元KSW王者からRIZINに参戦し、5試合連続一本勝ち(MMA6試合連続一本勝ち)のクレベル・コイケが28日、1カ月間の海外出稽古を行うことを明かした。
「今後の事の発表」として、ブルテリア・ボンサイ柔術の“磯部師範”とYouTubeに出演したクレベルは、「サトシ先生、マルキーニョス先生、坂本社長……みんなでミーティングした。私、もっと強くやりたい。来週かな、日本の外で練習する。前の2試合ちょっと間違えている。私もっとアップしてもっと強くなりたい。私は日本のボンサイ柔術やBELLWOODでの練習ですごい助かっている。でも私はもっと外に出て練習したい」と、語り始めた。
日本での練習には手ごたえを得ているが、クレベルが目指すのは、フェザー級タイトルマッチに向け、自身をさらにハングリーな環境に追い込むことだ。
「日本では自分だけの練習ではなく、クラスを教えて、生徒たちの試合も多くて生徒たちを助けて、会社もつくっているので、いつもいろいろ仕事がたくさんある。100%、自分の練習ができない。だからこれから1カ月くらい日本を離れる。日本でもいい練習ができるし、いまの練習に問題があるわけじゃないけど、頭を切り替えて気持ち的に少し離れて新しいことを吸収したい」
場所は「まだ秘密かな」と言うが、クレベルはKSW時代にも、プーケットのタイガームエタイでキャンプを張っており、当時、アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(現UFC世界フェザー級チャンピオン)らと練習を行っていた。
「たぶんみんな知らないけど、前に戦ってきたKSWで最後の3、4試合くらい日本の外で練習していた。タイとか。それがいい勉強になって大事だった。この2年くらいはコロナの問題で日本の外で練習できなかったけど、いまはやっと外に出ても大丈夫そうなので、打撃とか、いろいろもっと全部練習してもっと日本の外に出て勉強したい」
RIZIN榊原信行CEOがクレベルを「次期挑戦者」と明言も、正式発表はされていないフェザー級タイトルマッチ。クレベルは、大一番を迎える大事な時間ととらえている。
「次の試合が大事なタイトルマッチ。7月か9月か分からないけど、強い練習をしてもっと勉強をしたい。チャンピオンになるために」
外での練習は「安全」じゃない
チャンピオンになるために、そしてチャンピオンになっても、進化をしないと生き残れないという。大らかに見えるクレベルだが、先にベルトを獲得した天才肌の盟友サトシに追いつくために、たゆまぬ努力を続けてきた。クレベルが求めるのは、自身を“快適”な状態にさせないことだ。
「一番大事なのは勉強。“安全”じゃない。チャンピオンになったとしても、それは安心できるわけじゃなくて、私は常に改善して進化していないといけない。そのためにも外に行く必要がある。なぜなら外での練習は“安全”じゃないから。外には家もなく助けてくれる人もいない。そのように一度、何もない状態にする必要がある。それがすごく大事」
自らを厳しい環境に置くこと。それは、連勝中のいまだという。
「佐々木(憂流迦)戦、萩原(京平)戦で間違えた。ミスした。もちろん試合では、50%で当たることはあるけど、もっと盤石に戦いたい。多くの人がよく間違えるのが『自分は変わる』といいながら何もしないこと。そしてそれをする前に負ける。負けた後になって『これから変わる』と言うけれど、負ける前に進化する必要がある。それがいまなんだ。自分を改善するためにも、いまの環境から少し距離を置き、厳しい環境に身を置く。これが私の目標、さらに強くなるために」
「次のタイトルマッチは新しいクレベルになっている?」と問われたクレベルは「間違いない」と断言する。
「ひとりだけで行くのは寂しいし大変。でも絶対に勉強になる。みんなのサポートのおかげで外に行って、戻ってきたらもっと強くなって帰ってくる」──「鬼神に横道なし」。悲願の王座獲得へ。ボンサイ柔術の鬼神は、さらなる強さをまといタイトルマッチに向かうつもりだ。