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【DEEP】フライ級GP・村元が風我との大熱戦を制す! 福田が杉山からダウン奪う完勝、宇田が高速エルボーTKO勝ち! 狩野が一本勝ちで中村大介に宣戦布告「長南亮の弟子とUの最高傑作を」

2022/09/11 11:09
 2022年9月11日(日)東京・ニューピアホールで昼の部の『DEEP JEWELS 38』に続けて開催された『DEEP TOKYO IMPACT 2022 5th ROUND』(SPWN/ニコニコ生放送配信)。前日計量では、体調不良で欠場となった駒杵嵩大以外の29選手が契約体重をパス。  今大会は、8月大会(※4選手が勝ち上がり)に続く、16名参加のフライ級GP1回戦の残り3試合の村元友太郎(ALIVE)vs.風我(フリー)、福田龍彌(MIBURO)vs.杉山廣平(SPLASH)、島袋チカラ(CORE)vs.宇田悠斗(総合格闘技道場 HOPE)がメインカードに並んだ(※駒杵嵩大は体調不良で計量も行うことが出来ず、松場貴志が不戦勝で二回戦進出となっている)。  なお、DEEPフライ級GP2回戦は組み合わせをシャッフルで行い、11月もしくは12月に実施。準決勝は23年2月、決勝は続く4月に予定されている。優勝賞金は300万円。GPルールは、5分3Rのヒジありで5ジャッジ制となっている。 ▼第15試合 フライ級GP一回戦 5分3R〇村元友太郎(ALIVE)57.10kg[判定5-0] ※29-28×5×風我(フリー)57.05kg 風我「5分3R、塩漬けにします」 村元「メインイベンターとして一本、KO決着を見せたいと思います。相手は『塩漬けにする』とか言っていますが、早い段階で失神させます」  1R、ともにオーソドックス構え。村元の右ローをかわす風我。風我は左ミドルハイを打ち込む。サウスポー構えになる風我は左ミドルハイ。それを掴んでいく村元。  サウスポー構えになる風我は左インローをヒット。村元の入りに左前手のフックを狙う。互いに右ロー。村元の右ローに、風我は前足を入れ替える。  風我の左ローの打ち終わりに組みに行く村元、がぶりから首を持ちかけたが離れる風我。中央を取る村元の前進に前手の左フックを当ててヒザを落とさせた風我! 立て直して「来い」と誘う村元だがゴング。  2R、サウスポー構えで入る風我。左ヒザのフェイントも入れて入りに牽制する。ワンツーの右を振る村元。しかし風我も走るように左ミドル! 村元も右ボディストレートを突く。風我は左インローをヒット。  村元の右からの飛び込みを切る風我。村元は頭をレベルチェンジ。左フック、左ハイは風我。村元の距離になるとステップで外す。  村元のボディ打ちにヒザを狙う風我。さらにワンツースリー。ダブルレッグにも入るが、すぐに差し上げる風我は離れ際に左を突く。詰めて押し込む村元。差し上げ離れる風我は左ハイ。村元も右を振る。  3R、左ハイを先に打つ風我。右関節蹴りも。左右からヒザを触りに行く村元。サウスポー構えの風我は右ジャブ。外す村元はワンツーの右がかすめる。風我も左ミドル。そしてダブルレッグからバックテイク! 正対し、突き放して右を振る村元は右カーフ!  サウスポー構えになる振る風我。3R目でスタミナはどうか。シングルレッグで尻餅を着かせるが、そこに蹴りを狙う風我に突っ込んでダブルレッグテイクダウンは村元!  背中を着かせた村元にブリッからリバーサルは風我! しかしすぐにそれをスクラブルでシングルレッグは村元! ここもリバーサルした風我は苦しい終盤で自らシングルレッグへ! 村元はここも押さえ込まれず。凄まじいスクランブル戦。  判定は5-0(29-28×5)で村元が勝利。マット上で「遅い時間までありがとうございました。DEEPフライ級GP、もっともっと盛り上がっていきますんで、2回戦もよろしくお願いします」と笑顔で語った。 村元「相手の得意なところでも殺したい」 ――名古屋での練習に加え、近年は石川で松濤館流空手を月に1、2度習い、ボクシングだけの練習もしていると。RIZINでの山本聖悟戦でも前後のステップと近距離の打撃はすでに出ていたように感じました。BJ戦のあの右のショートもその成果でしたか。 「はい、そうですね。空手は山本戦のときから取り組んでましたね。そしてBJ戦のカウンターも。なので、手応えを感じてますね。試合でも練習でも感じています」 ――遠い距離、近い距離も融合ができていると。あらためて今回のフライ級グランプリに参戦することに決めた、気持ちを教えてください。 「RIZINも継続的に参戦というのも良かったんですけど、でもこのフライ級トーナメントの面々を見て……。こっちだなと思いましたね。そうそうたるメンバーが集まってたので、向こうにいて僕が残ってもやる相手もあんまりいないなという感じだったので、こっちでしっかり優勝してチャンピオンになりたいなと思いました」 ――対戦相手の風我選手は3連勝している。スクランブルを封じ込め、首系の極めへのこどわりもある。どうとらえていますか。 「あれは厄介だと思うんですけど、首の対応、自分は苦手じゃないので。それで、僕があれをしっかり逆手に取って、いいポジションを取って、逆に僕が極めに繋げられたりする技もあるので、そこで上回って、得意なところで殺したいなというふうに思っていますね。受けて立つという感じです」 ――スクランブルの強さがある。 「そうですね。逆にピンチなのかなと思った瞬間に逆転一本みたいなのもあると思うので、そういうのも用意しています」 ――フライ級グランプリでの目標は? 「もちろん優勝しかないので、まず1回戦でいい勢いをつけれるように。しかもメインなので、バチッといい勝ち方をします」 漬けてやる、逃げられるなら逃げてみろ(風我) ――あらためて今回フライ級グランプリに参戦を望んだ気持ちから教えてください。 「参戦を決めた理由は、オファーが来れば絶対出ようというのはあったので。今年もう3試合やってて、出るために頑張ってやってきてたので、絶対出ようというのはもう決めていました」 ――RIZINの会見で伊澤星花選手から「風我がメインですよ」って言われました。 「そうなんですよ(笑)。自分の力というよりかは、本当に相手選手が有名な、RIZINでも活躍している選手なので、自分からしたらすごいおいしい、メインだなという」 ――とはいえ、3試合連続で勝っています。自身としてはその勝因をどうとらえていますか。 「今年に入って、1発目がヒロヤ選手とやったんですけど、そこに向けてすごいK-Clannでずっと練習してきて、その結果が今ちょうど出ている最中なのかなと」 ――ヒロヤ選手、島袋選手、そして前戦の原虎徹選手に勝利。風我選手は左右どちらでも構えますね。 「左右どちらでも自分は戦えるので。相手が嫌な、こっちのほうが嫌がってるなと思えばこっちでいって。それが出たのが、島袋選手とやったとき。相手がローを狙っているのも分かったので、前足入れ替えて、入れ替えて、狙わせないようにしながら戦いました」 ――飛び込んでくる村元選手の打撃にも……。 「そうですね。ちょっとけっこうバチバチにやるという感じなので、自分も意外と打撃もできるぞというのはあるので、そこまで怖さはないなというのは動画を見ても感じています」 ――そして風我選手の印象は、首系の選手でもあるイメージです。 「チョークの人という(笑)」 ――ポジションを失わずに極め切ろうと。ご自身でこだわりがある? 「元々こだわりはあったんですけど、最近横田代表にも言われて、首だけじゃなくて、いろいろなポジションからの攻めというのもやってきているので、これが試合に今回出るんじゃないかなと思っています」 ――村元選手はそれで来たら受けて立つと言っていました。望むところですか? 「そうですね。まあ逃げられるなら逃げてみろという感じですね。いろいろなところで漬けられるので、首だけじゃなく、いろいろなところで漬けますよ」 ――「漬ける」宣言は本気なんですね。 「本気です、もちろん。それで勝ちます!」 [nextpage] ▼第14試合 フライ級GP一回戦 5分3R〇福田龍彌(MIBURO)57.15kg[判定5-0] ※28-26, 28-27×4×杉山廣平(SPLASH)56.90kg※1Rに福田に反則のヒザ蹴りで「減点2」 杉山「トーナメント一回戦ですが、出し惜しみしないで120%で行こうと思います。逆に福田選手も全力で来ることを願っています」 福田「4カ月ぶりに戦えて、待ちに待ったという感じです。誰よりも楽しい試合が出来るんじゃないかなと思っています。杉山君と、いいセッションをして盛り上げたい。MMAの質の高さを見てほしいです」  1R、サウスポー構えの福田の左にダウンしたオーソドックス構えの杉山。そこで福田は反則の顔面ヒザを受けホイッスルで中断。  福田にレッドカードの「減点2」がコールされ再開。引き込むような形で下になる杉山。左で差していったん上体を立てるが寝かせる福田は右のパウンド! 立ち際に右ミドルを頭に当てると左で差して両差しで押し込み、肩パンチも当ててヒザも突くが、今度はローブローに。このラウンド2回目の中断。ほどなく再開の残り10秒でゴング。杉山にダウンもあり、8-8の可能性もあるラウンド。  2R、ワンツーの左がかすめる福田。外、内と右足の位置を変えてパンチを突く。右アッパーで飛び込む福田。杉山は左右で詰めるが、そこに右を当てる福田! 足が乱れながらも組む杉山に体を入れ替え、左を差して右の肩パンチ。  左ローを突きながら頭を振るようにした杉山。しかし福田の左が伸びる。シングルレッグの杉山も、福田のがぶりに捨て身気味になる杉山、ディープハーフ狙いも作れず。立ち上がる杉山は左で差して肩パンチ。すぐに福田も肩パンチを返す。  3R、福田の打ち終わりに組む杉山は両脇を差すが、そこで金網背に体を入れ替え離れる福田は、左ボディ! 左ストレート、アッパーも打ち込む。杉山はシングルレッグも切る福田はヒジ打ち。なおも組んで行く杉山。突き放す福田、杉山は右ストレート、さらにシングルレッグで片ヒザを着かせると左足をヒザ上に乗せて崩そうとするが、足を戻して立ち上がる福田。  体を入れ替え合い、右ボディは福田。シングルレッグから右を振る杉山。福田は左ストレート。前に出る杉山。しかし福田の左を被弾。ゴング。  判定は5-0(28-26, 28-27×4)で減点2があった福田が勝利。試合後、「ちょっとね、倒せなくて、杉山くんすごく気持ちが強くて。僕もキャリア長くて、仕事辞めて戦い一本にしました。こういう戦いが生きがいで、2回戦も一番、強い相手を選んで戦っていきますので、よろしくお願いします」と語った。 福田「打撃も組みもちゃんと内容の濃い試合にしたい」 ――今回のフライ級GPに出ようと決意した気持ちは? 「強い人が集まっているし、勝てば“次”が約束されるので。そういうふうに定期的に戦える生活というのにずっと憧れていました。トーナメントというよりも、強い人とずっとコンスタントに戦い続けられることが魅力です」 ――9月を選んだ理由は? 「この前のビョン・ジェウンくんとの試合で手を折っていたので。その手術は終わって、もうくっついてて大丈夫なんですけど、どうせやったら万全な状態でやったほうがいいかなと」 ――抽選会では、福田選手の隣に杉山廣平選手が来ました。 「ご指名いただけて光栄やな、と。本田選手との試合は一応見ました。ごはん食べながら見てました。すごいちゃんと綺麗な技術を持っている選手やと思うので。どうやろう。まあ向かい合うんが楽しみですよ」 ――まだ自分の方が上という心持ちでしょうか。 「いや、別に誰とやってても長所短所があるから。俺より上手い部分で勝負してくる人もいるやろうし。僕ができひん技をできる人もあるやろうし。杉山選手にできて俺はできひんというのもあれば、その逆もあると思うしね。誰とやっても同じ戦い方で、同じように勝てるというのが理想なんで。やりたいようにやりますよ」 ――舞台がRIZINでもDEEPでも変わらず飄々とファイトしているように見えます。 「そうですね。俺はどこでも一緒ですね。別にRIZINにめっちゃ出たいとも思わへんし。ただ、これを生業にしたいので、コンスタントに戦って、それで飯が食っていけるというのが理想ですね」 ――この中で戦いたい、拳を合わせてみたいなという選手はいますか? 「全員やりたいですけどね(笑)」 ――どんな試合を見せていきたいですか。 「全試合一番ヒリヒリさせる試合展開にすることですかね。そして、内容にこだわりたい。みんなと、ヒリヒリを分かち合えるような。そしてちゃんと内容の濃い試合にしたいですね、1試合1試合。打撃も組みも」 ――ジェウン戦で様々な間合いでの打撃を見せて、巧みなゲームメイクを見せた福田選手の格闘技の醍醐味を感じさせる試合が見せられる相手ばかりです。 「そうですね。RIZINは知ってるけどDEEPを知らんという人は多いと思うので。DEEPが盛り上がるような試合をできたらいいんちゃうかなと。RIZINがフライ級GPをやるかもしれないと言っていたのに、他のフライ級の選手があんまり内容のない試合ばっかしてたので、それで流れちゃったという話も聞いたし。それでもDEEPはやってくれるわけやから。これが盛り上がったら他の階級の活性化にも繋がると思うので、こうやって拾ってもらった恩はあるので、僕らは戦って恩返しするだけという感じですね」 [nextpage] ▼第13試合 フライ級GP一回戦 5分3R×島袋チカラ(CORE)57.05kg[1R 3分07秒 TKO] ※右ヒジ連打〇宇田悠斗(総合格闘技道場 HOPE)56.85kg 宇田「“ミスターX”です。修斗から初参戦ですけど、島袋選手はDEEPを代表する選手だと思っているので、胸を借りるつもりで敬意を持ってブッ潰しにいきます」 島袋「Xが宇田選手と決まった時、正直燃えました。どうせやるならば、強い選手の方がいいと思ったので。そこから2カ月、宇田選手のことだけを考えてきました。2カ月前は勝率が低かったんですけど、1%ずつでも勝率を上げていって。明日だけでもいいので、宇田選手に勝って、GPをダークホースが獲らせてもらいます」  宇田は、中学時代に部活動で柔道を経験し、県大会で準優勝。19歳からMMAを始めるとアマチュアでは12戦を経験して10勝を挙げ、2019年4月に修斗でプロデビュー。3連続KO・一本勝利を挙げるなどして、2019年修斗フライ級新人王を獲得した。2020年7月に西村大地と引き分けて連勝はストップしたが、同年12月には宮城友一を判定で破り、再び連勝ロードを歩み始め、2021年5月には修斗世界フライ級2位・清水清隆に判定勝ち。6戦負け無しで、2022年3月にRIZINに初参戦。ZST王者の竿本樹生(BRAVE)にスプリット判定で敗れ、初黒星がついていた。  今回のGP参戦に向け、宇田は主催者を通じて、「修斗から参戦する宇田悠斗です。DEEP佐伯繁代表から熱いラブコールをいただいたので、このGPへの参戦を決意しました。快く送り出して下さった修斗の坂本一弘代表には本当に感謝しています。フライ級でデカい祭りが開催されるのに、黙って見てるなんて性に合わないし、直近の試合でやらかしてるのでココで挽回します! 必ず優勝し、フライ級最強の称号を手に入れて修斗へ凱旋するので、皆さんよろしくお願いします」とのコメントを発表している。  対する島袋は、長年フライ級戦線で活躍し、15勝17敗6分。2020年8月に松丸息吹、2021年12月に力也にそれぞれ判定勝ちと2連勝をマークも、5月大会で伊澤星花の弟の風我に判定負けを喫しており、こちらも再起戦となる。年齢差16歳差。  1R、ともにオーソドックス構えから。伝統派空手出身の島袋は飛び込んでの左ミドルを2度当てる。中央を取る宇田に二段蹴りの飛びこみも。ダブルレッグからシングルレッグを片足で凌ぐ宇田。右腕で首を抱える宇田は、それを外すと、ダブルレッグに移行する島袋に、右ヒジ! 島袋のヒザががくりと落ちると、右ヒジを高速連打! 島袋の動きが止まり、レフェリーが間に入った。  ケージの中で宇田は、「DEEPファンの皆さん、修斗から来ました宇田悠斗です。あまり面白くなかったと思いますけど、初めてのDEEPで少し緊張しました。次は万全の状態で仕上げてくるので、DEEPファンの皆さんも、必ず優勝するので応援よろしくお願いします」と不敵な笑みで語った。 [nextpage] ▼第12試合 DEEPフライ級GP一回戦 5分3R×駒杵嵩大(fightbase都立大)※体調不良のため欠場[不戦勝]〇松場貴志(パラエストラ加古川)57.10kg ※駒杵は体調不良で計量会場に来場できず。松場貴志は『カブトムシ』の替え歌を熱唱した(※計量後、松葉の一回戦の不戦勝が発表された)。 [nextpage] ▼第11試合 DEEP フェザー級 5分2R×TATSUMI(ネックス)66.10kg[判定0-3] ※18-20×3〇西谷大成(トライフォース赤坂)66.30kg  TATSUMI(巽大佑)は、プロMMA17勝8敗。アマチュアではルーキー時代の朝倉未来に腕十字で一本勝ちの戦績を持つ。今回は、2020年3月以来のDEEP東京大会出場。そのときは横山恭典のケージレスリングにドミネートされての判定負けでDEEP名古屋&浜松での連勝が「3」でストップした。しかし、横山戦以降もNEXイチムエでMMAを磨き、福田泰暉、井上晧平、左海清之を相手に3連勝中。うち福田戦と井上戦で1R リアネイキドチョークで一本勝ちしている。  対する西谷は「朝倉未来1年チャレンジ」出身。プロでは4勝5敗で白星と黒星を交互に繰り返している。2021年1月に井上雄斗にダースチョークで2R 一本勝ちも、2021年6月大会で山本歩夢に1R、パウンドでTKO負け。10月の山口コウタ戦で1R リアネイキドチョークで一本勝ちし「朝倉未来1年チャレンジ」を卒業しての第一戦を勝利で飾り、プロ戦績を3勝3敗の五分に戻した。しかし、10月の鬼山班猫戦で判定負けで再び黒星先行に。2022年3月の鷹辰戦で得意のダースチョークで2R 一本勝ちも、2022年5月のDEEPでは、フェザー級で星野豊に判定負けを喫している。  西谷は、7月の『BreakingDown』ではキックルールで、ハイメを59秒でKOに下しており、MMAでの連敗は何としても避けたいところ。TATSUMIは、縁のある朝倉未来門下生の西谷を下して、愛知から東京大会のレギュラーメンバーになれるか。  1R、TATSUMIの左をかいくぐってシングルレッグテイクダウンは西谷。TATSUMIのネルソンに対して、スクランブルからバックを狙うと、ツイスター狙い。トップに切り替えた西谷は、サイドを奪うと鉄槌。シングルバックにするも、それを抜けて立ち上がるTATSUMI。  サウスポー構えの西谷は思い切りのいい左右。金網背にしてハーフネルソンでガードの中に入れて絞めるTATSUMI。しかし首を抜いた西谷が上に。TATSUMIの立ち上がり際にバックを奪いゴング。  2R、サウスポー構えの西谷は思い切りのいい左右。金網背にしてハーフネルソンでガードの中に入れて絞めるTATSUMI。しかし首を抜いた西谷が上に。TATSUMIの立ち上がり際にバックを奪いゴング。組みの際で上を取るのは西谷。バックを奪い、シングルバック。尻をずらしたTATSUMIが外すと立ち上がり。西谷のヒザをかわして組んで投げて足をかけかけるが、ここも際で上になるのは西谷。4の字フックから足を解き、背後からコントロール。TATSUMIが立ち上がったところでゴング。  判定は3-0(20-18×3)で西谷が勝利。敗れたTATSUMIはセコンドの朝倉未来とも挨拶した。  試合後、西谷は「まず第一に、判定ですけど勝ててよかったです。判定勝ちで悔しいところもありますけど(泣きながら)練習しても勝てずに、怪我したり、怪我させたりもして、勝てたので、今回はおめでとうと言ってほしいです。ありがとうございます。5勝5敗、これからも皆さんを盛り上げさせていただきます」と語った。 [nextpage] ▼第10試合 DEEP フェザー級 5分2R×鬼山班猫(KRAZY BEE)66.05kg[1R 4分20秒 リアネイキドチョーク]〇狩野 優(TRIBE TOKYO M.M.A)65.80kg  フェザー級でMMA5勝2敗の狩野優(TRIBE TOKYO MMA)がDEEPに初参戦。MMA10勝5敗でDEEP2連勝中の鬼山班猫(KRAZYBEE)が迎え撃つ。  PANCRASEを主戦場としてきた狩野は、2020年ネオブラッド・トーナメントライト級優勝者で、現PANCRASEフェザー級7位。2020年7月に鹿志村仁之介を1R TKO、9月に中田大貴に判定勝ちと実力者相手に2連勝後、2020年12月に中川皓貴に「TTF Challenge 09」で判定負けで初黒星。しかし、2021年6月に林優作を、同年10月に名田英平をいずれもリアネイキドチョークで極めた。2022年2月に河名マストに判定負けで2つ目の黒星も、4月の『POUND STORM』で中村京一郎に3R 肩固めで一本勝ち。  試合後、「自分の試合どうでした? オーディションから上がってくる人より、普通にアマチュアからやってるやつの方が強いんで。また呼んでください。いい試合をします」とマイクアピールしていた。  対する鬼山は、2020年8月に高塩竜司に後ろ三角十字で一本勝ちも、11月に神田コウヤの左ヒザを受けてカットし、2R TKO負け。2021年6月に高塩との再戦でもスプリット判定で敗れたが、10月の西谷大成戦で判定勝ち。3月の星野豊戦でスプリット判定で勝利し、2連勝中。  サウスポーからの上下の強打と、河名をテイクダウンするケージレスリングも持つ狩野に、オーソドックス構えの鬼山も神田コウヤの崩しからスクランブルでの立ち上がり、足を効かせるなど粘り強い戦いを信条とする。牛久絢太郎を頂点とするDEEPフェザー級戦線で、上位陣に迫るのは狩野か、鬼山か。  1R、サウスポー構えの狩野。オーソドックス構えの鬼山。狩野は右から左ハイもかわす鬼山。右で差して、左も差して組んだ狩野。右腕を戻してダブルレッグは鬼山も、尻を着きながらすぐに足を手繰った狩野が上に。  スクランブルする鬼山のバックを奪い、パームトゥパームでリアネイキドチョークを狙うと、後ろ手を掴んではがそうとする鬼山に手を組み直して絞めると、鬼山はオープンフィンガーグローブを掴んで剥がそうとするが、タップした。  試合後、狩野は、「今回、初めてDEEPに参戦して、その理由はひとつしかないです。中村大介選手、長南亮の弟子として、Uの最高傑作を作りませんか? 年末でもいつでもいいのでよろしくお願いします」と元王者に宣戦布告した。 [nextpage] ▼第9試合 DEEP ウェルター級 5分2R〇佐藤洋一郎(KATANA GYM)77.45kg[判定3-0] ※20-18×3×嶋田伊吹(FIGHT HOLIC)77.15kg  1R、サウスポー構えの佐藤に、オーソドックス構えの嶋田は右の関節蹴り。さらにニータップ気味にテイクダウンを奪うが、その際で足を担いでリバーサルして上になるのは佐藤。細かくパウンドする。  2R、右ローを打つ嶋田。佐藤は前手の左ジャブ、左フックを当てる。嶋田は左インロー、左ハイを当て、佐藤の蹴り足を掴んで前に。組む嶋田に佐藤も組みを切って離れる。  左ジャブを突く嶋田。さらに右から左ボディ、左ローと散らして前に。佐藤も右フックで押し戻すが、そこにシングルレッグは嶋田。ギロチンチョークを合わせる佐藤だが、中腰となる嶋田は極めをずらす。  判定は3-0(20-18×3)で佐藤が勝利。2連勝中だった嶋田を止めた。 [nextpage] ▼8試合 DEEP ウェルター級 5分2R〇米田奈央(フリー)77.40kg[判定3-0] ※19-18×2, 19-19マスト米田×レバナ・エゼキエル(K-Clann)76.50kg  米田は、元DEEPウェルター王者の住村竜市朗との2戦でいずれも判定負け。6月の1戦目は偶発的なアクシデントにより試合続行不可能となり途中判定で敗れ、2021年10月の前戦では、サウスポー構えからジャブ&ローを当てるもテイクダウンを受けてスプリット判定で敗れている。  対する20歳のエゼキエルはコンゴ出身でMMA2勝3敗。初代GRANDウェルター級王者ロクク・ダリの親戚で、2021年ラウェイでのアンビータブルルールで笠島竜二に判定勝利も、MMAでは畠山祐輔、鈴木琢仁に判定負け。嶋田伊吹にリアネイキドチョークで一本負けと厳しい敗戦が続いたが、2022年3月に佐藤洋一郎を長い左ジャブから右ストレートで出血させ、金網に釘付けにして、1R 1分19秒 TKO勝ちを収めている。  打倒極の強い佐藤に右の強打で一気に試合を決めたエゼキエルに対し、MMA6勝6敗1分けの米田はキャリアの差を見せつけて、戦績を勝ち越しとするか。  1R、開始30秒でテイクダウンを奪った米田。レバナの足をさばいてサイドに。背中を見せて立ち上がるレバナだが、ついていく米田は再びボディロックから崩してテイクダウン。  キムラロックを極めようとするが、その際で立とうとするレバナ。しかし、押さえ込みに移行し、みたび背中を着かせる米田はアメリカーナを狙うがゴング。  2R、サウスポー構えの米田は圧力。レバナは右のスーパーマンパンチを狙うがかわす米田。右を当てるレバナに、ダブルレッグは米田。金網までドライブして尻を着かせるがブレーク。前に詰めて右を当てるレバナ。しかし米田は詰めてダブルレッグ。  いったん背中を着きかけたレバナはケージを蹴って立ち上がり。米田の立ち際に左の前蹴りを効かせて左右を振るが、米田が組んで倒したところでゴング。判定は3-0(19-18×2, 19-19マスト米田)で米田が勝利した。 [nextpage] ▼第7試合 DEEP フェザー級 5分2R×佐藤勇駿(K-clann)65.15kg[判定3-0] ※20-18×3〇木下尚祐(和術慧舟會 GODS)66.30kg 佐藤の左ハイを被弾しながらも、シングルレッグに入る木下。片足を持ち上げるが。そこに鉄槌を落とす佐藤。尻を着かされるが、立ち上がる佐藤。なおも木下は右足にシングルレッグ。立ち上がる佐藤は組む木下をハーフネルソンでめくろうとするが、木下はシングルレッグで佐藤に尻を着かせると、その立ち際にバックを狙う。  正対した佐藤は近距離で殴り合い。左で差して押し込むもブレーク。詰めて来る木下に左ハイを2度打つ佐藤。辛うじてブロックする木下だが、佐藤の猛攻に足が乱れる。  判定3-0(20-18×3)で木下が勝利した。 [nextpage] ▼第6試合 DEEP ライト級 5分2R×THE☆ナマハゲ(KATANA GYM)70.60kg[判定0-3] ※18-20×3〇泉武志(FIGHTER’S FLOW)70.60kg ※初勝利  ライト級で、2016年レスリング全日本選手権グレコローマン71kg級優勝、2017年アジア選手権同級優勝の泉武志が参戦。修斗からDEEPに参戦し、2連勝中のTHE☆ナマハゲこと小野寺裕也と対戦する。  泉は、レスリングからMMAに転向し、2022年4月の『RIZIN TRIGGER 3rd』でプロデビュー。グラント・ボグダノフと対戦し、柔術黒帯のボグダノフに終始試合をコントロールされ、3RレフェリーストップによるTKO負けとなった。7月のDEEPでは、伝統派空手&BRAVEの野村駿太にスプリット判定負け。2戦ともに実両者を相手に熱闘も、星を落としている。  対するナマハゲは、修斗で2勝4敗も、木村孔明にアームロックを極めるなど寝技で一本勝ちをマーク。2022年3月にDEEPでMMA復帰すると、ゲオ・レバナに判定勝ち、5月大会でもStreet★Bob洸助に判定勝ちで2連勝中だ。  グレコのレスリングの泉は“ザ・寝技”のナマハゲに対し、スタンド打撃、トップからもドミネート&打撃で削ることが出来るか。ナマハゲは組みがベースの泉に対し、スイープ、極めを狙えるか。 泉がテイクダウンから粘る木下を押さえ込み、ヒジを落として判定勝ち。初勝利を掴んだ。 [nextpage] ▼第5試合 DEEP 60.5 ㎏以下 5分2R〇力也(KING OF LIBLTY)60.45kg[1R 2分43秒 腕十字] ※DJばりの抱え上げて落としてすぐに腕十字×三好マヒロ(K-Clann)60.15kg  1R、サウスポー構えの力也が中央を取る。オーソの三好はサークリング。左ストレートを当てて詰め力也だが、左回りの三好。右前手フックで飛び込む力也。ワンツーも。三好の右の飛び込みをかわして左ストレートを当ててダウンを奪うとパウンド。バック奪取で両足もかけるが、正対し立ち上がる三好。  詰める力也に三好も右を当てるが、力也は左から右を振って組んでスタンドバックにつくと、インカレレスラーの力也はリフトし持ち上げて左腕を抱えて真下に落とすとデメトリアス・ジョンソン式の腕十字を極めた。力也はこれで対三好2連勝。初戦はTKO勝ち、再戦は一本勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 DEEPフェザー級 5分2R×星野 豊(和術慧舟會HEARTS)65.90kg[判定0-3] ※18-20×2, 19-19マスト梶本〇梶本保希(パラエストラ八王子)65.65kg ※デビュー2連勝  フェザー級で星野豊と、梶本保希が対戦。  5勝7敗1分の星野は新潟県燕市出身。2019年8月に高塩竜司にスプリット判定勝ちも、強豪の神田コウヤ、平田直樹にはフィニッシュされており、2021年5月のPANCRASEネオブラッドトーナメント・フェザー級1DAY4人トーナメント1回戦でも牧野滉風に判定負け。2021年8月にプロ修斗「越後風神祭り8」で原点回帰。小川将貴に判定1-1のドロー。2022年3月に鬼山にスプリット判定で惜しい星を落とした。しかし、2022年5月の西谷戦で判定3-0で勝利している。  対するパラ八の梶本は、EX FIGHTでの苦い敗戦を経て、2022年5月にキヨタロウに判定勝ちしている。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP ストロー級 5分2R×多湖リキト(ネックス)52.70kg[2R 1分23秒 腕十字]〇佑勢乃花(フリー)52.25kg 2R早々に多湖の右の蹴りにカウンターのテイクダウンは佑勢乃花。ハーフネルソンでスイープした多湖に佑勢乃花はディープハーフから足を抱えてスイープ。パスしながら左腕を左腕で抱えて腕十字を極めた。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP ライト級 5分2R〇倉本大悟(トライフォース赤坂)70.65kg[判定3-0] ※20-18×2, 19-19マスト倉本 ×岩倉優輝(NICE BAD GYM)70.40kg [nextpage] ▼第1試合 DEEP バンタム級 5分2R×コマネチ竜太(Y&K ACADEMY)61.15kg[1R 4分59秒 TKO] ※テイクダウンの受け身で負傷〇朝比奈龍希(トライフォース赤坂)61.35kg 朝比奈のダブルレッグテイクダウンでコマネチが右ヒジを脱臼。
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