Cygames presents RISE ELDORADO 2022 ~Tenshin Nasukawa Finalmatch~2022年4月2日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館
▼メインイベント 那須川天心 RISE Final Match バンタム級(-55kg)3分3R延長1R○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kg級王者)判定2-0 ※30-29×2、29-29×風音(TEAM TEPPEN/RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝)
2014年7月12日にRISEでプロデビューした那須川が、RISEでのラストマッチを迎えた。6月19日に東京ドームでの武尊との“世紀の決戦”を前に、45戦全勝(キックボクシングは40勝28KO無敗)の記録を守れるか。
今回、那須川と対戦する風音はプロキャリア前半は関西を中心に活躍し、2019年3月にTEAM TEPPENに移籍。同年9月には元新日本キックボクシング協会フライ級王者の麗也からTKO勝利、11月には元NJKFフライ級王者の松谷桐に判定勝利を収め5連勝をマークしていたが、2020年2月の大崎一貴戦で2度のダウンを奪われ連勝がストップ。20212月大会で1年ぶりの試合を迎え、元新日本キックボクシング協会バンタム級&フライ級王者HIROYUKIからダウンを奪って勝利した。
ここからの勢いは凄まじく、7月に開幕した「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」の1回戦で優勝候補の江幡睦を破る番狂わせを起こすと、9月の決勝トーナメントでは準決勝で政所仁、決勝では那須川のライバル・志朗をも延長戦で破り優勝。戦績は16勝(6KO)5敗の“番狂わせ男”だ。
那須川のセコンドには朝倉未来、風音のセコンドには天心の父・弘幸会長と親友の政所仁が就く。そしてK-1ワールドGPの4タイムス王者アーネスト・ホーストから花束が贈呈された。
1R、那須川がいきなり突っ込むがすぐに距離をとる。サウスポーの那須川はじりじりと前へ出て左ボディブロー、風音が右を連打して前へ行くと、体勢を入れ替えて左を打ち込む。風音がジャブから右ストレート、那須川は風音が右を出すとすかさず左を合わせてくる。那須川のワンツーに風音はバックハンドブローも那須川はかわしてボディからの連打、終盤には風音の右ローに合わせた左ストレートで風音がふらつく。
2R、風音が入ってくると那須川はワンキャッチからのヒザ蹴りを入れていく。風音が入ってくると下がりながら右フックをしっかり合わせる。風音の飛び込んでの右ストレートで那須川のアゴが上がるが、那須川もすぐ左ストレートを当て返す。プレッシャーをかけ、風音の飛び込みにも左を合わせる那須川。片手倒立のハイキックも見せる。再び風音が飛び込んでの右を当てると、那須川も左ストレート。
3R、那須川は左ローを蹴って左フック、その手を引っ掛けてのヒザ蹴り。風音は右ミドルから思いきり右を打つ。風音の右をかわして左を打ちこむ那須川だが、すぐに風音も右を打ち返す。前に出る風音に那須川は下がって誘う。那須川の左アッパーも風音は下がらない。声を上げながらパンチを出して前へ出る風音。那須川は顔面前蹴りを出すも転倒。さらに打って来る風音を左右ストレートで迎え撃つ那須川。
大きな見せ場はなかったが、判定は2-0で那須川の勝利。風音は頭を抱えて「くそっ!」と何度も怒鳴って悔しがった。 試合後のマイクで那須川は6月19日に東京ドームでの決戦が決まった武尊戦について「本来はここで引退のはずだったんですが、6月の最後の試合、今のままでは、こんな試合をやっているようでは勝てないと思います。しっかり仕上げて、自分のスタイルを貫いて最後まで気持ちを出して勝ちに行こうと思っています。皆さん、僕のことを応援してくれますよね? 俺はRISE代表として、格闘技、キックボクサー代表として6月戦おうと思います」と語った。●那須川天心、試合後のマイク「こういった形でRISEの最後の試合を開いてくれた皆さん、応援してくれた皆さん、ここまでサポートしてくれた皆さんありがとうございます。RISE最後の試合でスカッとKOで圧倒的に勝ちたかったんですけれど、敵に父親がいるし、今まで一緒に練習した風音なので、本当にリキんじゃったというか、最初の構えで分かったと思うんですけれど。顔もせっかくのイケメンが台無し。こんなに殴られたことは初めてですし、今まで殴り合いとか喧嘩とかしたことないですけれどそういう気分で臨みました。作戦とかも一切考えず、なんだろうな、上手くいかないな。新しいことをやろうとするとなかなか上手くいかないなって思いました。ムキになってしまうのは試合ではよくないなっていうのがあるんですけれど、最後の試合で皆さんに気持ちを届けたいと思ったので前に出て打ちに行くスタイルをしました。倒せなかったけれどいいものを見せられたと思います。 自分がキックボクシングを始めたのもそうですが、ここまで大きくなると自分でも思っていなくて。思っていないけれど変な自信だけはあったんですね。それでRISEを選んだのも伊藤会長がいたからで、伊藤会長だったからこそ僕はRISEに来ました。K-1とか他に大きな団体がたくさんあって、もちろん負けたくないって気持ちもあったし いろいろところからオファーが来たけれどRISEでよかったなとこの舞台で改めて思います。これから僕はいなくなりますけれど、ボクシングに行っても僕はRISEファイターのつもりで戦うので、僕の戦いに注目してください。今後のRISEもいい選手がたくさん出ると思うので僕がいなくなってもRISEをサポートしてください。僕からのお願いです。そしてここまで育ててくれた伊藤会長、たくさんの思い出ありがとうございました。めちゃくちゃ楽しかったです。僕は高校で青春というのがあまりなかったですけれど、今になってキックボクシングに出会ってこの舞台で青春ができたって、皆さんの前で出来たと実感しているので、この舞台に出会わせてくれて伊藤会長には感謝しかないです。 そして、本来はこの試合で引退のはずだったんですが、6月の最後の試合、それに向けてあと2カ月、今のままでは、正直こんな試合しているようでは勝てないと思っています。しっかり仕上げて、自分のスタイルで、相手がどうだからではなく自分のスタイルを貫いて最後まで気持ちを出して勝ちに行こうと思っているので僕に期待していてください。6月、僕のことを応援してくれますよね? 俺はRISE代表として、格闘技、キックボクサー代表として6月戦おうと思っています。皆さん注目してください。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」
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▼セミファイナル Super Fight!ライト級(-63kg)3分3R延長1R○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/ RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝、第6代RISEライト級王者)KO 1R 1分56秒 ※3ノックダウン×ロンペット・Y'ZD GYM(Y'ZD豊見城/ISKAムエタイ世界スーパーライト級王者)
原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISEライト級王座に就いた。2020年10月11日には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。2021年2月には白鳥大珠に圧勝、9月はタップロンにKO勝ちしたが、11月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンに敗れて連勝がストップ。戦績は20勝(12KO)2敗1分。
ロンペットは2020年2月の新日本キックに参戦し、WKBA世界スーパーライト級王者・勝次と対戦。サウスポーから繰り出す重い左ミドル&左ストレートでブロックした勝次のバランスを崩し、5Rには左フックでダウンを奪い大差の判定勝ち(50-45×3)。大きなインパクトを残した。勝次と対戦した時は35勝(10KO)19敗という戦績しか分からなかったが、あのロッタンともタイで対戦していたという。2021年9月には梅野源治とドロー、12月には北野克樹を判定で破りISKAムエタイ世界スーパーライト級王座を獲得した。
1R、蹴りで襲い掛かった原口。派手な蹴り技を見せたかと思えば、ワンツーの左ストレートでダウンを奪う。続いて原口は左右フックで打ち合いに行き、ロンペットのフックをもらう場面もあったが左右フックの連打でダウンを追加。仕留めにいった原口だが、ロンペットの左フックで横倒しになり、ダウンを奪い返された。
原口は「ダウンじゃない」とアピールするが認められず。両者フラフラしながらも左右フックの打ち合いを展開し、原口の左フックでロンペットが膝を着き3ノックダウンで原口の勝利が決まった。
マイクを持った原口は「入場曲が違ったから俺、出んとこうと思った。注意して欲しいですね」と入場曲が間違っていたことを注意し、「GLORY王者に完敗して皆さんの期待を裏切ってしまってすいませんでした。勝とうと思ったんですが、10試合までKOが多すぎ、マジで。一人で塩試合するつもりでした。でも結果的にKOできてホッとしました。天心君がいなくなったら鈴木真彦と僕でRISEを引っ張っていきます。だからRISEにはチャンピオンを大切にしてほしいと思います。それと6月、もちろん僕も出ます。対戦相手は名前は出さないですけれど、明日ここでタイトルマッチをします。なので絶対に勝ってください。皆さん、お楽しみに」と、那須川に代わって自分がRISEを引っ張るとし、6月はK-1スーパー・ライト級王者・山崎秀晃かその挑戦者大和哲也のどちらかと戦いたいとアピールした。
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▼第10試合 Super Fight!バンタム級(-55kg)3分3R延長1R○鈴木真彦(山口道場/第7代RISEバンタム級王者)判定3-0 ※30-27、30-26×2×江幡 睦(伊原道場/WKBA世界バンタム級王者、第5代新日本キックボクシング協会フライ級王者)
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。2月に溜田蒼馬、7月にテーパリットに勝利して9月に那須川天心との再戦を実現させたが、判定3-0で再び敗れた。11月大会では江幡塁を初回KOに沈めて再起を飾ると、1月に拳剛も初回KOして2度目の王座防衛に成功した。戦績は31勝(19KO)5敗。
江幡睦は双子の弟・塁と共に幼い頃から極真空手を学び、中学生でキックボクシングを始めた。2007年9月に兄弟そろって新日本キックボクシング協会でプロデビューすると連戦連勝ですぐに頭角を現し、2010年3月に19歳で日本フライ級王者に、2014年4月にはWKBA世界バンタム級王座も獲得。2019年10月、最大の目標とするラジャダムナンスタジアム王座に4度目の挑戦を行ったが、ドローで王座獲得はならなかった。長年にわたって新日本キックのエースとして活躍し、破壊力抜群のパンチ&ローで国内外の強豪をマットに沈め、ほぼムエタイルールで38勝(27KO)6敗3分の戦績を誇る。2020年9月にはRIZINに初参戦し、RISEバンタム級1位・良星から2度のダウンを奪って勝利。しかし、2021年7月の「RISE DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では1回戦で風音に延長戦で敗れている。
1R、前に出て来る鈴木にワンツーをヒットさせる江幡だが、鈴木は構わず突進してワンツーと右ボディストレート、そして左フックと打ち合いに行く。江幡もこれに応じて両者激しい打ち合い。鈴木は右ボディストレート、左ボディも叩く。江幡は左アッパーを突き上げる。両者ジャブで一度離れるが、鈴木は前へ出て行き再び打ち合い。
2R、鈴木がローの蹴り合いから江幡の左に右フックを被せ、続く連打での右フックでダウンを奪う。鈴木は思い切り右を放ち、ボディから左右の連打。江幡も強気で打ち返し、激しい打ち合いに。鈴木の右ボディが突き刺さるが、江幡も右ストレートを返す。すると鈴木は右カーフキック。さらにワンツーで攻めていき、江幡の右ストレートをもらうが構わず打ち合いを続ける鈴木。右ストレートを連打し、江幡も右を返す。
3Rも鈴木は攻めの手を緩めない。ずっとロープを背負わされた状態となっている江幡。鈴木がワンツーの連打でコーナーへ詰めれば、江幡も強い右を打ち返す。しかし鈴木はニヤリと笑うとすぐに打ち合いへ。両者至近距離で左右フック、右ストレートの打ち合い。江幡はカモンゼスチャーして右ストレートを打つ。終了のゴングが鳴ると両者は笑顔で抱き合った。
判定で完勝を収めた鈴木は「すいません、判定まで行ってしまって。でもそれは江幡選手が気持ちも強い選手やったんで。ありがとうございました。それと今日、メインで一人の格闘家の時代が…RISE卒業ということですが、ほんまは勝って言いたかったんですが、僕の時代はまだ始まってもいないのでここからもっと盛り上げていくので僕に注目してください。それと6月メガイベントがあるということで、王者としてK-1の55kgチャンピオン、どうですか、僕と。皆さん楽しみじゃないですか。メインに負けないくらい盛り上げる自信があるのでぜひよろしくお願いします」とアピールした。
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▼第9試合 Super Fight! -56kg契約 3分3R延長1R○志朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント~優勝)KO 2R 1分39秒 ※右ハイキック×江幡 塁(伊原道場/WKBA世界スーパーバンタム級王者、KING OF KNOCK OUT初代スーパーバンタム級王者)
志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。新日本キックボクシング協会で活躍し、2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からは「打倒・那須川天心」を掲げてRISEに参戦。2019年9月の「RISE WORLD SERIES」-58kg級決勝戦でついに実現したが、判定3-0(30-28×3)で敗れた。打倒・那須川天心を近い、2020年11月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント」で植山征紀と鈴木真彦を破って優勝。今年2月に再び那須川に挑んだが、判定で敗れた。2021年7月に開幕した「DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では9月の決勝へ進出するも風音に敗れて準優勝。戦績は24勝(10KO)4敗4分(タイの試合は除く)。
江幡は双子の兄・睦とともに江幡ツインズとして知られ、新日本キックボクシング協会のエースとして活躍。新日本キックボクシング協会日本バンタム級王座、WKBA世界スーパーバンタム級王座、KING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王座決定トーナメント優勝で3本目のベルトを巻いた。兄弟揃ってワンツー&ローキックを主軸とした高い攻撃力を持つ。2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の準決勝で鈴木真彦に敗れ、2021年2月のRISEで拳剛を初回KOして11月の鈴木との再戦に臨んだが、初回KOで敗れた。戦績は42勝(22KO)4敗3分。 両者は2011年5月に新日本キックで初対戦、この時は江幡が判定3-0で勝利。2012年5月には日本バンタム級タイトルマッチで再戦となり、5Rフルに戦ってのドローとなっている。今回は10年ぶり、3度目の対決となった。
1R、圧力をかけていくのは志朗。ステップを踏みながら回り込む江幡を追いかけていく。江幡の動く方向へ先回りする志朗。
2Rもステップを踏みながら圧力をかける志朗。江幡が動く方向へ先に動いて進路を塞ぐ。そしてロープを背負った江幡に志朗が近付き、江幡がジャブを打って左へ回り込もうとした瞬間、志朗の右ハイキックが炸裂。
この一発が鮮やかに決まり、江幡は失神。志朗が壮絶なKO勝ちで因縁に決着をつけた。マイクを持った志朗は「復帰戦で強くなった姿を見せられてよかったです。僕と江幡選手とのストーリーは完全決着できたと思います。そして6月ですが、自分も枠があれば対抗戦、世界の強豪と戦うチャンスをもらえるのなら出たいと思います」と、6・19東京ドームへの出場をアピールした。
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▼第8試合 SuperFight! 71.5kg契約 3分3R延長1R○海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者)KO 1R 0分41秒 ※左フックדブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者)
シュートボクシングの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。昨年2月のREBELSでは日菜太との70kg級日本人最強決定戦を制するなど2021年を無敗のまま終えた。2月の今年初戦でもチューチャイ・ハーデスワークアウトジムを3RでTKOに仕留め、現在10連勝中。戦績は44勝(20KO)6敗1無効試合。
ベイノアは極真会館の2018年全日本ウェイト制空手道選手権大会・軽量級で優勝した実績を持ち、キックボクシングには2016年5月から出場。デビューから7戦全勝でJ-NETWORKウェルター級王座を獲得後はRISEに主戦場を移し、2018年11月にRISEウェルター級王座を獲得した。2020年7月からはミドル級に階級を上げ、緑川創に挑むも判定負け。その後は10月の宮城寛克戦、2021年2月の憂也戦、9月のねぎ魔神戦と3連勝。さらに、2021年6月のRIZINではMMAに初挑戦、弥益ドミネーター聡志に敗れたが、11月のロクク・ダリ戦ではKO勝ちで初勝利をあげた。大晦日には武田光司に腕十字で敗れている。キックボクシング戦績は17勝(9KO)3敗。
ベイノアは入場時、弥益ドミネーター聡志と同じマスクを被り、弥益と同じようにフラフラと動く入場パフォーマンスを見せた。
1R開始と同時に前へ出るサウスポーのベイノアが左ミドル、左ストレート、左ローと矢継ぎ早に攻めていく。先手をとられた形となった海人はロープを背負ったが、ベイノアの左フックをかわすと右ストレートをヒット。続いてベイノアが放った左フックに左フックのカウンターを叩き込み、ダウンを奪う。立ち上がったベイノアだが、足がもつれて直立出来ないのを見たレフェリーがストップ。海人がKOで返り討ちにした。
マイクを持った海人は「見てもらって分かったと思います。自分が世界一になる男です。日本では70kgでは相手がいてないのでRISEの70kgのベルト、イ・ソンヒョン選手と戦いたいのでそれもやらせてもらうし、GLORYとの対抗戦も自分が代表としてやるので僕の応援もよろしくお願いします」と、RISEミドル級王座への挑戦とGLORY対抗戦に名乗りをあげた。
さらに「それと6月19日、自分は野杁さんと必ずやるのでRISEファンの皆さんも応援に来てください」と、東京ドーム大会で野杁正明とやるとアピールした。
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▼第7試合 Super Fight! スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R×直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/第7代RISEライト級王者)KO 3R 0分24秒 ※右フック○山田洸誓(正道会館KCIEL/第4代RISEスーパーライト級王者)
直樹は伝統派空手出身で、2015年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級で優勝後、独特の間合い操作と当て感の良さでRISEライト級の上位選手として長く活躍。2019年11月にはムエタイ大会『スックワンキントーン』でスーパーライト級王座決定戦に勝利し、プロ初戴冠を果たした。2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」では準決勝で優勝候補の白鳥大珠を1R1分30秒、ヒザ蹴りによるTKOで破る番狂わせを演じ、決勝では原口にKOで敗れるもインパクトを残した。2021年1月には秀樹を破り悲願であった第7代ライト級王座に就き、9月には白鳥と再戦して延長戦の末に白鳥を返り討ち。12月には元ムエタイ五冠王ジャルンチャイも退けた。戦績は19勝(10KO)5敗。
山田は正道会館仕込みの強烈な打撃でKOを量産し、2019年9月に強打者・山口侑馬を2RKOで下してRISEスーパーライト級王座を獲得。デビュー以来11連勝(7KO)と快進撃を続けていたが、2020年11月の北野克樹戦では多彩な足技を攻略できず、判定負けで初黒星。再起戦となった2021年1月の実方拓海戦では判定勝利で初防衛を果たし、6月には北野にリベンジして2度目の防衛に成功。
1R、直樹はいつも通りステップを踏みながら山田のローをバックステップでかわし、時折前へ出ての右ボディストレート。このラウンドは探り合いとなった。
2R、山田は左インローを何発も蹴って左の三日月。直樹はその蹴りをキャッチして左でボディを叩く。徹底してローを蹴る山田に直樹は前へ出て左フック、右フック、左ボディ。一気に距離を詰めた直樹が右ボディを叩き、山田が返してきた左フックをかわすと右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。
3Rが始まってすぐ、山田が右ボディからの左フック、そして右フックを打ち抜くと直樹が後方へバッタリとダウン。立ち上がるも足元がふらついて立つことが出来ず、山田の逆転KO勝ちとなった。
愛娘を抱いた山田はマイクを持つと「煽りVから僕、直樹選手のわき役みたいな感じでムカついていたので。RISEからファンから何から見返してやろうと思ったんですが、2Rのダウンはプロになって初めてだったので焦ってしまいました。でもセコンド陣営が自分を信じていけばいいと言ってくれて、その言葉を信じてよかったです。久しぶりにKO出来たので、大舞台でこういう結果で恩返しできたと思っています。今まで信じてついてきてくれてありがとうございます。あと直樹選手、65kgに上げてくれて戦ってくれてありがとうございます。大半の人が僕が負けると思っていたと思うので見返せてよかったです。あと何回やるか分からないですけれど、出来る限りのことはやります」と、プロ格闘家人生のゴールは近いと語った。
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▼第6試合 SuperFight! ライト級(-63kg)3分3R延長1R○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/同級1位、RISE WORLD SERIES 2019 -61kg級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×秀樹(新宿レフティージム/同級2位、K-1 REVOLUTION FINAL -65㎏級世界王者)※本戦の判定は29-29、30-29、30-30。
白鳥は那須川天心の盟友で、キックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。世界王者のベルトを巻いた。10月と大晦日にはRIZINで大雅と連戦して2連勝するなど怒涛の12連勝を飾ったが、2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」準決勝で直樹に初回TKO負けを喫し、連勝がストップ。2021年2月には原口健飛にも判定負けで連敗。6月のRIZIN KICKワンナイトトーナメントで優勝して復活を遂げたのも束の間、9月の直樹との再戦でリベンジに失敗した。戦績は22勝(10KO)8敗1分。
秀樹はフィジカルの強さを活かしたパワフルな打撃でRISEライト級のトップクラスに君臨。2019年2月には白鳥大珠と第5代ライト級王座決定戦を争っている(白鳥がTKO勝ち)。また、『KNOCK OUT』のスーパーライト級トーナメントでも準優勝を果たした。2020年1月、原口健飛とRISEライト級王座決定戦を争ったが、1R2分23秒、KO負けを喫して悲願だった王座獲得ならず。2021年1月にも直樹とRISEライト級王座決定戦を争ったが判定3-0で敗れた。前戦は2021年12月にウザ強ヨシヤにバックハンドブローでKO勝ち。戦績は21勝(11KO)5敗。
両者は2019年2月の第5代ライト級王座決定戦で初対決。秀樹の左ローを白鳥がヒザでブロックしたところ秀樹の左すねが割れてしまい、3R1分41秒、ドクターストップで白鳥の勝利となり、白鳥は「この結果に満足していません。皆さんも満足していないと思いますが、今日は僕の勝ちでいいですか? 初防衛戦は秀樹選手でお願いします。次は必ず倒して決着をつけます」とマイクアピールしていた。
1R、サウスポー同士。両者ローを蹴り合う静かな展開から始まった。
2Rもローの蹴り合い、秀樹はジャブを繰り出し、白鳥は時折フックを繰り出す。白鳥は右ボディからの左フック、ジャブで前へ出て左ストレートからの右フックとスピードのあるパンチを当てに行く。秀樹は右ローを蹴って左フックを振り抜くが、白鳥はジャブで前へ出て左フック、ヒザ蹴り。前へ出て攻撃を当てに行った白鳥のラウンドか。
3Rも互いにジャブを突き、ローを蹴る両者。秀樹が右ミドルを蹴り、白鳥が細かくパンチを当てに行くと秀樹の右フックがヒット。白鳥はジャブから左カーフキック、これに秀樹がバランスを崩す。細かいパンチを当てに行き、左カーフと左ボディを強打する白鳥。秀樹は首相撲での投げを多用してしまいイエローカード。最後は白鳥が細かい連打、顔面前蹴りで終了。
本戦の判定はジャッジ1名が白鳥を支持したがドロー。延長戦、秀樹は右フック、左ストレートを伸ばす。白鳥はジャブを突いて左ストレート、左ボディ。さらに白鳥は右ローを蹴って左ボディを打つ。白鳥のインローにバランスを崩し、白鳥に組み付いてしまう秀樹。ヒザを蹴り合い、両者細かい連打から蹴り合う。白鳥は連打から右ロー。白鳥が細かく当てていったが、秀樹が左右フックを繰り出して前進して白鳥をコーナーへ押し込んだところで終了。
判定は3-0でコンビネーションを当てていった白鳥が勝利。因縁の戦いに終止符を打った。
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▼第5試合 オープンフィンガーグローブマッチ -64kg契約 3分3R○YA-MAN(TARGET SHIBUYA/ライト級9位)KO 1R 2分33秒 ※3ノックダウン×伊藤澄哉(戦ジム/スーパーライト級5位、元益荒男KICK 65kg王者)
RISEの“キングオブストリート”ことYA-MANは14歳から高校生までの6年間、ストリートファイトに明け暮れ「1回だけ負けたことがありますが、あとは全部勝っています。もちろん全部素手です」とステゴロ経験が豊富。RISEでオープンフィンガーグローブ着用試合がスタートすると自ら名乗りをあげ、山口侑馬、北井智大にKO勝ち。11月のRISE大阪大会では中村寛とフルラウンド、バチバチの殴り合いとなる大激闘を演じて話題に。さらに大晦日RIZINに出場すると、皇治に判定勝ちして一気に名をあげた。
伊藤は地下格闘技キックの大会『益荒男』や『飛車角』で活躍、17戦無敗の戦績を引っ提げて2019年11月にRISEでプロデビュー。3戦3勝2KOの快進撃を続けていたが、2021年9月の4戦目で実方拓海に初黒星を喫した。女子ムエタイで活躍する伊藤紗弥の兄。
1R、伊藤は左右に構えを変え、YA-MANは左右インローを蹴っていく。伊藤は左ヒザ、そして左ストレートをヒットさせるとYA-MANは眉間から流血。それで火が付いたかYA-MANが左右連打からの右アッパーでダウンを奪う。
しかし、仕留めに行くと打ち合いで今度は伊藤が右ストレートをヒットさせ、ダウンを奪い返す。笑いながら立ち上がるYA-MANだが足がふらつく。ここで出血のドクターチェック。再開後、カーフを蹴り合い、伊藤が右ストレートを連続ヒットさせるが、打ち合いでYA-MANが右フックのカウンターでダウンを奪い返す。
そしてさらなる打ち合いの中、YA-MANが左フックで3度目のダウンを奪いKO勝ち。ダウン応酬の激闘を制した。
YA-MANはマイクを持つと「3年前にTARGET所属ってことで天心君と面識あって。その時に『早く俺のところまで上がって来いよ』と言われて。俺ここまで来たよ天心。そう、3年前、俺何も持ってなくて誰も俺のこと知らなくて。でも去年1年でこんなに人生が変わるので。1日1日大事に生きていけば絶対に成り上がれるので、みんなも頑張ってください。あと6月ね、世紀の一戦あると思うけれど、みんな誰と見たい? 芦澤は無しで。勝敗分かっているでしょう、やらなくても。相手にならないから。誰と見たいかSNSで書いてくれればそれが実現すると思うから、みんなつぶやいてください。芦澤はやめてね」と語った。
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▼第4試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R×北井智大(チームドラゴン/同級3位)TKO 1R 2分13秒 ※レフェリーストップ○中村 寛(BK GYM/第6代DEEP☆KICK-60kg級王者)
北井はチームドラゴンのニューリーダーとしてRISEで活躍。後半戦の強さを活かして勝利することが多く、パンチでの猛攻で逆転勝利を飾ってきた。RISE随一の激闘派として知られ、2019年2月に各団体で暴れまわる山口裕人を初回KO、9月にKNOCK OUTで活躍した水落洋祐を初回KO、2020年1月にはNKBライト級王者・高橋一眞を2RでKO、8月にはKNOCK OUTで活躍したマサ佐藤も判定で破るなど“RISEの門番”としての一面も持つ。2021年1月にキック四冠王の小川翔から2度のダウンを奪って勝利、6月には元新日本キックボクシング協会日本ライト級暫定王者・中尾満を初回KOに仕留めたが、9月に初のオープンフィンガーグローブマッチに挑んでYA-MANにKO負けを喫した。戦績は24勝(9KO)15敗2分。
中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群の右ストレートを武器に、2019年6月のRIZINで元RISEフェザー級王者・一刀を相手に壮絶な2RKO勝利を収め、一気に注目株となった。2019年7月にRyuki戦でプロ初黒星を喫し、2020年7月の復帰戦でも判定負けとなったが、11月のRISEで魚井フルスイングを初回KOして復活の狼煙をあげた。2021年7月には記者会見で乱闘騒ぎを起こした大雅と因縁の対決を行い、ハイキックでダウンを奪っての判定勝ちを収めている。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残した。戦績は10勝(9KO)4敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。
1R、サウスポーに構える中村は北井の前足へ左右のカーフキック。北井は前へ出るがカーフを蹴られて足が流れ、意識が下にいっているのか中村のジャブももらう。
カーフを蹴って素早く回り込む中村を追いかける北井が入ってくるところに中村が左フック。ロープに追い詰めてのヒザ蹴り、左ボディから連打を浴びせる。さらに“来い”と手招きして誘い、北井が右ストレートを放つと右手ではたき落として同時に左ストレート。この一発で北井が前に崩れ落ち、担架に乗せられた。
中村はマイクを持つと「皆さん盛り上がっていますか? キックボクシングのルールで、この後みんな1位と2位も戦うんか? 63kg、北井選手を一発で、弱くないと思います。でも3位でこのレベル差なので、次そろそろタイトルマッチお願いします。あと6月、僕のこと騒いでるけれど、必要やったら呼ばれるでしょう。俺が出たら盛り上がるでしょう。普通にやったら俺が一番最強やから」と、タイトルマッチと6・19東京ドーム参戦をアピールした。
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▼第3試合 ヘビー級 3分3R延長1R○カルリ・ギブレイン(ブラジル/ブラジリアン・タイ/元HEATヘビー級王者)KO 1R 2分06秒 ※3ノックダウン×南原健太(極真会館/第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会準優勝)
南原は極真会館で第32回全日本ウエイト制空手道選手権大会第3位、第11回全世界空手道選手権大会ベスト32、第49回全日本選手権大会第7位、第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会準優勝などの実績を持ち、ジュニア時代は那須川天心のライバルだった。2021年10月にRISEでプロデビューすると、現在まで3連続KO勝ち。
ギブレインは『HEAT』でヘビー級王者となったMMAファイター。あの石井慧とも対戦したことがある。MMA戦績は5勝(5KO)1敗。身長で4㎝、体重では15kg以上も南原を上回る。
1R開始からパンチでラッシュを懸けるギブレインに南原は三日月蹴りで対抗するが、右ストレートからの左右フック連打を浴びて立て続けに2度のダウンを奪われる。フラつく南原はローを蹴るが、ギブレインの左フックをもらってのけ反り、足がついていかず後方に吹っ飛んで3度目のダウン。
圧倒的なKO勝ちを飾ったギブレインは「僕は総合格闘技からキックボクシングを始めます。もっと頑張ります」と、今後もキックボクシングの試合を行っていくとアピールした。
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▼第2試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R×石月祐作(KAGAYAKI/同級1位、DBSスーパーフェザー級、KROSS×OVER同級王者)KO 1R 2分58秒 ※3ノックダウン○常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/同級2位)
石月は昨年8月に自身と所属ジム初のタイトル獲得となるDBS日本ムエタイスーパーフェザー級王座を奪取。10月にはKROSS×OVER同級王座も判定勝利で獲得。二冠王となって、2021年2月に約1年4カ月ぶりにRISE参戦を果たすと竹内皇貴を2RKOで葬り、6月にはINNOVATIONスーパーフェザー級王者・櫻井健から強打で2度のダウンを奪って大差の判定勝ち。5連勝で10月に一馬とスーパーフェザー級暫定王者決定戦を争い、5RにTKOで敗れるも大激闘を展開した。戦績は12勝(7KO)3敗。
常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに、現在までひとつの引き分けを挟んで6連勝中。戦績は7勝(5KO)2敗1分。
1R、ジャブと右ローの交換からスタート。石月が左フックで入ろうとしたところに常陸が左フックを合わせてダウンを奪う。石月はジャブ、右ストレートを打つが、常陸はスピードのある右ボディストレート、左右のオーバーハンドと攻める。常陸は左右フック、ストレートの連打で石月にロープを背負わせるが石月は耐える。しかし、連打を浴び続けてスタンディングダウンを奪われ、常陸が右ストレートでコーナーまで吹っ飛ばしての左右フック連打で畳み込んでレフェリーがストップ。
激闘派対決を初回KOで制した常陸はマイクを持つと「みんなのおかげで勝てました。ありがとうございます。単刀直入に言いますけれどタイトルマッチやらせてください。一馬選手、自分しかいないんじゃないですかね。文句ないと思います。チャンヒョン・リー選手がいつ来るか分からないので自分と一馬選手でチャンピオン決めた方が盛り上がるんじゃないですかね。あと6月のメガイベント、知名度だけあってそんなに強くない選手は出ない方がいいと思いますが、自分は出たいので出させてください」と、一馬とのタイトルマッチ、6月19日の東京ドームへの参戦をアピールした。
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▼第1試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R○那須川龍心(TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova全日本大会 -55kg級トーナメント優勝)判定3-0 ※30-28×3×笠原直希(シーザージム/SB全国大会-45kg級優勝)
那須川天心の弟・龍心が今春から高校生となり、ついにプロデビュー戦を迎える。2021年RISE Nova全日本大会-55kg級トーナメント優勝、Stand Up Aクラストーナメント-55kg級優勝、2021年RISE NovaジュニアAクラストーナメント-50kg級優勝などアマチュアで経験を積んできた。
対する笠原はシュートボクシングの笠原弘希・友希兄弟の三男で、龍心と同じ15歳。那須川天心と笠原友希は2020年7月12日の『RISE on ABEMA』で対戦しており、今回はその弟同士がプロデビュー戦同士で対戦することになった。
那須川天心がリングサイドで見守る中、1R開始。まずはジャブの突き合い、ローの交換。那須川のワンツーで笠原はマウスピーズが吹っ飛ぶ。那須川の入り際に合わせて右ミドルを蹴る笠原。左インローがローブローとなってしまい那須川にインターバルが与えられる。再開後、那須川は笠原の右に合わせて右で入り込み、右ストレートをヒットさせると打ち合いへ、左フックを2度ヒットさせてグラつかせた那須川がラッシュをかけて笠原を劣勢に追い込む。
2R、笠原のジャブ&左ミドルに那須川は右カーフ。那須川は笠原の右ミドルをキャッチしての右ストレートを多用する。那須川は左右ローからパンチにつなぎ、笠原がワンツーを繰り出してくると右でカウンターを奪う。
3R、ジャブを突き、前蹴りを繰り出す那須川は笠原が右を打って来るとジャンプしてのパンチ。笠原が打ち合いに来ると右ストレートをヒットさせるのは那須川、左ボディ、右ハイも繰り出す。那須川の右ストレートに笠原のアゴが上がる。右ストレートからの左フック、さらに飛びヒザで前へ出る那須川。笠原も打ち返すが那須川がかわしていく。
判定は3-0で那須川が勝利。距離の取り方の良さ、攻撃をかわしてのカウンターアタック、そしてパンチのテクニックを見せつけた。
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▼オープニングファイト.4 バンタム級(-55kg) 3分3R○鷹介(魁塾/同級10位)KO 2R 1分34秒 ※右ストレート×福井萌矢(建武館/King of Rookie 2021 -55kg級優勝)
1R、両者とも至近距離でのパンチを交わす。右のカウンターの奪い合い、ボディの打ち合い。何度も右の相打ちが見られる。福井はミドルやヒザを交え、鷹介は右を振るう。福井左ボディからの右ロー、右ローからの前蹴りとコンビネーションを繰り出すが、鷹介は右の強打で前へ出てゴング直前に右ストレートでダウンを奪う。
2Rも右の強打で前へ出る鷹介。福井も打ち返すが、鷹介の右の強さに後退する。福井はコンビネーションでボディとロー、鷹介は構わず右強打の連打。福井が右アッパー、右ストレートをヒットさせて攻勢に出るが、鷹介が右を打ち返して右フックでグラつかせると右ストレート2連発でダウンを奪う。吹っ飛ぶようにダウンした福井を見てレフェリーがストップ。鷹介がパワー差を見せつけてKO勝ちした。
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▼オープニングファイト.3 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R×佐藤九里虎(FAITH/同級10位、WMC日本スーパーフライ級王者)TKO 1R 2分58秒 ※左右連打○彪司(=ひゅうがTEAM TEPPEN/King of Rookie 2021 -53kg級優勝)
175㎝と長身の19歳・彪司がアグレッシブに前へ出て攻めるワンツーを打ってヒザへつなぎ、佐藤が左右フックで前へ来るとジャブ、前蹴りで押し返す。佐藤は左フックで飛び込み右ストレート。彪司はジャブを多用し、ヒザを上手く使いながら右ヒザからの左フックでダウンを奪う。
何とか立ち上がった佐藤だが、彪司が左右の連打で佐藤にロープを背負わせレフェリーがストップ。彪司が5倍以上のキャリアを持つ佐藤にTKO勝ちした。
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▼オープニングファイト.2 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R×藍之輔(STRIFE)判定0-3 ※28-30×3○細越竜之介(TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova全日本大会-65kg級トーナメント優勝・大会MVP)
1R、ワンツーで前へ出るのは藍之輔。サウスポーの細越もワンツーで前へ出るが逆に右フックをもらう。お互いショートの距離で打ち合うが組み付きも増える。細越が左右ローを蹴り始め、左ストレートをヒットさせた。
2Rも前に出るのは細越。蹴りから左ストレートを当てていくが、距離が詰まりすぎて組みも増える。そこへ藍之輔が右フック。細越はたびたび後ろ蹴りを繰り出す。
3R、細越は左前蹴りを多用しつつ左ストレート、藍之輔が入ってくると右ヒザを突き刺す。藍之輔は回転蹴りを出すフェイントから左右フック。距離が詰まると細越が必ずヒザを蹴る。藍之輔は右ハイを連発するが細越の左ストレートをもらう。残り時間僅かで細越が前へ出て左右フック、藍之輔もこれに応戦して試合終了。デビュー戦の細越が判定勝ちした。
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▼オープニングファイト.1 フェザー級(-57.5kg) 3分3R○野村勇人(GONG-GYM坂戸/Stand up アマチュア vol.4 一般部Aクラストーナメント‐60kg優勝)KO 3R 0分35秒 ※左ストレート×永松進之介(FJ KICK ASS/RISE Nova 全日本トーナメント-60kg級 準優勝)
共にデビュー戦。野村175㎝、永松178㎝と長身同士。1R、サウスポーの野村は左ミドルから左フック、永松は前へ出て右ミドルから右ストレートを打つ。お互い積極的に攻めるが永松のヒットが目立った。
2R、永松は右ミドル、左右のパンチからヒザと上手くつなげていく。永松が右へ回り込もうとするのを野村は先回して進行方向を塞ぐ。すると野村がいきなり強打を連打して左ストレートでダウンを奪う。野村の左ストレートで足がもつれる永松。野村はカモンゼスチャーで挑発する。
3R、永松が右ヒザを突き刺し、右ハイから顔面ヒザとラッシュをかける。しかし、野村が強打を繰り出して前へ出ると右フックからの左ストレートを炸裂させてKO勝ちを飾った。