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【3150FIGHT】亀田興毅「この興行は“プラットフォーム”」=石井慧がプロボクシングデビュー、皇治の「ABEMAスペシャルマッチ」も

2022/08/15 14:08
 2022年8月14日、エディオンアリーナ大阪第1競技場にて、亀田興毅がプロデュースするボクシングイベント「3150FIGHT」が開催された。  本戦のメインイベント、セミファイナルでは、国際戦で但馬ミツロ(KWORLD3)、力石政法(緑)がともにTKO・KO勝利。また、第7試合に、公式戦として、MMAやK-1、グラップリング等で活躍中の北京五輪柔道男子100kg超級金メダリストの石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)がボクシングデビュー戦勝利。  さらに、JBC管轄外の「ABEMAスペシャルマッチ」として、皇治(TEAM ONE)と、ヒロキング(KWORLD3ボクシングジム)がエキシビションマッチを行い、KOとTKO以外は決着なしのルールにより勝敗無しとなっている。  同大会にスポンサーを32社集め、最前列チケットは10万円、5000人の観客動員に成功し、ABEMAでの配信も行った亀田興毅ファウンダーは試合後、大会の演出・経費等に「億近くかかっていて今は赤字だが、未来への先行投資」と明かし、「今回は僕もプロモーター・デビュー戦。この興行に自分の想いを詰め込んだ。コロナ渦で開催の制約があったなかでも徐々に緩和され、海外選手も呼べるようになった。この興行は“プラットフォーム”なので、外国人選手・日本人選手ともに公平でいないといけない。選手はみんな同じ条件でリングに上がっている。実力で勝利を勝ち取った選手みんなにリスペクトしている。今年は『3150FIGHT』の第1フェーズ。来年以降も出場舞台を予定しているので、ボクシング業界の未来を盛り上げる興行として根付かせていく」と、初興行の手ごたえと、今後について語っている。 [nextpage] 但馬ミツロ「無理って言われるものに対して戦う」  本戦のメインイベントでは、日本・韓国ヘビー級タイトルマッチ10回戦として、日本ヘビー級1位の但馬ミツロ(KWORLD3)と、韓国同級王者イ・ソンミン(韓国)戦が行われ、但馬が左フックを効かせての右アッパーで、左右フックで1R 1分09秒、TKO勝利。日本最速2戦目でヘビー級王座を獲得した。 ▼メインイベント 日本・韓国ヘビー級タイトルマッチ10回戦◯但馬ブランドンミツロ(KWORLD3)[1R 1分9秒 KO] ※左フック×イ・ソンミン(韓国)  試合後のリング上で但馬は、「このベルトは始まりに過ぎないし、これからみなさんに僕が戦う姿をたくさん見せていく中で、これがやっとスタートラインです。ここまで怪我したりいろいろなことがあって試合が出来ない期間も長かったけれど、変わらない応援、仲間を愛しているよ」とベルトを肩に挨拶。  続けて「みんな戦っているし、こうやって僕がリングに上がってこれは僕の戦い方ですけれど、コロナ禍をこえて世の中クソみたいなことばかりだけれど、ここの会場にいるみんなが戦っているし、ABEMAで見ているみんなが戦っているし、僕はこれからたくさんの人に無理って言葉を言われるだろうけれど、人間って無理って言葉に押しつぶされそうになって本当にキツいと思う。だけどそんな無理って言われるものに対して戦う僕の姿を見て、みんなの頑張る材料になればいいかなって思う。みんなの人生を変えることは出来ないけれど、みんなと一緒に頑張ることは出来ると思う。だからこれからも応援よろしくお願いします」とマイクで語った。  また、試合後のバックステージでは、「作戦通りの試合運びだった。序盤でソンミンのパンチを受けて想像の範疇を超えなければ攻め込む作戦を立てていた」と語り、「45歳まで選手は続けたい。課題はたくさんあるが自分であれば面白いものを見せられるはず。世界を目指して実践・練習を重ねていく」と世界進出に向けた今後の目標を話した。 ▼セミファイナル 東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦〇力石政法(緑)[4R 2分45秒 KO] ※左アッパー×トムジュン・マングバット(フィリピン)※力石が初防衛に成功。 [nextpage] 石井慧「ミツロ選手の踏み台にもならない」 ▼第7試合 ヘビー級 4回戦◯サトシ・イシイ=石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)[判定2-0] ※38-38、39-37、40-36×高山秀峰(スパイダー根本)  また、第7試合では、クロアチアで取得したボクシングライセンスで外国籍ボクサーとしてサトシ・イシイこと石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)が、JBCライセンスも取得し、C級にあたる4回戦の公式試合。  プロ1勝(1KO)の高山秀峰(スパイダー根本)を相手に、前進する圧力と手数で勝り、4R 判定2-0(38-38, 39-37, 40-36)で勝利した。  試合直後は「想像していたデビュー戦とは違った。今度は但馬 ブランドン ミツロ選手と戦いたい」と、対但馬戦を語ったものの、試合後のインタビューでは反省しきり。  まずは対戦相手の高山に対し「110kgの体重と筋肉とスピードは想定通りでパンチも見えました。KOで負けるのはないなと思いました。フィジカルとカーディオ(スタミナ)だけは自分がよかった」としつつも、「K-1でハードパンチャーと呼ばれる選手(実方宏介)と戦ったこともあって、そのパンチくらいかなと思っていましたが、高山君が全然強くてパンチ力もあって、最初びっくりしました。足にもきて、ボクサーのパンチは違うんだなと感じました」と、パンチ力に舌を巻いた。  続けて、対戦を希望した但馬について、「ミツロ選手の踏み台にもならない(苦笑)。やっぱり餅は餅屋。スパーリングと本当の試合というのは違うんだと思いましたし、相手も必死こくので。デビュー戦ですけれども全然ダメですね、自分自身。あれしかできないのでね、今。ああいう風に詰めてプレッシャーかける練習をしてきたので、それしかできないという。判定決着になって、石井=判定が消えていない。今みたいな試合では、青木真也をふりむかせられないですね。もっと軽いパンチとか強弱つけられるようになれればと思います」と課題を語った。  今後については、「今回の挑戦した理由の一番はやってみたい。一回、触ってみたいという好奇心からでした。ボクシングは奥が深く楽しかったです。海外では絶対にやりたいと思っています。海外出場を目指し、成長できる相手との試合を重ねていきたいと思います。クロアチアではすぐ組めると思いますが、日本でやるにはJBCの皆さんのご理解が必要ですので、何卒よろしくお願いします。また頑張って行きます」と語った。  敗れた高山は、石井のボクシングでの可能性について、「正直に言えば、4回戦、6回戦で止まるのではと思います。ミツロ選手とやるのはおそらく不可能」と語っている。 [nextpage] ▼第6試合 フライ級8回戦×宮崎 亮(KWORLD3)[1R 2分43秒 TKO]◯アサエル・ビリャル(パナマ)  第6試合の宮崎亮(KWORLD3)vs.アサエル・ビリャル(パナマ)は、1R 2分43秒でビリャルがTKO勝ち。敗れた宮崎は「減量がしんどかったくらいで努力不足だった。自分も34歳。このまま選手人生を続けるべきかも考えるくらいに一戦の重みがある。現役を続行するかどうかは亀田興毅会長と話し合って決めていきたい」と敗北の心境を吐露。  勝者・ビリャルは、「これまで177ラウンドのスパーリングをコートの指導を受けながら乗り越えてきた。今日は勝てて嬉しい」と答えている。 [nextpage] ▼第5試合 58キロ契約8回戦×大沢宏晋(オール) [5R 2分54秒 KO] ※左フック◯ジョー・サンティシマ(フィリピン)  第5試合の大沢宏晋(オール) vs.ジョー・サンティシマ(フィリピン)は、ジョー・サンティシマが5R TKO勝ち。敗れた大沢は、現役引退を表明した。  勝利したサンティシマは「大沢選手はベテランで強い印象だったが、練習通りの試合ができてよかった。今後は世界戦を狙っていく」。  敗者の大沢は「相手選手の試合映像を見る限りでは負けるイメージはなかったが、映像以上の強さがあった。今回で勝利を残して世界に挑戦しようと思っていたが、引退します」と突然の現役引退を表明をした。 [nextpage] ▼第4試合 56.5kg契約 8回戦◯福永宇宙(黒潮)[判定3-0] ※76-75×2, 77-74×山下賢哉(JB SPORTS)  第4試合の福永宇宙(黒潮)vs.山下賢哉(JB SPORTS)は、接近での大攻防戦を繰り広げた。3Rには福永がダウンを取られ、危ない場面を見せるも、最終Rまで打ち合いを続け、福永が判定3-0で勝利。  試合後インタビューでは、判定負けした山下が「これまでの20戦で、この採点結果になったことに一番驚いている。3Rまでは福永選手からパンチをもらうこともあったが、自分が倒れることはないと思っていた。避けるほうが疲れるのでパンチを受けながら戦うようにした」とダメージはないとした。  対して福永は、「今回が11戦目で真価が問われる試合だった。戦いには勝ったがダウンも取られて納得はしていない。反省点がたくさんある」と語り、ダウンを取られたことについては「パンチをかわすことができればいいが、正直に真っ向勝負で挑んでしまう性格なので、パンチを受けないズルい立ち回りも覚えていきたい」と、今後の世界戦を見据えて語った。 [nextpage] ▼第3試合 65キロ契約 4回戦×野口海音(ハラダ)[判定0-3] ※37-38×3◯キム・デフン(韓国)  第3試合の野口海音(ハラダ)vs.キム・デフン(韓国)は、4R 判定0-3でキムが勝利し、日本での初戦・初勝利となった。  キムは「身長が自分より高い選手で緊張したが、イメージ通りの試合運びで問題はなかった。日本で実力を出せるようにこれから頑張っていく」と日本継続参戦へ意気込み。野口は「対策も練ったが打たれ強くて焦った。ファンには申し訳ない気持ちでいっぱい」と国際戦での敗北を語った。 [nextpage] ▼第2試合 ライト級 6回戦×マジスカ小坂(KWORLD3)[判定0-3] ※53-60×2, 55-58◯高橋良季(オール)  第2試合のマジスカ小坂(KWORLD3)vs.高橋良季(オール)は、4R 判定0-3で高橋が勝利。高橋は「気持ちで負けてはいられない。この大舞台で思いっきりやろうと試合に臨んだ」と話し、敗れた小坂は「率直に悔しい。世界戦と同じような演出と環境で試合ができたことに感謝したい」と話した。 [nextpage] ▼第1試合 フェザー級 4回戦朝倉雅也(陽光アダチ)[判定0-3] ※37-39, 36-40×2◯中原博斗(倉敷守安)  第1試合の朝倉雅也(陽光アダチ)vs.中原博斗(倉敷守安)は、4R 判定0-3で中原が勝利。  中原は「朝倉選手はパンチ力があったので、近づかずにうまく距離をとって試合することができた」と勝因を語り、朝倉は「完敗だった。初心に戻って頑張っていきたい」と反省しきりだった。 [nextpage] ▼エンタメファイト 1分2R-クレイ勇輝[勝敗なし]-長石優敬
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