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【K-1】衝撃の“50秒KO”を生んだ必殺左フックは、元OPBF王者が大和哲也に擦り込んだものだった。今明かされる秘話

2022/04/19 18:04
 K-1の公式YouTubeチャンネルにて『必然の左~K-1王者大和哲也 誕生秘話~』と題された動画が公開され、2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~K’FESTA.5~』の第19試合K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者・山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)を1Rわずか50秒、左フックでKOして王座を奪取した大和哲也(大和ジム)の“秘話”が明かされた。  大和は2010年にK-1 WORLD MAXの-63kgトーナメントを全試合左フックによるKOで制し、国内の頂点に立った。次は世界トーナメントというところでK-1が消滅し、ムエタイの世界に戻ったが2017年4月より新生K-1に参戦。しかし、2018年3月に野杁正明が保持するK-1スーパー・ライト級王座に挑戦するもKO負け、同年11月の第3代王座決定トーナメントでも1回戦でゲーオ・ウィラサクレックにKO負けを喫して王座には手が届かなかった。 「自分の中で今までは勝って当たり前、ベルトは巻いて当たり前でやってきたんですよ。こんなに手が届かなかったベルトは今のK-1のだけなんですよ。2回ベルトに挑戦して獲れなかった経験がなかったので“自分、もうダメなのかな”って思ったりして。だんだんその辺で負けた時に“次だ”って思えない自分がいたりして」と諦めかけた時期もあったが、大きな転機が訪れた。  それは大和ジムの守永会長の勇退。「19年間お世話になってきた守永会長が勇退してしまう、じゃあ自分はどうしたいいんだろう。これは状況を変えないと無理だ。今の状況では絶対に勝てない。会長は勇退したけれどまだ僕は夢を諦めていないので。じゃあどうしたら自分がK-1王者になれるか、新たな師匠を探さないとダメだと。そこで、今のK-1は本当にパンチが主体だし、ボクシングを習いに行こう」と考え、なぜか「プロのジムよりもフィットネスのジムの方がいいんじゃないかなと何となく思い」と、フィットネスボクシングクラブ『MARGARITA』へ。  ここで元プロボクシングOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者・菅原雅兼氏と出会い、大和はボクシングを教わることになる。  今回の山崎戦について、菅原氏は「相性的に最悪だったんですよ。真っすぐに下がる、ガードに頼る、相手のパンチは外すんじゃなくて受ける。何より直線的な動きで距離も向こうはあるし、身体能力も高い。これはもうこのままだったら間違いなく負けるから」と、山崎は大和にとって相性の悪い相手だと分析したという。  そこで考えたのが「山崎選手のいろいろな攻撃を俊敏にかわす。動体視力も速くする、身体も柔らかくする。そしてあの大きな右のロングに対してバランスを崩してしまう、まともにもらってしまう、そうすると返せない。でも哲也は身体が強いからまずブロックもしっかり出来る。そして(山崎は)右の後に必ず左も返して来るのでそれよりも速く、右をガードしてすぐに左フックを返して命中させないとダメなので。僕は刷り込む。右を受けたらコンパクトにこの位置に当てるっていうのを刷り込む。それを実戦で怖がらずにやる」と、山崎の右ロングフックをブロックしたら、左を返してくる前に左フックを打つという動作を大和の身体に擦り込んだ。  この時の練習の模様も動画には収められており、ひたすら左腕でブロックして左フックを打つ動作を繰り返して行っていることが見られた。大和は「本当に打ち込みに打ち込んだパンチで。だから僕のこの左フックの可能性を広げてくれましたね」と、守永会長の指導で身に着けた元々の必殺技である左フックの可能性を、菅原氏が広げてくれたと語っている。  動画には衝撃の“50秒”KOシーンや試合前後の大和の様子やインタビューなども収められている。「全ては必然」と常に口にしている大和。山崎をKOした左フックも、たまたま出したのではなく“必然”だったのだ。
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