EVENT / MATCH|LIDET ENTERTAINMENT SPORTSEVENT / MATCH|LIDET ENTERTAINMENT SPORTS
キックボクシング
ニュース

【THE MATCH】武尊は那須川戦後、試合を見直して研究していた──親友・大岩龍矢が明かす「前向きで、強い」武尊がバックステージで各代表に語っていたこと

2022/06/23 05:06
 2022年6月19日(日)東京ドームで開催された『THE MATCH 2022』のメインイベントにて、那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)に、3R 判定で敗れた武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)。  試合後の証言として、本誌では武尊の盟友の松倉信太郎、城戸康裕。那須川天心を育てた父・弘幸会長、那須川とスパーで拳を交えた京口紘人らのコメントを紹介してきた。  今回は、武尊のセコンドにKRESTから渡辺雅和代表とともにコーナーマンとして入った大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMIーONO KREST/Bigbangライト級王者)による「至近距離」から見た“世紀の一戦”を紹介したい。大岩は、自身のYouTubeで、那須川に敗れた武尊が、試合から帰宅後すぐに自身の動画を確認し、研究していたことを明かし、「俺が思ってた以上に前向きで、強いなって思った」と、存在を賭けて戦った敗者を心配するファンにメッセージを送った。 『武尊のそばにいてください』というメールが何千件と来て──  本誌『ゴング格闘技』では、直前プレビューとして「証言・武尊を間近で見てきた男たち」として大岩に、武尊の“世紀の一戦”までの姿を取材していた。  大学からキックボクシングを始め、卒業したら東京のジムに入る、と決めていた大岩が、名古屋からチームドラゴンに見学に行った時、武尊から「同級生だね、絶対来てね。待ってるから」と声を掛けられ、「緊張して『はい、分かりました』と返事した」のがファーストコンタクト。米国合宿で距離が縮まり、いまや互いのコーナーマンとして切磋琢磨してきた。  そんな武尊の大一番を大岩は同門の同級生、そして親友としてサポート、ともに追い込みもやってきた。  本誌の取材に「そばで見てて気迫とオーラが凄い。武尊の凄さは『自分の空間に持っていくところ』だと思うんですけど、それを練習中に感じるんですよね。武尊がミット打ちを始めると『武尊の空間』、オーラが出来上がるんです。そんなことは今回が初めての感覚ですね。武尊がやるとアウトボクシングの選手も『打ち合う空間』になってインファイトさせられてしまう。気持ちとか覚悟が違う。天心選手は打ってこなくても、武尊が打ち合いの空間にして倒して勝つだろうな」と語っていた大岩。 「すべてを賭けて」臨んだ試合は、1Rに那須川の左のカウンターを浴びた武尊がダウン。立ち上がった武尊は、ジャブをもらいながらも、ヒット&アウェーの那須川を最終Rに打ち合いの空間に誘い込んでいる。しかし、延長Rに持ち込むことは出来ず、3R判定5-0の敗北。  この結果について、大岩は「あんまり動画で触れたくなかった」と冒頭で語るが、「いろんな方からDMが来て、『武尊くん、大丈夫ですか』『武尊のそばにいてください』とか、何千件と俺のところに来ていて、みんな悔しいし、ムードが落ちている。ずっと下を向いていてもしょうがないな、少しでもみんなに、この動画を通して、なんか元気を与えられたらいいなと思って、動画を回すことを決めました」と、近況を伝えることにしたという。 [nextpage] 武尊は試合後、各団体の代表に「未来の格闘技を絶対にいま以上に盛り上げてください」って頭下げていた 「俺が一緒になってから、武尊の負け姿を見たことなかった。今回、初めて見て悔しいというか、初めての感覚で……試合直後、武尊に何も声をかけられないくらい、言葉が出なくて。ほんと、ただ近くに座っているだけというか。身の周りのことを手伝っているだけというか。ずっとそこにいるだけというのも悔しかった」と、試合直後のバックステージでの動揺を吐露した大岩。  しかし、そんな大岩に声をかけたのは武尊だったという。 「そんなときに逆に武尊から声をかけてきて、『ごめんな、ほんとありがとう』って言われたときに……そこで僕も泣いちゃったんだけど、スゲー強ぇなって。自分が辛いときに。絶対、自分が悔しいのに、ずーっとみんなに謝っているし、感謝してるし、それぞれの団体の代表に『未来の格闘技を絶対にいま以上に盛り上げてください』って頭下げていたし、あんな状況で先のこと、未来のことを言っていて、自分のためじゃなく戦ってるんだなって。格闘技全体のために戦っているんだなってあらためて思った」と、最も悔しいであろう武尊が、周囲に敗北の謝罪と感謝の言葉を伝え、さらに、今回、この試合のために大同団結した各代表の一人ひとりに「未来の格闘技への橋渡し」をお願いしていたという。  試合終了のゴング後から、零れ落ちる涙。四方に頭を下げての退場、控え室でのまるでバトンタッチするかのような言葉もあり、大きな敗北を抱えて帰る武尊を心配する声が後を絶たなかった。その声は、親友である大岩のもとにも多く、届いていた。 「ずっと続いた物語が終わって、ぽっかり穴が開いた人がたくさんいると思うけど、『武尊くんが死んじゃうんで、そばにいてあげてください』というメールがめっちゃ来るけど、いやいや、死なないから。マジで心配しなくていいです。俺が思ってた以上に前向きで、強いなって思ったよ」と、大岩は驚くべき事実を明かす。 [nextpage] 試合を見返していた武尊「ほんとうに一人じゃないんだな」って 「試合終わって、普通だったら(自分が負けた)試合はなかなか見れない、悔しくて。でも(武尊は)帰ってすぐに研究したらしい。試合を見て、“これ、どうしてたらあれになったかな”って。スゲーなって。もうそういうことを考えてんだって。その言葉はすごい前向きだなって思った」と、満員の大観衆の前で、どん底に突き落とされた武尊のなかの闘争心が、いまだ燃え尽きていないことを示した。  本誌のインタビューで、武尊について「すごい負けず嫌いです。ダッシュでも負けたくないし、納得いくまでやりますね。自分はたまに『もういいだろう』と妥協するんですけど、武尊はそれが一つもない。何に対しても納得いくまで終わらないです」と、語っていた大岩は、武尊が顔を落としてばかりいずに、前を向き始めた理由をこうも語る。 「それは応援してくれている人たちがほんとうに力になっているなって。武尊と話していてめちゃくちゃ思ったし、なんか“ほんとうに一人じゃないんだな”っていうことも(武尊は)言っていたし、無茶苦茶、感謝してた。応援してくれてる人たちのおかげで生かされてるんだなって、俺も武尊と話していて思った」と、ファンの応援の声に励まされていることを語った。 (C)大岩龍矢チャンネル 「こんなに格闘技を盛り上げてくれた。だから謝る必要なんかない、胸張ってほしい」──と武尊にエールを送った大岩自身も、「俺も正直、下向いていたけど、前を向いて頑張んなきゃなって、武尊から勇気をもらったし、この悔しさを忘れずに俺は突き進んでいく。これから、いい報告が出来そうな感覚はあるので、K-1も8月(11日)に福岡、9月(11日)に横浜アリーナで大会があるから楽しみにしていてください」と、今後に向けて新たなエネルギーを受け取ったようだ。  試合前の本誌の取材に大岩は、「武尊が返上するかどうか分からないですけど『あのベルトは絶対に誰にも渡さない。次は自分が獲る』という気持ちがあるので、試合する準備は出来てます」と語っている。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.323
2022年11月22日発売
特集は「12.31を読む」。大晦日サトシ&クレベルほか日米両団体の対抗戦全選手にインタビュー!「立ち技新時代」では武尊の独占インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア