2022年9月11日(日)横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』の第15試合スーパーファイトのスーパー・ウェルター級3分3R延長1Rで、ICO Infusion-70kg欧州王者メレティス・カコウバヴァス(ジョージア/ギリシャ/Kritikos camp)と対戦するK-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者の和島大海(月心会チーム侍)が公開練習を行った。
昨年12月、K-1大阪大会で木村“フィリップ”ミノルに勝利し、K-1スーパー・ウェルター級王座を戴冠。今年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアにも勝利し、ホームリングのK-1に帰還する和島。この日は追い込み期間の真っ最中とあってか、道場に現れると時折険しい表情を見せながらアップをこなし、パンチを中心にミット打ちを披露。「コンディション的にはめちゃめちゃいいんですけど、いつも一番疲れてる時に取材に来てもらうので…疲れてはいます」と、苦笑いを浮かべつつ公開練習後のインタビューに応えた。
改めて「感想としては本当にいい経験になりました。あれだけの観客の前で試合することもなかなかないし、すごい楽しかったですね」と『THE MATCH 2022』での戦いを振り返った和島。昨年9月のラーシーシン・ウィラサクレック戦から4連続KO勝利を収め、判定勝ちに終わったベイノア戦でも合計3度のダウンを奪うなど、倒す力・攻撃力に更なる磨きをかけている。
和島曰く、絶好調の要因は「めちゃくちゃ練習を頑張る! ですね(笑)」と至ってシンプル。「最近は食事を気をつけたり、あとはしっかり練習すること。練習はほぼほぼ毎日やっていて、一日休みを作ったりランニングだけの日を作ったりはしますが、オーバーワーク気味になっても試合前なので頑張ってます」とハードな練習を続けている。
今回対戦するカコウバヴァスはジョージア出身・ギリシャ在住のファイターで、ヨーロッパ各国の主要大会に出場し、4本のベルトを獲得。数々の強豪選手とも拳をまじえ、日本でも馴染みのあるジョーダン・ピケオーに過去勝利した実績を持つ強豪外国人選手だ。昨今の世界の-70kg戦線において、中村拓己K-1プロデューサーも「間違いなくトップの選手」と太鼓判を押す超強豪だ。
ファイトスタイルも豪快そのもので、筋骨隆々の身体から繰り出される強烈なフックで対戦相手を何人もマットに沈めている。和島もカード発表会見で「強い選手とやりたいとは言いましたが、ちょっと強すぎませんか…?」と思わずこぼしてしまうほどの選手だ。
この日のインタビューでも「本当に強い印象しかないです。一発もすごいですし…」と弱気な一面を見せる和島だったが「最近は外国人選手と試合が続いているんですけど、海外で勝っている選手とはなかなか戦う機会がなかったので、どんなパンチを打ってくるんだろう? というのもあるし、ワクワクも恐怖もあります。これから当たる外国人選手というのはこういう選手だと思って、気合いを入れてやるしかないです」と覚悟は決まっている。
その和島が考えているカコウバヴァス対策は、ずばり“避ける”こと。「まず避ける。蹴りでもパンチでも自分の攻撃を当てたら、相手の一発は絶対にもらわないようにしっかりガードして避ける。そういう感じですかね」とメレティスの攻撃力を警戒した試合運びを意識している。
今大会では同じスーパー・ウェルター級でアビラル・ヒマラヤン・チーターvs.ジョムトーン・ストライカージムという注目カードも組まれている。和島としてはK-1王者として格の違いを見せたいところかと思いきや「眼中にない…というか、そんな余裕はないので、自分の試合に集中します(笑)」。
和島が戦うスーパー・ウェルター級(70kg)はK-1 MAXで確立された階級であり、和島には現役時代の魔裟斗さんや佐藤嘉洋さんに次ぐ世界に通用するファイターとしての期待もかかる。
和島は「この階級は海外勢と戦って、世界とやっていけるのか? というテーマがあると思うんですけど、外国人選手のパワーに負けないように、そこに勝っていく姿を見せたい」と日本人エースとしての心境を語りつつ「僕はそんなに(試合を)盛り上げていくの得意じゃないというか、そういうキャラじゃないので“ふんわり強く”いこうと思います」と、和島らしさを付け加えることも忘れなかった。