一般社団法人 全日本空道連盟「2022北斗旗全日本空道体力別選手権大会」2022年5月29日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
2022年5月29日(日)東京・国立代々木競技場第2体育館にて『2022北斗旗全日本空道体力別選手権大会』が開催された。
(写真)本部席には故・東孝初代塾長の遺影が飾られ選手たちを見守った。長田賢一第2代塾長は新型コロナの影響により欠席となった 主催する全日本空道連盟が「社会体育」を標榜する組織だけに、コロナ問題により2020年春季・秋季、2021年秋季の全日本選手権が中止。今大会も当初は1月に開催が決まっていたが、延期となっていた。東京で開催される全日本選手権は実に5年ぶり。
(写真)最優秀勝利者に贈られる北斗旗は-260クラスで優勝した近藤瑞起が手にした。東孝賞のクリスタルトロフィーも併せて受賞 空道は顔面防具と道衣を着用のうえ、突き、蹴りに加え、頭突きやヒジ打ち・ヒザ蹴り、投げと関節・絞め技もOKの着衣MMA的な競技。階級は身長+体重の数値=体力指数で分けられ、男子5階級と女子2階級で全日本王座が争われた。
-230クラスには、全日本6連覇を達成している目黒雄太(新潟長岡支部)が出場。ムエタイをベースに持つソムチャ・ヌアナー(札幌西支部)と決勝を争い、延長戦で投げからの顔面突き(寸止め)で2度の効果を奪って前人未踏の7度目の優勝を飾った。
+260クラスでは、プロMMA6戦6勝の岩﨑大河(総本部)が順当に決勝へ進出。2021・2019全日本体力別+260優勝の奈良朋弥(青森市支部)と決勝を争い、延長戦ではパワフルな打撃で岩崎が圧倒。ヒザ蹴りの連打で有効を奪い、寝技での顔面突き、ヒザ蹴り連打で次々と効果重ねる。最後は右ストレートでグラつかせてのヒザ蹴り連打で奈良を試合続行不可能に追い込み、2017・2018に続く3度目の優勝を収めた。
、女子-220クラスにはRISEで女子キックボクサーとして活躍中の大倉萌(吉祥寺支部)が出場、決勝では小野寺玲奈(帯広支部)と対戦。大倉は元々帯広支部所属で先輩・後輩対決となったが、延長戦で顔面前蹴りや連打を決めた大倉が判定4-1で2017年以来2度目の優勝を決めた。
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▼-230クラス決勝戦×ソムチャ・ヌアナー(札幌西支部)延長戦 効果優勢勝ち〇目黒雄太(長岡支部/2015~2019・2021全日本体力別-230クラス優勝)
右カーフを蹴っていく目黒にソムチャは鋭い左フックを狙う。目黒は左インローを蹴りつつ、フェイントを駆使してパンチを当てていく。蹴り足をキャッチされた目黒は右ストレート、さらに左フックと畳みかける。ソムチャはジャンプしての蹴りを見せるが目黒はかわし、勢い余って倒れたソムチャにパンチを出してしまい警告を受ける。
自動延長、ソムチャの蹴りをキャッチした目黒はテイクダウンし、突き(寸止め)を決めて効果。その後も投げから突きを決めて2度目の効果を奪い、余裕が出てきた目黒は右ストレート、投げで優勢を保ち、効果優勢勝ちで7度目の優勝を飾った。
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▼-240クラス決勝戦〇伊東宗志(日進支部)延長戦 優勢勝ち 判定4-0×遠藤春翔(総本部/2021全日本体力別-240クラス準優勝)
序盤に2度の寝技となり、遠藤が上から抑え込む(時間切れ)。伊東が左右フックで前へ出ると、遠藤は道衣をつかんでのハイキックを見せるが、両者とも手数少なく本戦が終了。自動延長となる。
始まってすぐ伊東のパンチ連打に遠藤は頭突きから投げ、寝技になると抑え込む(時間切れ)。スタンドに戻り、伊東がパンチの連打から投げを見舞う。伊東が右ストレート、つかんできた遠藤へ右アッパーを何度も突き上げる。遠藤はつかんでのヒザ蹴りだ。終盤、遠藤が右をヒットさせてつかんでのヒザ蹴り。判定4-0で伊東が初優勝を飾った。
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▼-250クラス決勝戦×佐川太郎(仙台東支部/2019全日本シニア超重量級優勝)延長戦 効果優勢勝ち〇小野寺稜太(総本部/2021全日本体力別-250クラス準優勝)
佐川は46歳、小野寺は19歳と年の差27歳対決。小野寺がローと左右フックのコンビネーションで攻める。パンチの打ち合いから小野寺が大腰でテイクダウンし、顔面への決めで効果。続いて腕十字を狙ったがこれは極まらず自動延長へ。
佐川がダブルレッグでテイクダウンを奪うが小野寺はハーフガードで寝技時間切れ。小野寺が飛び込みの右を決め、さらにアッパーを打ち込むと佐川はつかんでの頭突き。離れると小野寺がフェイントを駆使した飛び込んでのワンツーをヒットさせ、右フックから組み付いた小野寺がバックを奪って寝技に持ち込み、上になると顔面突きを決めて効果。その後も右をヒットさせるなど優勢だった小野寺が初優勝を飾った。
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▼-260クラス決勝戦〇近藤瑞起(岸和田支部/2021全日本体力別-260クラス準優勝)延長戦 効果優勢勝ち×麦谷亮介(行徳支部)
近藤がパンチの連打から投げでテイクダウン、麦谷は下から腕十字を狙うが寝技時間切れ。続いて近藤が支えつり込み足で顔面への突きを決めて効果を奪う。左右フックの連打で前へ出る近藤に麦谷も打ち合い、迫力あるフックの応酬で本戦は終了。
自動延長、パンチの連打で前へ出た近藤が支えつり込み足でテイクダウンし、顔面突きを決めて効果を奪う。さらに銅タックルからのリフトアップでテイクダウンすると、再び顔面突きを決めて2度目の効果。近藤は右ストレートで飛び込むと背負い投げ、顔面突きにいくがこれは効果にならず。最後はパンチの打ち合いとなり、近藤が大外刈りでテイクダウン。効果2つを奪った近藤が初優勝を飾った。
近藤は最優秀勝利者賞にも選ばれ、栄光の北斗旗と東孝賞(クリスタルトロフィー)を受賞した。
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▼260+クラス決勝戦×奈良朋弥(青森市支部/2019・2021全日本体力別260+クラス優勝)延長戦 一本〇岩崎大河(総本部/2017・2018全日本体力別260+クラス優勝)
奈良は飛び込んでの頭突きから組み付くが、岩崎が足払いでテイクダウンし、マウントを奪っての顔面突きを決めて効果。岩崎の左フックに奈良は後ろ蹴りで対抗、それに岩崎が後ろ廻し蹴りを返す。さらに岩崎は強烈な左右フック、右ハイキックで優勢のまま本戦を終了した。
2つ以上のポイント差がないため自動延長、岩崎は右ストレート、右ハイをヒットさせる。ヒザ蹴りの連打で有効を奪った岩崎はそのまま寝技に持ち込み、顔面への突きを決めてさらに効果。後ろ廻し蹴り、後ろ蹴りと攻める岩崎はさらにヒザ蹴りの連打で効果。岩崎は強烈な右ストレートをヒット(効果)させると奈良は大きくグラつき、岩崎が顔面とボディへのヒザ蹴り連打で圧倒して効果を重ねる。
ここで主審判断により、奈良は試合続行不可能とされ岩崎の優勝となった。
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▼女子-220クラス決勝戦〇大倉 萌(吉祥寺支部/2017年全日本体力別女子-215クラス優勝)優勢勝ち 判定4-1×小野寺玲奈(帯広支部/2022年全日本ジュニア選手権U19クラス-215優勝)
ローの蹴り合いから小野寺が蹴り足をキャッチして寝技へ持ち込むが、大倉はすぐに立ち上がり、逆に道衣をつかんでヒザを入れながら崩して寝技へ。小野寺は下からの蹴り、そして道衣をつかんで防御。スタンドへ戻ると大きな動きはなく本戦時間切れで自動延長へ。
大倉が顔面前蹴りをヒットさせ、さらにボディへの前蹴り。小野寺はフックで前へ出る。大倉は右を当てるがすぐに小野寺も左フックを打ち返す。終盤に大倉が連打を決め、旗判定4-1で大倉が2017年以来2度目の優勝を決めた。
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▼女子+220クラス決勝戦〇内藤雅子(横浜北支部)優勢勝ち 判定5-0×今野杏夏(多賀城支部/2015・2018全日本体力別女子+220クラス優勝)
全日本優勝3回の実績を持つ今野と柔道出身で投げ技に長ける内藤が、3人による総当たり戦の最終試合で対戦。
今野がパンチを繰り出すと内藤がそれをかわして蹴りを出すという展開。本戦は両者とも手数が少なく終了。自動延長へ。両者ともローからパンチを狙う展開で、内藤の右ストレートからの返しの左フックが入り、今野のフックにはミドルを合わせる。判定5-0で内藤が優勢勝ち、初優勝を飾った。