2022年7月30日(土)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.139』。大会終了後、中村拓己K-1プロデューサーが総括を行った。
「今大会は全12試合中9試合がKO決着で、KO決着率75%の大会でした。今年からKrushではダウン発生率という形で数字を出してたんですけど、今年の大会のなかでもKrushらしいKO劇を見せられる大会だったと思います。出場選手がリスクを恐れず倒しに行ったからこそ、こういう結果になったと思うので、敗れた選手はもちろん悔しいと思いますけど、そこには胸を張ってもらいたいと思います」
メインのバンタム級タイトルマッチ(王者・池田幸司が挑戦者・野田蒼に2RでKO勝ち)については、「去年K-1でバンタム級日本最強決定トーナメントを開催して、ちょっとずつ選手も集まってきて、階級そのものが出来上がって来たなかでのタイトルマッチで。どの階級と比べてもそん色ないタイトルマッチだったと思います。挑戦者の野田選手は先ほど話したリスクを恐れず前に出ていく戦い方で。そういう姿勢だったからこそ、あれだけ素晴らしい試合になったと思うし、池田選手のKO勝ちにもつながったと思います。
そのうえできっちり倒しきった池田選手は成長したなと思いました。もともとポテンシャル・身体能力が高くて、いいものを持ってる選手で。日本最強決定トーナメントでは一回戦負けでしたが、そこから勝ち星を重ねてチャンピオンになって、防衛もして、貫禄がついてチャンピオンらしくなってきたと思います。8月のK-1福岡大会でもバンタム級の試合がありますが、そこにもいいプレッシャーがかかるタイトルマッチだったと思います」と評した。
今後のバンタム級戦線については「K-1ではベルトがない階級で、どうベルトを作っていくかを考えているところです。今日の池田選手の試合だったら、あのマイクアピール(K-1のベルトを作ってほしい)をしても、ファンのみなさんもK-1でバンタム級のトーナメントを見たいと思ったと思うんですよ。じゃあそれと同じことを8月のK-1福岡大会のバンタム級の選手たちが出来るのか。
今日以降の試合で、バンタム級の選手たちが階級新設に火を点ける試合をできるかどうかが重要です。だから今日のKrushのタイトルマッチと8月K-1福岡大会試合を並べて欲しいし、6月の『THE MATCH 2022』で敗れた黒田斗真選手が7月・8月のバンタム級の試合をどう見ているか気になるし。バンタム級の選手たちが切磋琢磨して、ファンのみなさんに『K-1バンタム級の王座決定トーナメントを見たい・やってほしい』という熱を作れるかどうかが大事だと思います」と、8月11日(木・祝)福岡国際センター『ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』でのバンタム級選手たちの活躍が続くかにかかっているとした。
他には「セミの永坂吏羅vs内田晶は永坂選手の勝ちでしたが、内田選手が持ち味のカウンターと右ストレートを駆使してスリリングな試合になりました。永坂選手は苦戦しながらも、きっちり勝ってタイトル挑戦に近づいたと思います。前回吉岡ビギン選手をKOして、今回内田選手に競り勝って、いよいよタイトル挑戦が視野に入ってきたと思います。
平山迅vs川﨑真一朗は2人とも年齢・キャリアがある試合でのKO決着で、だからこそ試合後の平山選手のマイクも聞いていて感じるもがありました。あとは安川侑己vs斎藤祐斗もお互いの持ち味が出て、それをぶつけあった試合だったと思います。そういう試合は仮にKOにならなくても、見ている人の記憶にも残る試合だったと思います」と印象に残った試合をあげている。
また、体調不良で直前の対戦カード変更や計量オーバーなどがあったことについて、「そういう選手たちはしっかり反省してもらってまた改めて試合に臨んで欲しいなと思います。K-1の方がコンディションを整えてきていて、Krushではこういうことが続くのは、上を目指していく選手たちがK-1の時と同じ試合のクオリティとか姿勢を見せなければいけないと思っているので、そういった部分では僕らもそういうメッセージを伝えていきたいと思います」と苦言を呈した。