キックボクシング
レポート

【NKB】海老原竜二が喧嘩強さを発揮、2度のダウンを奪われながらも逆転TKO勝ち。津崎善郎は田村聖に番狂わせ勝利

2022/04/23 22:04
NKB日本キックボクシング連盟「喝釆シリーズvol.2」2022年4月23日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第13試合)53.55kg契約 3分5R○海老原竜二(神武館/NKBバンタム級王者)TKO 5R 2分07秒 ※ヒザ蹴り→レフェリーストップ×谷津晴之(新興ムエタイジム/NJKFフライ級1位)  トーナメントを制して第9代NKBバンタム級王座に就いた海老原が、王者としての初戦を迎えた。戦績は13勝(6KO)9敗。対戦相手は今春高校を卒業したばかりだというNJKFのフライ級1位・谷津。NJKFフライ級タイトルマッチも経験し、それが唯一の黒星となった。戦績は5勝(1KO)1敗2分。  1R、サウスポーの海老原はじりじりと前へ出る。谷津は右の高めの蹴りを多用。谷津が前へ出て海老原が下がったところへ谷津が右ハイキックを炸裂させてダウンを奪う。狂喜する谷津だが海老原は立ち上がった。その後も右の高い蹴りを放つ谷津はワンツーの連打も。左で下がらせて一気にラッシュを仕掛けると左フックで2度目のダウンを奪った。  2R、谷津の右ストレート&右ハイに海老原は左インローと左フックで応戦。強い左インローを連打していく海老原は飛び込んでの左ストレートもヒットさせる。プレッシャーを強める海老原は組まれるとヒザをボディへ突き刺す。  3R、距離を詰めていく海老原に谷津はステップで回り込んでいく。パンチでプレッシャーをかけながら左右ロー、組むとヒザ蹴り、さらにヒジを放つ海老原。圧力に徐々に追い詰められていく谷津。谷津の右ハイに右フックを返す海老原、谷津はその右を空振りさせて逆に右を打つ。しかし、海老原の圧力と攻撃力に下がらされて印象が悪い。  4R、海老原は左ローと左三日月蹴り、さらに左右フック、左右ヒジ、左ハイと谷津をコーナーへ詰めてめった打ちに。谷津は耐えるが、ボディへのヒザ蹴りをもらうと体を丸めてしまいダウンを奪い返される。笑みを浮かべてカモンゼスチャーする海老原は再び谷津をコーナーへ詰めると右ヒジとヒザの連打でダウンを追加。谷津は左ミドルで対抗するが、海老原の左三日月と叩きつけるようなローでバランスを崩す。  5Rが始まって卓、首相撲からのヒザ蹴りでさらにダウンを使いする海老原。左ハイで吹っ飛ばされた谷津は右ヒジと右ストレートで応戦。海老原はまたも笑みを浮かべ、強烈な左縦ヒジを叩きつける。谷津は右の三日月も海老原の左三日月を刺されてコーナーまで後退。海老原が首相撲からのヒザ蹴りを連打し、谷津が身体を丸めたところでレフェリーがストップ。  攻撃力の高さと喧嘩強さを存分に見せつけた海老原は、「ハイキックは見えなかったですね。(逆転できたのは)応援してくれた声援で、あとは気持ちですね。気持ちじゃ負けないです。SNSのフォローお待ちしております。このベルトの価値を上げられるように頑張っていきたい」と語った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第12試合)ミドル級 3分3R×田村 聖(拳心館/NKBミドル級1位)判定0-2 ※29-29、29-30×2○津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム/WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級4位)  田村は「PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント」を全試合KOで完全制覇を成し遂げ、ヘビー級の試合でも勝利している。2021年の「初代KNOCK OUT-BLACK スーパーミドル級王座決定トーナメント」では1回戦で吉野友規にプロ初黒星を付けたが、決勝で松倉信太郎に敗れた。戦績は13勝(10KO)8敗1分。  津崎は現ラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者・石毛慎也を師に持ち、2020年9月の新日本キックで同団体のウェルター級王者リカルド・ブラボと引き分けている。REBELS-REDスーパーウェルター級王者の吉田英司とは過去3度に渡って激闘を繰り広げた。2020年12月のREBELSでは渡慶次幸平に判定勝ちするなど安定した強さを発揮。戦績は9勝(3KO)9敗2分。  1R、津崎は右カーフを蹴り、飛び込んでの左ストレート。津崎は右ストレートを2度ヒットさせるが、田村は右フックを打ち返す。足を止めず出入りを繰り返す津崎に田村は戦いにくそうだ。  2R、右カーフを蹴る田村に津崎はワンツー、田村がパンチを打とうとすると右ヒジ。田村の出鼻を挫く右前蹴りで田村を転倒させる。左から右フックにつなげて持ち前の強打を爆発させたい田村だが、津崎のディフェンスに防がれ、さらに津崎のコツコツと当てていく攻撃で削られていく。  3R、左フックからの右ローで勝負をかける田村。津崎は田村が蹴りを出してくると右ストレート。互いに右フックを当て合う。津崎はワンツー、時折縦ヒジも混ぜる。前へ出て津崎が左縦ヒジを打つと、田村は左の頭部から出血。ドクターチェックを受ける。再開後も多彩な技で手数を出していく津崎。田村は倒そうと血を流しながら襲い掛かるが、最後まで強打を爆発させることはできず、津崎が技のバリエーションと手数で田村の強打を封じる形で判定勝ちした。 [nextpage] ▼第11試合 ウェルター級 3分3R×野津良太(E.S.G/NJKFウェルター級1位)判定0-3 ※29-30×2、28-30○CAZ JANJIRA(ジャンジラジム/J-NETWORKウェルター級2位)  野津はジャブ&ローキックで前へ出る好戦的なファイター。戦績は11勝7敗1分。対するCAZはサウスポーで距離をとりながら左のパンチで攻め込む。戦績は17勝(4KO)16敗5分。  1R、ローの蹴り合いの中、左フックを飛ばしてくる野津。CAZは左ストレートから左のテンカオ。  2R、左ストレートを放っていくCAZに、野津も右ストレートで前へ出るがCAZは左ミドルを蹴る。組みの展開が多くなるが、ヒジを入れて崩すのは野津。離れるとCAZがジャブを出して左ストレート、左ミドル。野津は飛びヒザ蹴りで飛び込むと顔面に突き刺すようなヒジを連発。離れるとCAZも左ストレートで反撃する。  3R、飛び込んでくる野津を左ストレートで迎え撃つCAZ。ローを蹴り合うが組んでブレイクの展開が多い。CAZは左右フックで前へ出て、野津は右フックを打つがやはり組んでしまう。判定3-0でCAZが勝利を収めた。 ▼第10試合 58kg契約 3分3R―勇志(テツジム/NKBフェザー級3位)―川口惣次郎(ツクモジム)※川口が体調不良のため欠場。 [nextpage] ▼第9試合 バンタム級 3分3R×佐藤勇士(拳心館/NKBバンタム級4位)判定0-3 ※26-30、24-30×2○森井 翼(テツジム)  1R、森井は思い切りのいい攻撃を繰り出し、佐藤は右ローを蹴る。左フックを放ち、右ヒジ、右フックにつなげる森井。コーナーへ詰めてパンチの連打からボディへヒザを突き刺し、スタンディングダウンを奪う。  2Rも左フックを狙っていく森井。佐藤が組んでくるとヒザ、そして右ヒジ。佐藤は右ローを蹴ってパンチにつなごうとするが、森井の連打を浴びてこの試合2度目のダウン。左右フック、左ミドルで畳み込む森井に佐藤もパンチで応戦する。  3Rが始まってすぐ、森井の右フックからの右ヒジで佐藤はまたもダウン。左右フックの連打で抵抗すると森井は胴廻し回転蹴り。ガムシャラに打ち合いに持ち込む佐藤に森井も応え、打ち合いとなるが長くは続かない。森井が左フック、左ミドル、右フックをしっかり当てて、最後は佐藤のハイキックを空振りさせて試合終了。森井が大差の判定勝ちを飾った。 [nextpage] ▼第8試合 59kg契約 3分3R×鎌田政興(ケーアクティブ/NKBフェザー級5位)判定0-2 ※28-28、29-28×2○KEIGO(BIG MOOSE)  1R、鎌田は構えをスイッチしながら前へ入っていき、右ミドルを蹴るがロングフックは空を切る。KEIGOも時折サウスポーになっての左ストレートを放つが、両者とも距離が合わず空振りが続く。  2R、前へ詰めていくのは鎌田で右ロー、左三日月を蹴る。KEIGOも右ローを蹴り、右ストレート。組み付くと鎌田が右ヒジ、さらに左三日月を刺して左ボディも。攻勢に立っていた鎌田だが、KEIGOが意表を突いた右ハイでダウンを奪う。  3R、逆転を狙って前に出る鎌田にKEIGOは左フック、右ストレートで迎え撃つ。右ローを蹴るKEIGOに鎌田は右を思い切り放つがヒットしてもKEIGOに組み付かれてしまい後が続かない。KEIGOがダウンのポイントを守って判定2-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼第7試合 58.50kg契約 3分3R○半澤信也(Team arco iris)判定3-0 ※30-29×2、29-28×中田ユウジ(STRUGGLE)  1R、サウスポーの半田はじりじりと距離を詰めていき、中田は右ストレートと右ミドルでそれを迎え撃つ。半澤は右フックで入り込むと左ストレートにつなぐ。中田は右ハイを蹴ったがやや低い。右ミドルを蹴る中田、それをキャッチしようとする半澤。  2R、左ストレートで強引に入り込んでパンチを打つ半澤に中田は右ストレートで突っ込み、半澤が前へ出てくると右ハイ。終盤右ストレートで打ち合いに行く中田に半澤が左ストレートを逆にヒットさせる。  3R、組み付く中田の顔を押してヒジを狙う半澤。中田は右ストレート&左フックで前へ出て右ハイを蹴る。しかし、半澤がワンツーで入ってくると抱き着いてしまう。パンチで前に出る半澤に飛び蹴りを放つ中田だがヒットはせず。それではと最後に右ヒジを連打したが、半澤は左ストレート&右フックで前へ出て判定勝ちした。 ▼第6試合 51.20kg契約 3分3R―ハリィ永田(Astra workout/元WPM日本スーパーフライ級1位)―加藤洋介(チームドラゴン/元TRIBERATEスーパーフライ級王者)※加藤が体調不良のため欠場。  永田は秦文也(テツジム)との3分2Rエキシビションマッチを行い、遠慮なく攻める秦がパンチを入れ、後ろ蹴りや2回転蹴りまで繰り出す。永田は首相撲からのヒザ蹴りを多用するというガチぶりで、エキシビションを終えた。 [nextpage] ▼第5試合 63.0kg契約 3分3R○洋介(渡邉ジム)判定3-0 ※30-28×2、30-27×マサ・オオヤ(八王子FSG)  41歳の洋介と47歳のマサの熟年対決。洋介はこれが引退試合。1R、サウスポーの洋介がパワフルな右ロー&左ミドルで積極的に攻め、マサは左右フックを繰り出すが洋介の左ローに後退。さらに左ストレートをもらう。マサも右を打ち返す。  2R、洋介の左ストレート、右ローにバランスを崩すマサだが、ガムシャラにワンツーを繰り出して前へ出る。右ローで何度もバランスを崩すマサだが下がらずパンチで前へ。洋介の右フックを2発連続でもらっても下がらない。  3Rも「オシ、オシ」と声を出しながらパンチを繰り出して前へ行くマサ。洋介は右ストレート、左フックから右ロー。洋介の左ストレートをまともにもらうも下がらないマサ。声を上げながらパンチを繰り出し、右ローをもらってバランスを崩しても左ストレートで仰け反っても前へ出てひたすらパンチを打つ。  洋介が判定3-0で勝利し、引退試合を勝利で飾った。洋介は「中途半端なキックボクシング人生だったけれど、こうして戦えたことはいい経験になりました。ありがとうございました」とマイクで語った。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 3分3R○山本太一(ケーアクティブ)TKO 2R 0分01秒 ※ドクターストップ×杉山茅尋(HEAT)  1R、サウスポーの山本に左フックを狙い撃ちしていく杉山。山本は左ミドルと左ロー。  2R、山本が終盤に放ったヒジで杉山は流血したか、開始と同時にドクターチェックとなり、ストップがかかった。 [nextpage] ▼第3試合 女子53.0kg契約 2分3R×KARIN(HEAT)判定0-3 ※28-30×2、27-30○Mickey(PIRIKA TP GYM)  両者デビュー戦。前蹴りとミドルを駆使するKARINに、Mickeyは前へ出て積極的に攻撃を仕掛けていく。  2Rも右ロー、右ミドル、右ストレートで前へ出るMickeyにKARINは胴タックルを繰り返す。左で蹴るKARINだがMickeyの前へ出る勢いを止めることが出来ず、組み付きが多い。  3R、左前蹴りで突き放そうとするKARINにワンツーの連打を繰り出すMickey。KARINは左前蹴りと右ミドルを蹴るがMickeyがパンチで前へ出てくると組み付いてしまう。左のオーバーハンドで打ち合うKARINにMickeyが右ストレートを決め、判定3-0で白星デビューを飾った。 [nextpage] ▼第2試合 65.50kg契約 3分3R×ゆうき(BIG MOOSE)TKO 1R 2分17秒○ちさとkiss Me!(安曇野キックの会)  サウスポーのゆうきは力強い左ミドルと左ローを蹴り、前に出てくるちさとへ左ストレート。ちさとも蹴るが軽い。しかし、ゆうきが左ミドルを蹴って快音を発すると、自分の左足を痛めて片足立ちとなり、ちさとが首相撲のような形でコカすと立ち上がれず、ちさとのTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第1試合 ライト級 3分3R○木村郁翔(BIG MOOSE)判定2-0 ※29-28、28-28、30-28×佐々木健(ナインパックジム)  1R開始直後から激しいローの蹴り合いを見せた両者は、2Rもミドルを交えて激しく蹴り合う。2R残り20秒、佐々木がローのモーションに入ったところへ木村が右ストレートによるダウンを奪った。3Rは佐々木がワンツーからのテンカオ、首ヒザで木村を消耗させる。さらに右ヒジ。木村は口を大きく開けながらも右ストレートで応戦し、ダウンのポイントを守って判定2-0で勝利した。
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