2022年10月30日(日)東京・後楽園ホール『RISE 162』にて、初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定戦3分5R無制限延長Rを初代RISEスーパーフライ級王者・田丸辰(TRY HARD GYM)と争う数島大陸(及川道場)が、18日(火)大阪の所属ジムにて公開練習を行った。
サウスポーの数島は、ワンツー・左ミドル、左ストレート・右フック・左ミドル、前蹴りで突き放して踏み込んでのヒザ蹴りとスピードのある技をミットに叩き込んだ。
「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」は4月に4人でスタートし、数島は塚本望夢に勝利して決勝進出を決めたが、もう一方のブロックで田丸と空龍がノーコンテストに。改めて8月大会で再戦が組まれたが、空龍が新型コロナウイルスに感染し欠場となったため、空龍の状況を協議し、田丸が決勝戦へ進出することとなった。
当初の予定よりも決勝戦が伸びたが、数島は「めちゃめちゃワクワクしています。意外に長かったようで早かったなって感じで、今は早く戦いたい気持ちです」と気にはしていない。「別にどっちみち長くても短くてもやるのは決まっていたので、やるための準備をしていたのでいつきても問題なかったです」
初めてのタイトルマッチには「実感があまりないと言うか、ほんまに全てがいつもの試合とまた違うので凄く楽しみがいっぱいですね。あまり不安はないです」と、楽しみの方が勝っている。3分5R無制限延長Rになることも「元々、体力には自信がある方なので3Rでも5Rでも問題ないかなと思います。3Rでも5Rでもやるべきことは一緒なので、ラウンド数が変わってもいつもと変わらないです」とした。
ベルトへの想いを聞くと「プロになった以上は何かひとつ肩書きが欲しい。RISEのベルトは立ち技の中で日本最高峰のベルトやと思うので、それを獲ることで結果として(自分がトップであることを)証明できる肩書きになりますね」と、53kg国内最強を証明できるとする。
また、12月28日が20歳の誕生日となるため、今回勝てば10代での初戴冠ということに。「元々プロになった時に、20歳までにどの団体でもいいからベルトを獲ると決めていました。それが初代のRISEのベルトを獲るって恵まれているなと思うので、10代最後の試合でタイトルを獲りたいですね」
ファンが抱いているであろう軽量級のイメージとは違い、数島は8勝のうち5勝がKO勝ち、判定になった試合でもダウンを奪うなど軽量級離れした倒し屋ぶりを見せている。「正直、判定で勝てる上手さも格闘技では必要です。でも、分かりやすいのは一人が立っていて一人が倒れているところ。僕はそこにこだわって軽量級でもバンバン倒せる一人になりたいと思います」と、倒すことにこだわりがある。
田丸については「言うても元王者なので実力もあって格上なので、挑戦者の気持ちで行くだけ。倒したろって気持ちでいっぱいですね。元々、反対側のブロックが2人ともサウスポーだったので、対策練習は4月の試合が終わってからずっとしていて。田丸選手に決まって田丸選手用の動きをしてきたので問題はないです」と、長い期間をかけて対策はばっちりだという。
「今の勢いは僕の方が上。向こうは今2連敗で上手くいってない感じだし、破壊力は僕の方が上だと思います」と自信を見せる数島。田丸は4月の試合が1Rでノーコンテストになってしまったため、まともに試合をしたのは2021年7月まで遡る。逆に数島は短い期間で試合経験を重ね、今回の決勝戦前にも8月に一戦を挟んだ。
「試合間隔は絶対にやってみないと分からないところもあるし、田丸選手は55kgから53kgに落として一回目がすぐノーコンテストになって、実質53kgでの試合は今回が初めてじゃないですか。53kgの階級とその他の階級は感覚が違うだろうし、5Rも難しいと思う。でも僕は1Rから倒しに行ってやろうと思っていますね」
4月のわずかな試合時間での動きを見た感想は「僕が思っている通りの動きをしていたので、想像通りやなって。今回はそれ以上にするためいろいろやって来ると思いますが、僕が考えていたのと動きが一致しているので、何が来ても問題ないという感じです」と、想像の域を超えてはいなかったとした。
今回勝ったとしたらその後の展望については「ベルトを獲ったからと言って満足はしないので挑戦して行きます。今回獲ってからの話ですけれど、同時2階級制覇を視野に入れています。将来的には3階級制覇は行きたいですね」との野望を語った。
また、フライ級で着々と白星を重ねている那須川龍心(TEAM TEPPEN)については「フライ級は10代、僕も含めて若手が多いですね。彼は言うてもまだ3~4戦なので、同じ階級の選手の一人としてしか見てないです。これからどういう結果になって来るか、トップに勝っていくことで僕がベルトを獲ったら戦う可能性も出てくるんでしょうけれど、今後に注目ですね」と、まだ視野には入って来ていないとした。
そして「ついにフライ級の王者が決まるので、僕がしっかり倒して王者になります。キックボクサーは泣かないぜ!」と、お馴染みの決めセリフで必勝を誓った。