風音『僕は純粋に勝ちたいっていうそれだけです』
――今日公開練習をドラムミットにしたのは何か理由あったんですか?
「別に特にっていうか、あまり何も見せたくないなっていうので、一番安パイなやつです(笑)。何も見せなくていいんで」
――やっぱり今手の内は明かしたくないっていう気持ちが強いですか?
「はい、できればこれもやりたくなかったんですけど」
――じゃあもう見せないまま決戦の日を迎えたいぐらいな感じですか?
「そうですね」
――この間のファンイベントでの公開練習の時にはかなりピリピリムードでしたけど今も変わってないですか?
「なんかああいう場だったからか分かんないですけど、でも気持ちとしては全然変わってないですね。ほんまはあれも行きたくなかったんで、何も見せたくないですよ」
――この間SNSでは思わせぶりに「ふざけるな」っていう叫びが出ていましたけど、その辺もやっぱりちょっとイライラしてるっていうかフラストレーション溜まってる感じはありました?
「フラストレーションっていうか、試合なのでそういう企画感を持ってこられるとちょっと違うかなって思ったんで」
――風音選手は企画とかもう全く抜きに本当に行くような気持ちだけで試合を望みたいって感じなんですよね。
「僕はそうですよ。僕は別にあれなんですけど、僕はそういう気持ちですね。純粋に勝ちたいっていうそれだけです」
――今回の一戦は那須川選手のRISE引退試合ってこともあってやっぱり世間で色んな評判呼んでると思いますけど、そういった世間の声っていうのは気になりますか?
「いや、もうなんか逆に多すぎて、もう笑っちゃうぐらい多いんで。もう勝手に言っとけばええやんって感じですね。どうでもいい感じですね、何とも思わないですね。多過ぎてもうどうでもいいですよね」
――多すぎるから風音選手にとっても右から左に聞き流すっていうかもうそんな感じですかね?
「同じようなコメントばっかりなんで、センスないなと思うんですよね。面白んないですわ(笑)」
――去年のトーナメントの時も圧倒的不利って中から勝ち続けて優勝したじゃないですか。今回もっていう気持ちがやっぱり強いですか?
「下馬評どうたらこうたらとかは別に何も思わなくて、ただ僕は今あの選手倒したいし、あの選手に勝ちたいっていうそんな思いしかないですね」
――凄くピリピリ感が伝わってくるんですけれども天心戦が決まってからこれまでどんな思いで過ごしているでしょうか?
「絶対に勝つっていうそれしかないですね。何が何でも勝ってやるっていう。別にそれ以外はあんまないっていうか」
――特別感みたいなものはないですか。
「特別感っていうかワクワク感の方が大きいかなっていう。この選手に勝ったら俺見る世界が変わるのかなとか見えてくる世界が変わるのかなとか、どういうこの先の世界が広がってんねやろなとか、そういうワクワク感、楽しみの方が強いですね」
――勝った後どうなりそうですか?
「いやもう想像つかないですよ。だって四十何人もそれできてない訳じゃないですか。そこで最後為し遂げていった世界はちょっと分かんないですよね。どんだけ評価されてどれだけ自分自身もっと強くなるのかっていう想像つかないですよね。でもそれは凄い楽しみですね」
――プレッシャーよりも楽しみの方が今大きい?
「プレッシャーなんかそんなの全然ないですよ。ただ僕は全力でぶっ倒しに行くっていう。で、その先に結果がついてきてその先その先なんで、プレッシャーなんか何もないです」
――先日公開練習ではYA-MAN選手があの風音選手が判定だと難しいんで倒しに行ったら逆にやられるかもしれないってことを予想していたんですけれども、これに対して反論はありますか?
「別に特にないです。なんかみんな言ってること一緒なんで。普通の人はっていうか格闘技ちょっと知ってる人とかは全員そう思うんじゃないかなっていう。特に普通の意見ですよね。だからその普通を覆してきたのは僕なんで、今回も一緒ですよ」
――会長からは技術的なことは言えないまでも精神的なメンタル面の部分ではどういう気持ちで挑めみたいなこと言われてますか?
「挑めみたいに言われてないけど、二人でやっていく中でお互いの気持ちはいつもそうなんですけど、上がっていく感じなんで。挑めとかはないですよね、絶対勝つっていうそれだけですよね」
――天心を意識するなみたいなそういうことは言われない?
「そんな特に。意識しない訳ないんで、それは」
――この試合が決まってからこの期間で自分がどれぐらい強くなったかっていうのは実感したんですか?
「試合やってないから何とも言えないんですけど、でも確実に気持ちの面はすごい成長したなと思いますね。技術面とかそんなのはもちろんですけど、何か一個殻破ったなって感じはありますね。今の時点でも」
――天心選手の試合映像はどれくらいご覧になったんですか?
「結構見てますよ。やっぱイメージ大事なんで、結構見るようにはしてます」
――一日何回とか?
「細かくはちょっと分かんないですけど、何気なくバーって流してる感じですね」
――攻略パターンというのは何通りくらいあるんですか?
「何通り…何通りとは……?(笑)わかんないっす、ただ流れなんでちょっと何通りとか言われると(笑)」
――攻略するパターンみたいなのじゃないですか? 今やってるのは。
「それって戦略に入っちゃうですもんね? 入んないか……それバツでいいですか(笑)」
――最近の天心選手の試合を見るとステップを使ってアウトボクシング的な動きをするとか多いじゃないですか。あの動きをされても問題ないような戦略はできてる?
「それは大丈夫ですね、その対策とかはしてるんで。それの対処法で言うと何パターンかあるっすけどって感じですかね」
――なるほど、じゃあ相手の出方をいくついくつも想定してパターンはもう色々あるっていう感じですね?
「そうですね、そういう感じですよね」
――去年の今頃ってHIROYUKI選手と戦ったぐらいじゃないですか。その時から一年でここまで辿り着くというのは想像してましたか?
「あの時はトーナメントが開催されるかされへんか分からへん感じだったから、まさか自分が一年後に天心選手とやってるっていうのは正直想像してなかったんですけど。でもいずれはこうなるだろうなっていうのはあったんで、それがちょっと早まっただけっていう感じですかね」
――ファンイベントで天心選手とちょっとニアミスしたと思うんですけど、対戦決まってから彼と会うってことはあったんですか?
「ないですね。ジムでも会ってないですし、ファンイベントの時も会わないようにして気使ってもらったんでみんなに。ビジュアル撮影の時とかも凄い気を遣っていただいて時間ずらしてもらったりとか会わないようにしてもらってますね」