2022年10月29日(日本時間29日・25時30分からプレリム、30日AM5時からメインカード・U-NEXT配信)『Bellator 287: Piccolotti vs. Barnaoui』がイタリア・ミラノ大会で開催される。
同大会のメインイベントが、2023年に開催予定の「Bellatorライト級ワールドGP」(8人トーナメント)に向けて、注目されている。
ミラノ大会のメインでは、2019年5月の「Road FC 53」100万ドル争奪トーナメント優勝者マンスール・ベルナウイ(フランス・19勝4敗)が、Bellatorライト級のアダム・ピッコロッティ(米国・13勝4敗)と対戦する。
30歳になったベルナウイは、3年5カ月ぶりにMMA復帰。身長182cmの体躯を活かし、ロシア「M-1 Global」やポーランド「KSW」など欧州トップレベルの団体で試合を重ね、韓国「ROAD FC」でライト級トーナメントに参戦。
1回戦と準々決勝をいずれも1R 一本勝ちで突破すると、準決勝では日本の下石康太に3R リアネイキドチョークで一本勝ち、決勝ではロシアのシャミール・ザフロフを3R KOで下し、2019年5月のクオン・アソルとのタイトル戦に挑んだ。試合はベルナウイが1Rにアソルをリアネイキドチョークを極めてトーナメント優勝。MMA19勝のうち、6KO、12一本とほぼ全てをフィニッシュ勝利している強豪で、2013年4月には現UFC世界ライト級王者のイスラム・マカチェフと判定まで持ち込んでいる。
今回の大会前の会見でベルナウイは「僕は本当に、今度のBellatorライト級ワールドGPトーナメントに出たいんだ。しっかりケージで自分のやれることをやりきる。僕の階級のファイターのみんな、そこで待っていてくれ。僕はそこに行くよ」と、ライト級上位陣に宣戦布告している。
Bellatorライト級ランキング
※10月27日時点
王者 パトリッキー・ピットブル・フレイレ1位 ウスマン・ヌルマゴメドフ2位 ベンソン・ヘンダーソン3位 トフィック・ムサエフ4位 シドニー・アウトロー5位 ブレント・プリムス6位 アレクサンダー・シャブリー7位 イスラム・マメドフ8位 AJ・マッキー(※ライト級転向1勝)9位 ピーター・クイリー10位 ガジヒ・ラバダノフ
スコット・コーカー代表は、155ポンド(ライト級)について、「王者パトリッキー・“ピットブル”を頂点に、トフィック・ムサエフ、ウスマン・ヌルマゴメドフ(11月18日パトリッキーに挑戦)、そして最近ピーター・クイリーに良い勝ち方をしたベンソン・ヘンダーソンもいる。2023年、彼らは155ポンドのトーナメントへの出場を考慮する必要があるだろう。中には優勝賞金100万ドルを狙って、体重を増やしにくる選手もいるかもしれない」と、トーナメント開催を示唆。
本誌の取材に「いまのRIZINチャンピオンのホベルト・サトシ・ソウザは、ムサエフに勝っているだろう? 是非呼びたいと思っているんだ。選手にとってもかなりいい話なはずだ。我々のファイトマネーはかなりいいし、トーナメントに優勝すると、それにプラスして賞金が100万ドル(約1億4千5百万円)あるからね。人生が変わる金額だと思うよ。2月に開幕できればと思っている」と、ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)の参戦を熱望している。
26日の『RIZIN.40』(12月31日・さいたまスーパーアリーナ)「RIZIN vs. Bellator 5対5 全面対抗戦」の会見では、そのサトシと、前Bellator世界フェザー級王者のAJ・マッキー(米国)の対戦が発表されている。
MMA19勝1敗のマッキーは、ライト級転向初戦で、4月のRIZINで武田光司に一本勝ちしたスパイク・カーライルに判定勝ちしており、サトシにとっては難敵。この試合が、今週末のベルナウイvs.ピッコロッティも含め、ライト級ワールドGPへの査定試合になることは間違いない。
さらに同階級には、柔道欧州U16選手権銅メダリストで元WFL王者、ONE Championshipでも活躍したピーター・バウシュト(オランダ)が契約間近で、エディ・アルバレス(米国)も興味を示していると報道されており、目が離せない状況だ。
果たして、10月29日のベルナウイvs.ピッコロティ、11月18日のパトリッキーvs.ヌルマゴメドフ、そして大晦日のサトシvs.マッキーはどうなるか。注目だ。
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マンスール・ベルナウイ「早くケージに入って自分の力を見せたい」
「(2019年のROAD FC以来)3年後にとても良い、大きなプロモーションを見つけられたのはとても幸せだ。Bellatorデビュー戦でメインイベントに出られるとは思っていなかったけど、とても良いファイターと戦えることは間違いない。Bellatorに来ることができて、スコット・コーカー代表にありがとうと言いたい。早く彼に会ってお礼を言いたい(※日本で会見中)。
僕は本当に(今度のBellatorライト級ワールドグランプリ)トーナメントに出たいんだ。ピッコロッティとの試合で一歩一歩進んで、それからトーナメントのことを考えようと思っている。しっかりケージで自分のやれることをやりきるよ。僕の階級のファイターの皆さん、そこにいて待っていてください、私はここにいます、そしてそこに行きます。
パリでたくさん練習した。対戦相手のことは知っているし、彼がグラウンドに強いことも知っている。すべてのトレーニングは、次の対戦相手のために特別なものだった。ずっとトレーニングしているんだ。3年ぶりだし、早くケージに入って自分の力を見せたいよ。
(今回はミラノだが)次回、Bellatorパリ大会で戦うことができれば、多くのファンを連れてくることができると絶対に確信している」
アダム・ピッコロッティ「Bellator代表として戦うのは嬉しい」
「ただただ興奮している。メインイベントであることは分かっているけど、僕はここイタリアのミラノにいるんだ。最高の気分だよ。ヨーロッパで戦うのは初めてだし、興奮を通り越したよ。煽られたね。
僕はあまり相手の試合映像にこだわらない。それ(研究)はコーチに任せている。マンスール・ベルナウイはいい選手で、タフだ。
これまでのスプリット判定(シドニー・アウトロー戦とベンソン・ヘンダーソン戦)はクソだ。みんな知っている。どの試合もとても重要なんだ。自分の手を挙げるために、できる限りのことをするつもりだよ。
(前回、試合はキャンセルになったものの、その対戦相手はトフィック・ムサエフ。そして今回マンスールに。その都度ニューカマーの対戦相手に抜擢されることをどう感じている?)Bellatorのニューカマー、トフィック・ムサエフとマンスール・ベルナウイが参戦するのは嬉しい。自分が彼らと組まれるのは、団体が自分をそれだけ信頼し”Bellator代表”だと思ってくれているのは嬉しいことだ。
特に僕が勝つと言うことは、かなり安全なことだと思う。僕は補欠ではなく、そのトーナメントに入るべきだと思う。参加するのにとても良い候補者だと思うよ。
2021年はタフだった。怪我や自分のコントロールできないことがたくさんあって、しばらく休まざるを得なかったんだ。今年は2試合できて嬉しいし、イタリアでメインイベントを戦えるなんて、まさにチェリー・オン・トップ(さらに嬉しいこと)だよ」