2022年6月17日(日本時間18日)クロアチア・カーロヴァクのドヴォラナ・ムラドストで開催された「FNC(Fight Nation Championship)6」に石井慧(クロアチア)が出場。
ヘビー級の265ポンド(120.2kg)契約試合で、英国のチャーリー・ミルナーに1R、わずか40秒でTKO勝ち。MMA40戦目を白星で飾った。
メインカード前には、PRIDEのように開会式も行われたFNC。2023年にユーロ加盟も予定されている同国のMMAとして急成長を遂げており、次回大会は、9月3日に古代ローマ時代に建造されたプーラ円形闘技場での開催も計画され、同地で話題となっている。
そんななか、2008年北京五輪柔道100kg超級金メダリストの石井慧は、2009年大晦日「Dynamite!!」でのMMAデビュー戦から、40戦目となる総合格闘技の試合を、地元クロアチアで戦った。
2014年に2度、まさに「死闘」を戦ったミルコ・クロコップのもとで打撃を磨き、2019年にクロアチア国籍を取得した石井は、K-1でも3戦を戦い全勝。2022年4月には実方宏介を2R 左フックでKOに降している。
その後、米国テキサスのダナハー・デス・スクワッドで1カ月間の修行も行っており、グラップリング界の智将ジョン・ダハナーコーチのもと、“史上最強のグラップラー”ゴードン・ライアンとも練習を積んできた。
大会ではコ・メインイベントに出場。クロコップチームのTシャツをまとい、地元の大声援に迎えられた石井は、元Bellatorファイターで、ベアナックルファイトにも出場するミルナーと対峙した。
1R、オーソドックス構えのミルナーのハイキックをガードした石井は、四つに組んでミルナーのヒザ蹴りに大外刈りでテイクダウン! クローズドガードのミルナーにインサイドからパウンド、ヒジを打ち込むと、ガードを開けて足を効かせようとするミルナーに、中腰で鉄槌、左のパウンド! 連打にミルナーは動けず、レフェリーが間に入った。
また、メインイベントのFNCヘビー級王座決定戦(5分3R)では、クロアチアのイヴァン・ヴィタソヴィッチが、元UFCのオリ・トンプソン(英国)を2R 2分13秒、ミルコばりの左ハイキックでKOに降し、ヘビー級のベルトを巻いている。
メインにつなぐ秒殺勝利を飾った石井は、12年半のMMAキャリアで打投極のそれぞれが融合し、円熟のときを迎えつつある。ヘビー級という神の階級で、UFCでの戦いを目指す石井が、その道に近づく次戦にも注目だ。