キックボクシング
レポート

【ONE】ジャネット・トッドが暫定王座決定戦を制してムエタイ&キックボクシング二冠王に、タイで武尊と練習したペイメンが、ジュングァン下したジクレープのタフファイトに苦しむも勝利

2022/07/22 23:07
【ONE】ジャネット・トッドが暫定王座決定戦を制してムエタイ&キックボクシング二冠王に、タイで武尊と練習したペイメンが、ジュングァン下したジクレープのタフファイトに苦しむも勝利

(C)ONE Championship

 2022年7月22日(金)シンガポール・インドアスタジアムにて『ONE 159: De Ridder vs. Bigdash』が開催された。

▼コ―メインイベント アトム級ムエタイ暫定世界王座決定戦
〇ジャネット・トッド(アメリカ)
[判定3-0]
×ララ・フェルナンデス(スペイン)


 正規王者アリシア・; ヘレン・ロドリゲスが出産のため長期欠場。暫定王座をトッドとフェルナンデスが争うこととなった。

“JT”の愛称で呼ばれるトッドは母親が日本人。流ちょうな日本語も話し、日本でも出稽古で江幡兄弟との練習経験を持つ。宇宙工学のエンジニアの仕事もこなす才女でもある。2017年IFMA世界選手権で銅メダルを獲得したのを筆頭に、アマチュアムエタイで数多くのメダルを獲得。2019年2月からONEに初参戦すると、いきなりスタンプ・フェアテックスのアトム級ムエタイ世界タイトルに挑戦したが判定負け。

 その後は3勝(2KO)の戦績をあげ、2020年2月にスタンプと今度はキックボクシングルールで再戦。判定2-1でスタンプを破り、ONEアトム級キックボクシング世界王座を奪取した。今回が50戦目となるベテランの36歳。


 フェルナンデスはプロのダンサーを夢見ていたが、15歳でムエタイに出会い16歳で真剣に取り組み始め、2019年にはISKAキックボクシング世界タイトルを、2020年にはWBCムエタイ世界タイトルを獲得した。今回がONEデビュー戦。


 1R、両者とも前手を出して相手との距離を計り、トッドは蹴り、フェルナンデスは長いリーチでのストレートを繰り出す。右カーフを蹴るトッドにフェルナンデスは右ハイを2発。長いワンツーと右ローを多用するフェルナンデス。トッドもワンツーを返す。前に出たのはフェルナンデス。


 2Rになるとトッドは狙いすましたワンツーをヒットさせていく。フェルナンデスのハイキックはステップでかわしていく。両者の右が交錯する場面が目立つ。右ローの蹴り合いとなるが、トッドの右カーフが強烈。


 3R、フェルナンデスはジャブから右ローにつなぎ、左ミドルも蹴る。再び前に出るフェルナンデスがパンチから蹴りのコンビネーション、左ボディも打つ。下がるトッドだがワンツーと右ローを返していく。トッドのミドルを腕で受けてすかさず左右のフックを打ち込むフェルナンデス。攻撃が単発に終わらず、コンビネーションをつないで攻勢に出た。


 4Rはトッドも左右フックから右ローにつなぐ。フェルナンデスは右ストレートを顔面とボディに打ち分ける。前に出るフェルナンデスがワンツーから左ミドル、右のオーバーハンドも狙う。トッドは右ローで応戦するが、フェルナンデスの手数の多さが目立つ。トッドはワンツーから右ヒザを突き出した。


 5R、トッドがワンツーで前へ出るとフェルナンデスは右フック、右ヒジで迎え撃つ。前に出るトッドをかわすようにサークリングするフェルナンデスだが、トッドの右ストレートが炸裂。さらに右ストレートで追い込んでいくトッド。フェルナンデスはバックステップでトッドの距離から離れながらの左右ミドル。トッドはフェルナンデスの蹴り足をキャッチすると右フック。トッドのワンツーに下がり続けるフェルナンデス。トッドが攻めに攻めた最終ラウンドとなった。


 判定は3-0でトッドが勝利。厳しい試合内容だったが、キックボクシング王座に続いてムエタイ王座との二冠王となった。

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