2022年10月21日に開催された、ONE Championship「ONE Fight Night 3: Lineker vs. Andrade」に出場した主要選手が声明を発表した。
メインイベントの「ONE世界バンタム級(65.8kg)選手権試合」に臨んだファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)は、王者が体重超過で空位になったこと、キャッチウェイトで行われた試合が、アクシデントによるローブローで3R途中で「ノーコンテスト」に終わったことについて、対戦相手のジョン・リネカー(ブラジル)を批判、「早期の再戦」か「新たな相手との王座戦」を望んだ。
▼ONE世界バンタム級(65.8kg)→キャッチウェイト 選手権試合 5分5R─ジョン・リネカー(ブラジル)※145.50, 1.0229 ※体重超過[3R ノーコンテスト]─ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)145.00, 1.0103
体重超過の元王者の“ハンズ・オブ・ストーン”の強打に対し、ジャブ、ハイキック、ヒザ蹴りと多彩な攻撃でペースを掴んだアンドラージだが、3R、強烈なヒザ蹴りでリネカーを金網まで後退させ、KO目前に追い込んだところで、アンドラージの続くヒザ蹴りが金的を直撃した。
悶絶するリネカーは、試合を続行できず。
「試合は予想通りには終わらなかった。とても気持ちよく、自信を持って戦っていたのに、僕のミスで彼にローブローを食らわせてしまった」と、悲痛な表情で語るアンドラージ。
続けて、「正直なところ、試合を止めさせるほどのものではなかったと思う。彼は楽な方法を取ったんだ」と続行を拒んだリネカーを批判した。
「あの男は、長い間、僕から逃げていたんだ。ここに来て、体重を落とせず、そしてあのように試合を放棄した。悔しいよ。彼は僕ともう一度対戦したいとは思っていないだろう。もし再戦を望むなら、いつでもいいんだ。
今回の試合はダメージがなく、フレッシュな状態のままだから、アクティブに動きたい。できるだけ早く戦いたい。この選手(リネカー)は僕との再戦を望んでいないと思うから、他の選手をタイトルマッチに起用しよう。彼は体重を落とせなかったから、タイトルが空位になってしまった。
もし、彼が戦いたくないのなら──特に、あんなにボコボコにした後だから、もう戦いたくないと思うのだろうけど──他の選手を出してくれ。僕はただタイトルを取りたいだけだ。僕が“チャンピオン”であることは誰もが知っている。この試合で、僕とリネカーは同じレベルではないことを証明したんだ」
25歳のアンドラージは試合後、タイガームエタイでともに練習を積み、王座を目指したクレベル・コイケに『RIZINのチャンピオンになって』とメッセージを送っている。
完勝に近い内容で、ベルトを逃したアンドラージの次戦は、いつ誰となるか。空位の王者に続く、1位はビビアーノ・フェルナンデス、2位にファブリシオ・アンドラージ、3位はクォン・ウォンイルとなっている。
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ルオトロ「MMAデビューは確実にする。青木と戦うのも面白い」
▼ONEライト級サブミッション・グラップリング世界選手権試合→キャッチウェイト 12分1R〇ケイド・ルオトロ(米国)169.00, 1.0214[1R 4分26秒 ヒールフック] ※内ヒール×ウアリ・クルジェフ(ロシア)174.00, 1.0152 ※体重超過
メインカードの「ONE世界ライト級サブミッション・グラップリング王者決定戦」もウアリ・クルジェフ(ロシア)が体重超過したものの、キャッチウェイトの変則王座戦は、計量をパスしたケイド・ルオトロ(米国)が、サンビストのクルジェフを内ヒールで極めて王座戴冠。
試合後は、青木真也とのMMAでの再戦にも言及している(※青木は11月19日のシンガポール大会でザイード・イザガクマエフと対戦が決定済み)。
◆ケイド・ルオトロ「トミー・ランガカーにももちろん勝つ」
「勝利後のインタビューでも話したけど、僕はこの競技を16年間やっている。マットの上で生まれ育ってきた。ここまで来たことに感謝の気持ちでいっぱいだ。
ADCCのアフターパーティーで(今回の試合後に対戦をアピールした)トミー・ランガカーと言葉を交わしたよ。彼との対戦も楽しみだし、もちろん僕がサブミッションで勝つ。
MMAデビューは確実にするつもり。前よりも多めにMMAのトレーニングもやっているんだ。ムエタイも数年練習している。これからも打撃の練習も続けて、MMAデビューに備えたい。とても楽しみだ。
ここまで来て、自分が追う側ではなく追われる側になったと感じているよ。ハングリーな選手たちが僕のタイトルを狙っている、これが僕が欲しかったものだし、そういう選手と戦うのが楽しみだ。ONEチャンピオンシップのグラップリングは素晴らしいよ。アスリートたちのモチベーションになっている。BJJはここまで大きな物になってこなかった。ONEみたいな団体がこうして選手を鼓舞しているし、5万ドルのボーナスなんて夢のようだ。欲しくない選手はいないだろう。
シンヤ・アオキとのリマッチは興味があるんだ。この前は彼が僕の得意な競技で戦ってくれたから、今度は彼のいるMMAで戦うのも面白いと思うね」
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レギン・アーセル「みんな格下、誰も相手にならない」
▼ONEムエタイ 世界ライト級王座決定戦 3分5R〇レギン・アーセル(スリナム)169.75, 1.0023[判定2-1]×シンサムット・クリンミー(タイ)169.25, 1.0057※アーセルが新王座に就く
「ONEで二冠達成っていうのは、人生の中のゴールでもあった。みんな、これからは僕のことを“Champ-Champ”って呼んでくれ。
個人的には、接戦ではなかったと思う。試合を見返してくれれば分かる通り、最初の2ラウンドは相手を試していた。残りのラウンドはガンガンプレッシャーをかけていったよ。試合後の相手の顔を見れば分かるよ。
サークルケージに足を踏み入れるときはいつでもリスクがあるもの。クリンミーとオープンフィンガーで戦うことは特にね。でもこういうリスクを取らずして、栄冠は掴めないんだよ。
(今後の相手について)みんな格下だよ。誰も相手にならない。俺は不滅さ」