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インタビュー

【PANCRASE】ライト級暫定王者決定戦に臨む松本光史「しっかりとした内容の格闘技を見せたい」×アキラ「前回は交通事故みたいに思われているかもしれないけど、今回は5分5R、塩漬けして僕の怖さを思い知らせたい」=9月11日(日)立川

2022/09/03 11:09
 2022年9月11日(日)「PANCRASE 329」立川ステージガーデン大会で行われる「ライト級暫定王者決定戦」(5分5R)松本光史(M PLATIC)vs.アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&mosh)の調印式が2日、都内にて行われた。  今回の暫定王座戦は、第7代王者・久米鷹介(ALIVE)が怪我により、年内の防衛戦が不透明になったため、2位の松本と、松本に直近で勝利しているアキラとの間で暫定のベルトが争われることになった。  第12代修斗世界ライト級王者の松本は“打投極の権化”。2019年10月の「ONE Championship」修斗vs.PANCRASEの対抗戦で、修斗王者としてPANCRASE王者の久米鷹介に判定負けしたが、久米を追って2020年10月にPANCRASE参戦を果たし、初戦で上迫博仁を判定3-0で撃破した。  2021年5月にライト級に復帰したアキラに3R TKO負けを喫し、王座戦線から一歩後退したものの、2021年12月大会で松岡嵩志に1R 76秒、カウンターの左を効かせての右フックでKO勝ちで再起を飾ると、2022年3月大会で4連勝中だった葛西和希もスプリット判定で下し、2連勝をマークしている。 僕のなかでは「久米選手が持っているベルト」(松本)  会見冒頭で、松本は「修斗からPANCRASEに来て、1回アキラ選手に負けて練習して、暫定ですがタイトルマッチまで来たなと思います。しっかり勝って正規(王座)に挑戦したいと思います」と挨拶。 「暫定」のベルトについて、「僕のなかでは“久米選手が持っているベルト”という印象しかないです。獲ったら、また(その印象は)変わるかもしれないです」と、現時点では、3年前に敗れた正規王者・久米に挑戦するための通行手形だとした。  対するアキラは、PANCRASEで田村一聖、松本光史をTKOに下し、RIZINでも阿部大治にノースサウスチョークで一本勝ち、鈴木琢仁に判定勝ちで4連勝をマーク。しかし、2022年3月の前戦では、RIZINでDEEP王者の大原樹理にスプリット判定で敗れており、今回が再起戦となる。  会見では、「ほんとうに歴史と伝統あるPANCRASEのベルトに、暫定とはいえ挑戦させていただけることを大変、嬉しく思っています。そこに自分も名を連ねたいなと思います」と、初戴冠への思いを語った。 5分5R漬け切って、僕の怖さを思い知らせたい(アキラ)  3度目の対戦となる両者。2011年4月の初対戦ではプロ修斗で戦い、2R判定1-1のドロー。2021年5月の「PANCRASE 321」で再戦し、アキラが3R、右フックからパウンドでKOに下している。  これまで2度戦った印象を、松本は「やっぱり力強いファイターだなという印象で、戦績もだいぶ重ねてきている選手なので、そこまでのチャンスがあったということは、進化してきている選手ということなので、しっかりと僕も進化した自分で対戦したいと思います」と、パワーとともに、30戦17勝9敗4分のキャリアが裏打ちする経験にも警戒が必要と語る。  一方のアキラは 「3回目の対戦になりますが、最初はドローで、2回目は勝って。前回はたぶん松本選手サイドとしては、“ちょっと事故っちゃったな”と“交通事故”みたいに思われているかもしれませんが、自分的には、プラン通り行ったと思っています」と、前戦のKO劇は必然の勝利だとし、3戦目にして王座戦となる今回の試合を、「今回は5分5R、“塩漬け”しようかなと思っています。5分5R漬け切って、僕の怖さを思い知らせたいと思います」と、自身の強みを活かして完封すると予告した。 新しいことにチャレンジして武器を増やしてきた(松本)  松本は王座戦に向け、これまで同様に、ロータス世田谷をベースに練習を重ねてきた。35戦23勝10敗2分、ランカー相手に2連勝中の39歳が会見で再三、口にした「進化」とは何か。 「今まで自分が強いと思ったことは無いので」と前置きした松本は、「長くMMAを続けていくにあたって、覚えないと先が無い、選手としての魅力が無いなと思ってやってきました。新しいことにチャレンジして武器を増やすということを続けてきました。試合の結果でそれが出なかったと思われることもあると思いますけど、自分のなかでは毎試合強くなって、そのためのトレーニングを積んできていると思います。今回もあと1週間あるので、直前までしっかり仕上げてきたいと思います」と、毎試合ごとに「強くなる」ために取り組んできたことの積み重ねがあるという。  その上で「1歩ずつ上がってきましたが、とはいえ強くないとこの先は無いので、進化して久米選手が持つ(正規)ベルトに手をかけたいと思います」と、この試合でも進化して、追い求めた久米との再戦に辿りつきたいと語った。 外に出て成長して大きくなって帰ってきた(アキラ)  アキラもまたCAVEで進化し、中村K太郎のUNITED GYM TOKYOでは自身より大きな選手たちとも組んでいる。  それぞれの暫定王座戦の思いのなかで、どんな戦いを見せたいかと問われ、アキラは、「いったんPANCRASEから外に出たんですけど、成長して大きくなって帰ってきた姿を見せられたらと思います。よりいろんな人に見ていただける環境から戻ってきたので、僕の戦いぶりを見て、今度はPANCARSEに興味を持ってもらえたらと。ここでしっかり獲って、正規王者に挑戦させてもらいたいと思います」と、RIZINでの激闘を糧に、ホームで新たな姿を見せたいとした。  松本は、「ひとつの団体のタイトルマッチなので、ほかの階級の女子のチャンピオンも出ますけど、それとも差がある、“しっかりとした内容の格闘技”を見せたいと思います」と答えている。  どちらが暫定王者になっても、その先に正規王者・久米や、同じ大会で戦う、雑賀ヤン坊達也vs.松岡嵩志の勝者が待つ茨の道を進むことになる。しかし、それは両者が望む道だ。暫定のベルトを巻くのは松本かアキラか。
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