キックボクシング
レポート

【ONE】17歳サンデルが史上最年少ONE王者に! アーセルが逆転の4度目防衛、ハリソンがムアンタイと壮絶5度ダウンの奪い合いの末、大逆転勝ち

2022/04/23 09:04
 2022年4月22日(金)、シンガポール・インドアスタジアムにて、ONE Championship「ONE: Eersel vs. Sadikovic」が開催された。  メインとコメインにキックボクシングとムエタイの世界王座戦が2試合組まれた今大会。メインでは、ONEライト級(※77.1kg)キックボクシング世界タイトルマッチ(3分5R)として、18連勝中の王者レギン・アーセル(オランダ)が、挑戦者アドリアン・サディコビッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)を迎え撃った。  ライト級キックボクシング世界王座4度目の防衛戦に臨むアーセル(オランダ)は2016年5月のジョー・ナタワット戦から18連勝中。ONEでは3度の王座防衛に成功している。2021年12月の前戦ではイスラム・ムルタザエフ(ロシア)にスプリット判定で勝利している。  対するサディコビッチは、GLORYで1勝1敗。2021年12月にONEデビューし、いきなり前タイトル挑戦者のムスタファ・ハイダを判定で破り、王座挑戦権を手にした。 ▼ONEライト級(※77.1kg)キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5R〇レギン・アーセル(オランダ)[判定3-0]×アドリアン・サディコビッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)※アーセルが4度目の防衛に成功  1R、ともにオーソドックス構え。長身のアーセルは長いローから。サディコビッチはワンツーの出入り。アーセルは遠間から右ロー、右ストレートでガード固めさせて左右ローを突かせる。  右ローを連打するアーセッル。左インローも前足に当てると、互いにボディ打ち。アーセルは対角線攻撃から右テンカオを効かせるとガードを固めるサディコビッチにヒザ、ローを当てる。  2R、右ローをダブルで蹴るアーセルは右ボディも。中に入るサディコビッチはジャブから右を強振も空振り。中間距離から左テンカオを突き、ワンツーも突くアーセル。  サディコビッチは左右を当てて詰めると、金網際で右から左ヒザ! 後方にダウンしたアーセル。右カウンターを狙うアーセルにサディコビッチは左フックを振る。  3R、ワンツーを突くアーセル。右ローをもらいながらも前に出るサディコビッチも右インロー。アーセルも左インロー、ヒザ。互いにペースの握り合い。  左ジャブをダブルで突くサディコビッチ、アーセルはその打ち終わりに自身のターンで打ち返し。互いに激しい左フックの打ち合いでゴング。  4R、互いにローの蹴り合いから蹴りで押し込んでのはアーセル! 左ボディ、ヒザでサディコビッチが下がる。さらに右ローを効かせるが、そこで下がらず押し返すのはサディコビッチ。右アッパー。しかし単発に。サディコビッチに疲労が見える。  5R、前に出るサディコビッチ。ガード固め右ショートアッパー、左ローを突くサディコビッチ。しかしアーセルも右ローを効かせて反撃。ヒザを突き、体を入れ替え、右ストレート!  笑顔で詰め返し、互いのターンで打撃をまとめるなか、近距離での左右フックはサディコビッチ。アーセルはアッパー・ヒザの上下攻撃。  ゴングにアーセルがガッツポーズを見せた。判定は3-0でアーセルが勝利し、19連勝。4度目の王座防衛に成功したアーセルは5万ドルボーナスを獲得した。 [nextpage] 17歳のスミラ・サンデルが嬉しい戴冠&5万ドルボーナス  女子ストロー級ムエタイでは、ONE2戦目のサンデルがいきなり王座決定戦に出場。ONE3連勝中のブンタンと王座を争う。サンデルは2月の前戦で豪州のディアンドラ・マーティンを相手に、173cmの長身を活かし、首相撲ヒジ&ヒザを効かせ、最後は鋭い左ボディで3R KO勝ち。  対するブンタンは、アトム級キックボクシング世界王者のジャネット・トッドの練習パートナーで、2021年2月にはスタンプ・フェアテックスと同門のワンダーガールと対戦し、左フックでダウンを奪って勝利。4月のシンガポール大会でもエカテリーナ・バンダリーヴァに判定勝ちして3連勝中だ。 ▼ONE女子ストロー級(※56.7kg)ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R〇スミラ・サンデル(スウェーデン)[判定3-0]×ジャッキー・ブンタン(米国)※サンデルが新王者に  1R、ともにオーソドックス構え。左ミドルの長身サンデルは左ジャブ。蹴り足を掴まれても崩れるのはブンタン。中に入り右ローから左右を突くブンタン! 蹴り足を掴んで軸足を払ってこかす。左ジャブから入るサンデル。しかし右ハイはブンタンがかわす。  2R、左ジャブ、長い前蹴りのサンデル。首相撲はブンタンも凌ぐ。左インローを突くサンデル。右ミドルはブンタンがカットし、左! しかしサンデルの左ジャブにアゴが上がる。金網に詰めて右ストレートはサンデル。  3R、詰めるサンデルは首相撲からヒジ! 左足でフレームを作るが、ヒジが届く。ブンタンの右の蹴りを掴んで組んで左縦ヒジを叩きこむサンデル。  ブンタンはヒザを腹に当てて、頭を遠ざける。ワンツー、左ミドルのブンタン。しかしサンデルは右で首後ろを掴み、左を連打するサンデル!  4R、バックブローを当てるブンタン。しかし詰めるサンデル。互いにヒジの打ち合い。ブンタンも上下に打ち分けるが、その蹴りを潰して前進するサンデルの圧力に下がるブンタン。サンデルは左ジャブ! 金網に詰まるブンタンに左の攻撃を打ち込む。  5R、なおも詰めが止まらないサンデル。右の打ち下ろし、さらに組んでのヒザとペースを落とさない。顔面を大きく腫らせたブンタン。サンデルは組めば強いヒジも打ち込む。右ロー、ヒジと上下にも打ち分けるサンデル。左前蹴り、左右にブンタンは両目を大きく腫らせてゴング。  判定は3-0で、ONE史上最年少の17歳でサンデルが笑顔の戴冠!「夢がかなった」と歓喜の新王者は、さらに5万ドルのボーナス獲得も告げられ、まだあどけなさが残る表情で、声をうわずらせた。 [nextpage] ヒットマン・ハリソンがムアンタイと139秒で壮絶5度のダウンの奪い合いの末、TKO勝ち  オープンフィンガーグローブマッチのONEムエタイ。“エルボーゾンビ”ムアンタイは2年のブランク明け。2020年1月にONEでブライス・デルヴァルに判定勝ち後、タイでフェラーリ・フェアテックスに判定負け以来の試合。  対する“ヒットマン”ハリソンは、2021年10月の「Road to ONE: ムエタイGP」でブライアン・マティアスに判定勝ち以来の試合で、YOKKAO 41&48含め、4連勝中。 ▼ONEムエタイ バンタム級(※65.8kg)5分3R〇リアム・ハリソン(英国)[1R 2分19秒 TKO]×ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)  1R、オーソドックス構えのハリソンに、サウスポー構えのムアンタイ。右ジャブ、前蹴りを突くムアンタイ。さらに左ミドルで前へ。右の蹴りのダブルで下がるハリソン。左ハイでダウンを奪うムアンタイ!  さらに立ち上がったハリソンにワンツーで2度目のダウンを奪う。ここでも立ち上がったハリソンに左ハイで入るムアンタイ。しかし、ハリソンはその打ち終わりに左右で反撃。  左ヒジで詰めるムアンタイに右ヒジを返すハリソン。ムアンタイの左の打ち終わりにカウンターの右をヒット! 崩れるムアンタイにさらに左を打ち込みダウンを奪い返す!  立ち上がるムアンタイに右を当てるハリソン。ムアンタイは右ハイも空振り。さらに左フック、右フック、左の帰りにムアンタイは再びダウン! 立ち上がったムアンタイにハリソンが左右ラッシュを決めて、大逆転勝ちを決めた! ハリソンは5万ドルボーナスを獲得。
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