り討ちにした。
▼第7試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R×小宮山工介(K-1ジム北斗会館/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント準優勝)KO 2R2分12秒 ※左ジャブ〇レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS)
小宮山は幼少の頃から父に空手を学び、様々な大会で優勝。2007年12月にRISEでプロデビューし、2011年2月にRISEスーパーフェザー級王座を奪取。11連勝を飾るなど安定した実力を示した。2016年6月からはK-1に主戦場を移し、2018年3月の第4代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントでは武尊と決勝戦を争い、敗れるも準優勝。今年3月、約1年ぶりの復帰戦で郷州征宜から勝利した。戦績は33勝(13KO)7敗。
対するレオナはアマチュア時代に武尊から勝利を収め、2012年6月にプロデビュー。“石の拳”と呼ばれる右ストレートを武器に強敵を撃破し、今回2016年4月以来、約3年2カ月ぶりにK-1のリングに参戦が決まった。戦績は23勝(9KO)5敗1分。
1R、小宮山は左右に構えを変えながら距離を取ってのロー。レオナはじりじりと前へ出て右ローから右ストレート。左右ストレート連打からヒザ蹴りで小宮山を圧倒する。小宮山は思わずクリンチ。
2R、ワンツーで前に出るレオナに小宮山はクリンチ。圧力に押される。小宮山の右ローにレオナが踏み込みながらの左ジャブをカウンターで合わせ、小宮山がダウン。この一発でKO勝ちを収め、キャッチフレーズの石の拳ぶりを見せつけた。
レオナはマイクを持つと「久しぶりのK-1でKOで勝つことができて嬉しいです。KOして武尊選手に挑戦しようと思っていたんですが、入院しているお母さんに一言いいたいです。勝てました、ありがとうございます」と勝利を母へ捧げた。
▼第6試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R〇大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB)判定3-0 ※30-29×3×里見柚己(K-1 GYM横浜infinity)
大沢はボクシングと空手を学び、高校入学後にキックボクシングを始めた。17歳でプロデビューし、2009年12月からはKRUSHを主戦場に活躍。ライト級に階級を上げると連勝街道を突き進み、2018年9月にはKRUSHライト級王座に挑んで善戦した。同年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントでも準優勝を果たしたが、今年3月に判定負け。戦績は23勝(3KO)16敗3分。
対する里美は小学5年生でキックボクシングを始めて高校1年生でプロデビュー。左ストレートを武器にホープとして期待され、2018年9月にはメインイベンターに抜擢。古豪・山本真弘を左の一撃でマットに沈めた。現在2連勝中でライト級に階級を上げてK-1に初参戦を果たす。戦績は12勝(6KO)6敗1分。
1R、大沢はガードを下げて前後に軽快なステップを踏む。サウスポーの里美は左の蹴りを上下に散らし、大沢はボディへの連打を繰り出す。大沢が前に出て攻めてくると里美は顔面のガードをガッチリと固めるが大沢のボディをもらう展開。
2R、里美は飛びヒザ蹴りを繰り出し、左インローを蹴る。大沢も右でインローを蹴り返す。プレッシャーをかけてボディとローで攻める大沢に、里美は左の蹴りを返すが手数は少ない。
3Rもボディを徹底的に攻める大沢。里美も顔面へ打ち返す。前へ強引に出る大沢に里美は左ストレートを強打。それでも前へ出てボディ、右ストレートを打つ大沢に里美はヒザ蹴りで対抗。最後まで前へ出て攻めた大沢が判定勝ちを収めた。大沢は里美の手を上げて相手を称えた。
▼第5試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇小澤海斗(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第2代K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王者)判定3-0 ※30-28×3×鷹大(WSRフェアテックス西川口/WMC世界スーパー・バンタム級王者)
小澤は空手とボクシングを経験し、2014年6月にKRUSHでプロデビュー。K-1で武尊を挑発し、乱闘や舌戦を展開してクローズアップされた。敗れたものの武尊とは2度の激しい試合を演じている。2016年2月には第2代K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王座に就いたが、2017年10月の3度目の防衛戦で敗れ王座を失った。その後、不調が続いたがジムを移籍し、3月のK-1で復活勝利。戦績は13勝(7KO)7敗2分。
鷹大はムエタイで活躍し、これまでWMC世界スーパー・バンタム級王座、WPMF日本同級王座、WPMF日本フェザー級王座と3つのタイトルを獲得。2018年からはKRUSHを主戦場とし、今年4月にはパンチでKO勝ちを収めている。その試合後、「どんどん強いヤツとやらせてください」とアピールし、今回の小澤戦が実現した。戦績は20勝(7KO)10敗1分。
1R、サウスポーの小澤は左ハイで先制。前後へのステップを見せる小澤は終盤、左ヒザ、左ハイ、左ミドルで攻撃をまとめた。
2R、強い左ミドルを蹴る小澤。左ヒザを命中させていく。鷹大は時折蹴りを出すが、ほとんど手が出ない。終盤に小澤が左右フック連打を見舞い、左フックでダウンを奪ったがこれはゴング後と判断された。
3Rも攻めるのは小澤。前後へのステップを踏みながらボディへの飛びヒザ蹴り、左フックなどを繰り出していく。余裕の笑みも浮かべる小澤が左ヒザを連打で突き刺し、ボディブローへとつなげていく。
ほぼ一方的に小澤が攻める形となり、判定3-0で小澤が勝利した。
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▼第4試合 K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント1回戦(4) 3分3R延長1R〇玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)KO 3R2分50秒 ※2ノックダウン×サデック・ハシミ(イラン/IFMAアマチュアムエタイ2016欧州王者、WMF2017世界王者)※玖村が準決勝へ進出。
ハシミは、アマチュアムエタイ大会の中で最も権威があるとされるIOC公認団体IFMA(国際アマチュアムエタイ連盟)アマチュアムエタイ2016欧州王者、WMF(世界ムエタイ連盟)2017世界王者。戦績は14勝(4KO)2敗の27歳で、出場メンバーの中で最長身の174cmを誇る。現在はタイでプロの試合経験を積んでいるという。
玖村は玖村兄弟の兄で、国内キックボクシング団体の老舗NJKFで王者になり、2018年6月からKRUSHに参戦。今年3月大会では金子晃大に敗れるも大会ベストバウト級の大激闘を繰り広げ、高評価を得て現在無冠ながらもトーナメント出場を決めた。
1R、玖村のワンツーに大きくバランスを崩して下がるハシミ。右のカウンターと左フックを合わせられた玖村だが、落ち着いて前に出る。ハシミは顔面前蹴りを突然放つ。長いリーチから繰り出すパワーがありそうなハシミの攻撃に玖村は戦いにくそうだ。
2R、玖村はジャブから右ロー。ハシミのノーモーションの右ストレートに玖村が仰け反る。玖村も負けじとワンツースリーを打ち込んだ。ボディもしっかり攻めていく玖村。ラウンド終了間際に玖村が顔面とボディにラッシュを仕掛け、ハシミも左フックをヒットさせた。
3R、ハシミが右ストレートを連打して前へ出る。伸びるストレートをもらってしまう玖村。左目上をカットして流血が見られる(バッティングと判断された)。前へ出て長いリーチからのストレートで勢いよく攻めるハシミ。しかし残り40秒、ハシミの左フックをもらった直後、玖村が右フックでダウンを奪う。一気に畳みかけた玖村が右ストレートでハシミを吹っ飛ばし、残り10秒で逆転KO勝ちに成功した。
▼第3試合 K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント1回戦(3) 3分3R延長1R〇武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)KO 1R2分48秒 ※2ノックダウン×アレックス・リーバス(スペイン/ISKAアマチュアK-1ルール&アマチュアフルコンタクトルール世界フェザー級王者)※武居が準決勝へ進出。
リーバスは、身長168cm、戦績は18勝(8KO)2敗の18歳。高いボクシングスキルと鋭いローキックを武器とし、スピーディかつ獰猛なファイトスタイルから“EL PUMA(エル・ピューマ)”の異名を持つ。ヨーロッパ諸国で試合を続け、17歳にして20戦近い戦績を持ち、2018年11月にK-1に初来日。K-1フェザー王者・村越優汰から1Rにパンチでダウンを奪い、判定勝利する番狂わせを起こした。2019年3月の『K'FESTA.2』で武居との対戦が決定していたが、家族の事情により無念の欠場。今回、仕切り直しの一戦となる。
武居は現K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者で、今回の優勝候補筆頭。戦績は18勝(13KO) 2敗。
1R、サウスポーの武居はスピードのある動きで右フック、左右ボディ、ワンツーを放っていく。ガードを固めて前に出るのはリーバスだが、パンチを当てるのは武居。右へ回り込む武居だが、左右へのステップも見せる。武居は左三日月蹴りでリーバスを大きく下がらせると左右ボディの連打でリーバスをロープまで追い詰め、右ボディでダウンを奪う。
再開後もコーナーを背負うリーバスに左右ボディ連打を浴びせ、最後は左ボディでリーバスをマットに沈めた。
▼第2試合 K-1 WORLD GP 2019スーパ、ー・バンタム級世界最強決定トーナメント1回戦(2) 3分23R延長1R×晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 KRUSH FIGHTバンタム級王者)判定0-2 ※28-28、28-29、28-29〇サンベル・ババヤン(アルメニア/OMKE 54kg&WKN 53.5kgスペイン王者)※ババヤンが準決勝へ進出。
ババヤンは、OMKE(オーガニゼーション・ムンジアル・キックボクシング・エスパニア=世界スペイン・キックボクシング機構)54kgとWKN(ワールド・キックボクシング・ネットワーク)53.5kgの両スペイン王者。戦績は9勝(5KO)1敗1分で、身長160cmの21歳。前に出る突進力と回転の速いパワフルなパンチを武器にする超攻撃型ファイターで、スペイン、フランス、イタリアといったヨーロッパマットで活躍。
晃貴は鳥取県時代から武尊と同門の弟分。今年1月に第4代Krushバンタム級王座に就くと、4月には隼也ウィラサクレックを破り初防衛を果たすとともにこのトーナメント出場権を獲得した。現在4連勝、戦績は7勝(2KO) 3敗1無効試合。
1R、晃貴は前蹴りを多用していく。時折、右ストレートを放ち、ヒザ蹴りも突き刺す。ババヤンはガードを固めて前へ出てパンチを放つが、晃貴に前蹴りで押し戻される。しかし、ババヤンが左フックからの右ハイキックでダウンを奪う。飛びヒザ蹴りで対抗する晃貴打ち合いに持ち込み、ゴング直後に左フックでダウンを喫するがこれはノーカウント。
2R、晃貴が右ストレートと飛びヒザ蹴りで猛攻を仕掛けるが、ババヤンもパンチからの蹴りで応戦。左右フックを叩きつけるババヤンに晃貴は笑みを浮かべながら打ち合いに持ち込む。ババヤンの左フックに大きくグラつく晃貴だったが、左ローと左ミドルで反撃した。
3R、晃貴の左フックからの左ヒザ蹴りにババヤンが下がる。晃貴は前蹴りとヒザ蹴りでボディを攻め、右ストレートや飛びヒザ蹴りを叩き込む。ババヤンも左右のフックを振るって必死の応戦。右ローとボディのダメージを感じさせるババヤンだが、下がらず前へ出て左フックと右ハイで打ち合う。
最後まで打ち合いを見せた晃貴だったが、判定は2-0でババヤン。玖村将史の待つ準決勝へ駒を進めた。
▼第1試合 K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント1回戦(1) 3分3R延長1R〇玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級王者)KO 1R2分28秒 ※2ノックダウン×ペッパンガン・モー.ラタナバンディット(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級4位、ルンピニースタジアム認定同級5位)※玖村が準決勝へ進出。
ムエタイの2大殿堂が制定するランキングに名を連ねているペッパンガンの戦績は120勝(11KO)28敗2分、身長170cmの20歳。昨年12月のK-1大阪大会でこのトーナメントの優勝候補・武居と接戦を繰り広げたヨーブアデーン・フェアテックスとも対戦し、勝利を収めた実績を持つ。また、今年3月に武尊と対戦したラジャダムナンスタジアム認定フェザー級王者ヨーキッサダー・ユッタチョンブリーには敗れている。
迎え撃つは玖村兄弟の弟・将史。第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメントに参戦し、大岩翔大、ビクトー・サラビアを下して決勝に進出。2019年2月のKrush後楽園大会で元Krushバンタム級王者・軍司泰斗に勝利して、Krushで無敗のままベルトを腰に巻いた。
1R、玖村は左ボディを混ぜたパンチのコンビネーションで前へ出ていく。ペッパンガンは下がりながらの右ミドル。ロープに詰まったところで玖村がワンツーの右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。
ダメージの残るペッパンガンに玖村は連打で襲い掛かり、左フックで2度目のダウンを奪ってKO勝ち(トーナメントは2ノックダウン制)。強敵を1Rでマットに沈め、幸先のいいスタートを切った。
▼K-1スーパーバンタム級最強決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R×小倉尚也(スクランブル渋谷)KO 1R1分44秒 ※2ノックダウン〇林 勇汰(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSG)※林がリザーバーに決定。
小倉はレベルスで戦っていたが、2017年7月からはK-1 JAPAN GROUPの大会に主戦場を移し、これまで3勝3敗。3勝はいずれもKO勝ち。現在、レベルスでの1試合を含めて得意のパンチで3連続KO勝ちと勢いに乗る。戦績は13勝(7KO)6敗2分。
林は林3兄弟(長男・将多、次男・健太)の三男で、かつてK-1に参戦経験のある父親の影響で空手とキックボクシングを学んだ。2017年5月からK-1 JAPAN GROUPの大会に参戦し、現在まで3勝1敗1無効試合。兄たちと同じく重いパンチを持ち、戦績は4勝4敗1分1無効試合。
1Rからパンチを回転させて前に出るのは林。ワンツー、左フックで小倉を下がらせ、左ストレートでダウンを奪う。立ち上がった小倉にも回転力の速い左右連打で浴びせ、最後は右ストレートからの左フックで小倉が崩れ落ち、林が圧倒KO勝ちを収めた。
▼プレリミナリーファイト スーパー・ライト級 3分3R×迅也(北斗会館浅科道場)KO 1R1分10秒〇寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB)
▼プレリミナリーファイト -53kg契約 3分3R×藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER) 判定0-3 ※28-30、29-30、29-30〇多久田和馬(K-1 GYM横浜infinity)