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【ROAD TO UFC】松嶋こよみがイー・ジャーと対戦、中村倫也と野瀬翔平が決勝進出かけて日本人対決、寝技師・風間敏臣が韓国の強豪キム・ミンウと激突=10月23日(日)

2022/10/20 18:10
 2022年10月23日(日)午後8時から、『UFC280』に続き、エティハド・アリーナのオクタゴンで『ROAD TO UFC』の準決勝が開催される(ABEMA生配信)。  中国、インド、インドネシア、日本、韓国、タイ等から集まった4階級16名のファイターが、UFCとの契約を勝ち取るために頂点を目指し戦う。  日本からトーナメントを勝ち上がって準決勝を戦うのは4選手。フェザー級で松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)がイー・ジャー(中国)と対戦。バンタム級で風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)がキム・ミンヌ(韓国)と、中村倫也(フリー)と野瀬翔平(マスタージャパン福岡)が日本人対決に臨む。  またワンマッチでSASUKE(マスタージャパン)でパ・ラジン(中国)と対戦する。 松嶋こよみが、SASUKEを破ったイー・ジャーと対戦 ▼ROAD TO UFC フェザー級トーナメント準決勝 5分3Rイー・ジャー(中国)20勝3敗松嶋こよみ(日本)13勝5敗  フェザー級の松嶋は、北岡悟率いるパンクラスイズム横浜での練習に加え、岩﨑達也代表の剛毅會・武術空手、マモルのMMAムエタイ、T-GRIPの大塚隆史のMMAレスリング、さらにイー・ジャー対策として武田光司(※同日の10月23日にRIZINでザック・ゼインと対戦)との練習なども行ってきた。  1回戦でホン・ジュンヨン(韓国)に完勝に近いスプリット判定で勝利した松嶋に対し、25歳のイー・ジャーは1回戦でSASUKE=佐須啓祐(MASTER JAPAN)に1R リアネイキドチョークで一本勝ち。ジャーのボディロックテイクダウンに右手をマットに着いたSASUKEが負傷後に極めた形だが、20勝3敗のレコードが示す身体の強さは折り紙付きで、ここ4年間は風間に敗れたマイマイチツォヘチに2R TKO負け以外、黒星はない。オーソから繰り出す打撃は時折頭を下げたパワフルさを持ちながら、LEGEND FCでは跳びヒザ蹴りなどの大技も見せている。  ONEで猛者たちを相手に戦い、契約を更新せずマッチング期間を経てUFCへの道を模索してきた30歳の松嶋にとって、1試合1試合が進化で勝負の一戦だ。元Road FC王者イ・ジョンヨンら強豪も参戦中の同級で、確実なUFCへの切符獲得に向け、今回も負けられないサバイバルマッチに臨む。 [nextpage] 中村倫也と野瀬翔平が日本人対決 ▼ROAD TO UFC バンタム級トーナメント準決勝 5分3R中村倫也(日本)5勝0敗野瀬翔平(日本)9勝2敗2分  バンタム級では、6月の1回戦でググン・グスマン(インドネシア)に1R アメリカーナで一本勝ちした中村倫也(日本)がLDH martial artsを離れ、フリーとして参戦。当初、同じ1回戦でケレムアイリ・マイマイチツォヘチ(中国)に判定勝ちした風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)との試合が決まっていたが、カードはシャッフルされ、準決勝で野瀬翔平(マスタージャパン福岡)と対戦する。  中村は、2017年のレスリングU23世界選手権フリースタイル61kg級で優勝。2021年に『格闘DREAMERS』を経て、プロ修斗でデビュー。LDH martial artsを離れて移行は、フリーとして、パンクラスイズム横浜のプロ練習に参加し、マモルのパーソナル、津田勝憲のミット、KRAZY BEEでの山本アーセンとの練習、タケ大宮司のファンクショナルトレーニングと、出稽古を中心に、自身でそれをMMAのなかに落とし込んできた。すべてを背負う形で人生を賭けて臨む、27歳の準決勝となる。  対する野瀬は柔道出身で25歳。高校2年生のときに、団体戦無差別の試合で重量級を相手に首の骨を骨折。地元の九大病院では手術が出来ないほどの重症のなか、ドクターヘリで福岡の病院に緊急搬送されている。  脊椎損傷センターで足の骨を削って頸椎をつないで固める大手術を行ったが、『殺してくれ』と叫ぶほどの痛みのなか、車椅子に乗るためのリハビリから開始。奇跡的に1年後に痛みや痺れが和らいだものの、1年経っても懸垂1回もできず、腕立て伏せ10回もできない状態から『拾った命・身体だからやりたかったMMAをやろう』とMMAの道を進んだ。 修斗でプロデビューし2分け後、4連勝をマークも、2020年9月に工藤諒司にKO負け、2021年2月のRoad to ONEで吉野光(※10月20日午後11時~「UAE Warriors34」でジャマル・ラステムと対戦)にスプリット判定で敗れ初の連敗も、以降はMMA5連勝中。3月にはRISE WESTでのキックでも1R KO勝ちを収めている。 「ROAD TO UFC」では、1回戦でウリジ・ブレン(中国)に1R TKO勝ち(※ブレンが右足負傷)し、準決勝でキム・ミンウと対戦予定だったが、9月になって中村に対戦相手が変更された。同門の先輩SASUKEとの福岡での練習を経て、レスラー中村との戦いに向け、身体に沁み込んだ柔道、そして、元UFCの弘中邦佳代表ゆずりの柔術もMMAのなかで駆使して戦う。 [nextpage] 寝技師・風間敏臣が韓国の強豪キム・ミンウと激突  MMA10勝2敗、柔術がバックボーンの風間は25歳。プロデビュー戦こそ判定負けも、以降9連勝で5つの一本勝ちを誇る。得意のハンマーロックに三角絞め、腕十字とポジションを制しての「寝技」をMMAで見せる稀有なファイターだ。  2022年4月の『POUND STORM』では、齋藤奨司の跳びヒザによるKO負けでデビュー戦以来の黒星を喫するも、「ROAD TO UFC」1回戦では、WFL時代に元UFCのウリジ・ブレンに判定勝ちしている中国のケレムアイリ・マイマイチツォヘチを下からの巴投げでスイープするなど寝技で上回り、判定勝ち。準決勝に駒を進めた。  当初は準決勝で中村倫也と対戦予定だったが、カードが変更され、強豪キム・ミンウ(韓国)と対戦することに。風間は「優勝候補」のキム・ミンウからの一本勝ちを手形に、決勝の結果を待たず一気にUFCとの契約を決めたいと意気込む。  対するMMA10勝2敗のミンウは、1回戦でシャオ・ロン(中国)と対戦予定もロンの欠場により、体重を作るも不戦勝となっていた。ムン・ジェフンを相手に2勝1敗のミンウは、2016年9月のROAD FCで根津優太を1R わずか15秒でKO。2017年4月に“化物”キム・スーチョルに判定負けも、ジェフンに一本勝ちで再起。2019年11月の「Road FCバンタム級選手権」では、ジャン・イクファンを延長R判定で下して戴冠を果たした。  そこから、UFCを目指し、今回は2年11カ月ぶりの試合となる。2つの黒星は判定負け。精度の高い左ジャブでイクファンを制し、三角絞めでジェフンに一本勝ちするなど、打撃、組み・寝技とすべてを高いレベルでこなすことが出来るオールラウンダーだ。  同大会でともに戦うキム・ギョンピョやチャ・ジョンファン、パク・ヒョンソンらと、休むことなく練習を続けて来たという29歳のミンウは、公式インタビューで、打撃での圧倒的な自信と、風間が得意とするるグラップリングでも自分が上、と全局面で圧倒すると語っている。 [nextpage] SASUKEがワンマッチで再挑戦  また、ワンマッチとして、SASUKE(日本)vs.パラジン(中国)が決定。修斗世界フェザー級王者のSASUKEは9勝2敗1分、1回戦でイー・ジャーのボディロックテイクダウンに右手をマットに着いて負傷。その隙にリアネイキドチョークを極められた。  対するパラジンは23勝3敗。ライト級トーナメントでキ・ウォンビンと対戦予定も欠場。現在中国ローカル大会で15連勝中で、ライト級より2ポンド重い157ポンドのJCKライト級王者となっている。現修斗世界フェザー級王者であるSASUKEはUFCへのチャンスを求めてのワンマッチ出場となる。  現在UFCと契約中のファイターは、佐藤天、魅津希、村田夏南子、平良達郎、木下憂朔の5選手。  さらにUFCを目指し、北米LFAに田中路教、堀内佑馬、河名マスト、CFFCに神龍誠、平田直樹が参戦中。クロアチアから欧州大会を経て、オクタゴン入りを目指す石井慧、日本でもONEと契約更新をせずにUFCを目指す上久保周哉や、PANCRASE王座を通行手形としたい鶴屋怜、2015年のRoad to UFC以降、フェザーからバンタムに落とし、2022年3月に修斗世界王座を獲得した安藤達也、PFL参戦中の工藤諒司、UAE Warriors参戦の吉野光ら、世界を目指す選手がいる。  今回、“負ければ脱落”のUFCへの道を松嶋こよみ、風間敏臣、中村倫也、野瀬翔平は、いかに戦うか。注目だ。 『ROAD TO UFC』決勝については、当初の予定通りとなれば12月開催だが、準決勝が10月23日になったことで、年内実施となれば、かなりタフなスケジュールとなる。UFCでは決勝の日程については「後日発表」としている。 [nextpage] ROAD TO UFC Episode 5 全カード 10月23日(日)湾岸標準時15時/日本時間20時 ABEMA配信 ▼ROAD TO UFCフェザー級トーナメント準決勝 5分3Rイー・ジャー(中国)20勝3敗松嶋こよみ(日本)13勝5敗 ▼ROAD TO UFCフライ級トーナメント準決勝 5分3Rチウ・ラン(中国)16勝8敗チェ・ソングク(韓国)5勝1敗 ▼ROAD TO UFCライト級トーナメント準決勝 5分3Rキ・ウォンビン(韓国)16勝7敗ジェカ・サラギ(インドネシア)12勝2敗 ▼ROAD TO UFCバンタム級トーナメント準決勝 5分3R風間敏臣(日本)10勝2敗キム・ミンウ(韓国)10勝2敗 ▼フェザー級 5分3Rパラジン(中国)23勝3敗SASUKE=佐須啓祐(日本)9勝2敗1分 ROAD TO UFC Episode 6 全カード 10月23日(日)湾岸標準時17時/日本時間22時 ABEMA配信 ▼ROAD TO UFCフェザー級トーナメント準決勝 5分3Rイ・ジョンヨン(韓国)8勝1敗ルー・カイ(中国)8勝3敗 ▼ROAD TO UFCバンタム級トーナメント準決勝 5分3R中村倫也(日本)5勝0敗野瀬翔平(日本)9勝2敗2分 ▼ROAD TO UFCフライ級トーナメント準決勝 5分3Rトップノイ・キウラム(タイ)8勝3敗パク・ヒョンソン(韓国)6勝0敗 ▼ROAD TO UFCライト級トーナメント準決勝 5分3Rアンシュル・ジュブリ(インド) 5勝0敗キム・ギョンピョ(韓国)11勝3敗 ▼非トーナメント戦サマンダル・ムロドフ(タジキスタン)7勝0敗ジャン・シケイラ(ブラジル)18勝4敗
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