MMA
レポート

【PANCRASE】鶴屋怜が鮮烈1R一本勝ち! 木下憂朔が村山暁洋を衝撃1R TKO! 第1部は上田将竜が有川直毅に競り勝つ

2022/04/29 14:04
PANCRASE 327  2022年4月29日(金・祝)立川ステージガーデン14時30分開始 TIGET PPV配信(第1部~第3部)、ABAME(第2部 16時30分予定)※選手名から各見所記事にリンク、詳報、写真は後ほど追加 ▼第2部 メイン 第5試合 ウェルター級 5分3R◯木下憂朔(パンクラス大阪稲垣組)1位 77.25kg[1R 1分48秒 TKO]※左跳びヒザ×村山暁洋(GUTSMAN)2位/第9代同級王者 77.15kg  アマチュア5戦無敗・プロ4勝1敗、若干21歳のWonder Boy木下憂朔が関東2戦目。木下は、2021年11月のRIZIN TRIGGERで住村竜市朗を打撃で上回りながらもケージ掴みのフットスタンプで反則負け。苦い授業料を払っている。木下にとって村山戦は、今回こそ格闘家として飛躍する為の貴重な授業となるか。難関を突破し、木下が合格するか、それとも格闘高偏差値の村山が壁となるか。  計量後に木下は「色んなカードが組まれていると思うんですけど、“僕の大会”なんで楽しみにしておいてください」と自信を見せる。  迎え撃つ村山はダブルスコアの42歳だが、元王者の老獪でタフで、試合の流れを瞬時に判断してポイントを抑える能力をもって年齢差を帳消しとするか。計量後に「今回、最高の状態に仕上がったので一本かKOで勝ちます」と充実の表情を見せた。 1R、先に詰める村山がシングルレッグから脇潜りボディロックテイクダウン。しかし腰をずらして亀から立ち上がる木下が左前蹴り、左ストレートで前に。村山が下がったところに左跳びヒザを決めてダウンを奪うとパウンド! すぐにレフェリーが間に入った。  ケージに駆け上がり「俺、強ぇぇ!」と咆哮した木下は試合後、「どうですか? 皆さん、俺が目指しているのはUFCなんで。8月か9月、タイトルマッチやりましょう! 鶴屋選手とかいますけど、僕が一番ヤバいんで。僕が日本のMMAを代表して世界の強豪と戦うんで、みなさんよろしくお願いします。次は9月、立川。2階、3階満員で入れてやりましょう」と、9月立川でのタイトルマッチ(現ウェルター級王者はOEN Championship参戦中の手塚裕之、暫定王者が菊入正行)を望んだ。 [nextpage] ▼第2部 コ・メイン 第4試合 フライ級 5分3R×秋葉太樹(フリー)3位 56.9kg[1R 3分42秒 リアネイキドチョーク]◯鶴屋 怜(パラエストラ松戸)56.65kg  第2部のコ・メインのフライ級戦(5分3R)で、アマチュアMMA6勝無敗、プロMMA4戦無敗の鶴屋怜(パラエストラ松戸)がPANCRASEデビュー戦で、同級3位の秋葉太樹(フリー)と対戦。  第3代修斗フェザー級王者・松根良太をはじめ、内藤のび太、扇久保博正、岡田遼、浅倉カンナら数々の名選手を育成した元修斗ウェルター級ランカーの鶴屋浩を父に持つ“サラブレッド”怜は、レスリングで小学4年、6年で全国優勝。高校ではインターハイ常連校の日本体育大学柏高等学校レスリング部に所属し、高校2年ジュニアオリンピック2位、世界大会出場。高3で2020年全国高校選抜大会フリースタイル60kg級で準優勝に輝いた逸材。  ボクシングでも中学で全国ベスト8、柔術でも小学4年時にアブダビワールドプロ柔術2013(ジュニア・-34.5kg オレンジ・黄色帯)で優勝、ドゥマウジャパンカップ優勝など、全国大会で6度の優勝を誇るなど、MMAに向けて、スキルを磨いてきた。  2021年2月にDEEPでプロデビューし、竜己を2R TKO、岡崎鷹士郎に不戦勝後、荒木凌にギロチンチョークで一本勝ち、2021年10月の前戦では久保健太に1R TKO勝ちと、全試合をフィニッシュしている。今回のPANCRASEデビュー戦ではストライカーの秋葉太樹を相手に初のランカーとの対戦に臨む。  米国大手スポーツエージェントの「イリディウム・スポーツ・エージェンシー(IRIDIUM SPORTS AGENCY)」と日本人MMA選手として、平良達郎(Theパラエストラ沖縄)に続き2人目の契約をかわしたばかり。  4月30日(日本時間5月1日)に練習仲間・平良の試合も控えるなか、6月9日(木)&10日(金)には、シンガポールで『ROAD TO UFC』の開催(フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級)も決定。鶴屋は「インパクトのある勝利を目指す」という。→(鶴屋怜 計量後インタビュー)  対するフライ級3位の秋葉は、2017年12月から原猛司、安永有希、荻窪祐輔に3連勝も、2018年10月の翔兵戦で判定負け。2019年3月に神酒龍一に判定勝利で復活も、9月の「Road to ONE:CENTURY」で清水清隆に1R KO負けを喫した。12月に南アフリカのルサンド・ビコにも判定負け。  しかし2020年11月にはDEEP常連の強豪・安谷屋智弘に判定勝利。前戦は2021年5月のフライ級暫定王者決定4人トーナメント準決勝で小川徹に判定3-0で敗れた。PANCRASEで12戦を経験し、6勝6敗と五分の戦績を持つ(MMA通算戦績は11勝10敗)。  1R、グローブタッチとともに組みに行った鶴屋。首投げを左を差して残す秋葉に、鶴屋は左右からヒジを打ち込みながらケージに詰めて、ダブルレッグテイクダウン。秋葉は下から腕十字! 一瞬ヒジ伸ばされかかった鶴屋だが、落ち着いて跨いで外した鶴屋は秋葉の立ち際にバックにつく。  しかし、前に落とした秋葉が上に。下の鶴屋はタックルで立ち上がろうとすると、秋葉はスクランブルする鶴屋のバックに。チョーク狙う秋葉を前に落とした鶴屋。秋葉は下から蹴り上げもすぐについていく鶴屋がバックへ。ボディロックから崩して手を着かせるとバックから両足フック。秋葉の右腕を巻き込みながら足をかけ、リアネイキドチョークでタップを奪った。  試合後、鶴屋は「1Rで勝ったんで、次はタイトルマッチをお願いします」と語った。現王者は猿飛流、1位は上田将竜、2位は小川徹だが果たしてどうなるか。鶴屋は今後、米国修行後、王座を目指す。 [nextpage] ▼第2部 第3試合 バンタム級 5分3R×井村 塁(Nexusense)2位/2020年NBT同級優勝・MVP 60.85kg[判定0-3]※27-30×3◯TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)7位 61.3kg 井村「地元の立川で試合ができるので、再起の一戦で自分らしくっかりとフィニッシュして勝ちます」 TSUNE「かつて一緒に練習していた後輩なんですけど、ここまで先に行かれちゃったんで、ブッ飛ばしたいと思います」  1R、サウスポーのTSUNEに井村は被右を突き左ストレートも、そこに左を合わせたTSUNEが、ダウン奪いパウンド。鼻血の井村は下から腰切り十字、三角狙いも正面に正対するTSUNE。  2R、シングルレッグから引き出しテイクダウンを狙う井村。しかし潰すTSUNEが井村にヒジ打ち連打から背中着かせ、糸通しもさせず、十字も作らせず。パウンド。  3R、先にダブルレッグに入り引き込んだ井村。乗せてスイープ狙いも首抱えて返されないTSUNEは正面から足もすくわせず、インサイドからパウンド。上体立てる井村はギロチンスイープ狙いも首抜くTSUNEが鉄槌でブザー。 判定3-0(30-27×3)のフルマークでTSUNEが勝利した。 [nextpage] ▼第2部 第2試合 フェザー級王座挑戦者決定 4人トーナメント決勝戦 5分3R×岩本達彦(BLOWS)65.9kg[1R 4分30秒 TKO]◯透暉鷹(ISHITSUNA MMA)66.15kg※亀井晨佑(パラエストラ八王子)が負傷欠場 岩本達彦「フェザー級トーナメントの決勝ということで、相手はリザーバーの選手になっちゃったんですけど、本戦出場者がリザーバーに負けるわけにはいかないんで、フィニッシュしてタイトルマッチに向けて優勝したいと思います」 透暉鷹「やってきたことを出せます。チームと自分を信じて戦います」 1R、長い前蹴りで牽制し、左ジャブを当てる岩本に詰める透暉鷹は右手で差して岩本の左腕の上からボディロックテイクダウン。  サイド奪い腰を抱きながら右の強いパウンド!岩本の動きが止まりレフェリーが間に入った。リザーバーからの勝者にマイクは渡されずも、日沖発とガッチリハグをかわした。 [nextpage] ▼第2部 第1試合 ウェルター級 5分3R ※16時30分開始、ウェルター級に変更◯近藤有己(パンクラスイズム横浜)第5代&8代K.O.P. 72.4kg[判定3-0]※29-28×3×鈴木一史(リバーサルジム新宿Me,We)WARDOGライト級第3代王者 72.35kg 近藤有己「まず階級が変わってしまって、すみませんでした。全力を出します」 鈴木一史「格闘技を始める前からテレビでずっと見ていた選手と戦える機会が来るとは考えていなかったので、このチャンスにしっかりと勝ちたいと思います」 1R、左の蹴りは近藤。詰める鈴木はシングルレッグからハイクロッチで持ち上げテイクダウン。しかし立ち上がる近藤が左ハイ、左ストレートでダウン奪う。立ち上がる鈴木。 2R、左の蹴りの近藤に、シングルレッグテイクダウンは鈴木。背中は譲らない近藤に鈴木はマウントまで奪うが金網蹴り立ち上がる近藤。なおも詰める鈴木がテイクダウン。ハーフからパウンド。鈴木のラウンドに。 3R、左ミドル、ローの近藤にシングルレッグから右で差して押し込む鈴木だが後方へ回しての投げを潰して上を取る近藤がハーフからパウンド。判定3-0(29-28×3)で近藤が熱戦を制した。 [nextpage] 第一部メインは上田将竜vs.有川直毅、コ・メインは松岡嵩志vs.冨樫健一郎 ▼第1部 メイン 第6試合 フライ級 5分3R◯上田将竜(G-face TEAM緒方道場)2位 57.05kg[判定2-1]※29-28×2, 28-29×有川直毅(K-PLACE)4位 57.1kg  2021年10月の小川徹とのタイトル戦で判定負け。本人にとって不甲斐ない試合内容で落としたことで引退も考えたという上田。  対する有川は、2021年6月にPANCRASEで山中憲次に判定勝ち、2022年1月には「GLADIATOR 016 in OSAKA」に参戦し、藤田健吾に判定勝ちするなど自信を深めた。鶴屋怜の参戦で活気づくフライ級で、王座挑戦にリーチを掛けるのは復活の将・上田か? 毅然とした態度で臨む有川か? 上田将竜「先手、先手でPOISONでかまします」 有川直毅「勝って世代交代。成り上がって出たいところがあるので、しっかり成り上ります」 1R、互いに右ロー蹴りあい、有川は出入りの打撃。上田は組んで四つからスタンドバック。3者有川。 2R.、上田の左の蹴りの離れ際に左右をまとめる有川。上田はジャブ、右ストレート、右ハイを当てる。3者10-9で上田。イーブンに。 3R、右の水面蹴りで上田をこかす有川。さらに右ローを効かせる。有川の右ハイを掻い潜りシングルレッグは上田。突き放す有川だが、上田もジャブ、有川のローに右ストレートをヒット!  判定は2-1は29-28×2, 28-28で上田が接戦を制し、パンクラス 福岡大会開催を呼びかけた。 [nextpage] ▼第1部 コ・メイン 第5試合 ライト級 5分3R◯松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)8位 70.3kg[2R 1分35秒 TKO]×冨樫健一郎(パラエストラ広島) 691.kg 2022年4月29日の昭和の日に、“ザ・E昭和ファイター”が集結! 41歳の冨樫健一郎が16カ月ぶりにカムバック。PANCRASEで1年以上で試合をしていないため、規定によりランキングから外れているが、以前は1位だった誰もが認める実力者、そして曲者だ。3連勝後に前回、手痛いKO負けの松岡は、ここから再浮上するしか無いがそれにしてはシンドい相手。 松岡嵩志「勝って這い上がりたいと思います」 冨樫健一郎「経験の差を見せようと思います。頑張って勝ちます」 1R、右ストレートでダウン奪う松岡。ハーフガードで凌ぐ冨樫だがパウンドを多数被弾する。2R、先に左ストレート、右ジャブを当てる冨樫だか、組んで詰めてヒジ、クリンチボクシングの松岡に冨樫は右目を大きく腫らす。ドクターチェックも再開。松岡のワンツーに冨樫がダウン!松岡がパウンド連打にレフェリーが今度は間に入った。 [nextpage] ▼第1部 第4試合 ライト級 5分3R×平 信一(綱島柔術/ZST)9位/ZST第2代ライト級王者 70.35kg[2R 2分40秒 リアネイキドチョーク]◯粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)70.3kg 平信一「明日は投げる」 粕谷優介「道場生がいっぱい見に来るので、いいところ見せたいと思います」 1R、右で差して内股テイクダウン、バック奪う粕谷に、背後にパンチは平。腕十字に切り替えた粕谷を潰し、ヒザ十字にもパウンド。2R、詰めてダブルレッグテイクダウンは粕谷。立ち際にバック奪うとすかさず4の字ロック。最後はパームトゥパームでチョークを極めた。 [nextpage] ▼第1部 第3試合 フェザー級 5分3R◯田村一聖(IJC)6位/第6代フェザー級K.O.P. 65.5kg[判定3-0]※29-28×3×三宅輝砂(ZOOMER)9位/65.85kg 田村一聖「やってきたこと全部出して、圧倒して勝ちたいと思います。よろしくお願いします」 三宅輝砂「圧倒するのは僕です。お願いします」 1R、いきなり走りこんで跳びヒザの三宅を押さえ込み、削る田村のラウンドに。2R、長い打撃の三宅に詰める田村がシングルレッグテイクダウン!細かいパウンドでここも10-9で田村のラウンド。 3R、先にダブルレッグに入る田村を切る三宅だが詰める田村はシングルレッグから渾身のテイクダウン。しかし立ち上がる三宅はバックテイクから4の字ロック、リアネイキドチョーク狙い。田村が防ぎブザー。判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第1部 第2試合 バンタム級 5分3R◯平田丈二(総合格闘技闇愚羅)ZST第3代バンタム級王者 61.1kg[1R 4分57秒 TKO]×ジェイク・ムラタ(パラエストラTB/Fighting Nexus)61.3kg  大阪・闇愚羅の平田は、2021年5月に福島啓太に1R TKO勝ち後、9月にTSUNEに判定負け。ジェイクは、2020年10月に神田T800周一に判定勝ちも、2020年12月のighting NEXUSで森山壱政のリアネイキドチョークに一本負け。2021年10月に井村塁にも三角絞めで敗れており、連敗を脱出できるか。ともにバンタム級ランキングが手薄な今こそランク入りして王者挑戦に近づくチャンスだ。 平田丈二「戦いを楽しみたいと思います」 ジェイク・ムラタ「戦いを目いっぱい苦しもうと思います」 1R、オーソから先に左で尻餅着かせたムラタだが、組みは切られ、サウスポーの平田がボディストレート、顔面と打ち分け、ダウン奪いパウンド。 [nextpage] ▼第1部 第1試合 フェザー級 5分3R ※14時30分開始◯工藤修久(禅道会 小金井道場)64.85kg[判定3-0]×平田純一(デラヒーバジャパン宇都宮)※所属変更 65.8kg 工藤修久「道場のみんな、生徒がたくさん見に来るので、精一杯頑張っていい試合をしたいと思います」 平田純一「とうとう今年、49歳になっちゃいましたけど、何とか出し切っていいところ見せたいと思います」 [nextpage] 【ポストリミナリー】※18時開始 メイン枠後に行われる試合 ▼第3部 第3試合 2022年 ネオ ブラッド トーナメント1回戦 ストロー級 5分3R〇江崎 壽(ALMA FIGHT GYM BASE)1勝[判定3-0] ※29-28×3×大和田光太郎(パラエストラ八王子)1敗   ・江崎 壽 1988年2月3日生 164cm 北海道出身 ※2021年11月BOUT43にて一本勝ち・大和田光太郎 2001年6月3日生 165cm 東京都出身 ※2021年12月MWJ杯フライ級準優勝 ▼第3部 第2試合 ミドル級 5分3R〇押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU)2勝2敗[1R 3分10秒 KO]×佐藤龍汰朗(エクストリーム柔術アカデミー)2勝 ▼第3部 第1試合 フェザー級 5分3R ※18時開始×渡辺謙明(パラエストラ東京)7勝11敗[判定0-3] ※27-30×3〇高木 凌(パラエストラ八王子)3勝  2013年の第2回全日本Aクラスルールトーナメント・フェザー級優勝の渡辺謙明。前戦は2021年9月。1年9カ月ぶりに復帰し、中野剛貴に判定勝ち。  高木凌は、2020年アマチュアパンクラス西関東選手権ライト級優勝。2021年9月に「格闘DREAMERS」の漆間將生に1R KO勝ち。12月にも斎藤拓矢に1R KO勝ちしているハードパンチャーだ。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント