YA-MANとの激闘翌日にも関わらず、綺麗な顔で会見に現れた白鳥。次は12月にGLORYとの対抗戦に臨む
2022年10月15日(土)東京・大田区総合体育館にて開催された『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2022』の一夜明け会見が、16日(日)都内にて行われた。
セミファイナルのSuper Fight!スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1Rで、YA-MAN(TARGET SHIBUYA)に判定3-0で勝利した白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が出席。前夜の試合を振り返った。
「本当崖っぷちで。ここ2年上手くいかず結果も内容もダメダメだったんですが、今回の試合は僕の中では正直負けたらもう後がない気持ちで臨んだんですけれど、試合前から盛り上がって。なんとなく僕の中でYA-MANが僕のことを助けてくれたのかなって。試合自体もYA-MANが来て凄い盛り上がった試合になったので感謝の気持ちでいっぱいです。試合内容は1回ダウンを取って、あそこで本当なら倒し切るのがトップ選手だと思っていて、そこが自分の甘さなので見つめ直して12月へ向けてまた頑張っていきたい」
まさに“激闘”と呼ぶにふさわしい試合内容だったが、白鳥の顏は腫れや傷もなく綺麗なまま。これは「打撃で腫れたりは基本ないです。不思議と。試合後は気持ち悪かったけれど。ガードの上からでもバンバン3Rに攻撃をもらったので頭は痛いです」と、普段から腫れることはないという。
試合中に笑みを浮かべていたのは「あまり意識していなかったけれど、YA-MANの猛攻が凄くて。身体全体で感情を表していて凄いなと思って。笑ったのは自然となので。楽しかったわけではないので、なぜ出たのか自分でも分からないです」と、理由は不明とのこと。
試合前にYA-MANからは数々のトラッシュトークを仕掛けられたが、“もっと頑張れ”というエールともとれた。そのことに白鳥は「昨日の試合後にも言ったんですが、試合が決まる前は一選手として好きな選手だったんですが、試合が決まってからは本当に嫌いだったので(笑)。その時は考えなかったんですが、試合が終わってよくよく考えてみたら、助けられたのかなって気持ちになって。俺の中でこもっていた殻を敗れたみたいな、そんな気持ちになれました」と、YA-MANのおかげで殻を破れたとした。
進退を懸けていたのか、との質問には「正直、試合を終えてみてじゃないと分からなかったけれど、それくらいの気持ちを持っていましたね。いつまでくすぶってんだって気持ちで。2019年にWORLD SERIESで優勝して、その翌年から全部ダメでした。自分の中で。いつまでこんなところに留まっているんだと。THE MATCHも不甲斐ない結果で倒されてしまって。そういう試合が続いていたので今回は万が一負けていたら、引退というかそれくらいの気持ちは持っていましたね」と明かす。
伊藤隆RISE代表は「YA-MANと戦わせることで白鳥が再生するのはあるんじゃないかというのはありました。勝負の世界なので結果は見えないけれど、ハイリスクハイリターンだったと思います。実績では彼の方が上だけれど人気の度合いも違う。それだからこそ勝負をして、刺激を与えるしかないと思った。YA-MANが2019年に王者になったものを引き出したと思います。元々、この試合をやりたいと言ったのはYA-MANサイドなんですよ。イケメン狩りだと。白鳥もやるしかないと思ったんじゃないですか。いいマッチメイクだったと思います」と、白鳥が再生し、敗れたYA-MANも株を落とすことないマッチだったとした。
この試合で得られたものは何か。白鳥は「事前の煽りではイケメンがどうのこうのとありましたが、僕的にはそれはどうでもよくて。YA-MANは魅せる選手で、オープンフィンガーグローブマッチから成り上がって1年で人生を変えた。それを見ていて、実際に戦って、なるほどなって思いました。一番は気迫というか気持ちの部分ですね。得られたものは大きいと思います。一戦一戦成長していかないとダメなので、僕も試合で成長していくタイプだし、2019年には8試合していたので、それくらいの気持ちで試合をしていきたいと思います」と、YA-MANから気迫の部分を学んだとする。
今後については「vs.世界でやりたい」とし、会見では伊藤代表から「12月25日の両国国技館大会でGLORYとの対抗戦の一人になって出てもらいたい。調整出来次第発表したい」との言葉があり、「光栄なこと。でも昨日の試合内容では自信をもって戦っていけるとは言えない。12月が決まったら身体も心もキッチリ仕上げて臨みたい」と意気込んだ。
一夜明け会見では、直樹をKOしたチャド・コリンズ(オーストラリア)から戦いたい相手として白鳥の名前もあがり、白鳥は「やりたいですね。以前にWORLD SERIESの63kgトーナメント(開催が決まっていたがコロナの影響で中止となった)で挨拶してくれて、試合前にいつも挨拶に来てくれて、紳士な選手、気持ちがいい選手です。実力はハンパない。日本人に負けてないし、その強い選手と拳を交えたい。組まれればやりたいです」と、自分も戦いたいとした。
「RISEって国内トップの団体で強い選手がたくさん揃っている中で、それでも結果が出ないのは世界は厳しいもので生半可な気持ちでは勝てない。格闘技人生を懸けてやっていかないと、自分も同じような結果になってしまう。そこで結果を出せればまた殻を破れると言うか、気持ち的にも変わっていくと思いますし、12月までに覚悟を決めてすぐ練習を再開して、そのことだけを考えて毎日過ごそうかなと思っています」と、気持ちはすでに12月に向かっていた。