MMA
レポート

【RIZIN】平本蓮が自分を貫きMMA初白星を掴む。大島沙緒里が山本美憂にスプリット判定勝ち、砂辺光久、敗れる。山本空良がアグォン越え、緊急参戦の昇侍がヤン・ジヨンに失神一本負け

2022/07/02 14:07
 2022年7月2日(土)沖縄アリーナにて『RIZIN.36』が開催された。当初メインイベントに予定されていたバンタム級の朝倉海(トライフォース赤坂)vs.ヤン・ジヨン(韓国)の国際戦は、朝倉が右拳骨折により欠場。ジヨンは第9試合で緊急参戦の昇侍と対戦した。  朝倉の欠場に伴い、「RIZIN STREAM PASS」でのPPVが先着5万人を上限に無料配信された。※選手名からインタビュー [nextpage] ▼第13試合 フェザー級(66.0kg)5分3R×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)[判定1-2]〇平本 蓮(ルーファスポーツ)  K-1からMMAに転向した平本蓮(THE PAN DEMONIUM/ルーファスポーツ)は再起戦。2020年大晦日に萩原京平に2R TKO負け後、2022年3月の鈴木千裕戦でも判定負けし、2連敗中。MMA初勝利を目指す。  対するは、シュートボクシング、ONE Championshipで活躍後、MMAに転向した鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)。2021年10月にレスラーの奥田啓介を1R TKOに降した後、同年大晦日に萩原京平に判定負けも、2022年3月の昇侍戦で1R TKO勝ち。MMA2勝1敗と勝ち越している。  ともにトップストライカーのMMAで平本が初白星を掴むか。鈴木が連勝なるか。  先に入場の平本のセコンドには、長谷川賢と赤沢幸典。続けて、アイドルグループのベイビークレヨンの生歌で入場の鈴木のセコンドにはサトシと内藤大樹らがつく。  コールに頭を下げながら中指を立てる平本。鈴木は飛んだ目で両手を上げる。  1R、オーソドックス構えの平本、サウスポー構えの鈴木。静かな立ち上がり。中央を取るのは平本。先に左ハイで牽制は鈴木。平本は右前蹴り、右ストレートを突く。  さらに右ハイも鈴木はブロック。平本の長い距離。詰める鈴木は前進して左ストレートもかわす平本は右インローも当てる。  左アウトローを返す鈴木。すぐに打ち返す平本。鈴木のダブルレッグを切る平本。なおも鈴木はシングルレッグから尻餅を着かせるが、立ち上がる平本。右で差す鈴木は押し込むと平本は右ヒザ。鈴木は腰に掴んで右足を挟んで引き出そうとするが、平本は崩れず。ブレーク。  スタンド再開。平本の広いスタンスに左インローを当てる鈴木。平本はワンツー。右前蹴りを腹に突く。さらに三日月蹴り。鈴木の入りに右を入れる。  鈴木のダブルレッグは崩しが無く切る平本。右ハイはブロックする鈴木。インローには平本が右を合わせる。平本のラウンドに。  2R、中央を取る平本。右インローを走らせる。鈴木の左右をかわして距離を取る平本。前足に右ローは鈴木。平本は右の三日月蹴り! 鈴木の腹が赤く腫れる。左ミドルハイを狙う平本。じりじりと詰める鈴木は左オーバーハンド。  かわす平本は右アッパーから左を狙うが、鈴木は左をヒット! コーナーから出た平本。平本は左ジャブを当てて右ハイ。スウェイでかわす鈴木は詰めるが、呼び込みながら右ストレートは平本。  鈴木の左を左回りの平本はかわして間合いを保つ。平本の蹴り足を掴んで右をかすめる鈴木。さらに左ミドルを当てるが、平本も左ジャブを突く。鈴木の打撃が当たり出し、平本は若干、手数が減ったが明確な差は見られないラウンドに。  3R、互いに左右ローの打ち合いから、前手の突き合い。右ジャブの鈴木。鈴木の頭を掴む平本のヒザがローブローに。中断。  再開。右ローの鈴木。平本は右前蹴り。鈴木の左は左にかわす。左ミドルを打つ鈴木。ブロッキングの平本は右から左ボディをヒット! さらに左ボディに距離が近づき、ダブルレッグは鈴木。  左で小手に巻く平本はコーナー背にヒジ。鈴木はシングルレッグも切る平本。近い距離で打ち合いに鈴木も左を返す。しかしいったん間合いを取り直した平本はジャブ、左レバー打ち。首相撲からヒザは鈴木。押し込み、SB時代から使っている首投げ狙いの鈴木に、首を抜く平本が両脇を差してクラッチ。回して崩すが、ここは鈴木も崩れず。そのまま平本がコーナーでクリンチし、舌を出してゴング。  判定は2-1でMMAキックボクシングを貫いた平本が勝利。右手で胸を叩いてから右手を挙げた。判定後は、鈴木と握手。  やるべきことをやってMMA初白星を掴んだ平本は、リング上で「MMA、甘くないからね。鈴木くん、アマチュア修斗からやり直した方がいいよ。天心vs.武尊が終わって、朝倉兄弟が終わって、平本蓮の時代です。ありがとうございました」と、今大会前に言い続けてきたフレーズで毒づいて締めると、放送席のくるみは、「積んできた徳をすべて捨てましたね」と苦笑した。 [nextpage] ▼第12試合 女子スーパーアトム級(49.0kg)5分3R×山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE22)[判定1-2]〇大島沙緒里(AACC)  女子レスリングの“レジェンド”である山本は、MMA転向後、2018年7月から2019年大晦日まで、4連勝を含む5勝1敗も、2020年12月に浜崎朱加に一本負け、2021年11月の前戦では“ホーム”の沖縄で、RENAのカウンターのヒザ蹴りを受け、逆転のTKO負けを喫している。  柔道ベースの大島は、DEEP女子ミクロ級(-44kg)王者、そして、DEEP JEWELS女子アトム級(-47.6kg)王者として2冠を持つ。今回の契約体重は、女子スーパーアトム級の49kg契約で、同級では、RIZINでの浅倉カンナ戦の勝利と、DEEP JEWELSでのHIME戦の敗北で1勝1敗。  1R、向かい合うと体格差は見える両者。サウスポー構えから右ハイキックの大島。組んで山本の腕を巻き込んでの呼び戻しての大内刈も投げ切れず。上を取ったのは山本。しかし、首を抱える大島はめくって上になると左腕をかかえてキムラ狙い。  さらに首を抱えての100%スイープで上に! マウントを奪うとパウンド。下から足を手繰る山本に三角絞めを狙うが、ここは十分警戒していた山本は、またいで上に!  ガードの中に入れる大島。山本はコーナー下に押し込むがドントムーブ。頭が中央に。インサイドから山本は右を振るもゴング。  2R、左前手を突く大島。さらに右ミドルハイ、インローも。山本は左ストレート狙い。大島の蹴り足をつかむも大島は足を抜く。左ストレートをヒットさせる山本!  大島の右蹴り足を掴んでテイクダウンを奪う山本だがブレーク。山本の左に右を狙う大島。右のスーパーマンパンチも。さらに得意の右ハイをヒット! 右インローの大島。スタンドでも先手を取る。右前蹴りの山本。 「正面に立たない」の声に左回りの大島がスーパーマンパンチから小外がけも際で上になるのは山本。インサイドから細かくパウンドする。腰に足を置く大島。「パウンドで終われ」の声に山本は腹にパンチを入れる。  3R、すぐに詰める山本は左オーバーハンド! sさらに右の蹴りに大島も右ミドル。その蹴り足をつかんでこかす山本はグラウンドには深追いしない。スタンド再開。左右で前に出る大島に右前手を返す山本。大島のバックフィストをかわして組むと大島が引き込む形に。クローズドガードの大島。中腰になる山本。いったん体を離す。  立ち上がる大島に左を突く山本。そこに右の蹴りを放つ大島。しかし山本の左ストレートが胸をとらえる。蹴り足をとられ下になる大島。体格差を感じさせる。右前手から飛び込む山本。さらに左ストレート。これはバックステップでかわす大島にボディロックテイクダウンは山本。  ギロチンスイープの大島に今度は返させない山本が上のまま。中腰から頭を大島のアゴ下に入れて、最後に左右ラッシュ。大島も腰を切りながらかわそうとするが、ゴング。山本は大島をハグ。AACCコーナーに挨拶に行くと、判定前に勝利を確信したか、平田、アーセンらとハグをかわす。  判定は2-1に割れて、大島が勝利。打撃の手数、攻めの姿勢が評価されたか。信じられないという表情は勝者の大島。山本も意外という表情を見せたが、最後は笑顔で挨拶して、花道を後にした。  試合後、大島はリング上で、「正直、負けたかなと思っちゃって笑えないですけど……、3年前にMMAを始めたのですが、東海大柔道部の本野選手を追いかけてきました。優しいとかそういうことを言いたいわけではなく、彼女は49kgに落として、圧倒的な強さを見せて勝っています。友情ごっこじゃないです。いつか戦ってもいいと思っています。強いのにRIZINに出ていなくて、本野と一緒に戦うのが私の目標です」と、盟友のRIZIN参戦を強くアピールした。 [nextpage] ▼第11試合 54kg契約 5分3R×砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE)[1R TKO] ※右フック→パウンド〇中務修良(NO MAD)  2011年8月にPANCRASE初代フライ級(54.4kg)王者となった砂辺は、2度の王座防衛に成功後、2015年11月に初代ストロー級(52.2kg)王座を獲得。2016年12月に北方大地、2018年4月に室伏シンヤにいずれもフィニッシュ勝利して2度の王座防衛に成功(※2019年7月に北方との再戦で敗れ王座陥落)。2021年11月、前回のRIZIN沖縄大会では、前田吉朗と激闘を繰り広げた。今回の54kg契約試合を「内藤のび太を引っ張り出すため」の試合と位置づける。    対する中務は、前戦で征矢貴に2R TKO負けも、1Rに相打ちで征矢をグラつかせ、ボクシング&レスリングの強さも見せている。今回の試合に向け、征矢が所属するパラエストラ千葉ネットワークで出稽古も積んできた。  1R、サウスポー構えから左ロー、パンチからローシングルで組んで行く中務。コーナー背に受け止める砂辺は突き放す。  左の蹴り、ワンツーからダブルレッグテイクダウンは中務。コーナー背に上体を立てる砂辺。その立ち際にヒザを突く中務! 座った状態でのヒザはRIZINルールを活かしたもの。もらいながらも立ち上がる砂辺に、中務は左右ラッシュ! 右フックに両手を着いてダウンした砂辺にレフェリーが間に入った。  試合後、中務は「この試合でサポートしてくれた皆さん、会社の方々、ありがとうございました。砂辺さん、めちゃくちゃ強いじゃないですか。怖かったです。これからももっと強くなります」と力強く語った。 [nextpage] ▼第10試合 フェザー級(66.0kg)5分3R×カイル・アグォン(SPIKE22)[判定0-3]〇山本空良(パワーオブドリーム)  アグォンは、グアムPXC、PANCRASEで活躍後、2020年2月にRIZIN初参戦。ヴガール・ケラモフ、クレベル・コイケと強豪相手に連敗を喫するも、2022年4月のRIZIN.35では、芦田崇宏を終始コントロールし、フルマークの判定勝ち。再起戦を勝利で飾っている。今大会は念願の夫婦での参戦が決まり、山本美憂との「夫婦勝利」を目指す。  対する山本は、元UFC-Jミドル級王者の山本喧一の次男で21歳。幼い頃からの練習仲間である現・修斗世界王者の西川大和と切磋琢磨してきた。2021年4月にFighting NEXUS初代フェザー級王者に輝くと、21年10月のRoad to ONEでは野尻定由に判定勝ち。2021年11月のRIZINデビュー戦では鈴木千裕に判定負けも、21年2月のRIZIN TRIGGER 2ndでは、新居すぐるにTKO勝ち。連戦となった3月のRIZIN.34では父と同じU系の中村大介に真っ向勝負を挑み、判定勝ちを収めた。2022年5月にはNEXUSで柔道出身の強豪・寿希也を2R リアネイキドチョークで極め、王座防衛を果たしている。  1R、サウスポー構えのアグォン。オーソドックス構えの山本。右の蹴りから入るアグォン。山本の右の蹴りとアグォンの左の蹴りが交錯。アグォンは左インローを当てる。  山本は遠間からバックフィストもかわすアグォンは左インロー。山本も左アウトロー。右を振ってシングルレッグに入るアグォンはダブルレッグで崩すが、すぐに立つ山本。ヒップアタックをさせないアグォンはボディロックからゆっくりコーナー下に落とす。そこで腰を切って腕十字を狙う山本。  右肩を入れてかついでパスを狙うアグォン。そこに三角で組もうとする山本はインバーテッドガードからボディシザーズにして正対。アグォンはインサイドからパウンドを放つ。下から両腕をオーバーフックする山本。腕を抜き、背中を着かせてパウンドを狙うアグォン。ゴングに山本は小走りでコーナーに戻る。  2R、右アウトローの山本に、左インローのアグォン。右前蹴りを見せた山本に左右で左右で押し返す。ワンツーから右ハイを狙う山本。山本のバックフィストをかわしたアグォンのシングルレッグの組みに右ヒジ、右アッパーを当てた山本!  崩れたアグォンになおも右を振り、足を手繰つてくると、そこに山本はヒジを連打! 首を上げたアグォンにノーアームギロチンへ! ここは手を入れているアグォンは外して下から蹴り上げ。すぐに組んで行く山本は、アグォンの組みを切り、バックからパウンドでゴング。  3R、すぐに組んだアグォン。右で差して押し込むが、突き放す山本。なおも距離を詰めて左右連打からダブルレッグテイクダウンはアグォン! ヒップアタックからガードに入れる山本。下からヒジを突く山本にインサイドのアグォンは外側からパウンド。かみつきパス狙い。  右手をアグォンがマットに着くと、すかさずラバーガード狙いの山本。腕を抜くアグォンに、腰を引き立ち上がる山本! すぐにシングルレッグで押し込むアグォン。  コーナー背にアームロック狙いの山本をアンクルピックで崩して再び背中を着かせるアグォン。山本は下から足を手繰ろうとするが、ヒザを遠ざけたアグォンは上から抑え込み右のパウンド。山本が下から三角狙いでゴング。  1、3Rはアグォンだが、2Rのダメージは山本のニアフィニッシュと見るか。ラウンドマウトではないRIZINジャッジは3者ともに山本を支持した。  苦しい展開のなか初の国際戦で勝利した21歳の山本は、大金星。マイクは無かった。 [nextpage] ▼第9試合 フェザー級(66.0kg)5分3R×昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)[3R 1分46秒 リアネイキドチョーク]〇ヤン・ジヨン(韓国)  66kg契約試合。盟友・朝倉海の欠場を受けてスクランブル参戦を決めた昇侍。2022年3月の前戦『RIZIN LANDMARK vol.2』では、鈴木博昭にTKO負けを喫し、鼻骨を骨折して手術を受けてからの再起戦となる。  対するジヨンは、普段は済州島で農業を営んでいるが、ひとたびリングに上がると別人のように鋭い打撃を繰り出すことから“コリアン・プレデター”という異名を持つ。バックボーンはキックボクシングで、大韓キックボクシングで11勝1敗の戦績を誇り、Korea WAKO王者に輝いた。  サウスポーからの攻撃を得意とし、20年10月のARCでは1Rにハン・ミンヒョンに左ストレート、ハイキックを当て、倒れたところに最後は追撃を浴びせKO勝利。その実力が認められ、2021年7月より『ROAD FC』のナンバーシリーズに進出すると、直近の5月大会では3R中盤にギロチンチョークによる一本勝ちを収めている。  コールに笑顔を見せ、ハートマークを作るジヨン。昇侍は険しい表情で右手を挙げる。セコンドは朝倉海がつく。  1R、サウスポー構えのジヨン。オーソドックス構えの昇侍。詰めるジヨン。ワンツーの左を見せる。昇侍の右インローは空振り。ニータップの動きも見せる。詰める昇侍に左で押し返すジヨン。昇侍の右蹴り足を掴んでテイクダウン。ハーフから右で脇差し立ち上がる昇侍。  ジヨンの左に右を合わせに行く昇侍。近づいて組むが、左で差して押し込むジヨン。右ヒザを突くと昇侍はロープ背に凌ぐ。ジヨンのヒザがローブローに。ブレーク。  左前手を伸ばし、右ハイを当てる昇侍! すぐに左を振って押し戻すジヨンは左を返す。左回りの昇侍。ジヨンはステップして慎重に距離を取る。  2R、右ミドルを蹴る昇侍。右スーパーマンパンチも距離は遠い。ジヨンは左ミドル。昇侍の打撃にカウンターを狙う。左外足を取る昇侍。左ヒジを打ち込むジヨン。右ボディストレートを入れる昇侍は詰めてミドルの打ち合い。  さらに右ハイも、待ちのジヨンはカウンターで左ストレート。昇侍は右目尻から出血する。右ミドルを突いて前に出る昇侍。左ストレートはジヨン。しかし昇侍は右インロー”  再びの右インローにジヨンの足が流れる。昇侍は右ミドル。しかしジヨンはカウンターの左。詰めて右インローをみたび当てて、前蹴りも効かせる。蹴り足をつかんでテイクダウン狙いのジヨンだが、昇侍はコーナー背に倒れない。  右瞼から出血の昇侍にドクターチェック。3Rへ。軽やかなステップで前に出るジヨン。昇侍も頭を振りながら右前蹴り。ジヨンは右ジャブを当てて左跳びヒザから着地しながら左ストレート! ダウンした昇侍の立ち際にギロチンチョークも、これは読んでいた昇侍にがぶり。バックに回ると、スクランブルする昇侍にマウント。なおも上体を立てた昇侍のバックを奪うと、リアネイキドチョークへ!  タップせずに失神した昇侍は、気を取り戻すと思わずジヨンにシングルレッグへ。関係者が分けると、昇侍は敗北を認めた。  MMA戦績を5戦5勝としたジヨンは、「アイラブ・ジャパン。覚えてください。ヤン・ジヨン。マイ・ネクスト・ファイトはアサクラカイ」と、怪我で試合が実現しなかった、本来のバンタム級での朝倉海との対戦を望んだ。 [nextpage] ▼第8試合 ライト級(71.0kg)5分3R×渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)[1R TKO]〇岸本篤史(BRAVE)  渡慶次は2012年5月にプロデビューし、当初はPANCRASEを主戦場とするMMAファイターだったが、2017年からミャンマーの超過激格闘技ラウェイに参戦。現在まで8勝4敗6分と本場ミャンマーの選手が相手の試合でも勝ち越している。 『LETHWEI IN JAPAN』の活動休止後はキックボクシングの試合に出場していたが、7月の『LETHWEI×UNBEATABLE』第1回大会でラウェイに復帰してジョナタン・バイエスを3R KO。2021年10月にもレバナ・デオグラシャスを2R TKOに降している。11月には地元沖縄でのRIZINに初参戦し、約4年ぶりにMMAに復帰したが大原樹里に初回TKOで敗れた。2022年2月、再びRIZINに参戦してハリー・スタローンに右フックでKO勝ちを収めた。MMA戦績は8勝7敗。  岸本はK-1でマーク・ハントがジェロム・レバンナをKOした試合を見て格闘技に興味を持ち、高校でボクシング部に入部。高校3年の時にインターハイのミドル級で3位に入賞、大学時代には国体青年ミドル級で準優勝という実績を持つ。  ボクシングは大学4年で引退し、一度就職も高校からの同級生で同じボクシング部だった芦田崇宏が総合格闘技で活躍している姿に刺激され、26歳で総合格闘技に転向、退職後は芦田と同じ宮田和幸主宰のBRAVEに入門する。2017年2月にMMAプロデビューを果たし、勝ち負けを繰り返すが2021年4月のGRACHAN×BRAVE FIGHTでの笹川JP戦、2022年3月のモリシマン戦で勝利を重ね、現在2連勝。  1R、ともにサウスポー構え。岸本の右をかわして組みに行く渡慶次。突き放す岸本はに右を振るが、岸本も左を打ち込む。  左ボディを狙う岸本。さらに右ストレートでダウンを奪うと、立ち上がりを待つ岸本は、詰めてワンツー。そこに渡慶次も相打ち狙いで、岸本も慎重に。左フックを当てると、出血した渡慶次に右ジャブの刺し合い、さらに右ジャブでダウンを奪うとサッカーキック! さらに立ち上がった渡慶次に右ジャブでロープを背にした渡慶次の動きが止まり、レフェリーが間に入った。  試合後、岸本は「僕の持ち味はパンチで、今日はいい内容で勝てたので、次また呼んでくれたらと思います。このRIZINグローブで殴り合ってくれる人がいたらお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 RIZINキックルール 61.0kg契約 3分3R〇大雅(チームドラゴン)[判定3-0] ※30-24×3×新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)  大雅は2012年1月に16歳でプロデビューし、2014年8月にKrushスーパー・バンタム級王座を奪取。2016年にはK-1 WORLD GP -60kg日本代表決定トーナメントで優勝し、翌2017年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。  RIZINには2018年9月から参戦。2020年8月の『RIZIN.23』で原口健飛にまさかの初回KO負けを喫するなど泥沼の3連敗を経験したが、11月の『RIZIN.25』でDEEP☆KICK -63kg王者・山畑雄摩に勝利。2021年11月にはRISEで梅野源治に勝利し、2022年3月の『RIZIN.34』では高橋亮とドローに終わった。戦績は23勝(6KO)13敗2分。  新田は空手、ボクシングを経て17歳からキックボクシングを始めた。アマチュア大会で20戦13勝6敗1分の成績を収め、2019年2月のPancrase REBELS Ring 1でプロデビュー。2021年9月のResistance 3の市村大斗戦まで10戦無敗の快進撃を続けたが、2021年10月のKNOCK OUTで力也戦に初黒星。  しかし、2022年4月に王者・櫻井健の持つタイトルに挑み、フルマークの判定勝利を収めてINNOVATIONスーパーフェザー級王座を奪取した。  1R、サウスポー構えの大雅、新田はオーソドックス構えから右ハイで牽制。大雅は前手の右フックで飛び込み。かわした新田。左ジャブも大雅もかわす。  左インローを打つ大雅。飛び込み、新田の打ち返しはかわす。右ヒザを突く新田。さらに左右フックも大雅ももらわず。  遠間からの左スーパーマンパンチは大雅! ダウンした新田は立ち上がると左右で詰めるが軸がブレる。新田の高い左前蹴りをかわした大雅は左フックで飛び込む。  2R、前に詰める新田をさばく大雅。コーナーに詰めてバックフィストもここはかわす新田。左インローを当てて、左ヒザも突く大雅。上中下と打ち分ける大雅に新田は手打ちになる。右の飛び込み、さらに左フックは大雅! タイミングよく飛び込むと新田は右前蹴りから左の蹴りに繋ぐが、大雅は左インローを効かせて、左フック! 足が流れる新田に左右のラッシュ、右ボディ、右フックをテンプルに当ててダウンを奪いゴング。  3R、左右の蹴りは新田。左で前進もかわす大雅の前進に右ヒザを合わせる。左インローを嫌い前足を上下させる新田。詰める大雅は右フック。さらに左ヒザも! 後ろ廻し蹴りまで見せる大雅は右をひっかけて体を入れ替えると、ワンツーを当てて前へ。ロープに詰めて左ローでダウンを奪うと、終了間際に左で飛び込みゴング。  あと一歩、仕留め切れなかった大雅だが、ダウンを奪い、3-0(30-24×3)で完勝。「ちよっとまだ倒しきれなかったんで、次のステップにいくために、もう1回、キックボクシングのトップに行けるように頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 フライ級(57.0kg)5分3R〇藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)[判定3-0]×曹 竜也(氷ヲ刻メ/池田道場)  藤田はアマチュアボクシングで5冠達成後、MMAに転身し、RIZINで那須川天心相手に異例のプロデビューを果たした。那須川とはRIZIN KICKトーナメントでも対戦したがいずれも敗れている。その後、DEEPで勝ち負けを繰り返しながらも着実に成長を遂げ、2019年12月から3連勝。2021年2月に渋谷カズキをカーフキックを効かせてのサッカーキックで3R TKO、フライ級暫定王者に。2021年7月には山本聖悟を右ハイキックからのパウンドでマットに沈め、9月には伊藤裕樹との接戦で競り勝ち、初防衛に成功するなど破竹の6連勝を飾ったが、今年5月の神龍誠とのDEEPフライ級王座統一戦で敗れてしまった。今回は再起戦にして5年ぶりのRIZIN復帰戦。  曹は18歳で総合格闘技を始め、2005年アマチュアパンクラスオープントーナメント優勝。2006年4月のネオブラッドトーナメント準優勝。その後もPANCRASEを主戦場に井上学、佐藤将光、滝田J太郎、北方大地、砂辺光久ら強豪と鎬を削った。約2年振りの復帰戦、そしてRIZIN初参戦となった2021年11月の沖縄大会では越智晴雄と対戦したが敗れた。  1R、オーソドックス構えの藤田は右ミドルから。サウスポー構えの曹も左ミドル、前蹴りを返す。藤田は左フックを効かせて右でダウンを奪うと、曹は藤田のパウンコを脇で抱えて凌ぐと立ち上がり。すぐに詰める藤田に組みも剥がす藤田。右ボディで飛び込む藤田。さらに右ミドルも。  曹はスーパーマンパンチから近づき、首相撲も。ここは対応済みの藤田は剥がして右ミドルハイをブロック上に効かせる。  左の飛び込みは曹だが単発。かわす藤田は右フック。曹は左インローを当て、アッパーで飛び込むが、藤田のワンツーにアゴが上がる。右ボディストレートは藤田! 曹の跳びヒザはかわす。  2R、先に詰める藤田は左アウトロー。曹も右ローを返すが、圧力をかける藤田。しかし曹もジャブを返す。左前手のフックは藤田。曹のヒザ着きのシングルレッグをしっかりと切る。  右の後ろ廻し蹴りは曹。バックステップでかわす藤田にヒジも狙う。右フックを伸ばす曹。藤田は曹の飛び込みをかわして左フック! 右ミドル、左ロー。曹の右に左をかぶせる。曹は右前蹴りもかわす藤田。曹の首相撲をはがしていく。曹は左跳びヒザをヒットさせる。  3R、詰める藤田。左回りの曹に右ボディを当てる。組んで足関節狙いの曹に足を抜く藤田。曹は後ろ蹴りから飛び込みもかわす藤田は右ハイ。ブロッキングの曹も右ハイ。藤田のロングフックは曹がかわす。  10年フィニッシュされていな曹は、しぶとく詰めると首相撲、ダーティーボクシングへ。細かくアッパー、ヒジを突くがブレーク。前に出る曹は左ミドル! 藤田も手数が減る。詰める曹は藤田の左をかわしてボディに組み。スタンドバックを両手を伸ばしてするりと抜けて正対した藤田。  判定は3-0でタフな曹を藤田が下して勝利。RIZINのMMAでは初勝利を挙げた。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級(57.0kg)5分3R〇村元友太郎(ALIVE)[2R 2分23秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×BJ(ワイルドシーサー沖縄)  村元は名古屋でアマチュア修斗から始め、PANCRASEでプロデビュー。グアムのPXCを経て、DEEPを主戦場に活躍し、2018年8月の川原波輝との再戦でドロー。2019年8月にRIZINに初参戦し、59kg契約で征矢貴相手に2R TKO負けを喫した。怪我で長期療養していたが、2020年8月のDEEPで鮎田直人に一本勝ちで復活。2021年3月のRIZIN.27で山本聖悟と対戦すると、山本の跳び膝にカウンターを合わせ1R KO勝利、RIZIN初白星を飾った。2021年11月のRIZIN沖縄大会で砂辺光久と対戦する予定だったが、自身の怪我により欠場となっていた。  BJはレスリングをバックボーンに持ち、当時所属していたAACCの師匠である阿部裕幸に「BJ・ペンに似ている」と言われたことがきっかけでリングネームを「BJ」にしている。2003年10月の修斗でプロデビューし、2004年11月には修斗バンタム級新人王決定トーナメント優勝。2006年3月の修斗バンタム級チャンピオンシップでマモルと対戦するもドローで王座獲得ならなかったが、同年10月の再戦ではリアネイキドチョークで王座奪取に成功した。同王座は3度の防衛に成功したが、2009年12月に怪我で王座を返上。その後は2014年3月にONE出場、2015年10月のVTJ沖縄大会では曹竜也に判定勝ちを収めている。今回は約7年ぶりの試合となった。  1R、いきなり飛び込んだ村元にボディロックしたBJ。背後ヒザを突く。コーナーに頭をつけて正対を試みる村元。BJは片足をかけようとする。背後からヒザを突くもブレーク。  スタンド再開も詰める村元を首相撲にとらえるBJはコーナーを背にしながらもヒザを突く。村元はボデイ打ち。アゴ下に頭をつける。ブレーク。サウスポー構えのBJに、オーソから出入りは村元。しかし前手の左が目に入り、中断。  再開。上下にレベルチェンジしながら出入りの村元。左から右で飛び込むが、そこにカウンターを狙うBJ。近づけば組んで脇潜りスタンドバックに。背後から細かいパンチを入れる。  2R、左ローを当てるBJ。しかし村元からシングルレッグへ。コーナー背に倒れないBJ。離れる村元は右オーバーハンドで飛び込むがBJはブロック。ならばと村元は左で飛び込む。コーナーに詰めての右アッパー、左右を連打する村元に、BJは左を返して押し戻して左で飛び込むが、村元はカウンターの右! ダウンしたBJにパウンド連打でレフェリーを呼び込んだ。  試合後、村元は「日本一の会場でしょ。最高でしょ。BJさん、レジェンドと戦うことで僕も追い込めました。沖縄で格闘技ジムをやるということで、皆さんお願いします。2連続KOでフライ級面白いでしょ。日本を盛り上げて、来年あたりトーナメントお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 フライ級(57.0kg)5分3R〇伊藤裕樹(ネックス)[2R 4分57秒 TKO] ※パウンド×宮城友一(キックボクシングDROP)  伊藤は、小学4年生から中学3年生までボクシングを学び、第2回全日本幼年ボクシング大会で優勝。高校生でMMAに興味を持ち、2016年にTHE OUTSIDER出場。初代50-55王者に輝いている。2018年11月には『ROAD FC』でキム・テギュンをヒザ蹴りでKO、2019年からDEEPに参戦すると、デビュー以来の12連勝と快進撃を続けたが、同年12月の鮎田直人戦で初黒星。2021年3月のRIZIN初参戦では杉山廣平に1Rわずか33秒でKO勝ち。その後、DEEPで安谷屋智弘を2R リアネイキドチョークで極めると、2021年9月に「DEEPフライ級暫定王座戦」で藤田大和と対戦。判定3-2のスプリットの接戦で敗れ、戴冠ならず。2021年10月のRIZIN.31で中村優作を1RでTKOに葬ったが、2021年12月に福田龍彌に2R TKO負け。今年5月のDEEPでは関原翔と大激闘の末に判定勝利を収めた。  宮城はパンクラスの軽量級でキャリアを重ねた後、ブランクを経て真樹ジム・オキナワに入門。キックボクサーとして約20戦を経験した。その後再び2014年からMMAファイターとして再デビュー。2016年から主戦場をGLADIATORに移すと、その初戦こそ加マーク納に躓いたが、以降は一つのドローを挟み8連勝と破竹の快進撃を続け、ライトフライ級王者を獲得。2021年4月に修斗沖縄大会で西村大地を判定で振り切ると、9月にGLADIATORで2階級制覇を目指し、NavEの持つフライ級王座に挑戦したが判定で敗れた。昨年11月のRIZIN沖縄大会では安谷屋智弘に1RでTKO勝ち。しかし、2022年3月の修斗で関口祐冬に判定負けを喫している。  1R、ともにサウスポー構え。ステップを踏んで左ローから入る伊藤。宮城は中央を取り圧力をかけていく。右の上下の蹴りで押し戻す伊藤。さらに左オーバーハンドから組みに行くが、首相撲を狙う宮城。突き離す伊藤。  左から右の前手を振る伊藤。右ジャブを当てる。宮城は左ローをヒット。伊藤も左ローを返す。左オーバーハンドで押し戻した伊藤は、ボデイ打ちから左でフラッシュダウンを奪う! すぐに立つ宮城。クリンチから左カーフ! 伊藤の足が流れる。続くローは伊藤がバックステップでかわす。  左のロングフックを振る伊藤に詰める宮城。伊藤は組んでニンジャチョークを狙う。  2R、右ハイをガード上に当てて前に出る宮城。伊藤は右ショートアッパーでダウンを奪う! ここもすぐに立つ宮城の前進に右アッパー、左フックを当てる伊藤は、後ろ廻し蹴りも見せる。  右回りで右の飛び込みを見せる伊藤。さらにスイッチしての左フック。これはかわした宮城は左ミドルもその蹴り足を掴んだ伊藤がこかすと、飛び込んでのパウンド。背中を見せて立とうとする宮城のバックを奪い、キムラから前転させて腕十字へ。ここは正対した宮城に、伊藤は三角絞め狙い。ここも宮城は外すと、伊藤はそのまま下にならずすぐにスクランブルでスタンドで前に。  オーソドックス構えに帰る宮城の詰めに、コーナーから出る伊藤は宮城の外側を取り、左ストレート! ダウンした宮城に伊藤はパウンド、ヒザ蹴りのラッシュ! 動けない宮城を見てレフェリーが間に入った。  試合後、伊藤は「この沖縄アリーナでRIZINを感じられることが僕にとってすごくプラスになります。DEEPでフライ級トーナメントで優勝してまたRIZINに戻ってきます。また沖縄大会に呼んでください。めんそーれ!」と挨拶した。 [nextpage] ▼第3試合 女子スーパーアトム級(49.0kg)5分3R×にっせー(チームにっせー/アローズエンタテインメント)[1R 2分12秒 腕十字]〇須田萌里(SCORPION GYM)  にっせーは沖縄在住の女子格闘家で、2019年9月に山崎桃子から腕十字による一本勝ちでプロ初白星を飾ると、同年12月にプロ3戦目にして女王しなしさとこをパウンドでTKOに仕留めるなど一躍注目を浴びたが、その後は大島沙緒里、パク・シウ、青野ひかるに3連敗。しかし、2021年9月に古瀬美月からTKO勝ちを収めると、11月のRIZIN沖縄大会に初参戦して古賀愛蘭に判定勝ち、熱戦で場内を沸かせた。今年3月には階級を下げてきた本野美樹に腕十字で敗れ、地元・沖縄での再起戦を迎える。 須田は高校3年生のJKファイターで、ブラジリアン柔術、グラップリング、MMAのアマチュア試合で経験を積んだ。2020年10月のプロデビュー後は村上彩、BURSTの佐々木萌には判定負けも、坂本美香に判定勝ちすると、2021年7月のDEEP大阪で樋田智子を腕十字に極めて一本勝ち。10月大会ではキャリアに優る音波に1ポイントも与えず判定勝ち、12月大会では竹林愛留との“JK最強決定戦”を戦い1R4分41秒、腕十字で勝利。さらに今年3月にはアトム級トップの一角である青野ひかるからも腕十字で一本を奪い破竹の5連勝。5月にはDEEP JEWELSアトム級王座に挑戦したが、王者・大島沙緒里のアームロックに敗れた。キャッチフレーズは“寝技の萌ちゃん”。  1R、ともにオーソドックス構え。右前蹴りを腹に突く須田。右ローを突くにっせー。須田はそこに左を狙う。組んで左でオーバーフツクして引き込む須田。体を離すにっせーはスタンドから足を蹴る。  シッティングから立ち上がる須田は再び腕を掴んで引き込み、腰を切って腕十字へ! 三角絞めに切り替えるも、にっせーの両手が入り、四角のデッドオーチャード狙いから、みたび腕十字へ! にっせーのクラッチが切れてタップ。須田が一本勝ちを決めた。  試合後、須田は「前回の試合で一本負けしてほんとうに悔しくて、いっぱい練習して得意の腕十字で極められてほんとうに嬉しいです」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼第2試合 RIZINキックルール 72.5kg契約 3分3R〇宮城寛克(赤雲会)[判定3-0] ※30-27×3×吉野友規(STURGIS新宿)  沖縄在住の宮城は琉球空手をバックボーンに持ち、沖縄TENKAICHIのウェルター級とミドル級で二階級制覇。2020年7月に中村寛に判定勝利、続いて参戦した10月横浜大会でベイノアにKO負けを喫したが、再起戦となった2021年4月には元ZST王者の森興二と対戦。1R中盤にダウンを奪われるも、逆転KO勝利を収めた。さらに11月に地元沖縄で開催されたRIZINで初回KO勝ちを飾ったが、今年3月のRISEでは森田崇文に判定負け。戦績は9勝(4KO)9敗2分。  吉野は剣道(高校3年生時に国体で優勝、大学4年生時には団体戦で全日本選手権3位)からキックボクシングに転向し、豪快なパンチでデビューから5戦5勝4KOと負け知らずの重量級期待の新星だったが、2021年3月大会で田村聖から先制のダウンを奪うも逆転TKO負けを喫してプロ初黒星。2022年1月に復帰戦を行い、新日本キックボクシング協会日本ミドル級王者の斗吾を得意の右ストレートで1RにKOした。戦績は7勝(5KO)1敗。  普段はRISEを主戦場としている宮城と、KNOCK OUTを主戦場にしている吉野という対決。  1R、ともにオーソドックス構え。先にワンツーミドルの吉野。ブロッキングの宮城に長身の吉野は右ロー。近づくと右ヒザをボディに突く。  左ミドルを返す宮城。さらにガードを固めて右ローも。コーナーに詰めると連打から右ロー、右フックでスタンディングダウンを奪う。さらにコーナーに詰めて右ボディストレートから顔面へ。  2R、互いに右ローから。左のカウンターを当てる吉野に、構わず前に出る宮城。そのガードの間をアッパーで突く吉野。しかし右ミドル、右の打ち下ろしのフックは宮城! 宮城の後頭部への攻撃でいったん中断も再開。左ジャブを当てる吉野! 宮城は得意の右フックで前に。吉野の長いパンチが当たり始める。  3R、ワンツー&ローまで繋ぐ吉野。宮城はガード固め右カーフ。右フックをヒットさせてコーナーに詰める。吉野はその突進に右テンカオ。手数多く攻めるが、宮城は後退せず。吉野の左に右フック! さらに右ローを突いて前に。互いに左の相打ちから宮城が右ローを効かせてゴング。  判定は3-0(30-27×3)で宮城が勝利。昨年の沖縄大会に続き、RIZIN連勝を決めた。 [nextpage] ▼第1試合 71.0kg契約 5分3R〇タナー・ロレンツォ(琉球ファイトクラブ)[2R 1分05秒 TKO] ※マウントからヒジ打ち×Orihey(糸満MMA)  タナーは現役の軍人で、沖縄に駐屯する前はアメリカでレジェンドファイターのババル・ソブラルのジムで柔術コーチとして働いていた経歴を持つ。プロでの試合こそ無いが、アメリカのアマチュア試合では無敗、そして軍に入ってからは基地内で行われている非公式戦を数々こなして実践の経験を積んでいる。昨年11月の沖縄大会では熊澤伸哉を2Rにボーアンドアローチョークで勝利。  バックボーンは友人と我流で始めたボクシング。そのボクシングを本格的に10年続けると、地元にある沖縄角力に興味を持ち始め沖縄角力を2年、柔道を2年学ぶ。22歳の時にキックボクシングを始めると、アマチュア大会に出場し7戦7勝(1KO)と無敗の戦績を残した。その後はMMAに転向し、これまでに2戦2勝。MCCS ULTIMATE GFC ウェルター級チャンピオンのタイトルを持っている。RIZIN初参戦となる地元沖縄大会で、得意の左ストレートと沖縄角力をMMAに落とし込んだスタイルを披露するか。  1R、ともにサウスポー構えから。Oriheyは左ロー、右ボディストレート。左ミドル。ロレンツォは首相撲ヒザ蹴りからシングルレッグテイクダウン。すぐに脇差しパスガードからキムラクラッチ。ハーフからヒジを打ち下ろす。  いったん体を離したロレンツォはジャンピングフットスタンプからパス。頭つきのキムラロック狙いから上四方、マウント、リアネイキドチョークもゴング。  2R、ロレンツォがボデイロックテイクダウンからマウント奪取し、右足で左腕を固定し、ヒジ打ち! Oriheyが出血し、レフェリーが間に入った。ロレンツォはRIZIN2連勝。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント