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レポート

【HEAT】春日井“寒天”たけし、引退試合で笹晋久とドロー「僕が行けなかったUFCに、後輩たちが行けるようにサポートしていきたい」

2022/05/07 19:05
 2022年5月7日(土)、名古屋国際会議場イベントホールにて、HEATの50回記念大会『HEAT50』が開催された(TiGET配信)。  今回の「引退試合」をエキシビションではなく、通常の試合として最後のマットに上がることを決めた春日井“寒天”たけし。  春日井は、2009年2月のプロデビューから修斗、DEEP、HEAT、VTJ、RFCと様々な大会に参戦し、2011年10月にはデビュー5戦目の元谷友貴にも腕十字で一本勝ち。2016年のHEAT 37で手塚基伸に判定勝利し、HEATバンタム級王者に。その後は階級を下げHEATフライ級王者にも輝いた。  2017年の「HEAT 40」で強豪チョ・ナムジンにリアネイキドチョークで一本勝ち。HEATとPANCRASEを主戦場とし、清水俊一、福島秀和、赤尾セイジらに勝利している。  2021年6月のRIZIN.28東京ドーム大会のバンタム級トーナメント一回戦で扇久保博正と約7年ぶりに再戦。判定で敗れーナメント一回戦敗退となった。再起を賭けた、2021年10月の「RIZIN LANDMARK vol.1」で今成正和の腕十字で一本負け。引退を表明していた。  対する笹は、2017年の修斗バンタム級新人王。修斗で一條 貴洋を2R TKOに下すなど4連勝後、2018年に加藤ケンジに判定負け。2020年3月から主戦場をDEEPに移し、ハシャーン・フヒトに判定勝ち、8月に強豪・高野優樹も1R ギロチンチョーク得意のギロチンチョークで極め、2021年7月に赤尾セイジにも1R TKO勝ちで3連勝。しかし、2021年12月のDEEPで石司晃一の三角絞めに一本負けしており、今回が再起戦となる。 ▼第11試合 HEAT MMA 65kg 5分3R 春日井たけし引退試合△春日井”寒天”たけし(志村道場)65.0kg[判定0-1] ※28-29, 29-29×2△笹 晋久(パラエストラ柏)65.2kg  1R、サウスポー構えの笹。オーソドックス構えの春日井のセコンドには元谷友貴がつく。先に詰める春日井。右を振って先に組むのは春日井。左で差すと、右で小手に巻く笹はアゴ下に頭をつけて細かく右を振る。  ブレーク。左インローを当てる笹。春日井は詰めるが、そこに右で差して組む笹。四つから金網背にヒザを突く春日井。しかし笹のヒザがローブローで中断。再開。先に左ローを当てる春日井はスイッチを繰り返し、ロー。  左ジャブ、右ハイをブロック上に当ててダブルレッグも、がぶりから体を入れ替える笹に、金網背にする春日井はジャンピングでギロチンチョーク! 絞るとマウント取りにいくが首を外した笹。左ジャブをダブルで伸ばす春日井。笹も右から左フックを強振! かわす春日井に互いにインロー。  2R、オーソにスチッチしての右を突く笹。さらにサウスポー構えの前手の右フックは春日井がかわすと組みに。しかし体を入れ替える笹のヒザがローブローに。  詰める笹。先に左ジャブ。笹はワンツーの左から詰め。右で差して四つに。金網背にする春日井。ブレーク。詰める笹。ジャブを額で受けて左フックで飛び込む笹だが、かわす春日井。詰める笹に左ジャブ。春日井は右ミドルハイも。さらにワンツー。笹は左ストレートで詰めるが、すっと組む春日井。右で差す笹。腰を押す春日井。笹は小外を狙うが、崩されない春日井が突き放してゴング。  3R、先に詰める笹は右フックで前に。かわす春日井を右で差して組む笹。離れ際の両者のパンチはかわす。右から左で振る笹。かわす春日井は左を当てるが、続くダブルレッグは、がぶる笹がギロチン狙いも、ハーフガードになる春日井。フルガードにする春日井。下からニンジャチョークも狙う。  中腰になる笹。スタンド勝負。笹の左に右ヒザを当てる春日井! すぐに組んで金網へ。体を入れ替える笹は右で差すもブレーク。  左ローを当てる笹。さらに左ストレートに春日井も右のカウンター。左の攻撃をダブルで突き、右のダブルも突く春日井。左右にステップを踏む春日井を詰めようとする笹だが、最終ラウンドに足を使える春日井。四つに組んでヒザ、左右を振る笹だが、かわす春日井。  判定は1者29-28で前に出た笹を支持も、2者29-29ドローで1-0ドロー。  試合後、マイクを持った春日井は、「多くの方にご来場いただきありがとうございます。プロ初期の頃は10枚チケットを売るのも大変でしたが、今回、100名以上の人に起こしいただき、遠方からもご来場いただき、ありがとうございました。試合前に館長に『バチバチに殴り合ってKOします』と言ったんですけど、結果ドローでした。でも最後まで戦い抜くことができました。格闘技をやってきてよかった、感謝しています。  スポーツも得意じゃない自分が、JR東海7年務めて、扇久保(博正)選手に負けて(2014年「VTJ 4th」フライ級トーナメント1回戦)、『JR東海なんていい会社を辞めるなんて』と言われましたが、格闘技に打ち込んで良かったです。こうして、皆さんに集まっていただき、引退式を行っていただき、幸せ者だと思います」と挨拶。  最後に「今後は僕が行けなかったUFCに、後輩たちが行けるように、さまざまな技術などを伝えてサポートしていきたいと思います。館長、『UFCに連れて行く』と言ったのに連れて行けなくて。来世に連れていきます!」と志村民雄館長に語った。  33歳、MMA戦績38戦26勝9敗2分1NCで現役を引退した春日井“寒天”たけしは、マット上で10カウントゴングを聞いた。  解説で練習仲間の日沖発は、試合後「引退を決めた選手の動きじゃないですよ。3R、キツいですから」と春日井を称え、地元、岐阜県恵那郡山岡町を深く愛する春日井が、名産品の寒天を無償でPRしたきたことを明かしている。
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