RISE 1612022年8月28日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第11試合)RISEフェザー級(-57.5kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×梅井泰成(Mouton/王者)判定0-3 ※46-50×2、45-50〇門口佳佑(EX ARES/挑戦者・同級3位)※門口が第5代王座に就く。梅井は初防衛に失敗。
梅井は4歳の頃より始めた空手、中学一年から始めた柔道、そして高校ではレスリングと、様々な格闘技経験を持つ。柔道では全国中学柔道大会に出場し、レスリングでは近畿大会で3位入賞。19歳でキックボクサーを志し、2019年10月にはRIZINで植山征紀と対戦(判定負け)。その後、TEPPENに移籍して2021年7月大会ではランキング上位の山川賢誠をKO、11月には宮崎就斗に初回TKO勝ちして4連勝を飾ると、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代王座に就いた。戦績は13勝(3KO)6敗。5月にTEAM TEPPENを離れ、今回から自分のチームMouton所属となる。
門口は『ABEMA』で行われた企画『VS 那須川天心』でトーナメントを勝ち上がり那須川天心と対戦したことで名をはせた空手出身の選手。その後、RISEで2018年7月にプロデビューすると、攻撃力の高さを活かして9戦無敗(1引き分け)を誇っていたが、2020年12月のフェザー級王座次期挑戦者決定戦で竹内将生に敗れ、挑戦権を逃した。2021年5月には平野凌我に判定勝ちも、7月には魁斗に敗れた。2022年2月に小崎貴誠を初回KOし、再起を飾っている。戦績は10勝(3KO)2敗1分。
1R、サウスポーの梅井は左ミドルと右カーフ、門口は左右に構えを変えながら同じくカーフを蹴る。間合いを詰める門口だがなかなか手が出ず、梅井が蹴る。しかし、梅井がカーフを蹴った直後に門口が右フックでダウンを奪った。
2R、梅井は左ミドルから速いワンツー、門口は重い右ミドルを蹴る。スピードのあるワンツーを繰り出していく梅井に対し、門口は距離を詰めて重みのある左フック。両者とも密着した離れ際のパンチを狙う。
3R、しつこくカーフを蹴る門口に梅井はスピードのあるパンチで対抗。門口は三日月、ヒザでもボディを狙う。スピードのある連打を繰り出す梅井だが門口がパワフルなカーフ。終盤、打ち合いになったところで門口が左フック、ヒザを着いた梅井にダウンが宣告される。ダウンじゃないとアピールする梅井。
4R、梅井は細かい連打を何度かまとめるが門口はしっかりブロック。門口はカーフを蹴りつつ、カーフをフェイントしての左フック。手数を出す梅井だが門口の一発の威力でかき消される。
5Rは両者額がくっつきそうになるほどの接近戦で左右フックとボディを打ち合う。その中でも門口はローとヒザ、梅井はハイを放つ。超接近戦での打ち合いは最後まで続いた。
判定はダウンを2度奪った門口が3-0で勝利。新王座に就いた。
門口はマイクを持つと「23年格闘技やっているんですけれど、その時から応援してくれてサポートしてくれる仲間も増えて本当に幸せな格闘技人生です。親父、お母さん、僕をこんなに強く育ててくれてありがとうございます。今日みたいな試合ではvs.世界で戦っている王者たちには届かないと思うので、もっと強くなって原口選手や鈴木選手に負けないような王者になっていきたいと思います。安本選手だったり倒さないといけない選手がたくさんいるので、一人一人相手にしていたら身体がもたないのでトーナメントで一番強いヤツを決めさせてもらえればと思います」と、フェザー級トーナメントの開催をアピールした。
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▼セミファイナル(第10試合)SuperFight! ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R△イ・ソンヒョン(RAON GYM/第4代RISEミドル級王者)ドロー 延長R 判定1-0 ※10-9、10-10×2△緑川 創(RIKIX/同級5位、元WKBA世界スーパーウェルター王者)※本戦の判定は29-30、29-29、30-30
“コリアンモンスター“ソンヒョンは日本ではRISEで活躍、世界を股にかけて試合をするトップファイターで、戦績は66勝(16KO)9敗1分。ブアカーオ・バンチャメーク、佐藤嘉洋とも対戦経験があり、RISE三階級制覇の裕樹、シュートボクシング世界王者の鈴木博昭、HOOST CUP王者の麻原将平など国内トップファイターを次々と撃破。2019年7月には松倉信太郎と第4代RISEミドル級王座決定戦を争いベルトを奪取。同年9月にはシュートボクシングに参戦し、海人と接戦の末に判定負け。昨年11月には北アイルランドで試合を行いWKN世界ウェルター級王座を獲得している。今回は海人との試合以来、約3年ぶりの参戦。
“グリーンモンスター”緑川は2005年デビューのベテランで、新日本キックボクシング協会でミドル級王座とWKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得。K-1 MAX世界王者アンディ・サワーにも勝利した実績を持ち、国内ミドル級最強の一角として長く君臨している。2020年7月よりRISEに参戦し、ウェルター級王者の“ブラックパンサー”ベイノアから2度ダウンを奪い強さを見せつけるも、その後は海人、憂也に連敗。2021年2月に『NO KICK NO LIFE』で高木覚清に判定勝ちすると、6月の『RISE』で宮城寛克に判定勝ち、7月の『NO KICK NO LIFE』では憂也と引き分け、8月はモトヤスックに判定勝ち、9月の『BOM』では柿沼慶にKO勝ちと34歳にして4カ月連続試合に臨み、3勝1分の戦績を収めた。
しかし、12月のRISEで新鋭のRYOTAROにまさかのダウンを奪われて判定負け。今年は1月にプライチュンポンに勝利したが、4月のムエタイスーパーファイトで小原俊之にTKO負け。5月のNKNLではT-98と9年ぶりに再戦して勝利を収め、2023年2月11日に引退することを表明。引退するまでに「海人選手とイ・ソンヒョンと戦いたい」と希望しており、今回その願いが叶う形となった。戦績は55勝(25KO)15敗8分2無効試合。
1R、圧を懸けて前へ出てくるソンヒョン。両者ともカーフを蹴り、ボディと顔面へのコンビネーションを繰り出す。緑川は前蹴りを蹴ってソンヒョンを突き放す。緑川は右フックのダブルを打ち込む。
2Rも圧をかけるソンヒョンだが、緑川はカーフの蹴り合いでも負けず、右フックのダブルや左ボディを打って回り込む。ソンヒョンも右ストレート、左ボディと強打。
3Rが始まった直後、緑川がコンビネーションで左ボディを打った直後にバッティングとなり、ソンヒョンは左目上から流血。再開後、打ち合いに行く緑川にソンヒョンも強打を返すが回転力で緑川が上回る。ソンヒョンはボディへのヒザに活路を求めるが、緑川が回転の速いパンチコンビネーション、飛びヒザ蹴りも放つ。最後は足を止めて左右フックの打ち合い。
本戦の判定はジャッジ1名が緑川を支持したがドロー。延長戦へ突入する。2連打、3連打の緑川にソンヒョンは右カーフとヒザ蹴りで応戦。ソンヒョンのヒザが緑川のボディへ突き刺さる。序盤は回転のスピードで優っていた緑川だが、後半になるとソンヒョンのヒザに削られたかクリンチが多くなる。
両者かなりの消耗が見えた一戦は延長戦でも決着つかず、ドローとなった。
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▼第9試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R×政所 仁(魁塾/同級2位、WBKF世界スーパーフライ級王者)TKO 3R 0分21秒 ※ドクターストップ〇花岡 竜(橋本道場/同級3位、KNOCK OUT BLACK初代スーパーフライ級王者)
政所はKNOCK OUTフライ級王者・石井一成にも勝利したことがあり、止まらない手数とバックハンドブローなど相手の意表を突く技を繰り出す。2018年11月にJ-NETWORKフライ級王座を獲得。2019年5月にRISEスーパーフライ級王座に挑戦するが判定で敗れる。11月には大崎孔稀からダウンを奪い、殊勲の勝利を収めたが、2020年7月大会で大崎一貴とのスーパーフライ級王座挑戦者決定戦では敗れる。 2021年の「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では準決勝に進出するも風音に敗れた。今年3月のRIZINでは佐藤執斗とノーコンテストに。戦績は15勝(4KO)9敗1無効試合。
花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月の『INNOVATION』でフライ級王座認定戦を行い、勝利して無敗のまま王座に就いた。2021年9月にはトーナメントで空龍と濱田巧を破り初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座を獲得。今年1月の『NO KICK NO LIFE』では石井一成を圧倒しての判定勝ちで周囲をあっと言わせ、3月には岡山で開催されたオープンフィンガーグローブ着用トーナメントも制した。 4月にはペットソンチャイ・ソンニンタイ(タイ)にも初回KO勝ち。6月にRISE初参戦を果たすと滉大に判定勝ちした。戦績は16勝(6KO)1敗1分。“平成最後の怪物”と呼ばれている。
1R、互いにカーフを蹴りつつ、花岡はジャブを多用。政所が前蹴り、横蹴りを思い切り叩きつけると花岡もパンチでボディを攻撃。ハイスピードのパンチの交換となり、場内からどよめきが起こる。
2R、政所は左フックがヒットした直後に油断したか花岡の返しの右フックをもらってダウンを喫する。その後も両者は多彩な技を出し合ってハイスピードバトルを展開。
3R、政所は左フックのダブルで攻めるが、花岡の左飛びヒザ蹴りで右目の上から流血。ドクターチェックでストップがかかり、花岡のTKO勝ちとなった。
花岡はマイクを持つと「前回3位の滉大選手で次が2位の政所選手。次、大崎選手と風音選手がタイトルマッチやると思うんですけど、勝った方とタイトルマッチどうですか? パンチの精度が少し上がっていたと思うので、これからまだまだ強くなるところを見せていくのでよろしくお願いします」と、次はタイトルマッチを要求した。
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▼第8試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R〇実方拓海(TSK Japan/スーパーライト級2位、WMC日本スーパーライト級王者)判定3-0 ※30-25×3×中島将志(新潟誠道館/同級1位)
実方は日本タイトルを4冠持つベルトコレクターで、ヒジ有りでの実績は折り紙付き。昨年6月のRISE初参戦では、EVOLのメインで川島史也を撃破。2020年2月には杉本卓也を判定で下し、11月の次期挑戦者決定戦でタップロンからボディへのパンチ&ヒザ蹴りでダウンを奪って判定勝ち。2021年1月にはRISEスーパーライト級王者・山田洸誓に挑戦したが、判定で敗れた。2022年1月には森香津眞と延長戦でも決着がつかずドローとなった。戦績は20勝(4KO)7敗2分。
中島は新空手出身で2017年RISEミドル級新人王を獲得。ブラックパンサー”ベイノア(3RKO負け)、渡部太基(判定勝ち)、廣野祐(判定負け)らトップ選手と拳を交えた。2021年8月には第2代ZSTフェザー級王者・森興二を1R1分51秒に右ストレートでKOしたが、11月の海人戦ではダウンを奪われて敗れた。2022年3月の「第3代ウェルター級(-67.5kg)王座決定トーナメント」準決勝でも中野椋太に敗れて連敗。7月10日のJAPAN KICKBOXING INNOVATIONの大会にスクランブル出場すると、橋本道場のホープ・風間大輝を2RでKOして連敗をストップさせた。戦績は10勝(5KO)7敗。
1R、サウスポーの実方は右カーフを蹴り、逆に中島がカーフを蹴ってくるとしっかり足を上げてカット。右へ回り込みながら左ストレート、左ボディを打ち、狙いすましたワンツーでダウンを奪う。その後もヒザ蹴り、左ストレートと卓越したテクニックを見せつける実方。
2R、実方は右へ回り込みながらジャブ、左ストレート、右フックを打ち、中島が打ち合いに前へ出てくると首相撲で首を下げさせてのヒザ蹴りと巧みな動き。中島は打ち合いたいか前へ出てパンチを繰り出すが、実方は回り込んで外してパンchウィおあっていく。
3Rも実方の独壇場に。右へ回り込みながら左ストレート、左ボディを打ち、中島が接近するとすかさずヒザ蹴り。打ち合いたい中島をかわし、一方的に攻撃をヒットさせていく実方。試合終了間際には右カーフでダウンを奪い、大差の判定勝ち。実方のテクニックが光る一戦となった。
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▼第7試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R×ねぎ魔神(ネイバーズキックボクシングジム/同級10位、PRINCE REVOLUTION-70kg王者)TKO 2R 1分48秒 ※レフェリーストップ〇鈴木清照(ドージョー☆シャカリキ)
PRINCE REVOLUTION-70kg王者となったねぎ魔神がRISEに凱旋。ねぎ魔神は2021年3月に福岡で開催された『RISE WEST』に突如現れ、2R1分44秒、左右フックでダウンを奪った後の相手のカットでTKO勝ち。続く6月の同大会でも判定2-0で連勝し、8月に発表されたランキングでミドル級9位に。9月大会で関東に“初出荷”され、“ブラックパンサー”ベイノアを相手に判定で敗れるも奮戦してインパクトを残した。11月の大阪大会でも憂也に敗れるも驚異的な打たれ強さで判定まで粘り、そのガッツで観客の心を鷲掴みに。子供たちにもウケるキャラクターだ。戦績は9勝(3KO)5敗。得意技はねぎストレート。
鈴木は新空手出身で、184cmの長身を武器に12戦5勝7敗(4KO)の戦績を持つ28歳。RISE初参戦は昨年8月28日の『RISE EVOL.9』で今回ちょうど1年ぶりのRISE参戦となる。
1R、ねぎ魔神はジャブ&ローの堅実な攻め。鈴木もローを返して右ストレートを繰り出す。ねぎ魔神は右フックも。
2R、いつも通り「ヘイヘイヘイ」と声を上げながら前へ出ていくねぎ魔神だったが、鈴木の至近距離からの左ハイをもらってダウン。すぐに詰める鈴木は連打からの右フックでダウンを追加すると、レフェリーがここでストップ。まだやれるとアピールしたねぎ魔神だが、鈴木のKO勝ちとなった。
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▼第6試合 -85kg契約 3分3R延長1R〇南原健太(極真会館/ヘビー級3位、2022オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会 男子軽重量級(-90kg)優勝)TKO 2R 2分59秒 ※レフェリーストップ×ジェット・ペットマニーイーグル(矢場町BASE/元MAX MuayThai-72kg級王者)
南原は幼少時代から極真空手を学び、小学生の時はあの那須川天心とライバル関係にあった。第32回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級第3位、第11回全世界空手道選手権大会ベスト32、第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会準優勝などの実績を持つ。2021年7月にRISEでプロデビューし、3試合連続KO勝ちを収めたが、今年4月にカルリ・ギブレインにKO負け。初黒星からの再起戦となるが、今年6月には2022オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会にて軽重量級(90kg以下)優勝を飾っている。
対するジェットは元MAXMUAYTAHI-72kg級王者で、約60戦のキャリアを持つタイ人選手。現在は愛知県の矢場町BASEにてトレーナーを務めている。その実力はいかなるものか。
1Rから積極的に攻めていくのは南原。右ローを中心に多彩な蹴り技と右ストレート、左フックでどんどん前へ出て攻撃していく。ジェットも蹴り返すが手数は少なく、ホールディングが多い。
2R、右ロー、左三日月を蹴る身は南原は接近して左右のショートフック。南原の薙ぎ払うようなフックで頭が左右に揺れるジェット。ハイキックで起死回生を狙うが強打を受け続け、ホールディングしたところで南原に突き飛ばされ、そのまま立ち上がることが出来ずダウンとなる。最後はコーナーへ詰めての南原の左右フックで一方的となり、レフェリーがストップした。
南原はマイクを持つと「今回85kg契約ということで重い階級はやはり倒さないといけないと思っていたので倒すことができてとても満足いっています。今日、どうしてもKOしようと僕の中で決めていました。KOする約束をしたのは親父です。2日後、手術が決まっていて俺は倒したから親父、手術負けるなよ。頑張ってください」とメッセージを送った。
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▼第5試合 フライ級(-51.5kg) 3分3R〇那須川龍心(TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova 全日本大会 -55kg級トーナメント 優勝)TKO 3R 1分38秒 ※レフェリーストップ×平山龍馬(サクシードジム team EXCEED)
那須川は2021年RISE Nova全日本大会-55kg級トーナメント優勝、Stand Up Aクラストーナメント-55kg級優勝、2021年RISE NovaジュニアAクラストーナメント-50kg級優勝などアマチュアで経験を積み、今春から高校生となって4月のRISEでプロデビュー。笠原直希に判定勝ちして白星で初陣を飾った。しかし、6月の『THE MATCH 2022』ではK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星。今回からフライ級に階級を下げて再起戦に臨む。
平山はサウスポーで、2022年5月大会で酒寄珠璃にダウンを奪って判定勝ち。デビュー戦を白星で飾っている。
1R、那須川は右ストレートを顔面とボディに打ち分ける。那須川の右ボディにすぐ左フックを返す平山。那須川はハイキックも混ぜてコーナーへ詰めると、右ストレートからヒザを突き上げてダウンを奪う。その後もコーナーへ詰めてパンチの猛攻を見せたが、平山は打ち返しながら耐える。
2R、那須川はしなやかな右ハイ&ミドルを混ぜながら右ボディで攻めていく。左フックを引っ掛けての顔面ヒザも。多彩な攻撃を見せる那須川に平山はクリンチが増え、左ストレートを打つも那須川の返しの攻撃をもらう。
3R、ボディを打って打ち合いを仕掛ける平山だが、那須川の右ストレートを次々と被弾。那須川がコーナーへ追い詰めての打ち合いを見せる両者だが、右をヒットさせていくのは那須川だ。しばらくその状態が続いたが、コーナーを出られず被弾の多い平山を見てレフェリーがストップ。那須川の見事なプロKO勝ちとなった。
那須川はマイクを持つと「この間のTHE MATCHで負けて兄を超えられないとかいろいろ言われたんですが数字じゃなくて皆さんに見てもらってあの時の龍心より強いなと思ってもらえるようにこれからももっと強くなります。あとKOして言おうと思ったことがあって、10月の大田区お願いします」と、10月のビッグマッチ参戦に名乗りを上げた。
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▼第4試合 ライト級(-63kg)3分3R〇樋口知春(極真会館/全日本ウェイト制空手道選手権2018中量級優勝)TKO 3R 0分55秒 ※レフェリーストップ×中元優成(team Bonds)
樋口は第35回全日本ウェイト制空手道選手権大会中量級優勝の実績を引っ提げ、2021年5月にRISEでプロデビュー。前回は12月に初KO勝ちして3連勝で4戦目に臨む。対する中元は塚本望夢と同門の16歳。現在プロ戦績2戦2勝で今回がRISE初参戦となる。
1R、中元はコンビネーションを回転させて顔面からボディへと流れるように打ち、ヒザも突き刺す。樋口は右ローと左インロー。中元の左フックをもらった樋口はグラつくが、驚異的な打たれ強さで中元のコンビネーションに耐え、逆に右を打ち返す。
2R、左ボディを狙い撃ちにする中元だが、右ストレートは樋口がよく見てかわし逆に右ストレートをヒットさせていく。この右がクリーンヒットし、ロープ際へ吹っ飛ぶ中元へ樋口が連打を決めてスタンディングダウンを奪う。これで余裕が出たか樋口はハイキック、飛び蹴りを繰り出す。
3R、右ローを蹴る樋口に中元は後退。樋口はコーナーへ詰めて右ストレートを浴びせ、右ローを蹴る。身体を密着させての押し合いが多く見られるが、踏ん張るところへ樋口は右ロー。最後も離れ際に樋口が蹴った右ローで中元がダウンし、立ち上がれずレフェリーがストップした。
樋口はマイクを持つと「今日はKO勝ちを狙って練習してきたので出来てよかったです。極真会館の全日本選手権で戦った元ライバルの与座優貴選手がK-1で活躍しているので、置いてけぼり感があるのでこれからライト級をひっかきまわすので樋口千春を覚えてください。押忍」とアピールした。
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▼第3試合 ヘビー級 3分3R×針谷 耕(EX7)TKO 1R 2分46秒※右フック〇ミヤギン(team Bonds)
1R、前蹴り、ロー&ハイキックと蹴りを器用に使う針谷にミヤギンはローからパンチ。針谷の右ミドルに右ストレートを合わせる。前進して左右のパンチを打っていくミヤギンに針谷もパンチで応戦するが、ミヤギンが右フックを振り抜いてダウンを奪う。
立ち上がろうとする針谷だが立つことが出来ず、レフェリーがカウント途中でストップをかけた。
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▼第2試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R×HAYATO(CRAZY WOLF)判定0-2 ※29-30×2、29-29〇白石 舜(TEAM TEPPEN/2017年KAMINARIMON全日本トーナメント-60㎏級優勝)
3度目の参戦でRISE初白星を目指すHAYATOと、3月のデビュー戦でKO勝ちした白石が対戦する。
1R、互いに強いローを蹴り合い、白石は右オーバーハンド狙い、HAYATOは左ミドルを蹴る。ローとインローをしつこく蹴るHAYATOは白石がパンチで前へ来ると左ミドルを合わせる。白石は右カーフで対抗。
2R、ジャブと右ローのHAYATOに白石は後退するが、前に出ると狙っていた右オーバーハンドがついに炸裂。HAYATOはコーナーへ吹っ飛ぶ。その後も右オーバーハンドを狙い撃ちする白石。
3R、HAYATOが右フックから左フック、ヒザと手数を出して攻めるが、白石の左フック強打をもらう。HAYATOは左右フック、ローと手数を出して攻めるも白石が一発の強打で印象を引っ繰り返す。さらに足を止めての左右ストレートの打ち合いを展開した両者。
判定は2-0で2Rに大きな見せ場を作った白石の勝利となった。
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▼第1試合 フライ級(-51.5kg) 3分3R〇Novo(TARGET SHIBUYA)TKO 3R 1分23秒 ※レフェリーストップ×弾丸風太(TEAM KAZE)
Noboは今年2月に初開催されたオープンフィンガーグローブ大会『RISE FIGHT CLUB』で初回KO勝ちを飾った3勝(1KO)3敗の新鋭だが、前日会見では「クソみたいところから、ゲットー上がりで昔から貧乏なところから上がってきて。今同じ境遇にいる子供たち、高校生くらいの子、ドラッグ売ったりして生計を立てている子たちにも夢を与えたいので、全部アートに変えて明日はぶち上げていきたいと思います」と、過去に自分が犯した過ちまで明かして“ここから這い上がる”との想いを語り、当日入場式では対戦相手と顔を合わせるなり乱闘とかなりデンジャラスなファイターだ。
対する風太はRISE WESTで、前戦の5月1日『RISE WEST大橋駅前大会』では1Rからラッシュでダウンを2度奪うと2R開始直後に右ストレートを打ち抜きKO勝利を収め、ナンバーシリーズ初登場となる。
1R、Novoは右ストレートの強打を次々と当てていき、風太が前へ出てくると下がりながらの連打から左フックでダウンを奪う。その後も右ストレートを笑いながら当てるNovoだったが、風太は右ローで反撃開始。
2R、前に出る風太は接近しすぎてクリンチを連発するが、徐々に距離感をつかんだかパンチが当たりだす。頭を下げるNovoにはヒザ蹴り。前に出てこられるNovoは疲労したか一発に頼るようになった。
3R、風太は相打ち覚悟の打ち合いを仕掛け、頭を下げるNovoへハイキック。さらにロープへ追い詰めると足を止めての打ち合う。これにNovoも応じてワンツーを打ち合う両者に会場がどよめき。まるで高山vs.ドン・フライのような打ち合いとなって場内が盛り上がる。ここでNovoがヒットを奪って風太をダウンさせ、なおも打ち合いを仕掛けた風太に左をヒットさせてダウンを追加。ここでレフェリーがストップした。
敗れはしたもののあわや逆転かというガッツある打ち合いを見せた風太にも大きな拍手が送られた。