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【K-1】卜部弘嵩が引退を発表「60戦、15年やって自分の中で満足しているので引退を決めた」後輩たちへは「THE MATCHで負けたのが悔しいのでやり返して欲しい」

2022/07/27 20:07
【K-1】卜部弘嵩が引退を発表「60戦、15年やって自分の中で満足しているので引退を決めた」後輩たちへは「THE MATCHで負けたのが悔しいのでやり返して欲しい」

現役引退を発表した卜部弘嵩、15年間のプロキャリアにピリオドを打つ

 2022年7月27日(水)都内にてK-1の記者会見が行われ、第2代K-1 WORLD GP スーパー・フェザー級王者の卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が現役を引退することが発表された。9月11日(日)横浜アリーナで開催される『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』にて引退セレモニーが行われる。


 卜部は2007年7月29日、18歳で全日本キックでプロデビュー。2011年4月、トーナメントを制して初代Krushスーパー・フェザー級王者になると3度の防衛に成功、同王座は4度目の防衛戦で失うが、2014年11月に第4代王者として返り咲く。2014年5月にはフランスでISKAオリエンタル世界スーパーライト級(-63.5kg)王座も獲得した。

 2015年11月には弟・卜部功也との兄弟対決に勝利して、第2代K-1スーパー・フェザー級王座に君臨。2017年2月の初防衛戦に敗れるとフェザー級に転向。2019年3月、2階級制覇を目指して村越に挑戦したが判定負けを喫した。11月の「K-1 WORLD GP第3代フェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で敗退。約1年ぶりの試合となった2020年12月の才賀紀左衛門戦では反則負け。2021年9月の再起戦では芦澤竜誠に敗れ、2022年2月には島野浩太朗にKO負け。これが最後の試合となった。生涯戦績は37勝(18KO)20敗3分。妻はモデルの高橋ユウ。


 会見に出席した卜部は「キャリアで言うと15年間、60戦やってきました。僕の格闘技人生いいことも悔しいこともいろいろありましたが、ずっと支えてきてくれた、関わってくださった皆さんにあらためて感謝したいと思っています」と挨拶。

 中村拓己K-1プロデューサーによれば「島野選手との試合後に今後の話をしていく中で引退の申し出があった」とのこと。引退を決意した理由を聞かれると「好きなだけ60戦、15年間やってきました。デビューして15年ですが、その前から競技生活を26年くらいやっていてずっと戦ってきたし、自分の中で納得したからいいかなって。自分の中で満足しているので引退を決めました」と説明した。

 60戦の中で最も印象に残っている試合を聞かれると「旗揚げの1年後くらいに、弟(卜部功也)とやった試合が印象に残っています。あの年に2回やっていて、あの時のトーナメントも大変でしたし、その後も兄弟で戦うかもしれないとあって自分の中で気持ちを高めて、大げさじゃなくて人生全部を懸けた1年だったかなと思います。だから弟との試合は僕の中で全部を懸けた試合だったと思っています」と、2015年1月18日のK-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントの決勝戦と、同年11月21日のK-1スーパー・フェザー級タイトルマッチで実の弟と対戦した試合をあげる。


 キャリアの中で一番の思い出は何かとの問いには「どれが一番か決められないくらい。プロ格闘技人生、プロ生活は本当に刺激的でこれからの生活でこの刺激はもう感じられないんじゃないかなってくらい。あの花道もリング上もあんな刺激的な人生はなかなか他で味わえないんじゃないかと思うくらい大切な時間でした。どれが一番と言われたら困っちゃいますが、全部が大事でした。最初から最後まで苦しい期間もありましたが、最後まで全部が僕の大事な時間でした」と、ひとつは選べないとした。

 では、一番強かった相手は誰だったかとの質問には「その時によって強さの感じ方は違うと思う。自分がこの世で最強だと思って生きている時に戦った相手だったり、調子が悪い時に戦って感じることだったり、その時によって違うと思います。僕も必死だったから、本当にいつも必死でした。誰が強いかはなくて、みんな凄く強かったです。その中でやはり功也が強かったなって感じですね」と、功也の名を上げる。

 これからは「格闘技とは別な事業をやっていて、もうスタートしているのでそっちに集中しようと思います」とビジネスをやっていきたいと言うが「K-1も大好きだし格闘技も大好きなので、生涯武道としてこれからも強さを求めて鍛えていきたいと思っているので、どこかでまた携わっていきたい気持ちもあるので、その時はまたよろしくお願いします」と格闘技と完全に離れるというわけではなさそうだ。


(写真)最後の戦いとなった2022年2月の島野戦

 高橋ゆう夫人には「妻からは反対されるわけでもなく“分かった”と。ずっとキャリア終盤の僕をそばで見てくれましたから、いろいろな気持ちを察してくれたんでしょうね。特に何も言われませんでしたが納得してくれたと思います」と話した。

 また「弟の功也と弟分の武尊には割と早い段階で話しました。彼らより長くやっているので特に引き止められたりはなく、お疲れさまでしたって感じでしたよ」とのこと。

 その武尊に伝えたいことを聞かれると「格闘技人生は、長い人生の中で一瞬だし短いので、思う存分にやって欲しい気持ちです。自分がやりたいことを好きなだけ全力で思い切りやって欲しいです」とメッセージ。


 さらにこれからのK-1を背負っていく若い選手たちには「THE MATCHでK-1勢が負けたのが凄く悔しかったですし、さっき玖村(将史)君がコメントしていた通り、絶対に次はやり返してほしいなって気持ちがありますね。K-1にはまだまだ強い選手がたくさんいるから、絶対にやり返してほしいなって気持ちがあります」と語った。

 そして最後に「長い間ありがとうございました。言うことはありません。以上です」と、現役生活に思い残すことはないと感じられる言葉で会見を締めくくった。

 中村Pは「KrushのリングでK-1とはこういうもんだという試合をずっと見せてきてくれたと思う。弘嵩選手のような選手がいてくれたからこそK-1が復活してその土台を作ってくれたと思います。幹を作ってきてくれた偉大な選手だと思っています。今回の横浜大会では引退セレモニーを実施する形になるんですけれども、弘嵩選手は3年前に初めての横浜アリーナのトーナメントに出ていて、最後に卜部弘嵩らしい戦いを見せてくれたと思っています。今大会ではスーパー・フェザー級の新しい王者が決まるトーナメントが行われ、そういった場所で引退することは意味があると思っています。新生K-1が2014年にスタートして、そこで王者になったりトップ戦線で活躍してきた選手が引退して、それを我々が送り出すのは初めてのパターン、K-1もそこまで来たんだなと感じています。K-1を体現してくれた一人の偉大な王者だと思うので、その王者を送り出してあげたいと思っています」とコメントしている。

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