素手や頭突きありの試合もやってきたマンフレディを迎え撃つK-1女王のKANA
2022年6月25日(土)国立代々木競技場第二体育館で開催されるK-1初の女子大会『K-1 WORLD GP 2022~RING OF VENUS~』の記者会見が、5月10日(火)都内にて行われ追加対戦カードが発表された。
K-1女子フライ級王者KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)は、スーリ・マンフレディ(フランス)の挑戦を受けての初防衛戦に臨むことが決定。この試合がメインイベントで行われることとなった。
KANAはK-1&Krush女子部のエースとして活躍。2016年4月に紅絹との王座決定戦を制し、第2代Krush女子フライ級王者となった。同王座は2017年1月にメロニー・ヘウヘスに奪われるも、同年12月に奪回。2019年12月に行われた初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝し、初代K-1女子フライ級王座も手にした。2020年11月にノンタイトル戦で壽美に判定で敗れ、しばらくリングから離れていたが今年2月に復帰、RANからダウンを奪って勝利した。戦績は18勝(7KO)3敗。
対するマンフレディはWLC(ワールド・ラウェイ・チャンピオンシップ)女子バンタム級王者、WBCムエタイ女子世界スーパー・フライ級3位で33勝(20KO)9敗1分と驚異の戦績。タイ在住のフランス人ファイターで、ムエタイの他にも地上最も過激な格闘技として知られるラウェイや素手ボクシングのBKFC(ベアナックル・ファイティングチャンピオンシップ)にも出場している。身長165cm(KANAは160cm)で試合時は34歳。オーソドックス。
中村拓己K-1プロデューサーは「KANA選手からタイトルマッチをやりたいとのリクエストを受けて承認し、挑戦者はたくさんの申し出があった中から一番危険な選手を決めました。マンフレディ選手はタイを中心に試合をしている選手で、私も記者時代からいろいろな女子選手を見てきましたが、ここまでエグい試合をする選手はいなかった」と、動画を検索して試合を見てもらえれば危ない選手だと分かる、と紹介。
マンフレディからは「K-1に初めて参戦が決まって信じられないくらい嬉しかった。私はアグレッシブなファイトスタイルでパンチに自信を持っている。KANAとの試合は激しい打ち合いになることは間違いない。私は同じフランス出身のジェロム・レ・バンナをリスペクトしている。ジェロムのようなファイティングスピリットを見せてK-1のベルトを巻きたい」とのメッセージが寄せられた。
会見に出席したKANAは「今回防衛戦の相手のマンフレディ選手ですが、33勝20KOといった自分よりKO率が高い選手と初めて拳を合わせるので正直めちゃくちゃ楽しみです。防衛戦でこのベルトを守らないといけない気持ちはありますが、今回はK-1女子大会自体に挑戦したいと思うので、マンフレディ選手と100%KO決着で勝ってこのベルトをまた巻きたいと思っています」と、危険な挑戦者を迎えてモチベーションは高く100%のKO決着を宣言。
すでに試合動画は数試合見たと言い、「めちゃくちゃパンチがあってかなり攻撃力のある印象。一発もらったら自分も倒されるスリルのある試合になると思う。自分はそれにビビらず絶対に倒しに行きたい。100%KOで終わらせます」と、マンフレディの攻撃力を認めながらもKOするという決心は揺るがない。
攻撃力以外のテクニックに関しても「ラウェイルールでもムエタイルールでもファイトスタイルを変えてくる。ラウェイはラウェイのルールのスタイルで戦うし、ムエタイではムエタイのスタイルで戦っているので、経験も豊富だしK-1のルールにしっかりアジャストしてくる選手かなと思うので噛み合うと凄く思います」と、K-1ルールにもしっかり順応してくるだろうと予測。
相手はラウェイや素手ボクシングに挑むほど気持ちが強い選手だが、「自分から進んでラウェイを選ぶ選手はなかなか少ないと思いますし、自分の印象ではいろいろな修羅場を潜って来ている選手だなと思うので、試合を見ていても血だらけになっても降参しない選手だと思っています。めちゃくちゃ激しい試合になると思いますね」と激闘を予感するという。
そういう選手に対して勝つには「向こうはダウンしても絶対に立ち上がってくると思うので、自分もダウンを取られても立ち上がってダウンの応酬くらいの試合になると思うので、失神KOさせます。もしかしたら自分がダウンしちゃう可能性があるくらい攻撃力がある選手なので、気持ちでは100%絶対に負けてはいけない。どんな状況になってもこのベルトを必ずKOで勝って巻きます」と、ダウンの応酬も辞さないとして最後は意識を断ち切ってKOすると宣言した。
今回の試合に備えてすでにアメリカ修行を敢行しており「女子の階級が上の選手とスパーリングをメインに重ねに行きました。かなりラウンド数もこなせて、いい感覚で今は日本で練習できているので次の試合が自分でも楽しみです」と、手応えを感じている。
大会のメインイベントに決まったことには「この女子のK-1の大会が決まった時に、絶対にメインを張りたいと思っていたので試合に対する責任と覚悟を持ってこの試合に臨みたいと思っています」との決意を語った。
また、今大会では女性限定のレディースシート(10,000円)と小学生・中学生・高校生シート(7,000円)が明日10:00よりK-1.SHOPで発売されることが追加決定し、「自分のファンの中にも女性の方がめちゃくちゃいますし、自分もシルバーウルフでレディースクラスを持っているので、女の方一人でも見に来れるような環境が整ったと思います。K-1の舞台を目指してアマチュア大会に出ている女子選手もたくさんいると思うので、レディースシートが設けられるのは嬉しいです。若い人も小さい子も大人の女性の方もみんなでこのK-1女子を見に来て欲しいなと思います」と、呼びかけた。
なお、当初KANAの試合は「日本vs世界・3対3」マッチとして行われる予定だったが、タイトルマッチになったことで「日本vs世界・3対3」からは外れる形となった。