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【THE MATCH】那須川天心、武尊戦から一夜明けて「自信を持ってキックを終われる。第一章は終わり」第二章のボクシングについては多くを語らず。武尊を気遣うコメントも

2022/06/20 17:06
 2022年6月19日(日)東京ドーム『THE MATCH 2022』のメインイベントで行われた、那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)vs.武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)の“世紀の一戦”は、那須川が判定5-0で勝利。7年間実現が期待されてきた一戦にピリオドを打った。  20日(月)都内にて行われた一夜明け会見で、那須川は「たくさんの応援ありがとうございました。計量と同じ場所にその時とは違った感覚で戻ることが出来て嬉しいです。東京ドームという大舞台で相手が武尊選手という最高の素晴らしい選手で、そういった選手と大きな舞台で戦えて勝つことができてホッとしています。武尊選手には感謝しかないです」と現在の心境を話した。  試合映像は「結構見ました」と言い、「ダウンを取ったシーンは500回くらい見てるんじゃないですか」と笑う。「チームとずっとやってきた作戦がハマったと思いましたし、過去一番ハードな試合だと思いましたし、武尊選手という最高の相手がいたからこそアツい試合ができたので久しぶりに楽しかったですね」と振り返る。  キックボクサーとしての最後の試合を終え、翌朝の心境を聞かれると「初めて一睡も出来なくて、いつも寝られるんですけれど今回は寝れなくて。なんかこの興奮を冷ましたくないと思って。だから僕の中ではまだ6月19日です」と、自分の中ではまだ『THE MATCH』が終わっていないとした。  これがキックボクシング最後の試合であることは「あまり考えてはいなかったけれど、寂しい気持ちはあります。ずっと覚悟はしていたけれど、最高の形でと言うか、みんなが納得する形でキックを終わらせる、日本最強を証明出来たのでそこは自信を持ってキックを終われるかなと。僕の第一章は終わり。寂しいけれど自分の人生なのでしっかり心に刻みたいと思いますね」と、那須川天心の第一章が終わった気持ちだとする。  その第一章は「最高だったんじゃないですか。いろいろな経験も出来ましたし、テレビでK-1を見てキックを始めて。それを僕が最後にやって終わることが出来たので完璧な、試合内容は完璧じゃないものもあったけれど、人生のストーリーとしては完璧。マンガの第一章完結かなと思いますね」と満足のいくものだったという。  また、武尊とは戦い終わってどんな存在だったかを聞かれると「悟空とルフィでしたね。同じ世界に存在しなかったわけですから。違う世界の主人公同士というか、そういう戦いだったのかな」とこちらもお得意のマンガに例える。  しかし、武尊には今どんな感情があるかと問われると「お互い寂しかったんだろうなって戦い終わって思ったのと、武尊選手も覚悟を決めて試合に臨んでくれたし、僕も覚悟を決めて臨んだし。今SNSが発達してますけれど、試合に対しての誹謗中傷だとかそういうのって非常に傷つく人もいるので、そういうのはやめてもらいたいなっていうのがありますね。本当にプレッシャーというのはお互いハンパなかったし、表に立つ以上そういうことを言われる覚悟があるのは当たり前なんですけれど、それ以上に感じるものって俺も立場が似ているから分かるけれど、一人になるとそういうことをよく考える時間があると嫌なマインドになる時があると思うので、そういうのはさせないようにして欲しいなって思いましたね」と、SNSでの誹謗中傷に対してとトップに立つ人間の孤独を思いやる言葉を残した。  ダウンを奪った左フックはボクシングの練習で培った技なのかと聞かれると「今まで(のキャリアを)通してですかね。パワーだったら武尊選手には勝てないですし、今回は大きく振るっていうのは意識していなくて、来たところをコンパクトに針の穴に糸を通すような感覚を意識して、コンパクトにショートにカウンターを合わせると。僕の方が距離は遠いけれどパンチが大きくなってしまうと相手はコンパクトで打ち合いの距離は強いので、そこを修正するトレーニングを父親とやっていました」と、キャリアの集大成だったとする。  K-1との対抗戦でRISEが勝ち越した感想を聞かれると「どっちが強かったではなく選手がみんな頑張って、応援している人もRISE派、K-1派はいたと思うけれどそうじゃないものが生まれたと思うんですよね。僕の友だちや応援している人も武尊選手のことを応援したくなったとか、RISEしか見てなかった人もK-1が見たくなったとか言っていたので。結果としてRISEの選手が勝ち越したのはあるんですけれど、そこはそこまで関係ないんじゃないかなというのがありました」と、どっちが勝った負けたではないとした。  その中で他に気になった試合はあったかとの問いには「僕は格闘技が好きなのでファン目線で気になっていました。YA-MANとアッシー(芦澤竜誠)は見ました。おもろかったですね。2人ともファイターだなって思いましたし、ああいう選手がいるからこそ、ああいう試合があるからこそ、会場の熱気も増しましたし、見ててワクワクする試合でした」と、YA-MANvs.芦澤の試合をあげる。  他の試合を見ているうちに、ジャッジの傾向が気になった、とも。「ビックリしました。僕の試合ですけれど2Rで相手にポイントが入っていたから“えっ”と思って。取られた、みたいな感じがありました。いろいろ気を使っているだなって。10-10が多かったから(笑)。見ていて10-9と思うところも10-10だったりイーブンが多かったから、ダウンを取らないと10-10にされるなっていうのが見てて自分の中にありました」と、参考になったという。  リング上で見せた涙の意味を改めて聞かれると「僕、よく泣きますよね、本当に(苦笑)。あまり覚えていなくて。感情が出てきたというか。6~7年くらい望まれて出来なかったカードがやっと出来て、拳で語るじゃないけれど2人でないと分からないことがあるし、表には出ない条件とかいきさつとかもあって、それが全部出たのかなって。選手たちはやりたかったし、やりたかった気持ちを爆発させたのかなって。それがお互い出たのかなって思います」と、お互いに蓄積していたものがリング上に出たのではないかと答えた。 「試合を今回6月に延期して武尊選手と試合をすると決めた時に、もし負けたらボクシング転向は絶対にできない覚悟はありました」とまでの覚悟を決めて臨んだが、これで思い残すことはなく次はボクシングでの那須川天心第二章が待っている。  それについては「まだどうするかはこれから決めていくことなので、今は言えることは特にないかな。時期は分からないですけれどとりあえず1回落ち着きたいなって言うのはあります。5カ月休みたいっていうのは冗談ですけれど、まだあまり決まってないので言わないだけです」と多くを語らなかったが、「チャンピオンになるのは誰しも目標にあると思うので、そこに向かってやっていくのは確かですね」として「僕の新たな挑戦というか、自分でもワクワクしていますし、ファンの皆さんもワクワクして欲しい。そこは期待してください」と、第二章も期待して欲しいとのメッセージを残した。
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