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コラム

【K-1】ワンデートーナメントを制してこそ真のK-1王者、軍司泰斗はフェザー級戦国時代に終止符を打てるのか?

2022/08/07 12:08
 2022年8月11日(木・祝)福岡国際センターで開催される『ECO信頼サービス株式会社PRESENTS~K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~』。今大会ではK-1フェザー級世界最強決定トーナメントが行われる。  K-1の九州大会は3年連続の開催。だが、8選手参加のワンデートーナメントは今回が初めて。しかも、日本と海外のトップ選手を集めた「世界最強決定トーナメント」は、2019年6月以来、実に3年2カ月ぶりの開催となる。  トーナメントには現K-1フェザー級王者の軍司泰斗、現Krushフェザー級王者の玖村修平というK-1 JAPAN GROUPの現役王者に加えて、前K-1フェザー級王者の椿原龍矢、前Krushフェザー級王者の新美貴士、若手ホープの斗麗が出場。ここにタイのジャオスアヤイ、中国のワン・ジュングァン、アルゼンチンのファク・スアレスという世界の強豪が参戦してくる。  ポイントは「玖村修平選手以外の日本人選手は、8人トーナメント自体が初めて」(中村拓己K-1プロデューサー)ということ。現K-1王者の軍司と、前王者の椿原は、8人トーナメントを一度も経験せず、タイトルマッチで王者を下してK-1王者となったのである。  過去にK-1の顔になったK-1王者たちはいずれも「トーナメント優勝で実力を示した選手」が並ぶ。  K-1史上初の3階級制覇を達成した武尊は、すべての階級(スーパー・バンタム級、フェザー級、スーパー・フェザー級)で8人参加の王座決定トーナメントを制してベルトを巻いた。  第2代K-1スーパー・バンタム級王者の武居由樹は、王者として出場した世界最強決定トーナメントを全試合KO優勝という離れ業を演じてみせた。  初代&第3代K-1スーパー・ライト級王者のゲーオ・ウィラサクレックは出場した3つのトーナメント(初代王座決定トーナメント、世界最強決定トーナメント、第3代王座決定トーナメント)をすべて優勝している。  武尊、武居、ゲーオに共通するのは、実力者揃いの8人トーナメントでも常に攻撃的な試合を貫き、きっちりとKO勝利を収めている点だ。  消耗戦の様相を呈するトーナメントではなるべくダメージを負わずに勝ち上がること=1分1秒でも早く相手をKOすることが必須。まさにK-1の8人トーナメントは“K-1=KOを目指して戦う競技”を体現できるかどうかが試される戦いなのだ。  その意味でもトーナメントの最注目は現K-1王者・軍司の戦いぶりだろう。今年2月、那須川天心戦を控えた武尊のエキシビションマッチの相手に選ばれた軍司に対しては「K-1の次期エース」としての期待が掛かる。  ただ、タイトルを獲得した試合を含めて、K-1では目下4連続判定勝利。実力者相手とはいえ、接戦を演じてしまってはいつまでもフェザー級は「戦国時代」のまま。ベルトを巻いているのは軍司ではあるが、前述の武尊・武居・ゲーオのような“絶対王者”の域には達していない。  それは軍司自身も痛感している。事前のインタビューでも軍司はこのトーナメントで自分がK-1チャンピオンとして相応しいかどうかの戦いになると位置づけた。 「フェザー級はずっと戦国時代と言われていて、自分がチャンピオンになってからも言われ続けている。その中でもずば抜けて強くならないとチャンピオンとしてどうなのかな、と。周りから見ても(誰がチャンピオンか)分かりづらいと思うし、このトーナメントでしっかり差をつけて勝ちたい」 「やっぱりK-1と言えばワンデートーナメントなんで、トーナメントには出たかったし、オファーをいただいて、嬉しさもありました。ただ、他と差がないからこのトーナメントが組まれたと思うし、この階級のチャンピオンは僕です。だからこそ“僕のためのトーナメント”だと思っているし、僕の実力を見てもらえる大会にします」  当然、対戦相手は王者の軍司を倒して、タイトルマッチに繋げようと目論む。日本人のライバルたちはもちろん、2017年に武尊とK-1フェザー級のベルトを争い、One Championshipでの活躍を経て世界のトップ中のトップになってK-1に戻って来たワン・ジュングァン、2019年の第3代フェザー級王座決定トーナメントで準優勝しているジャオスアヤイの外国人2トップが軍司に立ちはだかる。  一回戦で軍司が対戦するスアレスも“南米フェザー級最強の男”で、中村プロデューサーが「もともとスアレス選手は2020年の『K'FESTA』で江川優生選手と対戦予定だったが、江川選手の欠場で来日できず。パンチ主体のファイトスタイルなので、タイミングが合えばK-1に呼びたいとずっと思っていた」と太鼓判を押す強豪だ。  世界最強決定トーナメントの名に相応しく、世界の強豪からもマークされる「軍司包囲網」をどう突破するか。軍司の真価が問われるトーナメントであると同時に、軍司以外の選手が優勝することになれば再びフェザー級は熾烈な戦国時代に突入することになる。  実力者がひしめく群雄割拠のフェザー級で、誰が一歩突き抜けて「K-1のエース」の称号を手にするのか。この「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」は見逃せない。
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