この2人が揃ったら激闘になるしかない渡部(左)と良太郎
2022年7月23日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT vol.4』のセミファイナル、KNOCK OUT-BLACKウェルター級3分3R延長1Rで対戦する渡部太基(TEAM TEPPEN)と良太郎(池袋BLUE DOG GYM/TEAM AKATSUKI)のインタビューが主催者を通じて届いた。記事&写真提供/KNOCK OUT
「9月か12月にタイトルマッチができたら張り切りますよ」って伝えといてください
『KNOCK OUT』での復帰を果たしてからは2連勝の渡部だが、激闘は展開しているものの判定勝ちが続いていることに本人も納得いっていない様子。同じく激闘派の良太郎との試合には、どういう意気込みを持っているのか?
――良太郎選手との対戦というのは、相当意外だったのでは?
「ああ、そうですね。階級も違ったんで試合も見たことなかったし、対戦するとは思ってなかったですね。ただ、試合が決まって映像なども見ると、気持ちを前に出して戦うファイターなんだなということは分かりました」
――その点で渡部選手とは共通するんじゃないかと思いますが。
「確かに僕もガンガンいきますし、そういう風に見られるんですかね?(笑)」
――渡部選手も「気持ちを出してガンガンいく」ファイターだと見られていると思うんですが、ご自身ではそういう認識ではない?
「いや、分かるんですけど、僕の方がいってるというか(笑)。「俺の方が気持ち強いだろ」と思っているので」
――ああ、そっちですか(笑)。というか誰よりも気持ちが強いという自信があるのでは?
「まあそうですね。自分が一番だと思ってます」
――ただ、渡部選手と同じようなタイプと見られる相手って、意外と少ないじゃないですか。
「確かに。まあでも、お客さんが楽しんでくれればそれでいいかなというぐらいですけどね」
――では渡部選手自身の、今回の試合のテーマというのは?
「いつもKOを狙ってるのは同じなんですけど、このところ判定勝ちが続いているので、ちょっと刺激が足りないなと。しっかり倒して、「これぞ渡部!」というものを見せたいと思います」
――その刺激というのは、倒した時にご自身が感じる刺激ですか?
「はい。判定で勝っても「ホッとした」というぐらいなんですけど、倒して勝つと「やってやったぜ!」という感じがすごくあるので。最近はそれを味わってないので、自分自身にちょっと飽きてきたところがあるんですよね。だからそろそろやらないと、と」
――確かに前回の杉原新也戦も、激闘にはなったものの判定勝ちでした。今振り返ると?
「相手が頑張った試合だったなと思います。自分が倒し切れなかったから相手が頑張っちゃったというか。だからやっぱり、相手の意識を断つような打撃をぶち込まないとダメだなと改めて思いましたね」
――KOに至らない理由については、どういう認識ですか?
「うーん……激闘の中でもテクニックをちょっと意識して、「あれもやってみよう」「これもやってみよう」と思う時があって。まあそんな余裕があるわけではないんですが……攻防の中でふとした時に「そういえば、練習でこれもやってたな」みたいに思って出してみるんですけど、結局はその技がまだものにできてないんですよね。試してはみるんですけど、それで倒すことはできなかったので、振り返ってみるとまだ甘かったなと思います」
――今回は、これまでとはどう変えていきたいですか?
「まあいろいろ考えていても、結局は本能型なので、今までやったことのない技とかを、いきなり出したりするんですよ。練習もしてない技をいきなり出したりして。今回も本能に任せて戦って、チャンスを逃さず仕留めたいなと思ってます」
――前回の杉原戦の際は、新必殺技を用意しているというお話でしたよね。
「ああ(笑)。あれは一応出して、少し嫌がったかなというのはあったんですけど、徹底できなかったですね。手応えはあったけどまだものにはできてないので、今回もタイミングがあれば出していきたいです」
――前回もお聞きしましたが、それで倒すと「おお!」というような技なんですか?
「お客さんにはちょっと伝わりづらいかもしれないですね。でもメチャクチャ痛いんで、相手はちょっとビックリするんじゃないかと思います」
――ただ『KNOCK OUT』で復帰してから勝利を続けていて、そろそろタイトルへの具体的な道筋も見えてくるといいですよね。
「そうなんですよ。本当に「いつですか?」と聞きたいんですね(笑)。まあただ、前回も前々回もけっこう“いい試合”をしちゃったんで、まだこんなこと言える立場じゃないかもしれないですけど」
――でも具体的に見えてきたらまた燃えるものもあるでしょうしね。
「はい。ときどき、目標を見失ってしまいそうになるというか、「俺、何のために戦ってるんだろう?」となることがあるので。そのためにもキッチリ結果を出して、早いところベルトにつなげたいですね」
――先日は同じジムの那須川天心選手が大きな舞台で勝利を飾りました。刺激を受けたのでは?
「日本中が騒いでましたからね。天心に限らず、あの大会はすごかったと思います。でもあれが終わって一つの時代が終わったというか、僕の周りも含めて格闘技ファンもぽかーんとしちゃったところがあって、「時代が変わったんだな」と思った部分もありますね」
――ただ、その次の月に試合があって、その先も戦っていく身としては、「終わった」と思われても困りますよね。
「そうですね。だからちょっと、刺激の強いのをぶっ込んでやろうかと思ってますけど。目を覚まさせてやらないといけないんで」
――そういう気持ちがないと現役を続けていけないですよね。
「選手っていうのは、どんな大会だろうが試合順が何番目だろうが、常に自分が一番ですからね。だから「俺がやってやる」っていう思いは常に持ってます」
――ですよね。『KNOCK OUT』としては4月以来の大会だし、9月からは4ヵ月連戦も控えているので、ここでいい形で勝てばいろいろ見えてきそうです。
「ちょっと個人的な事情で、7月と9月は試合して、10月、11月はちょっと冬眠する予定なんですよ。だから12月にいいカードで目覚められればと思ってて」
――「そういう予定なんでよろしく」と。
「そうなんです。「9月か12月にタイトルマッチができたら張り切りますよ」って伝えといてください。誰にとは言わないですけど(笑)」
――分かりました(笑)。では最後なんですが、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「『次こそは倒すよ』と。まずはそこですね。で、昨日(取材日前日=7月7日)がちょうど結婚記念日だったんですよ。その月の試合なので、たまには嫁にもカッコいい姿を見せたいなと思って。しっかり倒しにいきたいですね」