フェイスオフで3年ぶりに向かい合った両者。チャン・リー(右)は気合い十分、菅原は自然体か
2022年10月28日(金)東京・後楽園ホール『Krush.142』の前日計量&記者会見が、27日(木)都内にて13:00より行われた。
メインイベントでKrush女子アトム級タイトルマッチを争う王者・菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)と挑戦者チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)は共に44.95kgで女子アトム級リミットの45.0kgをパス。続いて行われたタイトルマッチ調印式、そして記者会見に臨んだ。
会見の冒頭、石川直生Krush Evangelistは「3年ぶり再戦。その時のデータが参考にならないほど2人とも強くなっている。2人とも気が強いので打ち合いも見られそうな女子の試合です」と評した。
対戦発表の記者会見、そして今回と厳しい表情を全く崩さないリーは「自分を信じて全力でぶつかるだけです」ときっぱり。菅原も笑顔はなく「成長した姿を見せられるように頑張ります」とコメント。
改めて計量で顔を合わせた印象を聞かれると、リーは「皆さんが言ってる3年前と比べたら王者らしさ、王者だなってオーラを感じてそれが見えました。ただそれはそれで私は私なので明日を楽しみにしてください」と言い、菅原は「いつもクールな感じ。目に明日の気合いを感じたのでしっかり受け取って自分も気合いバッチリでいきます」と、気合いを入れ直したとした。
フェイスオフの時は「顔を見てどうとかじゃなくて、私の体感で説明しちゃうけど静かなところにいました」(リー)、「気合い入っているなって目を見て伝わりました」(菅原)とそれぞれの感想。
6月のK-1トーナメントから4カ月、菅原は決まった試合のための対策練習ではなく、強くなるための練習に時間を割いてきたという。「いつも以上に、今まで以上に格闘技と向き合って練習して、大事な時間でした。そのやってきたことを結果で出さないと意味がないのでそれを明日出し切りたい」と、その練習成果を発揮したいという。
3年前の初対決は菅原がプロ3戦目、リーがプロ2戦目だった。その時と比べてどんな試合になりそうかと聞かれると、菅原は「あの頃は技術がお互いなくて、気持ちだけの試合というか喧嘩みたいになっていて。自分はいま王者という立場ですけれど、私はあの頃の試合には満足していないので、成長している気持ちでいます。王者だからとかプレッシャーは全然なくて。3年前の自分たちとは違う、綺麗な格闘技の試合をしたいですけれど、タイトルマッチなので気持ちはいつも以上に出る試合なので、グチャグチャな展開になるかもしれないですが、お互い奇麗な展開の試合が出来ればと思います」と、3年前とは全く違う試合を見せたいと答える。
一方のリーは6月のK-1で自身初のKO勝ちを飾り、勢いに乗っての挑戦。「あのKOがあったから今につながっているし、K-1が認めてくれたのが嬉しくて。ここに座っているのが光栄です。その感謝の気持ちも込めてリングに上がって、最後に私が笑っていられるようにしたいと思います。五反田ジムに移籍してこのベルトを巻くために毎日練習してきて。前回の会見が終わって追い込みが始まって、この日のために日々成長して実感してやってきたので、あとは自分を信じて向き合っています」と意気込んだ。
元幼稚園の先生という経歴を持つリーは、幼稚園を辞める時に子供たちにチャンピオンになることを約束したという。「1年目に見た子供たちは中三になっていて、インスタのDMとかでメッセージを送ってくれたりしています。それが力になっているし、他のスポーツをやっている子供からも、大会で優勝したって連絡をもらって『バトンをつないだから』ってメッセージをくれて。そういうみんなの気持ちも背負って、最後に私がベルトを巻いて、みんなのところに行きたいです」との“負けられない理由”を話す。
菅原も背中を押してくれる、支えてくれる人たちは「もちろんいっぱいいます。仲間もそうですし、職場の皆さんとか、他にもたくさんの人たちに支えられてここにいるので、前回悲しい想いををさせてしまったので今回は笑顔で帰ってもらえるように頑張ります」と、同じく“負けられない理由”を話した。
最後にリーは「自分は失うものが何もないので自分を信じて全部ぶつけます。最後にベルトを巻いて見えない重さを肌で感じて帰ろうと思います」とタイトル奪取への意欲を改めて口にする。
菅原は「明日はしっかり成長した姿を見せて、応援してくれている方を笑顔で帰せるように一生懸命頑張ります」と語った。