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2022年9月11日(日)に横浜アリーナで開催される「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~」の「K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦」で、タイのナックロップ・フェアテックスと対戦する朝久裕貴(朝久道場)のインタビューのインタビューが主催者より届いた。
朝久は、2020年11月のK-1で大岩龍矢から勝利を収めると、2021年9月のK-1横浜アリーナ大会では、ONEで活躍したMOMOTAROと対戦。得意の蹴り技を見せつつ、最後はパンチでMOMOTAROをマットに沈めた。
さらに、2022年4月3日「K'FESTA.5」で、元K-1フェザー級王者・村越優汰と対戦。左ハイキックと跳びヒザ蹴りでKO勝利し、今回のスーパー・フェザー級王座決定トーナメントに参戦する。ライト級王者の弟・泰央に続いてK-1王座獲得なるか。
前回の村越選手との試合が終わってから、僕は武尊選手と戦うつもりでいた
──朝久選手の前回の試合は4.3「K’FESTA.5」代々木第一体育館大会で、村越優汰選手をKOに下しましたが、改めて振り返ってみていかがですか?
「1R1分42秒で終わったんですけど、あの時に決まった技っていうのが、それよりも前の9月20日のMOMOTARO選手の試合の時に出来た技だったので、村越選手に当てるための技は結局出さずじまいで終わってしまいましたね」
──そういう意味では少し不満も残っているということですか?
「試合内容としては良かったので不満ではないんですけど、本気というかまだ全力を出し切れてないというか、全然あんなもんじゃないぞというのはありますね」
──試合前に村越選手が「完封して判定勝ちしたらマイクを持たせてくれ」って言ってましたけど、そこも含めて思い通りにさせなかったという意味ではまさに完封勝ちという印象です。
「そうですね。完封というのは最初から最後まで封じ込めるっていう意味があると思うんですよ。早い段階で倒してしまって、相手に何もさせずにリングを降りてもらうっていうのも完封の究極系だと思っているし、僕が逆に完封出来た試合だと思っています」
──この村越戦で3連勝となり、現在は2連続KOと絶好調ですね。その流れで決まった今回の第5代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントですが、オファーが来た時はどのような心境でしたか?
「相手が誰かっていうよりも、選ばれた時点で優勝出来るなっていう自信がありましたね」
──それは戦うメンバーを見なくてもということですか?
「メンバーを見なくてもですし、まず第一に思ったのが、自分は中国の武林風の60kgの階級で戦っていたんですよ。それがコロナで行けなくなったことで日本に帰ってきて3連勝中なんですけど、武林風で戦ってきた選手たちと比べると日本で戦った3名の選手はやっぱり力が落ちるなっていうのは感じましたね。中国で戦ってきた選手のほうが強かったです」
──朝久選手の日本の戦績はずっと判定勝利が続いていたのに、ここ2戦がKO勝利じゃないですか? その要因も中国で厳しい戦いを経験してきたからですか?
「日本の戦績だけ見るとずっと判定で、ここ2戦だけがKO勝利なんですけど、中国の武林風の60kgで12~13戦やってきているうちの半分はKOで勝っているんですね。60kgの階級が僕には合っているのかなと思っているし、KO率も高いんですよ。だから、日本のリングでWLFの強さを見せられているということだと思います。日本の60kgの階級の試合でKO出来るのは当たり前だと思っていますね」
──その実感があると、優勝しなければいけないトーナメントだとお考えですか?
「しなければいけないと思いますし、優勝する自信はありますね」
──分かりました。一回戦はタイ人のナックロップ・フェアテックス選手になりました。どんな印象をお持ちですか?
「初めてのタイ人との対戦になるんですけど、30戦やってきた中で約半分が外国人選手との試合でしたし、特に外国人選手の体の強さは感じないと思います。ただ、やっぱりタイの選手って試合を淡々と進めていくイメージがあるので、今回も1R目から飛ばして、1R目で倒したいと思っています」
──弟さんの泰央選手が昨年ゴンナパー・ウィラサクレック選手に勝って、K-1ライト級王者になりましたけど、今回のナックロップ選手はそのウィラサクレックジムのウィラサクレック会長の推薦した選手で、会長自身が打倒・朝久ということで燃えているそうです。
「泰央vs.ゴンナパー選手の試合があっての考えだと思うんですけど、自分には勝てないよっていう気持ちが強いですね」
──では、ご自分が勝ち上がったとして、準決勝、決勝でやりたい相手、もしくは上がってくるだろうな予想している選手はいますか?
「準決勝は一回戦を1RでKOするのであれば、僕は横山朋哉選手が来るんじゃないかなと思っているんですよ。勝負が判定までもつれれば外国人選手ですね。体の強い選手が勝ち上がってくると思っているので。まあ、50/50で、どっちが勝つとは言い切れないですね。決勝は一回戦の大岩選手とアダム・ブアフフ選手の勝者が勝ち上がってくると思います。ただ、ファンが見たいと思っているのは僕とレオナ・ペタス選手の試合だと聞いています」
──優勝候補と呼び声の高いお二人のなので、やはり決勝はこのカードで見たいというファンは多いでしょうね。
「ただ、レオナ選手とは決勝でやるよりかは一回戦とか、万全の状態でやってみたかったなという気持ちがありますね」
──ちなみに一回戦のブアフフ選手以外の選手で気になる外国人選手はいませんか?
「特にいませんね。日本人選手も強いですし、日本人だろうと外国人だろうと、対戦する3人とも1Rで倒すつもりなので、誰が怖いとか誰を意識しているとかはないですね」
──なるほど。それから、このベルトは武尊選手が巻いていて、休養宣言に伴い返上したベルトですが、それについてはどのように思われていますか?
「やっぱり前のチャンピオンはとても偉大な選手でした。ただ、武尊選手は休養宣言の会見の時に、『優勝した選手とやりたくなるかもしれない』と言っていたので、自分が優勝してそういった気持ちにさせたいですね。僕がチャンピオンベルトを持って、武尊選手と試合をしたいと思っています」
──この階級で戦っている以上、やっぱり武尊選手から直接ベルトを奪いたかったという気持ちはありますか?
「もちろんありますね。前回の村越選手との試合が終わってから、僕は武尊選手と戦うつもりでいたんですよ。武尊選手とすぐに戦えなくなったのは少し心残りがありますけど、逆にこういったトーナメントが組まれましたし、今は優勝に向けて燃えてますね」
──そのトーナメントを勝ち抜いて優勝するために何が一番必要だと考えますか?
「やっぱりブレることなく、自分の練習の成果を出すことですね。対戦相手がこうだからこうしようとかだと優勝出来ないと思っているし、自分自身の力を高めて3試合とも全力でいくだけだと思っています」
──武林風でもベルトを獲られていますけど、K-1のベルトについてはどのような想いがありますか?
「国内で獲れる世界の頂点のベルトだと思っています。K-1と言えば誰でも知っている名前だし、そういう意味ではWLFのチャンピオンであるのと同時にK-1のチャンピオンにもなって、2本のベルトを同時に巻きたいと思っていますね」
──それと、K-1ファンの中には史上初の兄弟同時チャンピオン誕生という快挙を楽しみにしているとたくさんいると思うんですよ。
「そこは目指しています。僕がこのトーナメントで優勝すれば、兄弟同時チャンピオンが完成するので、それは一番のモチベーションというか気合いの入る部分ではありますね」
──では、どういうチャンピオンになりたいと考えていますか?
「言葉としてはあまりよろしくないんですけど、僕は人にナメられることが一番嫌いなんですよ。例えば、僕以外の人が優勝して、『あの選手はこの前、誰々に負けたよな』って言われるようじゃダメだと思っているし、『やっぱり朝久が一番強い』と言われるように圧倒的に優勝したいです。誰からも『朝久に勝てる』と言われないような圧倒的なものを見せたいですね」
──今、朝久選手がリングに上がる上で武尊選手と戦うこと以外でモチベーションになるようなことはありますか?
「自分では武尊選手より強いと思っていますけど、武尊選手を外すと日本人でこの選手と戦いたいっていうのはないですね。海外の選手も今回からこうやって来られるみたいだし、だったらどこかの団体の強いと言われている選手を呼んでもらって、その選手を倒したいなと思っています。それがモチベーションですかね。僕はリングに上がれば朝久道場の朝久流養我で培った、僕にしか出来ない動きがあるので、それを試合までに磨いて、リングの上で発揮する。それだけです」